書きたいシーンが腐るほどあるのに描写力がミジンコ過ぎて書けないこのジレンマ。
ちなみに先日感想でバレンタインに送るチョコには意味があると伺いました。
も、もちろん、計算通りですよ?ええ。(オリ主どころか僕も知らないなんてことあるわけ)ないです。
続きです。
「お邪魔しまーす」
玄関の扉を開けると、涼し気な風鈴の音と共に、仄かに木材の香りが鼻腔を擽ってくる。
すぐ正面を見ると、日が差し込まない木の廊下は静けさとひんやりとした冷たさを感じさせた。
玄関のすぐ隣には新聞置き場と共に謎の棚が安置されている。
その棚には由来が知れぬ狸の置き物や鯉のガラス細工、お雛様やだるま落としなど、どういった方向性なのかよくわからない小物が多く並べられている。
棚の内部には曰くが付いてそうな雰囲気のある日本人形やフランス人形も存在していた。
日本を勘違いした外国人がとりあえず日本のものを買ってそれっぽくしようとした感がすごいラインナップだ。
というかしれっと紛れ込んでるフランス人形はなんなの????
こほん。
まぁ統括すると、実に雅で日本を象徴するかのような素晴らしく一般的な家屋だろう。
見ただけで家を構成する木材の至る所に上品な香りや肌触りを体感できるようだ。
「ふっ、ようこそ。佐藤家へ」
というか、俺の家だ。
「……!」
「どうだ。我が家の内部を初めて観た人間よ」
「なんかこう……趣きが深いだろう? 違いの分かる人間はこれを侘び寂びと言うんだ」
侘び寂び分からん日本人なんて日本人じゃないよね。(過激派)
「……すっごーい……!」
「うんうん。そうだろうそうだろう?」
そうだろう? 凄いだろう?
「なんか……こう、それっぽい……!」
「分かるやつにはわかっちゃうよなー! やっぱ! この趣きが深い家の良さが分からない猿人類とかマジで日本人名乗らないで欲しいくらいなまであるもんねー! 星野が違いのわかる日本人で安心したー!」
「佐藤くんって実はわかりやすい?」
「ささ、どうぞ上がってくれ」
俺は星野を玄関から上がらせる。
いやー、やっぱわかるやつにはわかるよねぇ! この家の魅力ってのがさぁ!
見た目が古臭いだの、風呂場にカビが生えてそうだの、台風来たら壊れそうだの、偶に早朝から奇声が聞こえて怖いだの、色々近隣の侘び寂びが分からない猿人類共に文句を言われている我が家だが、やはり分かるものには分かるんだよ!
おばあちゃんのセンス舐めんなよ雑魚共め!
これでハッキリしたが、文句言ってるてめぇら小学生以下だからな? 今後は自らの過ちと罪を反省し、謹んで余生を生きるんだなバーカ!
全く最高の気分だぜぇ!(おばあちゃん至上主義)
「茶の間は玄関からすぐそこの部屋な」
「ちゃのま?」
「おおっと、現代っ子感出してくるね君」
まぁまぁ見ればわかると言って星野を茶の間に連れていく。
星野は小学二年生で転校してきた施設の子だ。あまり邪推はしたくないが、恐らく一般的な家庭を経験したことはないだろう。
おばあちゃんが俺にしてくれたように、俺も星野に一般的な家庭ってやつを経験させてやるぜぇ!
するとそこにはテレビを見ながらお茶を啜っているおばあちゃんが居た。
ぐぬぅ……やはり居たか……事前に伝えておくべきだった……!
この時間帯はおばあちゃんのテレビ鑑賞タイムだからな……。
「ただいまばあちゃん。今日はお客さ____いや、友達来てるから! だからおばあちゃんどっか行ってて!」
「おかえり〜。友達ってあの子かい? バレンタインの子かい?」
おばあちゃんのきょとんとした顔がどんどん驚愕の表情に変わっていく。
俺そんなぼっちだと思われてる? 間違ってないけど。
「そうそ____じゃなくてね? 友達が来てるわけよ! だから今日は俺がもてな「佐藤くんのおばあちゃん? どうもー! お邪魔してまーす!」……」
おばあちゃんと交渉をしている俺の後ろからひょっこりと星野が顔を出す。
くそぉ! どいつもこいつも俺の話を遮りがって! もはや嫌われてるレベルだろ!
