生きとし生けるものへ   作:ハクスナ

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こんばんわ〜こんにちはHAKUSUNAでございます!
なんとかギリギリ間に合いましたが本気で疲れました!体調も崩してしまったのでちょいと連載が厳しい所ですが頑張ります!
んで、今回は瑞鶴パートですねぇ〜ジャンプぽい描写があるので嫌な人とかいたらゴメンやで…よければまた見ていってください!!


第三十四話 死闘〜瑞鶴〜

 わからない、あの提督という人間が。

 

 あの時私は彼に向かって引き金を引いた。殺したくなるほどに殺意があったから引いた。これ以上の苦しみから逃れたいという幼稚な考えが私を歩ませた。もう翔鶴姉の苦しみを見たくなかったから。そのまま心中しちゃえばいいんだとか考えていた。人間なんて変えようのない屑が跋扈(ばっこ)しているなら生きることなんて諦めちゃえばいいんだって。そう、彼の目も冷たかった。冷え切った目が何処かあの人に似ているように見えたんだ。怖かった、恐ろしかった。体が震えて子鹿みたいに立てなくなるほどにね。信用出来る?信頼出来る?翔鶴姉を慰み者にした彼奴(アイツ)らが?そんな訳ない。ただ、傍観しているだけの屑も女の体を求めるあの男も許せない。誰もが無視して助けてなんてしてくれなかったじゃない。それが何?今更になって助けてくれるって訳なの?――都合が良すぎるのよ、馬鹿みたい。

 

 けど、翔鶴姉は違ったんだ。あれだけの仕打ちをされてもまだ、あの屑を好いていた。最初の笑顔も今までの愛情を全て台無しにしたあの屑を。相談に乗ってくれた時のあの優しさは偽りの存在。本当は自分の赤子を殴り潰して悦楽にしか浸れない屑なんだ。

 

「瑞鶴?」

 

 翔鶴姉はいつも優しい。あの屑もあの彼にも優しさを平等に振り撒く。悪人に振り撒く優しさなんて必要ない。人間なんて消えてなくなればいい。

 

 暗い部屋に一つだけ光る蛍光灯。数匹のハエが集り、チカチカの光れば一匹、二匹と墜ちていく。六本の足を丸めてそのままハエは動かなくなった。そう、ここは懲罰房。最低限の生活が与えられ、生涯を苦しむ場所。翔鶴姉までも犠牲にして得られた結果がこれだ。何も変えられず、生活環境を悪化させただけだ。

 

 廊下から足音がする。足音と同時に響くチリリと鍵の束が看守であるとこがわかった。そして扉の前に看守は止まる。

 

「飯だ、食え」

 

 ガチャンと音が鳴ると明るい光と共に(ほの)かに甘い匂いがやってくる。それは街灯に群がる羽虫(はむし)のように私達は配膳の小窓へと向かう。そこにはまだ湯気の立つ白米と味噌汁。更には味のある栄養食が置かれていた。そして嬉しい事に配膳は二人分も用意されていた。これほど豪華な食事は何年ぶりだろうかと思えてくる。

 

「食える飯が貰えてよかったな豚共」

 

「明日はお前らの最後の出撃だからな」

 

「ラストミールを味わえよ、豚共が...」

 

 看守はそう言うと小窓を閉め、帰って行った。――最後の出撃。それは懲罰兵に科された最初で最後の任務。この豪華な食事も全ては明日の出撃に備えたもの。なるほどね。私達には道具以下の仕打ちが当然って訳ね。

 

 彼に引き金を向けた当然の報い。その罪は死によって洗い流される。死という代価を支払うことで辛苦の日々を終わらす事が出来る。

 

「やっぱり死ぬんだね、私達」

 

 温かいこの食事さえも憎たらしく思える。彼に従順に従えばまた違った未来があったかも知れない。

 

「そんなことないわよ、瑞鶴」

 

「提督は必ず助けてくれる」

 

「彼ならきっとこの戦争を終わらせてくれるから...」

 

 理想を言うのは自由だ。でも現実と区別しなくちゃいけない。勝てる訳がない戦争に挑んで負けたことなんて一番よく知っているはず。どれだけの魂を犠牲にすればこの国はまた勝てると言うの?あの時でさせ負けたと言うのに。

 

