なんかまっ○ろくろすけに懐かれた。   作:レトルトところてん

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原神って面白いですね。初めて1週間ほどですが死ぬ気で遊んでナヒーダ当てました。え? どうでもいい? 

(´・ω・`)


はい。続きです。


未知なる疑問。もしくはおばあちゃんは見た。

 

 

 

 

 

 目の前には座布団に倒れ伏すまっ○ろくろすけ。日差しに照らされ、しかしあまり光を反射することはない暗黒。

 

 その隣で、気持ち小さめに声をかける。

 

 

「おーい、星野〜?」

 

「……」

 

 

 

 寝てる、のか? その割には嘘の煙が未だに多く出ているが……? さては狸寝入りだな? この俺を欺けると思うなよ。肩でも揺さぶってやるぜぇ!

 

 俺はさっさと狸寝入りの小娘を起こそうと手を伸ばし__困った事実に気付いてしまった。

 

 目の前の状況を説明しよう。座布団に横たわる星野は巨大まっ丸ろくろすけであり、まるで芋虫のようでもあるのだ。

 

 つまり、何が言いたいのかというと、どこが頭でどこが足なのか全くわからないということだ。星野が立っていたり、座っていたりすれば、顔や上半身、下半身の比率など大体の目測は立てられる。

 

 しかし横に倒れられると俺は上下がわからず、迂闊に手を出せない。こいつはつくづく俺の特性の欠点を暴露してくれる。

 

 

 だが、星野も人間だ。ならば呼吸をするはず。さぁ! 星野の呼吸音を聞かせてもらおう! なんか変態感するけどまぁ狸寝入りしてるこいつが悪いってことで!

 

 横たわっている星野に耳を傾ける。

 

 

「……?」

 

 

 すぅ〜……すぅ〜……

 

 

 んー……? あー? あぁ、びっくりした。微かに息を吸い込む音が聞こえる。一瞬音が小さすぎて呼吸してんのか不安になったぜ。

 

 だがこいつの上下はわかった。いきなり肩の位置と思わしきところに手をやるのも事故を起こしかねないので、とりあえず頭の位置を把握する。

 

 黒い煙に手を突っ込むと、さらさらとした髪の毛の感触が手に伝わってくる。少しだけ暖かい。フケとかあったら風呂にぶち込んでやるからな星野。

 

 

 ……ぅ…………すぅ……

 

 

 ……おや? また更に音がしなくなったぞ。狸寝入りはバレちゃってるんだよね〜! 今更声を抑えたって遅いんだわ!

 

 ここが頭頂部ね。わしゃわしゃしてやりたい気持ちをグッと抑え、ちょっとだけ魔が差したので軽く撫でてみる。

 

 おー、すげー! なんかさらさらしてんのにふわふわもしてるこの感じ。同じ人間の髪の毛とは思えねぇぜ。流石星野。

 

 なんだか楽しくなってきたので、ニヤニヤしつつ撫でくりまわす。恥ずかしくなって狸寝入りをやめるその時が楽しみだぜ。

 

 なでりこ。なでりこ。

 

 

「……うーん? 起きてるのはわかってんだぞー? 嘘の煙出てるからなぁ〜?」

 

 

 返事はない。よってなでなでを続行する。

 

 

 なでなで。なでなで。

 

 

「早めに起きて貰わないと俺特製のオムライスが冷めちゃうんだけどな〜?」

 

 

 ……返事はない。まさかマジで寝てんのかこいつ。とりあえず収まりがつかなくなってきたので撫で続けてみる。なんか猫撫でる時とかこんな感じ。

 

 

 

 ……ふぅーむ。起きない。もしかしてマジ寝か? いや、でもマジ寝だったら嘘の煙が消えないのはおかしいよな。

 

 でも食い意地を張りまくっている星野が俺のオムライスに起きないのも不思議だし、そもそもそれなりに星野は礼儀がなっているので、人に作ってもらったご飯を無駄にするなんてことはないはず……バッドマナーな場合おばあちゃんに好かれることもないし。

