生きとし生けるものへ   作:ハクスナ

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やぁどうもHAKUSUNAです
ゴールデンウィークという事で頑張って2日で終わらせました。まぁその分内容があまり良くないですが申し訳ないです…
今回はかなりキャラ崩壊してるので閲覧注意かもですね。これからもっとキャラ崩壊が始まるのでお気をつけて〜


第三話 悪夢〜提督〜

 

 暗く、深い。

 

 

 先の見えない闇。

 

 

 

 

 寒く、凍える。

 

 

 何もかもが俺の敵。

 

 

 

 

「なんでお前は生きているんだ?」

 

 

 やめろ、やめてくれ。

 

 

「復讐?馬鹿だねぇ出来る訳無いじゃん」

 

 

 嘘だ、そんなの。

 

 

「仲間を見捨てた裏切り者が」

 

 

 違う、俺は...

 

 

「違う!あの子達はこうじゃなかった!」

 

 

 俺達はあの子達になれないんだよ、ごめんなさい。

 

 

 暗い、何も見えない闇。その中に一つの明かりが指す。

 

 

 妹だ。無垢な笑顔をした妹がいた。

 

 俺は近づく。俺の光。向日葵(ひまわり)のように暖かい温もりを与えてくれるあの妹へ。

 

 

 たが一瞬にして光が消える。また闇が俺を包み込む。

 

 

 そこはあの日の光景。

 

 

 妹と叔父が首を吊ったあの時に。

 

 

 妹はそれでも笑っている。苦しさが無いかのように。

 

 妹は言う。

 

 

「ねぇお兄ちゃん」

 

 

 

 

「いつ死んでくれるの?」

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――

 

 目が覚める。見覚えない天井。

 

 ああ、そうだった。昨日この鎮守府へ来たばかりだった。

 

 俺は今の時間を知るため、壁掛け時計を見た。

 

 五時か。起きるにはまだ早い。外は太陽の余光が出てくる瀬戸際であった。

 

「......」

 

 またあの夢か。

 

 最近頻度を増している。暗い闇の中俺が罵られる夢。上官や戦った仲間、叔父や妹までもが俺を罵る。俺は罪過を課せられ、今日まで生きている。

 

 誰一人救えなかった。家族も友人も全て。俺はまた誰も救えず失うのだろうか?艦娘達や部下も。

 

 もう失いたくない、誰も。もう嫌なんだこんな世界。家族を深海棲艦で失い、親友も深海棲艦で失った。次は何を俺から奪うんだ?

 

 深海棲艦共...

 

 俺は拳をこれぼにもかと言うほど握りしめこう言った。

 

「許さない...必ず根絶やしにしてやる」

 

 俺にはもう残すものはない。家族さえ誰も居なくなった。この前まで笑いあっていた親友さえいない。俺が死んだとしても悲しむ者は誰一人としていない。

 

 こんな好機、絶対に逃す訳には行かない。誰も悲しませず俺の目標が果たせる。こんな事滅多にない。

 

 だから俺は、深海棲艦を根絶やしにする。

 

 

 

 艦娘達を使って。

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 もう日も上って来た。そろそろ支度をしないとな。俺は制服に着換え、大淀が来る前に執務室へと移動した。

 

 さて、そろそろか。

 

 そう思ったと同時にノック音が鳴る。

 

「入れ」

 

「失礼します、提督」

 

「来たか、それで昨日の件は?」

 

「はい、0930(マルキュウサンマル)時予定を入れました」

 

「ああ、分かった」

 

「それではこれで失礼します」

 

 そう言い大淀は部屋を出た。

 

 さて、まだ時間が余っている。今日の執務を終わらせよう。

 

 俺は、机に置いてあるペンと紙を取り、書き始めた。今は鎮守府を復旧させるのが先決だ。今は上に資源の要請を出すしか無い。上がそう簡単に資源を渡してくれる様には思えないがな。

 

 腐敗し切った上層部は、資源の横領が後を絶たない。自分の生活水準を落としたくない、もしくはもしもの時と言う不安があるのだろう。

 

 もしその環境が無くなるかも知れないと言う不安が駆られてしまうと周りが見えなくなる。今の生活が出来なくなるのが怖いのだ。そうなれば他人を蹴落とし合う社会が出来上がるのだ。

 