「瑞鶴、提督を信じてみましょう?」

 

「あの時だって私達は勝利を信じていたんだから」

 

「お願いよ...瑞鶴」

 

 翔鶴姉は私の頭を胸に抱き寄せるとやると、優しく撫ぜた。

 

「全く瑞鶴は......こんなに頭に(シラミ)を付けちゃって...いけない子ね」

 

 翔鶴姉の温もりが伝わる。優しく包み込むような愛情が体を癒す。

 

「さぁ、提督が下さったお食事を食べましょう?」

 

「明日に備えなくちゃいけないでしょ?」

 

 鉄のトレイに置かれた食事はまだ温かく、湯気を昇らしていた。

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 彼から出撃の命令を下された。翔鶴姉も合わせて私達は攻撃の主力として使われる。彼が私達にどれほどの期待をしているのかは知らない。あれから出撃の機会すら与えられなかった。そんな私達をまた戦場に送り込む。見えない目でどうやって勝利を掴もうとするのか。彼は本当に救いになれるのだろうか――そんなはずはない。死ぬまで足掻く溝鼠(ドブネズミ)ようにしかないないのだから。

 

 乾ドックに入り、指定された乾ドックに向かう。やたらとこちらに向く視線。それはとにかく冷たく、淀んでいた。そんな屑を無視して進み一番右端の乾ドックへと入る。さっさとこんな場所からおさらばしてやりたかった。上から降りてくる艤装と妖精さん達を収容し、抜錨に向けて準備を進める。

 

「よろしくだぜぇ!アネキ!」

 

「はいはい、さっさと抜錨前艤装点検終わらして行くわよ」

 

「へいへい!」

 

 口の軽い妖精さんが今回の飛行隊長ね。まあ、アネキと言われるのは少し嬉しいけど...

 

「てんけんおわり!」

 

「いつでもいけるぜ!」

 

 もう一度艤装の確認をする。久しぶりに装備する艤装は異様に重かった。動いてないのも相まってその分重く感じているだと思うけどね。通信機を耳に装着して司令部に通信を行う。

 

「HQ、こちら瑞鶴」

 

「抜錨前艤装点検完了、いつでも出撃可能です」

 

 音声通信を開くと聞き慣れた声が返ってきた。

 

「こちらHQ、了解」

 

「十秒後に注水を行います」 

 

「頑張って下さい、瑞鶴さん」

 

「あ、ありがとう...大淀」

 

 間もない内に注水弁が開かれる。数か所から青く輝く液体が乾ドックへと流れ出す。一分もすれば足元まで液体が流れ込んでくる。前の扉が青く光ると注水が止まる。そして扉はゆっくりと開かれる。

 

「五航戦、瑞鶴出撃」

 

 (かご)に囚われた小鳥は自由を求め、羽を羽ばたかせる。自由な大空へと飛び立つためにその翼を空へと解き放つ。自由と謳われた大海原へと。蒼穹(そうきゅう)渦巻く水平線へと。

 

 先の見えない海原は心を洗い流してくれる。目を少し瞑り深呼吸をする。すると、今までの事がちっぽけな悩みだったみたいに忘れさせてくれた。こんな自由があればどれだけ幸せなのだろう。もしも、平和な世界で翔鶴姉と二人で砂浜を歩けるのなら何をしていただろう。そんな世界を妄想しながら水平線の先に進む。

 

 しかし、青かった海は次第に赤くなる。現実に引き戻されるようにその海は妙な緊張感を齎す。錆鉄のように覆われた海がこの先の道を表していた。

 

「みんな聞いて!」

 

 艦隊通信で声を荒げる少女が一人。艦隊旗艦の川内だった。

 

「司令部からの入電で『この通信をもって以降、HQとの無線封止。無線封止解除は目標海域現着以降とする』らしいから以降の通信は厳禁だよ!」

 

「それと艦隊通信、GPS以外の通信機は全て停止」

 

『了解!』

 

 敵海域を進む。あれだけ波打っていた海は静寂に包まれていた。潮の流れすらないここは波音すら聞こえない。ただ、赤く広がる海と空だけだった。

 

「アネキにいけんぐしん!」

 

「ていさつきのはっかんをもとむ!」

 

「わかった、とりあえず南西と南東に二機ずつ発艦させるわよ」

 

