今回も更新遅れて申し訳ねぇ…やっぱりリアルと両立するの難しいわ…(´・ω・`)
まぁ今回は提督視点での描写になりますねぇ。今回はそこまでのグロ描写とかは入れてないですけど霞視点と繋がってるのでまたあの地獄を楽しんでちょ(*^_^*)
良ければコメントくだちぃ(コメント乞食)
地中深くに潜り、我々は知る。この国――いやこの世界に
地底深く、陽光とは程遠い暗黒が支配する場所。屍に成り果てた者達が阿鼻叫喚する。子が親の血肉を貪る。
「作戦概要を説明します」
天井に取り付けられた薄暗い照明の下、男達がテーブルを囲み、出力された物体を見ている。光を放っているテーブルには宙に浮かび上がる立体的な地下都市の姿だった。淡い青と赤の光で形作られた兵棋駒が次々と現れる。味方は青、敵は赤に光を灯していた。敵味方の駒には「歩兵」「機甲」「近衛」などの紋章が浮かび上がっていた。
「現在、我々の投入出来る戦力は……」
それは、光で出来た戦場のミニチュアだった。ボードゲームのように我々は戦力を動かす。しかし、そこに映る一つ一つの光は、生きた兵士たちの命と直結していた。
「……となっており、戦力差としては多少ながら我々が優勢といった所です」
技術士官による戦力配分の話が終わり、将官が頭を捻らせ、戦略を思案する。そこにいるのは陸海空問わず集まった
「迅速に各省庁を落とし、大本営を制圧しなくてはならない」
「では、足の速い
兵棋駒を動かし、編成が決まっていく。的確に物事を決断している彼らは、腐りきった軍部の様子を伺わせない。それは国を護るという強い意志が動かす魔法だった。
「大本営突入後、部隊を二手に分かれさせます。制圧には三個小隊を。残りの一個小隊を艦娘救出に向かわせます」
「よろしいでしょうか?滝沢大佐」
一言いい、技術士官は俺の顔を見る。若く、まだ二十そこらもいかない士官。しかし、曇りすらない
「問題ない、だが――」
声を挟むように作戦指揮室の扉が開く。喉に出かかっていた言葉を止め、現れたのはあの老人だった。その場にいる将官が彼に敬礼し、視線を向ける。視線は成人男性の身長よりも低く、俺は老人の状態に唖然する。
薄暗い照明の下、金属の車輪が床を擦り、僅かに軋む音を立てる。背筋はやや曲がり、骨張った両手を膝の上で静かに重ねている。老人は自ら歩けなかったのだ。
「休んでくれ」
老人の一言で頭から手を下ろす。老人は将官全員の顔を一目見ると、口角を上げる。優しく、だが、一段と意志の強い目をしていた。
「まずは、ここに来てくれた諸君、戦場にいる兵士達に感謝を」
座ったまま、老人は深く頭を下げる。感謝、自責の念など様々な思いが籠もったものだった。
「陸海空の将兵が同じ意志の下に集まったのだ。政治の腐敗、軍部の汚職の数々――ワシは見過ごす訳にはいかないのだ」
「かの昔、大きな戦争があった。海を跨ぎ、大勢の人が死んだ。ワシの先祖はその戦争の始まりに立ち会っておった」
老人は意志は誰よりも固く、それは表情に事細かに表れていた。
「忘れられぬ十二月八日……軍部のコントロールが効かず見過ごす事しか出来なかった戦争。それを我々は犯そうとしている」
繰り返す過ちに対しての憎悪と憎しみ。善意から来るものなのか、ただの自己満足なのか。今となってはどうでもいい。しかし、彼をここまで突き動かした、それは間違いない事実だろう。
「同じ手を踏むわけにはいかない!見過ごしてはならんのだ。もし次……次同じ手を踏めば……我々は子供一人残らず滅びる」
骨張って弱っている左手を固く握り、頬から伝う一粒の涙があった。
