いやぁ…なんか一ヶ月近く丸々投稿していませんとかいうアホ展開をさらけ出している最中ですが、中々いい文書が思いつかんのじゃ!多分スランプってやつ、多分!
そんで今回は提督編!霞編のちょいと前の描写になるかなぁ〜今回は前よりも胸糞要素とかグロ要素は徹底的に省くようにしたのでおこちゃまでも見られるよ!!
夢を見ていた――世界が幸せで包まれているのだと。
一人、また一人と生きていたものが肉塊へと変わる。四肢が玩具のように外れ、青がかっていた水面はどす黒い赤に染めていく。それはどれほどの生命を赤色に染めたのだろうか。
砲火の中、俺達は進み続けた。
天高く硝煙が立ち上り、太陽によって海が赤く染まる。
そこは――まるで地獄のようであり、しかし着実に死へと向かっていた。
「中尉殿?」
インカムから聞こえる声は透き通るように鼓膜に届く。広々とした大海で我々は憎き敵を葬るため、
「先行している第三十四海上護衛隊から通信!」
「我、敵艦発見セリ!突入ス。取舵
次第に海は赤黒く染まり、水平線の先からは咆哮が見える。着々と近づく仇敵に闘志を燃やしながら、機関を第五戦速へ増速、陣形を輪形陣から単縦陣へと変え、先行する部隊へ急行した。
「先行部隊から救援要請!」
「中尉、指示を!」
敵の数が少数とはいえ、火力不足なのだろう。所詮は艦娘の技術を模倣したものに過ぎない艤装だ。装甲、火力、速度全てにおいて劣勢なのは明らか。数で押し切るしか、我々には残されていない。
「F-2から支援は?」
「二十分後です」
「――急ぐぞ」
「了解!」
しかし、時間は残されていなかった。
着々と死が近づいていたんだ。
先行まで残り四百ヤードといった所だった。空気に伝わってくる振動が戦場であることを知らせる。
海風に乗ってくる硝煙が血の生臭さをかき消していた。一面に広がる赤い海。文字通り血のように真っ赤な海は我々の行く末を見ていた。
「F-2は!?」
「未だ…通信ありません……」
「いや――待ってください!これは……」
「電探に感あり!距離、二十五マイル!数、三十……四十機以上!?」
「目標を『Unknown』と推測!」
未だに支援に現れないF-2に加え、不明機の接近。まるで、我々の行動を見透かされているような動きが不自然だった。
「Unknownからの
双方ともに応答がない時、どうするのか。もし、それが他国の軍用機や民間機の場合、国際問題に発展しかねない。だが、我々にはその予断を許される暇はなかった。
「全員に告ぐ!!目標を『Bandit』と断定!対空戦闘用意!」
数少ない対空火器に火を入れる。対空レーダーには無数の
「今すぐHQとの通信を繋げろ!無線封止解除、急げ!」
「だ、駄目です!敵からの電波妨害を受けて……繋がりません!」
状況は最悪だった。今まで対処出来ていた電波妨害すら翻弄される始末。戦争は我々を次第に蝕んでいるということに気づく者は少なかった。と、言うよりは気づけるほど余裕のない世界だったのかもしれない。
「見えましたっ!先行している部隊です!」
水柱の立つ中、防戦を続けている彼らへと俺達は近づく。すると、ノイズ混じりではあるが、インカムからとある声が聞こえてくる。
「こちら、第三十四海上護衛隊。支援に感謝する」
防戦一方の彼らは酷く狼狽し、疲弊していた。敵に対して我々の艤装は遥かに脆弱であった。それを物語るように、無数の残骸が海面に浮かび、夕日に反射している。
正面に大きな水柱が立ち上る。それと同時に巻き上がる誰かも分からない体の一部。人形のようにそれはバラバラに、服か艤装か分からない物体がひらひらと舞い落ちる。先行し、突出するだけで、我々は奴等の玩具へとすり替わるしかなかった。
「現在我々は敵艦の攻撃で狼狽している状態だ……被害も大きい。早急に引くべきだ」
「了解した、では我々が支援しましょう」
「それは助かるが……今回の敵、侮ってはいけないぞ……」
「ヤツら、以前よりも頭が回る……一定の距離から近づくにも近づけん……」
インカムから聞こえてくる声が震えている。恐怖心からか、緊張によるものなのか、それとも両方によるものなのか。確信していることは誰もが必死であったこということだ。
「急げ!後続も撤退させろ!」
我々は後退の支援として戦線を維持した。主砲の即応弾を撃ち尽くすほどの苛烈な攻撃を加えた。しかし、奴等は確実に我々の戦力を確固に撃滅していく。
「敵の攻撃が激し過ぎます!これ以上は持ち堪えられない!」