 

 

 新たなる謎、というわけだな? 星野。

 

 

 とりあえず撫でる手は止めず、思考を巡らせる。

 

 星野はそこそこ礼儀をわきまえており、俺の呼びかけや飯を無視するとは考えづらい。そんな悪い人間性であればおばあちゃんに好かれることもない。

 

 ということはマジで寝てるということになるが、そうなってくると今度は何故嘘の煙が消えないどころか()()()()()ことが謎になってくる。

 

 マジ寝にしても、狸寝入りにしても矛盾だ。狸寝入りだった場合、おばあちゃんの人を見定める目が誤っていたことになるので、ほぼないと思うんだが……うぅーむ。

 

 少し考え方を変えてみるか。

 

 どっちも合っていると考えてみよう。となると……星野は無意味に狸寝入りするような人間ではなく、嘘をつきながら睡眠することができる人間であり、現在はマジ寝である……ってことになるな。

 

 

 これが正しければ寝てる時も嘘をつくというもはや存在そのものが嘘みたいな奇跡的人間になるわけだが……

 

 

 そんなことある???

 

 

 いや、否定から物事を考えるのは良くない。誰かが言っていた。自らの持ちうる知識を持って、ひとつずつ可能性を潰していく。そしてその末に残ったたった一つはそれがどれだけ信じられないようなものであろうと、事実である。

 

 

 なでりこ。

 

 

「……すぅ……すぅ……」

 

 

 おや? 起きてる時に比べて、かさましされた嘘が少しだけ減っている。いや、元に戻ってきてんのか? 謎だ。

 

 

 星野は寝てる時も嘘つきであると仮定すると、何故そんなことができるのか謎になってくる。それを考えていきたいところだが……いかんことにクソ眠い。アホほど眠い。

 

 隣で寝られると俺も眠たくなってくるこの現象は一体……。

 

 

 射し入る太陽の光。ほんのり暖かい気温。遊んだ疲労。微かに聞こえる星野の寝息。桜餅を2人でちょこちょこ食べたせいで少しだけある満腹感。

 

 それら全てが俺の意識を睡魔に捧げてくる。

 

 

 あ、もう、むり……。

 

 

 

 すやぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どこか、安心する夢を見た気がする。薄く、広く、ずーっと引き伸ばされた意識の中、暖かい手がそっと撫でてくれたような。

 

 優しくて、暖かくて、少しだけいい匂いがする手つき。

 

 

 これは……お、かあ……さん? そっか……そっか!

 

 

 やっと、おかあさんがむかえに

 

 

 

 誰もお前を愛さない!

 

 

 チガウ。

 

 

 

「……っは……はぁ……はぁ……んぅ……?」

 

「すぅ……すぅ……」

 

 

 身体を圧迫する心地良い何か。規則正しい呼吸音が身体の上から聞こえてくる。

 

 

 ん、んー……あれ、? わたし……寝ちゃった……?

 

 

 眠い目を頑張って動かし、どうにか目を見開く。

 

 

 ____!? びっくりしたー。

 

 

 

 目の前に拡がったのはまるで天使みたいに綺麗な顔だった。長いまつ毛、くせっ毛混じりに金色に光り輝く髪、人形のようにすら見える端正な顔立ち。

 

 

 やっぱ佐藤くんかっこいいなー。そうだ、早く起こさないと。

 

 

「佐藤くん起きて? というか、なんで私の上で寝てるの?」

 

「んー、ん? あ、ん?? んー」

 

 

 目を擦り、ぱっちり開かれた、藍色の瞳。星空が映る深い海のように暗く輝くお星様の瞳だ。

 

 私の胸の上に倒れ込むように寝ていた佐藤くんと見つめ合う。

 

 