「アネキ!かんしゃやで!」

 

 赤い海をひたすら真っすぐ進む。偵察機からの応答は未だなかった。ふと、隣にいる翔鶴姉を見る。

 

「翔鶴姉?」

 

 顔に影が掛かったかのように暗い面持ちをしていた。私は翔鶴姉に近づき手を触る。触る手は少しながらも震えていた。

 

「ねぇ、大丈夫なの?」

 

「え?あっ、うん...大丈夫よ」

 

 翔鶴姉は嘘を付くのが下手だ。人を安心させるためにいつもニコニコ笑って本当の気持ちを表に出さない。

 

「何年一緒にいたと思ってるの?そんな見栄を張った嘘なんてわかるに決まってるじゃない」

 

「......瑞鶴、私ね――」

 

「司令部から入電!『無線封止解消!目標海域到着。発艦準備!』」

 

 声を挟むように発艦準備の号令が飛ばされた。その声を聞き奮い立たせる妖精さん達が準備を進める。

 

「アネキ!さっさとはっかんしよう!」

 

「え、ええ...」

 

 定位置に戻ると同時に、妖精さん達が飛び立つ準備が終わる。

 

「ぜんき、しゅつげきできるぞ!」

 

「わかった、直掩機の十機を残してそれ以外は発艦!」

 

「りょうかい!」

 

 大丈夫、今までの経験は無駄にしない。翔鶴姉には指一本触れさせやしない。目標だけに集中して弦を引く。

 

「アネキ!いけるぞ!」

 

「攻撃隊!全機発艦ッ!」

 

 張り詰めた想いを吐き捨てるように打ち放つ。続々と攻撃隊は発艦していき最後の機体が飛び立つのを見送った。これで、私達の役目は終了って訳ね。

 

 そうして翔鶴姉に視線を向ける。しかし、翔鶴姉の持つ弓から放たれる艦載機はどこにも見られなかった。

 

「翔鶴姉!」

 

「...引けない」

 

「え?」

 

「弓を引けない...」

 

「駄目なの...右手に力が入らないの...」

 

 翔鶴姉の右手は小刻みに震えていた。これじゃあ狙いが定まる所か打つのことも怪しい。

 

「情けないお姉さんでごめんね...」

 

 情けない?翔鶴姉の何処が情けないのよ。私は認めない。翔鶴姉の凄さなんて私が一番知ってるのよ。コツコツと毎日練習して、駄目なとこ直そうと必死に努力する翔鶴姉のどこが情けないって言うのよ。

 

「...認めない、私は認めない」

 

「ず、瑞鶴?」

 

「翔鶴姉!弓を構えてっ!」

 

「で、でも...」

 

「いいから!」

 

 翔鶴姉の後ろに立って右手を支える。弓を持つ手を優しく握り、弦を引く。少しずつと弓は反り返る。大丈夫、私達ならやれる。

 

…………

 

「――甘いですね、弓の引き方が弱すぎる」

 

「それに手が震えています」

 

「どうしたらそんな初心者みたいな真似が出来るの?」

 

「なによそれ!言い過ぎでしょうが!」

 

「はぁ、全く手の掛かる子ですね」

 

 やれやれと大きなため息をつく。そして私に近づくやいなや後ろに立つ。

 

「いいですか、一度目を閉じて大きく息を吸いなさい」

 

「すぅ...はぁ...」

 

「そうよ、やれるじゃない」

 

「目を閉じながら空を飛ぶイメージしなさい」

 

「...」

 

「そのまま目線を下に移しなさい、目標が見える?」

 

「...見える」

 

 緊張感してるのにこの安心感は何故だろう。数ミリの距離しかないほどに密着した体は互いの体温を伝わせる。

 

「いい調子ね、そしたらゆっくり目を開きなさい」

 

「今、何が見える?」

 

「...的」

 

「そうね、ただの的ね」

 

「放ちなさい」

 

「え?」

 

 その声と同時に矢は飛んで行った。何?教えてくれると思ったら揶揄(からか)われてたの?後輩じめて楽しいんでるとか普通にあり得ないんですけど。そう思って的を見る。矢は的確に的の中心に当たっていた。

 

「ね?言ったでしょ」

 

「なんか...納得出来ない...」

 