「中尉、撤退命令を!」
「まだだ!戦線を維持しろ!!」
後退中の部隊から通信が来ない。電波妨害が影響しているのだろうか。それでもあと少し、あと数分稼げれば……
「一秒でも長く時間を稼げ!」
インカムからは悲鳴と断片的な報告が混じり合う。誰かが怒号を張り上げ、海面を見れば、折れた鉄片と血が入り混じった泡が広がっていた。
「敵機目視で捉えました!――急降下してきますっ!」
「各員!回避運動急げ!」
鉄の鳥はやがて舞い落ちる。夕日の海に照らされて、橙色に光って落ちてくる。空気を切り裂いて、悍ましい鳥の子が落下していく。たちまち海上に水の柱を立て、海中に泡を立てる。また、大きな轟音とともに海中へと没する。逃れたとしても、吹き付ける鉄の槍が体を穿つ。逃げ惑う者、傷を負って辛苦を味わう者、さらには共倒れを狙う者と、一つの出来事が人間の尊厳を容赦なく破壊していった。
「こんな命令なんかに従えません!」
「おい!どこに行く気だ!戻れ、葛城!」
戦列を離れていく彼に賛同していくように一人、また一人と戦列を抜けていく。
「艦隊一時……十時の方向から雷撃機多数接近……!」
我々は一心不乱に耐え続け、戦い続けた。砲撃の轟音が鼓膜を叩き、眼前の水柱が視界を遮る。次々と仲間が倒れていく。
空からの眩い閃光に包まれ、吹き飛ばされた艤装と人体の破片が雨のように降り注いだ。意識が途切れかけたとき、水平線上に逃げていく味方の影があった。
気が付けば、あたりは静寂に包まれていた。血の海と焦げた鉄の匂いだけが漂う戦場で残っていた。
敵味方の残骸の間を縫うように、俺は進んだ。砕けた艤装を分離し、傷だらけの体で海面を滑るように移動する。敵の追撃は止まない。数キロ後方からは追ってくる奴等の影。
赤い海と青い海の狭間、人影が見えた。身構える俺に向かって小さな声が響く。
「中尉……」
「まさか生き残っていたとは…」
それは葛城達だった。戦列を離れて逃げた葛城と、彼に続いた数人の部下達。彼らの顔には安堵と恐怖が入り混じっていた。
「……」
「葛城……俺らこのまま帰っても極刑だよな……」
葛城と逃げた一人がそう口ずさむ。
「それに、この傷……俺はもうダメそうだわ」
見下ろすと、制服は血に染まり、内臓の一部が見えている。もはや止血のしようもない致命傷だった。
「何を言って……」
「葛城、俺を撃つんだ」
葛城の顔がゆがんでいる。彼の目には涙が浮かんでいた。
「この恐怖と苦しみから逃げたい……銃を抜け」
葛城はホルスターから拳銃を取り出す。両手に持ち、震える手でセイフティレバーを解除する。
海の彼方から敵艦の咆哮が近づいてくる。時間はない。
「中尉……お願いします!我々を助け――」
「いいから撃てと言ってるだろうが!!」
しかし、銃口は絶えず揺れ、葛城の目からは涙が止まらない。彼の指は引き金に掛かったものの、それ以上は動かなかった。
「いやだ……私は人を撃つために戦っているのでは……」
俺は負傷した部下に目を向ける。拳銃を抜き、ためらうことなく引き金に指を置き、そして引く。震えていた部下の体が硬直し、ゆっくりと崩れ落ちる。彼の目は見開かれたまま、もう何も見えなくなっていた。
やらなければやられる——世界、いや人間として生まれてしまった宿命なのだろう。
「そ、そんな……なんで……」
「……どうしてですか……中尉」
「逃げたとしても、死からは逃れられない」
「それが早いか遅いかの違いだ」
束の間の休息は終わりを告げた。追っ手の敵艦隊が砲撃を再開し、水柱が立ち上る。
「クソッ……」
手には赤黒く錆びついた匂いがこびり着く。艤装は装甲が剥離し、砲も魚雷管も使い物にならない。そこにいるのは戦いによって生まれた一人の孤軍だった。
目的のために死んでいく仲間達。その手を掴む前に消えていく。叫び、藻掻いても過去の幸福だった日々は取り戻せない。
すっかり辺りは暗い、荒んだ世界へと変わり果てる。空を見上げると、無数の星々が輝いていた。暗闇を照らすように彼らは眩い光を放つ。黒くなった海を彼らは照らす。自らを燃やし、光り輝く彼らにも、いずれは終わりがある。終焉を迎えれば残るのは暗黒だ。
それでもどこか……彼らは美しく見えた。
「もし、あの星々のようになれたなら――」
一言呟き、俺は目を閉じた。
――――――――――――――――――――――――
俺は夢を見ていた――現実によって作られた悪夢に。