醜い戦争――俺にとっては手段の一つでしかないのだが、その虐殺じみた行為が人を狂わした。戦場で過ごした日々、死なない者も一日足りとはいなかった。死なす事しか出来なかった奴もいる。
「いいか、この戦いに国の全てがかかっておる。ここに来られなかった同志達のために、勝利を掲げよ!この泥沼の戦争を終わらせるための戦争だ!」
『はいっ!!』
意志が統一され、全員が一つの目的のために動こうとしていた。一挙手一投足揃え、社会図を構成する。日本人特有の集団社会と言うものが、良くも悪くも現在まで生き延びさせた理由だろう。
馬鹿馬鹿しい。俺にとっては、何よりも先に駆逐すべき奴等がいる。だから俺は二人を助けるのだ。国の後先など知ったことではない。
テーブルに向けていた足を九十度曲げ、扉に向かう。その行為にその場の視線が集まる。
「滝沢大佐、どこへ行く気で?」
「俺は直接二人を助けに行く」
一度足を止めると、沈黙が木霊する。彼らからは常軌を逸しているように見えたのだろう。数秒の沈黙の後、技術士官がこう言った。
「ほ、本気で行く気ですか?無礼を承知で言いますが、あなたは 『大佐』なのですよ!?何故……」
俺にとって二人は必要な存在だ。目的のための手段なのだ。それを失うわけにはいかない。
己を戒める。軍に入った理由――それは奴等への復讐だ。体に刻まれた戦傷が思い出させる。俺の後ろには家族、仲間の屍が山となって見つめている。その時を今か今かと微笑みながら蔑んだ目で俺を見ている。
「助けるために階級など必要ない。それに私にはそんなもの必要ない」
だから俺は戦わなくてはならないのだ。この命、朽ち果てるまで。その最後の一生になる一瞬まで。
「行かせて上げてください」
聞き覚えのある声が背を後押しする。それは仲間を見捨て、利己に走った者の末路を辿った葛城だった。
「お、お前……」
何故アイツが俺に賛同したのかは分からない。人を見捨てるような人間だ。また、良からぬことでも考えているのだろう。
口角を上げて、その細い目を見開く。如何にも怪しさしかない奴の態度にも老人は、誠実そうな顔を浮かべ、述べる。
「よかろう、ワシ直々の命で滝沢君を最前線の指揮を任せる」
「感謝致します」
奴の口角が釣り上がる。これを待っていたかのように奴は話を続けさせる。
「その代わり……」
「私も滝沢大佐と同行させて下さい」
奴の細い目は老人に向けられ、返答を待っていた。俺は鳩が豆鉄砲を食らったかのように目を見開いた。
「何故お前が……!?」
奴は一目俺を見ると、何事もなかったかのように老人へと視線を戻す。どうやら俺の意志に関係なく着いてくるようだ。
「好きなように着いていけ、ここはもう足りておる」
この采配に何の意味があるのかは分からない。横に裏切り者を同伴させるなど正気の沙汰ではない。だが、止まってはいられない。二人を助けなければ奴等には勝てない。
「滝沢君、大事な
仲間……か――
「ご武運を」
――――――――――――――――――――――
俺と葛城が最前線に着き、作戦は始まった。作戦通りに各省庁への迅速な制圧を進め、難なくこれに成功した。作戦開始から三十分が経ち、順調に次の段階へと進もうとしていた。
その時だった、ある一人の伝令によって一報が届く。
「伝令!!内通者からです!二人は……生きています!大本営の奥深くの研究所内です」
「わかった。他には何か?」
「いえ……それ以降通信が途絶えて応答が……」
収穫はあった。二人は生きている……それだけでも大きな朗報だ。詰まらない余興などを終わらせ、彼女達を助けなければいけない。