「そう、ならこれからは好きにすればいいじゃない」

 

「貴方が好きなようにやればいい、もちろん私は責任は負いませんので」

 

 …………

 

 大丈夫、必ず引ける。

 

「翔鶴姉、目を閉じて深呼吸して」

 

「...」

 

「空を飛ぶ鳥をイメージして」

 

「...」

 

「そしたらそのままゆっくり下を見て」

 

「何か見える?」

 

「わからない...けど黒い何かが...」

 

 右手を支える手に力を入れて弓を引く。

 

「じゃあ目を開けてみて」

 

 そして支える手から弓を放つ。放たれる矢は次第に遠くへと飛びって行った。

 

「ね?出来たでしょ」

 

「その調子で引いて、ちゃんと私が支えるから」

 

 順調に空へと飛び立つ艦載機。そうして翔鶴姉の攻撃隊全てが発艦した。二人で支え合えばきっと乗り越えれるってことだよね。立派なあの二人みたいになれたりするのかな。もし、なれるから嬉しい...な。

 

 攻撃隊からの連絡が来るまでは嫌な汗が流れた。しかし、その不安を払拭するような吉報が届く。

 

「こうげきたいから、れんらくきたよ〜『てきさんのケツにひをつけてやったぜ!』だって〜」

 

「やった!攻撃は成功したのね!」

 

 どうでもよかったはずなのに心がドキドキと踊ってしまう。あの時の報いと言うのなら「ざまぁ見ろと」と、敵に送ってやりたい所だ。所詮、ただの基地爆撃に過ぎなくても今はそう思いたい。

 

「ていさつきから、れんらく〜『ワレ、テキカン、ハッケンセリ!』、HQからも、おなじくみつけたって!」

 

 やっぱり現れたわね。昼間の話に出ていた内容が本当なら川内の姉妹があそこにいる。偵察機からの連絡だと敵艦の数が多すぎる。戦うよりもまずは逃げないと...。通信で撤退の意見具申を通そうと試みるが、

 

「駄目です!ここで諦めたら!みんなを信じてください!瑞鶴さん!」

 

 一際大きく声を出す小さな少女。雪風という小さな少女は川内の意向を最大限に尽くそうと主張する。何がそこまで彼女を動かすのだろう。翔鶴姉までもが雪風の意見に賛同していた。全くお人好しなお姉さんなこと。

 

 そうもしている内に攻撃隊が帰還する。あれだけいた艦載機は半分しか帰っては来れなかった。

 

「やれはしたが...ひがいが...な」

 

「はんぶんは、かえってこれなかった...すまん」

 

「ご苦労さまって言いたい所だけど新しい目標よ」

 

「はぁ?かえってきたところでまた、でるのかよ!」

 

「翔鶴姉の顔に泥は塗れない...」

 

「...わかったよ!いくからじかんをくれ!」

 

 対艦装備に換装するまで十分以上は掛かるし、敵からの砲弾も飛んできてる。川内はこの中を本当に行く気なの?

 

「みんな!陣形を単縦陣にっ!一気に行くよ!」

 

 被害を顧みない無謀な特攻。それを誰もが否定ぜずに後に着いていく。

 

「よしっ!いけるぞ!!」

 

「翔鶴姉!いくよっ!」

 

「最後までは抗って見せます!」

 

「第二次攻撃隊発艦始め!」

 

 立ち昇る水飛沫が柱となって襲いかかる。服は濡れ、砲弾の破片が体の真横を掠めていく。次第に敵の砲弾の精度も上がっていく。以前敵との数は不利のまま進むしかない。

 

「みんな、聞いて」

 

「これ以上は艦隊が危ない、だからみんなは撤退して」

 

「私はこのまま進むから」

 

「は?どいうことよ!」

 

「だめでぇす!先に一人で行っちゃ......」

 

 川内はそう言って一方的に通信を切って落伍した。一時的に敵の砲火は止み、攻撃隊も攻撃に成功はした。しかし、先に行ってしまった川内の無事は分からなかった。

 

「雪風は川内さんを追いかけます!」

 

「駄目ですってば!そのまま行ったら貴方まで犠牲に...霞も雪風を止めてください!」

 

「だからっ!雪風は――」

 