 人は慣れるのが早い。どんな環境にも適応出来てきた。その慣れが愚かだと知らずに。慣れれば慣れるほど今の有り難さが分からなくなる。本当に馬鹿な生き物だ。

 

 どうにかして資源を集めなくては行けない。闇市から買うのも一つの手だがそれだとこの国が変わらない。上の至福を肥やすだけで結果的には意味がなくなる。

 

 博打にはなるが深海棲艦で破壊された火力発電所の燃料タンクから燃料を抜き取れることは出来るかも知れない。

 

 俺は早速地図を開き近場の発電所を探した。運良く見つかり、そこは中期の空襲で破壊され放棄された火力発電所だ。

 

 たが問題がある。艦娘が今は出撃出来ない。皆、ボロボロだ。どのような仕打ちをされたかは分からない。そんな状態で出撃したとしても、無駄に戦力を浪費するだけだ。

 

 それに残りの燃料も少ない。もし燃料タンクが破壊されていたら終わりだ。今回は人間の手で運ぶしかない。それだと陸路の輸送になる。たが深海棲艦の艦載機に攻撃を受けたら人間は簡単に死ぬ。

 

 輸送トラックが通れる道は幾つかある。輸送トラックを分散させて、輸送することで攻撃を受けたとしても最小限に抑えれるはずだ。

 

 そんな事を考えながら俺は執務をある程度終わらせ、予定時刻になった。

 

「そろそろ来るか」

 

コンコンとノック音がなる。

 

「入れ」

 

「失礼します、提督」

 

「失礼します...」

 

 大淀の後をついて行く見窄らしい少女。彼女の目は天敵に追い詰められた小動物のように酷く、怯えている。

 

「君、大丈夫か?」

 

「無理をしてここに来ているのはよく分かる」

 

「無理なら下がっても良い」

 

「いえ、大丈夫です...」

 

 大丈夫そうには到底思えない。あれ程になるここが地獄であったのが良く分からる。

 

「そうか...」

 

「君の名前を教えてくれるか?」

 

「はい...」

 

「川内型軽巡洋艦一番艦の川内です...」

 

 彼女から出る言葉には何か焦燥感を感じるようだった。

 

「川内、君はこれからどうしたい?」

 

「えっ...」

 

 

「生きたいか?」

 

 川内の目はこの世に未練が無いかのようだ。何か辛いことで心が折れてしまったのだろう。

 

「何があったのかは私には分からない」

 

「だが君がとても辛かったことはよく分かる」

 

「それは後戻り出来ない、絶対に」

 

「今からやり直すことも出来るし、諦めても良い」

 

「君の選択だ、好きにしてくれ」

 

「......」

 

「私は生きる価値なんてありません」

 

 

 

「あの子達を救えなかったのは全て私が悪いんです」

 

 

 あの子達が救えなかったか。おおよその想像はつく。前任提督の無謀な命令で出撃され、仲間を失ったのだろう。

 

 嫌な目だ。何もかも失くした目だ。あの時の俺のように...

 

「そうか...」

 

「君の事はよくわかった」

 

 俺は椅子から立ち上がる。

 

「ヒッ...」

 

 何かに怯え、防御体制を取ろうとするかのような体制だ。

 

「ごっごめ...」

 

 川内が言う前に俺が先に言い放つ。

 

「申し訳なかった...」

 

「川内、君には本当に酷い事をした」

 

「償え切れないものだ」

 

「けして消えない傷を追わせてしまった」

 

「本当に申し訳ない...」

 

 俺は深く深く、頭を下げた。俺から精一杯の謝罪をした。

 

 

「提督...」

 

 大淀は何か言いたげそうな顔になっている。

 

「なんだ?大淀」

 

 大淀は俺がそう言うと正気を取り戻したかのように顔を戻す。

 

「いえ、何も御座いません」

 

 

「提督...」

 

「なんだ川内」

 

「提督が謝らなくてもいいんです」

 

「貴方がしたわけじゃないのに…」

 

「それに、私が...」

 

「いや違うな」

 

「私はここに配属された者としての責任がある」

 

「以前の事であったとしても責任を負わねばならない」

 

 俺が謝らなくては行けない。前任の提督は謝罪をする前に逝きやがった。俺がここに来た理由は穴埋め要員だ。俺のそのうち死ぬと思われている。

 

