生きとし生けるものへ   作:ハクスナ

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やぁHAKUSUNAですー
結局遅れてしまい申し訳ない。
ほんで今回は前の続きなんですが結構不謹慎な部分が混じって居るので許してクレメンス...作っていたらこうなったんや、仕方ないだろ!って言うことでこんなゴミの痛い艦これのSSを見てくださってる方ありがとうございます。これからも一応頑張ります


第七話 救済〜提督〜

 

 俺は彼女を軍医へと近づける。彼女は異様に汗を掻き、目も瞳孔が開いている。それに少しばかしクマもある。一体彼女に何があったというのだろうか。

 

「様態はどうなんですか?先生!」

 

 軍医は暗い面持ちをしている。彼女の様態はそこまで危険な状態なのだろうか?

 

 俺はただの軍人だ。戦場での応急処置しか経験がない。彼のように医学の知識はないに等しい。俺がここにいても声をかけ続けるだけの木偶の坊にしかならない。

 

「意識が朦朧としている、まずは気道の確保をしましょう」

 

「分かった!早くそのようにしよう」

 

 俺がそう言うと、軍医は彼女のあごを先持ち上げるようにして静かに頭を後ろに反らした。

 

「気道は確保出来ました」

 

「大丈夫ですか!声は聞こえますか?」

 

「おい!聞こえるか!?お前!」

 

 彼と俺は横になった彼女に声をかける。俺は彼女の手を強く握りしめる。

 

「うう…」

 

 俺達が掛けた声に反応するかのように弱々しい声で反応する。

 

「聞こえますね?大丈夫ですから、安心して下さい」

 

「呼吸が乱れている...人工呼吸器を付けた方が良さそうですね」

 

 そう言い彼は素早く人工呼吸器を彼女に取り付ける。その後軍医は体温計を手にとる。

 

「体温が高い...脈は?」

 

「......不整脈ですね」

 

「まず体温を冷やしましょう」

 

 彼女の周りに保冷剤をおく。

 

「今、体を冷やしますからね」

 

「大丈夫ですから安心して下さいね」

 

 彼は呼びかけ続ける。その目は至って真剣だ。だが何か不安にさいなまされているかのようにも見えた。

 

「恐らく薬物中毒でしょう、まさかここまでになるとは...」

 

 薬物中毒だと?この鎮守府にも出回っていたのか。クソッ、なんでもっと早くこの事態を予想出来なかったんだ。

 

 この国が荒れ始めた頃から段々と出回るようになって来た麻薬。麻薬の主な売り手は家、家族などを失った者や貧困層だった。しかしそれまでには及ばず、警察や政府までも侵食して行った。その後巨大な麻薬カルテルが出来上がり、治安はますます悪化する一方だ。

 

 最近では軍部までもが麻薬の魔の手に侵され始めている。それの主な原因は腐敗した上層部。彼らは艦娘や部下の兵士を薬によってコントロールしようと考え始めやがった。その片鱗がこの鎮守府まで迄んでいるのが今の現状だ。

 

「薬物中毒か...」

 

「ええ」

 

「それでその子の様態はどうだ?」

 

「応急処置をしただけであって未だ危険な状態です...」

 

「そうか...」

 

 艦娘が薬物中毒で生死の境をさまよう程の量を彼女は使用したのだろう。

 

 しかし人間なら致死量になるほどの量を一体何処から仕入れたのか。恐らくは不定期で来る輸送トラックだとは思うが、それだとしても量が足りない。艦娘は人が簡単に死ぬ量の毒を飲んだとしても酷い腹痛になるだけらしい。それ以上の麻薬を輸送トラックだけに積むとなるとこの鎮守府が持たなくなる。

 

 なら内部の犯行か?輸送トラック以外の輸送経路があるのかもしれない。ならこの中に麻薬を取引するディーラーがいる可能性が高い。一体誰なのか。そいつがどれ程の地位にいるのか。それによっても対策を変えていかなければならい。

 

「今回の件は私の方で対処する」

 

「......はい」

 

 軍医は彼女の様態を見ながら頷くように返事を返してくる。これ以上俺に出来ることは無いだろう。ここからは医学の世界だ。俺には医学の知識がない。ここは軍医に任せるしか無いだろう。

 

 せめて彼女に出来ることは無いだろうか。俺はそう思い彼女手を握り、呼びかける。

 

「君がどれほど辛かったのかは私には分からない」

 

