なんかまっ○ろくろすけに懐かれた。   作:レトルトところてん

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どうも、僕です。
ちなみにおばあちゃんは観察力に馬鹿みたいに長けています。

まだ体育大会も水泳も七夕もクリスマスも居酒屋1日体験も地域に向けての演劇も2つ目の約束も何も終わってねぇ!
ビジョンはある。しかし書けない。これが才能の壁……。
続きです。


SideB(婆)。あるいは似た者同士。

 

 

 

「にしても、ほんとにすごいべっぴんさんねぇ……ほんとうに、あの子によく似てるわ……」

 

 

 驚いたわ……まさか昔の涼と同じような雰囲気を持つ子が今の時代に他にも居たなんて。

 

 

 あいちゃんを見つめる。

 

 

 光沢の目立つ綺麗な紫がかった黒髪に、端正な顔立ち。

 

 友達のおばあちゃんという微妙な立ち位置の人にいまいち距離感を測れていないのか、前髪を弄りながらもこちらを見ている。その動作一つ一つが妙に目を引く。

 

 これだけでもモデルさんになれそうなくらいなのに。

 

 特筆すべきはその瞳。

 

 人を惹きつけるカリスマ染みた何かを放っている目。

 

 一般人ではあるが、長く生きていたから私でも知っている。

 

 

 あれは人を騙す、演者の瞳だと。

 

 

 数十年前に何度か見たことがあるわねぇ。

 

 

 昔、とんでもなく流行った映画があった。

 

 私は流行りにはあまり乗らないタイプだけれど、その時は余りにも人気だったものでつい見てしまった。

 

 あれは確か……どこかの映画のお祭りの大賞を勝ち取った映画だったかしら。その映画の主演から感じ取れた雰囲気、そして瞳の引力とあいちゃんのそれはとてもよく似ている。

 

 

「ありがとうございます! 私もそこそこ自信あって……でも佐藤くんはあまり興味無さそうなんです」

 

「あらあら、あの子はちょっと変わってるからねぇ」

 

 

 お茶を啜る。美味しい。

 

 

「まっ○ろくろすけなんて言われたりもしました」

 

「! そう……あの子が。涼に信用されてるのね。嘘が見えるって、言われたんでしょう?」

 

 

 懐かしいわねぇ……あの子も似たような目をしてたわ。今はもう、あまりこの子のような雰囲気は出さないようになったけれど……。

 

 この子は、そこまで嘘をつくことが必要になったのね。

 

 

「わかります? そうなんですよー! だから似顔絵描く時とか困っちゃうみたいで……なんか申し訳ないなーって思ったり……」

 

 

 目を伏せ、少しだけ物憂げな表情でお茶を見つめながら、あいちゃんは言う。

 

 

「あの子も昔はもっと色んなものが見えていたんだけどねぇ……」

 

「そうなんですか? 嘘が見えるのは生まれつきって言ってたんですけど」

 

「あの子の中ではそうなっているのよ。なかなか酷い環境にあの子も居たからねぇ……。それこそ、昔は人の感情を見れたのよ。だからとっても感性豊かでねぇ……偶にうちに来た時は人を喜ばせると綺麗な色が見えるだとか言って、四六時中大人に付きまとったり」

 

 

 ほんと、小さい時の涼には苦労させられたもんだわねぇ。

 

 

「あの頃は嘘はあくまで見えるものの一つに過ぎなかったのよ」

 

「なんで嘘しか見えなくなったんですか?」

 

「……私も詳しくは知らないけど、あの子に酷いことがあったらしいわね。それは私にも明かしてない秘密……なのかしら。ショックで忘れている可能性もあるけれど、いつかあなたにならあの子もその秘密をうち明かすこともあると思うわ」

 

 

 私では、あの子の闇を完全に払ってあげることは出来なかった。

 

 あの子は強すぎたのだ。

 

 誰かが何をしなくてもひとりで立ち上がり、その心に負った傷をそのまま抱えて生きていける。そんな強すぎる心を持っていた。

 

 しかし、傷を負った状態。正常ではない歪んだ精神状態で成長を重ねてしまったあの子の目はいつしか『嘘』しか見えなくなっていた。

 

 生まれたときからという認識を持ってね。

 

 

 あの子は誰かのためならその才能を惜しみなく発揮出来る。それは昔から変わっていないはず。昔の涼と同じ雰囲気がするあいちゃんが今の普通の涼に興味を持つとはあまり考えにくい……となると、涼は才能を発揮出来るようになったのかしら?

 

 

 ……私では無理だった。でも、どうしようもなく昔のあの子に似ているあいちゃんなら、もしかしたら。

 

 

 いえ……やめておきましょうか。

 

 

「大丈夫、おばあちゃん。私たち仲良くしまくってるから! でも、佐藤くんもそうなんだ……

 

「あらそうかい? なら安心だわねぇ」

 

 

 

 

 

「さて、せっかくあの子のチョコ持ってきたんだし、全部食べちゃいましょうか」

 

「じゃあ、私これがいい!」

 

「それじゃ、私はこっちにしようかねぇ」

 

「食べながらでいいから、学校でどんな話してるのか教えてくれるかしら」

 

「もちろんです!」

 

 

 涼も涼ならこの子もこの子。似たものどうしは惹かれ合うというやつかしらねぇ。

 

 

 全く、世の中儘ならないものね。

 

 良い子たちだけが、苦しむんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アイの口調を誰か教えてくれぇ……。
一応五反田監督に敬語使ってるとこから使うべきときは敬語を使えるんだと思うけど、ぅーん。



涼くんが昔は感情が見えた設定は実は最初からあったりします。
気をつけてもう一度……何話目かを見ると地味にそういう描写があったり。(忘れた)
伏線もちらほら張りはするものの、回収するところまで道のりが遠すぎる問題。
サブタイトルにも少しだけ。

最近推しの子の二次創作が増えててうれちい。
特にあの3つ子闇鍋世界線。ああいうので良いんだよ!
ああいうので! 意味わからんくらいカオスだと楽しい。実はアクタージュも混じってたりしないかな。あそこ。
他の作品おもちろすぎて書けない病。
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