 ……いや、何考えてるんだろー私。いくら佐藤くんがかっこいいからって、目の中に星が見えるなんてね〜。

 

 自分でも少し面白くなっちゃった。

 

 目を覗き込んでも、やっぱり見えない。気のせいだ。

 

 

 ……なんで動かないんだろ、佐藤くん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やべぇ、クッソ寝てた。普通に寝てた。どれくらい寝てたかと言うと夏休みに12時間寝る時くらいの勢いで寝た感じがする。

 

 

「そろそろ……どいてくれるかなー? もー、佐藤くんは甘えん坊さんなんだから……ままでちゅよ〜?」

 

 

 暗闇の中で響く声。それは主に俺の下から聞こえてくる。じんわりと伝わってくる暖かさ。クッソ近くで聞こえる声。真っ暗で何も見えない世界。

 

 

 あれ、俺もしかして星野の上で爆睡してる? 光が届かぬ暗黒の中、それはつまり星野の嘘の煙の中に包まれているというわけで……

 

 

 この考えに至った瞬間、俺は吹き荒れる風のようなスピードで身体を起こし、距離を取った。

 

 

 やべぇ! 完全にやらかしたぞ! 成人男性と成人女性でこれと同じことが起きてしまえば一発アウトな領域のことをしてしまった!

 だが俺は小学生だ。まだ大丈夫。まだセーフ。

 

 

 寝ぼけた目を擦り、時間を確認する。6時!? 流石に寝すぎだろ! 待てよ、俺は星野の謎を解き明かすべく考えてたら、眠くなって……その後の記憶はない。

 

 目の前に星野が横たわっていたのもあり上に覆い被さったのか!

 

 

「あー……おはよ、星野」

 

「おはよ、佐藤くん」

 

「何時に起きた?」

 

「んー……何時だろ、ついさっき?」

 

「あらあら、起きちゃったのね〜? 2人とも可愛かったわよ〜! あ、涼。2人とも気持ちよく寝てたもんだから、オムライスおばあちゃんが食べちゃったからね」

 

 

 台所の方から野菜を刻む音と共におばあちゃんの声がする。そうだ、おばあちゃん3時には帰ってくるって言ってたな。

 

 

 

「あと少しで夕飯ができますからね。その間てれびげーむを遊んでなさいね。後で私もやらせていただくから、あいちゃんよろしくねぇ。にしても……初めて見るくらい穏やかな顔で寝てたわよ? 涼」

 

 ほほほ、と薄く笑い、台所から顔を出したおばあちゃんは引っ込んでいく。余計な一言ォ! やめておばあちゃん!

 

 なんだかんだおばあちゃんが1番ウィーにワクワクしているのかもしれない。新しいものとか珍しいもの好きだからなーおばあちゃん。

 

 

「…………げーむ、やるか」

 

「っふ、ふふ、うん……っふ」

 

「何笑ってんじゃい!」

 

「すっごく気持ち良さそうな顔で寝てたから……ふふ」

 

「はー! うざ! まじむり! そのニヤついた顔も終わりだからな! ええ! 終わりですとも! 次やるのリ○ム天国な! 星野が負けたらそれ弄るの禁止だから! おーけー!?」

 

 

 気付けば俺と対抗するかのように星野は煽りカスに育ってしまった。前はそんなことなかったのに。

 

 やっぱ付き合う友達で性格って変わるんだな(諸悪の根源)

 

 

「ぅ、んっふ……いいよー?」

 

「さぁやろう今すぐやろう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





さぁ、吉と出るか凶と出るか。あのまま起き続けていれば涼くんの灰色の脳細胞が光り、星野アイの様子に気付けたはずですが、生憎バチくそ睡眠ッ!(クソガバ)
まぁ夜はこれからだ! がんばれ涼くん!

ちなみにこっそり涼くんにも影響があったりします。



追記


げぇ!!! 原作マジかよォ! 面白いけど本作と展開がかぶ……
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