「死にたくなるほどの苦しみや痛みに耐えたのだろう」

 

「そこまで追いやったのは我々の失態だ、すまない」

 

「私はこの状況から君達艦娘を救いたい」

 

 俺の声に応じるかのように彼女がこちらをゆっくりと見る。彼女は弱々しい呼吸でいつ途切れても可笑しくない状況だ。

 

「君は今のままでいいのか?」

 

「死にたくなる気持ちは分かる、それでも最後に一つだけお願いを聞いて欲しい」

 

「これは命令ではなくお願いだ、嫌なら君はやらなくてもいい」

 

「それでも私の願いを聞いてくれるのであれば」

 

 

 

「君達の力をもう一度だけこの愚かな私達に手を貸して欲しい」

 

「...」

 

 

「...」

 

 彼女の手を握り、私は精一杯の思いを伝える。彼女の様態は危険な状態だ。そもそもこんな所で言うのは滑稽なのかも知れない。それでも俺は彼女に伝えたい。

 

 生きて欲しいと思う人がいること。

 

 笑い会える仲間がいたんだということ。

 

 希望があるということを。

 

「俺は君に生きて欲しい」

 

 彼女はどう思っているのか分からない。俺を殺したいと思っているかも知れないし、又は目障りな人間と思っているかも知れない。

 

「し!...ゆっ...」

 

 彼女は必死に何かを言おうとしてる。だか我々には何を言おうとしているのか分からない。それでも彼女は何かを言おうと口を動かしている。

 

「まっ...いか!...」

 

「落ち着いて下さい、大丈夫ですここにいますから」

 

 軍医は彼女を落ち着かせようとしている。

 

「うう…ぐ...」

 

 涙を零す彼女。何故泣いているのか私達には分からない。それでも辛い過去があるのはよく分かる。今までどんな苦境に立たされてもここまで生き残れたのは彼女の実力だ。だか不安や苦しみからの開放のために薬に手を出す程に追いやったのはここの前提督だろう。

 

 上の者が部下の責任を取るのは当たり前だ。彼女達艦娘は人間では対等に戦える事が出来ない深海棲艦と戦ってくれているのだ。だが人間はその甘い蜜に縋り、堕落した。

 

 彼女達の気持ちを蔑ろにして自分達の利益を優先していく人間に彼女達は今だ、協力しているのだ。ここまで慈悲深いものは無いだろう。私達はその慈悲に助けらていたがその慈悲にも限度と言うものがある。我々は艦娘を酷使し続けた。艦娘達も限界が近いのだ。それが体現化しているのが今の状況だ。

 

「君達には本当に酷い事をした」

 

「...」

 

「許せとは言わない」

 

「やめて下さい、貴方が謝ることでは...」

 

 そう軍医が返してくる。

 

「違うんだ、これは私達人間の責任だ」

 

「これまで私達がしてきたことを考えてみろ」

 

「......」

 

 人間は償いきれないほど罪を持っている。

 

 自分達の利益のため森林を伐採し、安全が欲しいからと言う理由で本来そこに住んでいた動物達を一掃する。

 

 美味しいからと言う理由で生き物を乱獲する。

 

 意義、主張が違うからと言う理由で世界を巻き込んで人々を虐殺する。

 

 人間はこの世に生きる全ての生き物を苦しめんという程に悪事を働く。それが今も変わらず艦娘にへと変わっているのだ。

 

「そうですね...」

 

「これ以上罪を重ねるわけには行かない」

 

「その為にも今回の件は鎮守府全体の問題だ」

 

「何処から麻薬を手に入れているのかを突き止め、仲介者を処罰する」

 

「これ以上薬で苦しむ艦娘や部下を見たくない...」

 

「.......ですね」

 

 何かを思う事でもあったのだろうか?それより彼女の回復の方が心配だ。

 

「彼女の回復は見込めそうか?」

 

「ええ、必ず助けてみせます」

 

 そう彼と言っていると奥から医療用ロボットがやって来る。そのロボットは人一人を乗せるほどの担架を装備している。

 

「それでは本格的な治療の用意が出来たようなのでそちらへと移します」

 

「頼むぞ」

 

「分かりました」

 

 そう言い彼は彼女を医療用ロボットが装備している担架に乗せられ奥へと消えて行った。

 

 一人取り残された俺。彼女は最後まで俺をどう思っていたのだろうか。俺はそう老け込みながら彼女を待つことにした。

 