「なるほど……なら作戦を早めた方がよさそうだな」
「大本営本陣へ突入後、これを制圧し、艦娘を救出せよ!」
『了解!』
解散後、戦闘に備え、俺は支給された装備を身に着け始める。
軍服の上に防弾チョッキを装備し、軍靴に履き替える。武器庫からは
デジタル迷彩柄の戦闘服に傷だらけの小銃。どうやら海軍を辞めて、陸軍にでも転属したようだ。
「やる気のようですね。しかし、その白い軍服は目立つのではないかと」
奴の嫌味にも聞き慣れてきた。しかし、人を裏切り者ような奴と戦うことになるのが、久しぶりの実戦というのは残念なことだ。
「いや、これでいい。どうせ着替えの服などないからな」
「フフッ、それで死なれては困りますよ」
奴がクスクスと笑い、こちらを見つめる。先ほどとは違った真剣な目で見つめ、揺るぎはなかった。それに応えるように俺は奴に言葉を返す。
「当然、死ぬつもりはない」
「行くぞ」
薬室に弾丸を込める。これから起きるのは
心に覚悟を決め、俺は一歩を踏み出した。
我々は大本営に向けて突入した。一個中隊からなる急襲部隊によって同時攻撃を開始。俺は大本営正面から攻撃する小隊に同行し、進んだ。
コンクリートの壁に銃弾が跳ね返るたび、破片が飛び散った。まるで、あの時の車から出た時のようだった。どこに行っても鳴り止まない銃声。火薬と焼けた鉄の匂い。それが尚更過去の記憶を思い出させた。
「前方から敵のAMV接近!」
大本営までの道のりは地獄だ。迷路のように入り組んだ施設内部は要塞と言っていい。
「次は逃げるなよ、葛城」
「逃げませんよ。それに貴方には死なれては困ります。まだまだこれからですよ」
味方の兵士が携行していた対戦車ミサイルが敵AMVに命中し、爆発する。黒煙が立ち昇って、視界を覆う。しかし、その黒煙からは鋭い音とともに弾丸が現れる。
「大佐、一時から何か来ますよ」
奴の声とともに地響きが忍び寄ってきた。重く鈍い振動に息を呑み、
「来るぞ……」
戦車だ。敵の10式が轟音を炊き立てながら、崩壊した建物の隙間をぬるりと滑るように進んでくる。履帯が地面を切り裂き、砲塔が僅かに動いている。
「こちら第四小隊!敵戦車です!戦車隊の救援を乞う」
通信兵が救援を求めていたその時だった。戦車の砲塔がゆっくりとこちらに向くのを見た。冷徹な狙撃手のような動きだった。感情など一切ない。そこに「敵がいる」という事実だけで、砲身は彼を捕えた。
刹那、世界が白く塗りつぶされた。
爆音と衝撃波が体を襲う。その中で通信機の破片が宙を舞い、銅線が火花を散らしながらねじ切れた。
そして、そこにはあった。辛うじて彼だったものが、壁に叩きつけられ、装備も肉体も一体となって飛び散っていた。血と煙が混じった空気の中で、ヘルメットだけが転がり落ち、微かに金属音を立てた。
硝煙が入り混じった中で、誰よりも早く動いたのは葛城だった。奴は迷いなく壁の影から飛び出し、肩に担いだ対戦車ミサイルの標準を敵戦車に向ける。
「仲間の仇です」
トリガーを引き、発射音とともにミサイルが一直線に飛んでいく。だが、戦車の砲塔横に設置された小型レーダーが作動音をならし、その直後、車体脇から勢いよく弾丸のような迎撃弾が発射された。
鋭い破裂音。奴の撃ったミサイルは、目標に届く寸前で空中で消滅した。
「駄目でしたか……」
アクティブ防護システムと呼ばれるそれは、敵の対戦車ミサイルやロケット弾を無力化する。今となっては周知の事実だが、我々のような海でしか戦えない者達には革新的なものであった。
しかし――「完璧」な防護システムではない。
「葛城!後ろに回り込め!援護する」