暗闇の中を彷徨う。けして消えることない暗雲。それが今まで俺の見てきた世界だった。記憶を繰り返し、ダビングして過去を蘇らせる。
恐らくは後悔の念によるものだ。関係を持ってしまったこと、間接的に死に関わったこと、助けられなかったこと——それらすべてが記憶として重荷となった。。重責として俺の後ろには無数の屍が山を成している。
だから成し遂げなければいけないのだ。深海棲艦に報いを受けさせるという目的に。
そして俺は今日も目覚める、ある男の手によって。
「やっと起きましたか、ほんとに死んだように眠るお人なこと…」
胸を突く声が聞こえる。視線を声に向けるとそこにはあの男が立っていた。目を細め、何を考えているのか分からないその顔はニヤリと微笑む。
「またお前か、まったく…いつまで生きてる気だ?」
「ふっ、その台詞そのままお返しましょう」
広角を上げ、軽く失笑する男の顔はゴミを見るような目であった。かの男は冷たい瞳で俺を見下ろし、口元に嘲笑を浮かべている。かつて俺の下で戦った兵士の一人、今では復讐に燃えた男は、憎悪を込めた声で言った。
「あの時生き残ったのは、貴方と私と逃げた数人だけ……後退する部隊の支援といって部下を死なせたのは貴方だ、滝沢大佐」
「……」
「わかっているでしょう?あなたの目的のために何人もの尊い命が犠牲になったことを」
「……あぁ、覚えている。あの時、お前の前で撃ったことも――」
「黙れ!」
その目は狂気に満ちていた。怒りに身を任せ、冷静さを欠いた荒い息遣いをしている。
「何故撃ったッ!?何故私に撃たせなかった!」
「……お前は何もわかっていない。いや、わからない方が幸せだ」
そう、あれはわからない方がいいことだ。
人に銃口を向ける罪悪感、引き金を引く決断の重さ、そして命を奪った後の虚無感——それらを男に背負わせる。汚れた手はこれ以上増やす必要はない。だが、彼にはそんな思いが通じるはずもなかった。
「貴方は屑だ、どうしようもない偽善者だ」
「目的のためなら仲間すら犠牲にする外道」
「それが何ということか……艦娘というものに見惚れたのか、惑わされたのか知りませんが、彼女達に夢中ではありませんか……」
「滝沢大佐、私は貴方のことが嫌いだ!手段を選ばず、我々を犠牲にし、ここにいることに」
かつての上官への敬意は完全に消え失せ、今はただ怒りだけが残っている。
「その責任、いつか支払って貰いますよ」
「好きなようにしろ」
男は黙ったまま、俺を見つめていた。その目には憐れみと軽蔑が混じっている。それが奴の性分というものだろう。
沈黙が部屋に満ち、やがて男は小さく笑い始めた。最初は押し殺すような笑いだったが、次第に大きくなっていく。
「ふっ、ふふふ……やはりわかってないようですね」
「ほら、持ってください」
男はホルスターにしまっていた銃をくるりと回してグリップを俺に向ける。男は薄笑いを浮かべながら、まるで取引を持ちかけるような口調で言った。
「貴方にはまだ死なれては困ります」
「どれだけ貴方を毛嫌いしようと、今は味方……仕方ありませんが協力して貰います」
彼は手を差し出した。それは偽りの和解のジェスチャーに見えた。
「なんとでも言うがいい――今はな」
「ふふ、そうですね……今は」
後顧の憂いをなくすため、武器を取る。血を流し、膿を出し切り、残ったもので新たな秩序を作る。しかしそんなもの、俺には必要ない。
責任を負いし者はその責務を果たす。死んでいった家族、友、仲間に償いをこの体を持って対価とする。
「さぁ、行くとしようか」
それが、この地球と呼ばれる星に生まれた変えられようのない宿命なのだから。
最近は投稿遅くなって申し訳ねぇ…リアルが非常に立て込んでるのと体調が悪すぎて執筆どころじゃねぇってことが重なりすぎてる……ぬぅ!どうしたらええんやろな、一応物語の内容はある程度出来てるから完成させるだけなんだけどやる気がね…
そういえば気づけばお気に入りが100超えてました!めっちゃ嬉しいにょ!まぁ、あと出来れば感想書いてくれたりとかすると今後の参考になるのでオナシャス!!
もう少しコアな表現入れても大丈夫ですか?
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大丈夫だ、問題ない
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いやです!これ以上艦娘をいじめないで!