 ―――――――――――――――――――――――――――

 

 時計の秒針がチクタクと何度鳴り続けただろうか?外はもう夕暮れ時になっていた。俺は軍医と彼女が消えて行った場所の近くにあった椅子に腰掛け、待ち続けた。

 

 すると、ようやく閉ざされた扉が開いた。扉から出てくる一人の男性、軍医だろう。

 

「先生、手術の方は?」

 

「治療には成功はしました」

 

 そう言うと彼の顔は少し暗い表情をして、また話し始める。

 

「ですが、薬物依存からは抜け出せるかは分かりません」

 

「彼女次第としか言えません」

 

「そうか...」

 

 辛いことさせてしまったのかも知れない。彼女からしてみれば薬で楽になっている方が幸せだったにも関わらず急に現実に戻されるのだから現実を受け止められるかは彼女の意志によって決まるだろう。

 

「言うのを忘れていたが彼女の名前は何だ?」

 

 彼女をここに来させるだけで頭が一杯だった俺はすっかり彼女の名前を聞くのを忘れていた。

 

「そうでしたね、彼女名前は」

 

 

 「時雨と言います」

 

 

 時雨か。確か白露型駆逐艦の二番艦で前世はミッドウェー海戦や第三次ソロモン海戦、レイテ沖海戦にも出ている武勲艦だったな。

 

「そうか、時雨か」

 

「はい」

 

「時雨には酷いことをしてしまったな...」

 

「...」

 

「時雨は今話せそうか?」

 

「いえまだ話せるほど回復は...」

 

「なるほどな、なら明日またここに来る事にするよ」

 

「分かりました、そのように合わせます」

 

「ありがとう、それでは明日会おう」

 

 そう言い俺は医務室を後にした。俺は元来た道を歩き執務室への帰路につく。窓から見る外は夕日に照らされ海が紅色に染まっている。だがこの美しい海を見れるのも何時までなのだろうか。

 

 深海棲艦が支配した海域は昼間であったとしてもどす黒い赤色に染められている。そのせいか生物が一匹足りとも存在しない。その後の調査で赤い海の水質を調べて見ると酸性の強い海だということが分かった。この状態では確かに生き物など住めるはずがないだろう。

 

 その海がもうすぐそばまで近付いて来ている。時間は残されていない。この美しく生命の方舟であった今の海は深海棲艦の手によって作り変えられているのだ。許せるはずがない、あの憎き深海棲艦をこの地球上から残らず駆逐しなければ俺のこの思いは収まらない。

 

 殺す、絶対に。

 

 そう心に誓ったのだ。

 

 深海棲艦はこの世から消し去るのだと。

 

 復讐の為にもこんな所では止まれない。この命朽ち果てようとも必ずしも深海棲艦を皆殺しにするのだと。

 

 復讐の火の音は煮え滾り、一層強く増していくのが分かる。深海棲艦は根絶やしにするのだ絶対に。

 

 そう固く思い続きながら俺は歩き続け、執務室にへとたどり着く。扉を開けると大淀が一人で椅子に座り、執務を続けていた。

 

「すまない、長い事留守にしてしまったな...」

 

「いえ、問題はありません」

 

「提督がほとんどの執務を終わらせていてくれたのでスムーズに仕事が終わりました」

 

「流石提督です」

 

 そう大淀は俺を褒め称えるかのように言う。

 

「では今は何をやっているのだ?」

 

「今は今後の作戦についてまとめていました」

 

「そうか、それは助かる」

 

「作戦開始まではまだ時間はあるからな」

 

 急ぐ事は必要だ。今は特にだ。だが急ぎ過ぎるだけでは行けない。綿密な作戦のもとに駒を動かす。そうでなければ、今までのように深海棲艦に勝利を与えてしまう。

 

 

 

 これからどのように艦娘達を動かすのか。その為に彼女達を死の淵から救わなければならない。

 

 

  

 だからこそ、彼女達を救うのだ。

 

 

 

 それが日本、いや世界を救う鍵になるとだと思って。

 

 

 




やっぱ薬物は不味かったかも知れないと後悔してます...はい。けど今後はこれよりも炎上しそうな奴も控えているので多分何とかなると思っております。
次こそは土曜に出したいなって心の中では思っております。(これ第一章何処まで続くんやろ...)

もう少しコアな表現入れても大丈夫ですか?

  • 大丈夫だ、問題ない
  • いやです!これ以上艦娘をいじめないで!
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