爆発の余波の中掻い潜り、瓦礫と建材の隙間を縫って、左右から戦車の背後に向かって動いた。敵戦車は一発目の迎撃で注意を前面に集中させていた。
奴は息を切らしながら、裏手に回り込み、もう一本のミサイルを取り出して装填する。背後からはエンジンのうなりと、排気の熱気が渦巻いている。
「今だ……!」
遮るもののない背部に照準を合わせ、2発目のミサイルが唸りをあげて発射された。今度は防御の反応が遅れた。ミサイルは装甲と装甲の隙間、エンジンブロック付近に直撃。戦車の内部から炎が噴き出し、瞬く間に燃え広がった。中の弾薬が誘爆したのか、車体が軋みながら揺れ、砲塔がわずかに横を向いたまま沈黙した。
だが、それで終わりではなかった。
車体の上部ハッチが、重々しく開いた。中から這い出してきたのは、一人の戦車兵だった。軍服は焦げ、顔はすすけ、肩口からは炎が這い、黒煙が立ち上っていた。それでも彼は手足をばたつかせ、何かにる縋るように車体の上に倒れ込んだ。だが彼は、何も言わずにその場に崩れ落ち、再び炎に呑まれていった。
戦車の中で炸裂音が続き、やがて完全に火の塊となって沈黙した。
俺たちは息を荒げながら、煙の中に立ち尽くした。しかし、まだ戦いは終わっていない。
「各隊!進め!」
戦闘を続け、敵が大本営内部へと撤退を始める。どうやら徹底抗戦するようだ。
「大本営周囲の制圧に成功……残るはこの下です」
「どうやって進みましょうか、滝沢大佐」
斜行列車が格納庫に入ってはいるがこのまま行ったとして、蜂の巣にされるのが目に見える。俺は周囲を見渡し、そしてあるものを見つけた。
「連絡通路を使おう」
「しかし、敵がいるのでは?」
「では、正面から突破するか?」
制圧部隊と別れ、一個小隊を引き連れて廊下を進む。廊下には、赤い警告灯が非常時を告げるように回転し、影を狂ったかのように揺らしていた。床にはケーブルが蜘蛛の巣のように這い、誤って踏むと火花が散る。
数分歩いた後に、壁に書かれた看板が目に入る。「大本営機密兵装研究局」と書かれたそこは目的の場所のようだ。廊下の終端に
「チャージャー、セット完了!」
前方で伏せた兵士が、静かに親指を立てた。扉の下部に貼り付けた爆薬が、無音の中でわずかに赤く点滅している。
「カウント開始……3、2、1――ブリーチ!」
轟音。火花と煙が渦を巻き、爆圧で扉の中央が内側にめり込んだ。その瞬間を狙って、合図とともに先頭の隊員が素早く閃光弾を投げ入れる。凄まじい光と衝撃音が密閉空間に炸裂し、内部にいた敵兵たちの悲鳴が混じった。ドアの破片を乗り越え、小隊は一斉に雪崩れ込んだ。照準レーザーが白煙の中を飛び交い、叫び声と銃声が重なる。
だが、そこに――見覚えのある男がいた。
「……あいつは」
俺は銃を構えながら、言葉を飲んだ。
部屋の中央付近、倒れた司令卓の陰から、のそのそと立ち上がった男。白い海軍軍服を着てはいるが、腹が軍服からはみ出しかけ、ボタンが今にも弾けそうなほど膨れている。顎は二重、いや三重に重なり、丸い顔には汗と脂が浮いていた。その目は一瞬、驚愕に見開かれたあと、すぐに憎々しげに細められる。
「クソがあ!なんでここにお前がいるのだ!」
かつての因縁が脳裏によぎる。仲間の死、補給物資の停止、仲間の身売り。全てを指示していた、あの「デブ」の
彼は小さく舌打ちしながら、椅子の後ろに手を伸ばす。そこには――拳銃。屑は手に取り、背を向けて奥にある扉を開ける。
「ここは私にお任せを。奴を追って下さい」
葛城は小銃を撃ち続け、道を切り開く。すかさず、奴の作ったチャンスによって屑の逃げた扉に張り付くことが出来た。