「……! あら〜! 凄いべっぴんさんね! ほら、ここ座んなさい。あ、そうだ。学校から歩いてきて疲れてるでしょう? 何かお飲み物持ってきますからね。ほら涼、座布団用意してやんなさい」
こうなってしまった以上仕方あるまい……。
俺は軽く返事をして座布団を持ってくる。
うちのおばあちゃんには困ったものだ。老人特有の長話には今は大丈夫だろうが、流石の星野も疲れてしまうだろうし、早々に退散させる手を考えなければ……!
「いいんですか? ありがとうございます! 実はのどカラカラで……」
そういうと星野は頭からキャップを外し、修繕した後がある年季の入ったソファにランドセルを置く。
「涼が初めて連れてきたガールフレンドだもの。楽しい思い出にしなくちゃねぇ」
おばあちゃんは楽しそうにジュース類が格納されている冷蔵庫がある部屋にお盆を持って入っていった。
「ぐっ……こんな予定じゃなかったのに……」
「優しそうなおばあちゃんだね」
「優しいおばあちゃんではあるぞ。偶に妙に押しが強いけどな」
持ってきた2人分の座布団をちゃぶ台の周りに敷いていく。
「にしてもお前……やるな」
星野を座布団に座らせ、褒め称えてみる。
「? 何が?」
「うちのばあちゃん結構イケメンタレントとか、可愛すぎるアイドルとか、そういうの見てこき下ろしたりしてるから」
「別嬪認定されるとかだいぶ可愛いじゃんと思ってさ」
いやマジでね。うちのおばあちゃんめちゃくちゃ判定厳しいから。
あまり座布団に座ったことがないのかそわそわしている星野。
ふむ。さてはこいつあれだな? 長時間正座すると痺れて動けなくなるタイプと見た。若いのう。ふぉっふぉっふぉ。
「佐藤くんと違って見る目があるおばあちゃんで安心したよ」
「俺の場合は可愛い可愛くない以前にお前がまっ○ろくろすけなだけだ」
こうしてちょこちょこ会話しながら、2人でテレビを眺めているとおばあちゃんがお盆にお茶と2種類のチョコを載せて戻ってきた。
「お待ちどうさま〜。こっちが涼のでこっちが……あら、そういえば名前を聞いてもいいかしら」
「うちの涼が星野星野ってうるさいから、苗字だけは知ってるんだけどねぇ」
スーパーやかましいんだけど婆ちゃん。人の個人情報漏らすのやめて頂けるかな????
俺の築き上げてきたイメージが……崩壊していく……?
あ、人に聞く前に自分から名乗った方が良いわね……と言いながら3つ目の座布団に行儀よく座り、星野の方に体を向けにっこりと挨拶する。
「私は佐藤
「私は星野アイって言います。お孫さんとは仲良く……仲良くしてるよね?」
そこは言い切っていいんだぞ。
「しまくってる」
「仲良くしまくってます!」
「……あいちゃんから仲良くしてるって聞けて良かったわ〜! 涼ったらなまじ頭が良いからって周りを見下す子に育っちゃってねぇ〜……もしかして友達なんてこの子の妄想なんじゃないかーなんて思ったりもしたのよ」
そんなこと思われてたの? おばあちゃん? あと俺客観的に見るとくっそ嫌な奴で笑うしかないな。
「というかばあちゃん? チョコ5種類あったよね。朝作ったやつ。なんで2種類しかないの?」
「食べちゃったわよ」
「食べちゃったの!? ……しゃあないか。言ってなかった俺が悪いし。今から作ってくるから待ってろ星野」
この身内のおばあちゃん×友達の星野という居心地の悪さの爆心地から違和感なく逃走することが出来る唯一の方法。
それがこの
お客さんに料理を出すから台所に引っ込みます
作戦だ……!
俺は勇み足で台所に足を運ぼうとするとなにやら
「佐藤くんっておばあちゃんに甘いよね」
と聞こえてきた。
まぁ間違いではないが……、なんか星野に言われると変な気持ちになる。
ちなみに今のところこのルートのアイはアイドルにならなそうでなってしまうので困っています。
そうなると
うちの主人公が某クレイジーサイコバイに勝てるわけないだろ! いい加減にしろ!
状態になるので、どうしよう? と言ったところ。
彼をどうにかしようと主人公の天才具合を更に発露させたところで価値が上がってしまい結局いい所まで行ってドボンというジレンマ。
あと最近小説の勉強をした方がいいのか迷っています。
自然に書けねぇ……!