 だが俺は死なない。必ず根絶やしにすると決めた存在が消えるまで生き残り続ける。あの、深海棲艦を殺すため。

 

「君達の負う責任は俺の責任だ」

 

「それが俺の考え方だ」

 

 

  

「......」

 

「それで川内もう一度聞く」

 

「これからどうしたい?」

 

 川内の目にはまだ光が見えない。暗闇の中必死に藻掻いているのだ。苦しくて、苦しくて堪らない。苦境の中にいる。

 

 艦娘だって人間と同じだ。感情がある。悲しみ、喜び、怒り…様々な喜怒哀楽がある。それを道具のようにする人間はもう壊れている。同じ仲間を見捨てるほどに醜い。対し艦娘は、人や仲間を大切に思うほど身を挺している。

 

 

「君達は頑張り過ぎだ」

 

「君も無理をして守ってくれたのだろう?川内」

 

「......」

 

「もう一度よく考えると良い」

 

「時間はまだあるからな」

 

「下がってもいいぞ」

 

 彼女を何かを変えれたかは分からない。俺はきっかけを与えただけに過ぎない。決めるのは川内自身だ。

 

「それでは...私は失礼します」

 

「ああ、長話して悪かったな」

 

「ゆっくり休みなさい」

 

 扉をゆっくりと締め、川内は出て行った。

 

「さて、大淀聞きたいことがある」

 

「はい、何でしょうか?」

 

「川内、いや川内の周りで何が起きたんだ?」

 

「あそこまでなるんだ、相当の理由があるだろう」

 

「そうですね」

 

 大淀は言いたげに無さそうにしている。大淀ですら言いたくない事でもあるのだろうか?

 

「無理強いはしない」

 

「言いたくないなら言わなくても言い」

 

「仲間の辛い過去だからな...」

 

 

「いえ、話します」

 

「そうれでは...聞こう」

 

「彼女は...」

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 大淀からある程度の話を聞いた。川内には姉妹艦の神通と那珂がいた。彼女達は俺が来る前に轟沈したらしい。夜戦で大きな被害を出した艦隊を守るため殿を務めたそうだ。

 

 それから川内は罪悪感と焦燥感に耐えれなくなってしまったらしい。彼女には責任はない。全ては上の指揮が悪いのだ。そう俺達人間が...

 

 人も艦娘も変わらない。自分の身を犠牲にして誰かの役に立とうとする。利他主義過ぎると身を滅ぼすのかも知れないな。

 

 それだとしてもこの様な艦娘が大勢いるこの鎮守府を立て直すにはかなりの労力がかかる。俺だけだは無理だ。斎藤少尉のような人が多くいるとは限らない。

 

 どうするにも人手が必要だ。艦娘に好意的な人を集めるには苦労しそうだがやるしかない。

 

 海軍に入った中で艦娘と関わる人は少ない。裏切ったと言う偽りの情報が未だ残っている。そのような者に近づきたくないとも思うのも仕方ないだろう。今いる整備士等はある程度艦娘に理解があることを祈るしかない。

 

 信頼が無ければ何も生まれない。仲間同士で歪みやっても深海棲艦には勝てない。人と艦娘が協力してようやく深海棲艦に勝てるのだ。

 

 だからもうこれ以上川内のような艦娘を生み出したくない。

 

 艦娘だからと言ってもあの子達は少女だ。未来がある。未来ある子の道をこれ以上塞ぎたくない。

 

 仲間を失った気持ちは分かる。彼女には希望がない。絶望から立ち上がれないでいる。俺は彼女に希望を与える。

 

 川内が新たな希望を見つけたのなら彼女は一段と強くなる。絶望を乗り越えることが出来るのであればそれ以上の苦境にでも立ち向かえる。

 

 だから俺は彼女は俺は彼女を救う。

 

 

 この悪夢しかない世界に

 

 

 

 川内に希望を与える。

 

 

 

 彼女の為に。

 

 

 

 

 俺の復讐の為に。

 

 




いや~終わった終わった疲れました(´・ω・`)
次回は艦娘パートでも書こうと思いますね。皆さん楽しいゴールデンウィークをお過ごし下さいね〜
次も早めに出します…(未定)

もう少しコアな表現入れても大丈夫ですか?

  • 大丈夫だ、問題ない
  • いやです!これ以上艦娘をいじめないで!
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