屑の逃げた扉の先には暗闇が覆っていた。だが、この先に彼女達がいる。直感だが限りもない事実だった。俺は屑を追い続け、そして見つけた。
「司令官!」
「て、提督……」
暗黒の中、助けを待ち侘びていた二人が目の前にいた。安心もつかの間、屑は思いもしなかった行動に出た。
屑は二人といたであろう少女の手を無理やり掴み、頭に銃口を突き付けたのだ。屑の目には将と呼べるような面影は何処にもなかった。
「こ、これ以上近づくな!!」
「も、ももし近づくのなら……この女を殺す…殺すぞ!」
みるみるうちに、少女は顔を強張らせ、次第に恐慌状態に陥った。暴れ狂い、屑の体という体を殴ろうとしていた。
予想外の出来事だったのか。屑は暴れる彼女に翻弄され、銃のトリガーに力を入れ始める。
「クソっ!大人しくしろ!」
「こ、このやろ――」
一発の銃声が木霊する。
音は何度も反響し、目の前の光景を目の当たりにするしかなかった。
少女の胸部に当たった弾丸は彼女を貫通し、地面へと抜けていく。
しかし、奴は防御耐性すら取らなかった。俺は小銃に込めたライフル弾を奴の拳銃に放つ。
二秒、三秒の出来事の中で二発の弾丸が人を傷つけた。
「総員、確保!」
呆然としていた兵士は奴の銃が地面に落ちるのを見て行動を開始した。屑を迅速に確保し、胸を撃たれた少女へと近づき止血を始める。そして囚われていた二人を解放することに成功した。
解放されるや否や、二人は少女へと近づく。
「どいて!私が止血する!」
止血帯を巻いていた兵士を押しのけ、霞は彼女の傷口に触れた。赤色の液体が少しずつ流れ始め、彼女の手を赤黒く染める。
「ねぇ、どうなってるの?私の体」
少女は何が起こったのかわかっていないようだった。頭をゆっくり回し、周囲を確かめている。
「っ……いいから黙ってなさい!」
「朝潮、声をかけ続けて!私は血を止めるから」
霞は衛生兵顔負けの速さで応急処置を進める。それはプロの域に達するほどの実力だったが、しかし、現実は残酷だった。
「お願い、止まって……」
心臓近くの動脈が切れたのだろうか、圧迫しても血は止まらない。次第に霞の腕は元の色を忘れさせるほどに赤黒く染まった。
「お願い止まってよっ!……なんで止まらないのよ!」
その光景は、我々を護衛していた彼らと酷似していた。止まらない血を止めようとする。しかし、けして止まらない出血。
「霞よ、ほら朝潮もちゃんいるから!」
「さっきまで……あんなに熱かったのに…寒くて凍えちゃいそう……」
奇跡的に血は止まったようだが、大量出血による体温低下が始まった。冷や汗、速く浅い呼吸の症状。どれも血液が足らないことによる症状だ。
「ほら、手を握って上げたわ……温かいでしょ?」
霞は親身に少女の手を握り、優しく言葉をかけていた。それは手遅れであるという暗示だった。少女はゆっくりと衰弱していき、眼を閉じた。
「ダメですよ!目を瞑らないで……ください!」
「いや…いや……やめてください……目を開けてください…………」
「なんで人間ってクズばっかなのよ……起きてよ……」
俺は二人を見ていることしか出来なかった。その場にいる全員が少女の最期を見届けた。
一瞬の出来事だった。朝潮の近くにいた兵士のホルスターから拳銃を抜き、屑へと引き金を引いた。
「ああ゙あ゙ぁ゙ぁ゙!!足がぁ゙!俺の゙足――」
屑の金切り声とともに足からは液体が流れる。苦痛の表情と恐怖が入り混じった屑は撃たれた足を引きずって壁に背中を当てる。
「あはは!見てください霞!ゴミの足が使えなくなりました!」