 言い争いが続いていると一際大きな爆発が聞こえる。それは丁度、川内が落伍した方向と一致した。最悪予想が頭を過る。

 

「雪風は......見捨てません...そこに少しでも可能性があれば川内さんは...生きて――」

 

「あの爆発よ、沈んだに違いないわ」

 

「死んでなんかいませんっ!」

 

『...』

 

「...雪風は雪風なりの手段で抗ってやるんですっ!」

 

「そう...決めたです......」

 

 抗いを求める少女の顔にはポツポツと涙が落ちていた。すると、翔鶴姉が雪風に近づき頭を撫でる。

 

「翔鶴姉...」

 

「行きましょう、川内さんの所へ!」

 

 諦めの悪さは一体誰に似たのか...全く、翔鶴姉は誰でも助けようとする。一人ではどうしようも出来ないのに。

 

「はぁ、好きにすれば...現実はそう甘くないわよ」

 

 少しの可能性を求めて敵の潜む海域を進む。雪風を先頭に爆破地点に急行する。敵のやまない砲撃を耐えながら突き進む。敵まで目と鼻の先に接近した時、それは見えた。深海棲艦の残骸だと思う黒い物体が水面に浮かぶ。敵に魚雷が命中した隙を着いて物体へと接近する。

 

 それは何かを守るように二体のチ級が倒れている。よく見るとチ級はまだ息をいていた。二体のチ級を退かすと五体満足の川内がそこにいた。雪風が気を失った川内の上半身を持ち上げる。

 

「起きてください!こんなところで居眠りなんてゴメンですっ!」

 

「なんのための作戦なんですかっ!バカっ!」

 

 その声に反応するように川内は重く目蓋を開ける。

 

「なんで...みんながここ、に...?」

 

「助けに...来たの...?」

 

「川内さんのためにみんなが頑張っています!」

 

「私達五航戦が肩を貸します!撤退しましょう」

 

「ま、まって!まだ二人が...」

 

 体を起こして二体のチ級を目にする川内。状況を察したように二体にチ級を見つめる。その目はどこが嬉しくも悲しい面持ちが伺えた。辛うじて原型は留めてはいるが二体のチ級は時期に鉄くずへと変わる。

 

「そっか...二人が守ってくれたんだね...最後まで守られてばっかりだったな......」

 

「ごめんね、二人とも...また、ヘマしちゃった...」

 

 川内は二人へと近づき、抱きしめる。それは誰よりも幸せそうな笑顔をしていた。二人のチ級と話し始める。

 

「そうだよね...ありがとう」

 

「今までありがとうね...」

 

「――雪風お願いがあるの」

 

 雪風に振り向くと少し申し訳無さそうにしながらこう言った。

 

「二人を沈めてはくれないかな...?」

 

「そんなの......雪風には...出来ません」

 

「そっか...そうだよね」

 

「私が終わらせないとダメだよね」

 

 奇跡的一門だけ動く主砲を二人に向ける。

 

「神通、那珂......今までありがとう」

 

「そして、さようなら」

 

 砲火が二発鳴り響く。赤く広がる海に響く悲鳴。幸せの日々は続かない。私達は深海棲艦と人間から全てを奪われた。

 

「こちら、時雨」

 

「敵の撃破に成功。追手の艦載機がやってくる前に撤退しよう」

 

 私と翔鶴姉は川内を抱え、帰路に着く。長い旅路が終わりを迎える。しかし、戦争は終わらない。この赤く広がる海は私達を飲み込んでいく。変えようのない事実を折り曲げれないのは私が一番よくわかってる。それでも一つ希望があるとするのなら。翔鶴姉が笑って暮らせる毎日があればそれでいい。

 

 鎮守府近海に入ると二羽の水鳥が出迎えてくれた。二羽は空を自由に羽ばたき大空を飛び回る。それは私達を見守るように鎮守府の側まで付き添ってくれた。 

 




 いやぁマジで疲れたぞ…今回の話は全部一日で書いているので体力がないなった…
まぁそんなことはどうでもいいけど連載が正直言って厳しいです…リアル忙しいので週二でも厳しいです。とりあえず寝言は言わずにまた書きますね!

もう少しコアな表現入れても大丈夫ですか?

  • 大丈夫だ、問題ない
  • いやです!これ以上艦娘をいじめないで!
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