「どうしたのですか?提督。ほら、見てください、とーっても綺麗な赤色ですよ」
それは朝潮ではなかった。極度のストレスと怒りが彼女を狂わした。周りにいた兵士すら、彼女の姿を見て恐怖していた。彼女は笑顔を浮かべ、左足を撃つ。
「なんでそんなに泣き喚いているのか分かりませんね、静かにしてください」
「ああ゙い゙らぎぁ゙ぁ゙ぁ゙!」
一発、また一発と屑の足に交互に撃つ。彼女は恍惚な顔で屑の足を見つめていた。それは新しく買って貰ったおもちゃで遊ぶ子供のように、はしゃいでいた。
「面白いぐらいに当たりますね……深海棲艦もこんな風に当たればよかったのに……」
何発を撃っていたからか、銃のスライドが後ろに下がり固定される。しかし、彼女は何度も引き金を引き続けた。カチカチの空虚に音が鳴り響き、屑は悶絶する。
「あっ……弾が切れてしまいましたね」
そして朝潮は屑の首元へと手をやろうとしていた。流石にこれは止めなくてはならない。彼女を本当の人殺しにさせてはならない。俺は彼女の腕を掴み言った。
「やめろ、朝潮」
「どうしてですか?提督。私はゴミに鉄槌を下しているだけですよ?」
その声はいつもの朝潮だったが、違った。明らかに、殺意のある声をしていた。
「安心してください、殺すつもりはありませんので」
嘘だ――朝潮は限りなく死に近いものであの屑を殺す気だ。今までの経験と直感が警戒信号を出しているのが分かる。止めなくてはいけない。
「朝潮…あんた……何言って――」
「だって殺したら、
その言葉に、意味はなかった。朝潮はただ、何処にも遣り場ない気持ちをぶつけていたのだ。俺は彼女を止めるため、ある二文字の言葉を加える。
「もう十分だ、やめろ。これは
狂気に満ちた目が薄れる。効果はあったようだ。その証拠に彼女からは涙が溢れ出していた。
「でも……でも提督……あの子が……椿が……」
彼女の肩に手を乗せ、片方の手で優しく頭を撫でる。今の彼女には安心が必要だ。これ以上、彼女が苦痛を味わえば壊れてしまう。
「分かっている。だが、これ以上お前の手を汚すわけにはいかない」
びくびくと怯え、大粒の涙を流す彼女には先ほどの憎悪は一つもない。ただ、焦燥感だけが残った一人の少女だった。
「奴は法の下で裁きを受ける。お前が汚れる必要はないんだ」
戦闘は終わった。多大なる犠牲の下、目的は達成された。これが奴等との戦争にいい影響を与えるのなら目を瞑ろうとした。しかし、一人の伝令兵が俺の下へやって来た。
「大佐、国防大臣を捕らえました。小規模な抵抗はありますが、この戦い――我々の勝利です!」
伝令はそう言って、勝利の美酒に酔っていた。これが本当に正しい戦いなのか。俺は心のなかで問いかける。
人間の過ちを繰り返さないために死んだ少年少女は、どう報われるのか。
そんなこと、彼らにとっては些細なことなのだろう。
いやぁ、やっぱ書きすぎたなぁ。自分でも読むのに時間かかるのにこれは読み手にとって辛すぎるよな…(まぁええか)
てか俺の脳内で葛城とかいうやつを石田彰さんボイスで再現してるからこれまた面白い(^o^)
まぁ次回は結構胸糞な設定を入れる予定なので俺的には書きがいのあるものにはなりそうだね!
次回は出来るだけ速く書くように努力します…
もう少しコアな表現入れても大丈夫ですか?
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大丈夫だ、問題ない
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いやです!これ以上艦娘をいじめないで!