Doll's FrontLine -Armored Outsiders-   作:天羽々矢

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思い付いた割に纏まらず難産だったな、後先考えなさすぎやぞ自分( ̄▽ ̄;)


#01 TARGET 目標確保

湖の畔に建つ石造りの豪勢な邸宅に1台の黒塗りの高級車が門を潜り停まった。

その高級車の運転席から降りるスーツ姿の白髪の中老男性。すると男性の携帯電話が着信音を告げる。

 

「もしもし?」

 

《失礼、ミスター・ブラックでよろしいでしょうか?》

 

電話から聞こえるはまだ年端も行っていなさそうな若い男の声。

 

「そうだが、君は誰だ?」

 

白髪の中老男性、ミスター・ブラックが携帯を右耳に当て通話相手に返した。

 

その時。

 

「アァッ!?」

 

突然飛んできた銃弾がブラックの右足を貫き、ブラックはその場に倒れこんだ。

 

 

 

 

≪ターゲットへの命中を確認≫

 

「こっちでも確認した、これより確保に向かう」

 

その頃、邸宅を見下ろせる高台にてブラックを撃った張本人・・・黒いパーカーとカーゴパンツを身に着けた黒い短髪と赤色の瞳を持つ青年は自身の得物Mk.11 MOD 0*1のスコープから目を離しつつ耳に響く女性の声に返すとMk.11に付いている背負い紐スリングでMk.11を背中に背負い、自分の直ぐ後方に停まっているシルバーの2013年型フォード・マスタング シェルビー GT500に乗り込む。

 

直ぐにエンジンをかけその場から移動。高級車が入った時に開きっ放しになっていた門から邸宅の敷地内に入り高級車のすぐ後方に停車する。

そして運転席から降りブラックに近づいていく。

 

「ミスター・ブラック、依頼主(クライアント)が貴方と話がしたいと」

 

青年は邸宅エントランスの石段を這って上がろうとするブラックの負傷した右足を掴んで階段から引き摺り下ろし、そのままブラックを引き摺りながら自分の車(マスタング)に戻ろうとする。

 

しかし先程の狙撃時に上げたブラックの悲鳴を聞きつけたか、邸宅の裏手からスーツ姿のボディガードが2人駆け付け、スーツの裏からベレッタ 92DSを取り出す。

 

それを見た青年は舌打ちをしながらもブラックの右足を離し邸宅の庭の方へ後退していく。

 

「小僧を殺せ!」

 

ブラックがボディガードに命令を飛ばし、命令を受けたボディーガード達が青年に向け92DSを発砲。

 

自分のすぐ背後から響く発砲音に青年はひたすら庭の方へ走り、庭を見渡せる高台の手摺りから降り庭の奥へ退く。

庭の中段辺りの段差の裏で身を潜め、腰のホルスターからH&K SFP9-SF SD*2を抜き段差から顔を出して周囲を確認し自分に迫るボディガードに対しSFP9を発砲。

 

その銃撃でボディガードが1人倒れるが、先の92DSの発砲音とSFP9の発砲音を聞きつけた他のボディガード達が邸宅の中から出てくる。

 

「やっば・・・」

 

邸宅から出てきたボディガードの装備を見て、青年は思わず言葉を漏らした。

 

新手の装備は H&K UMP45、先程までの相手が使っていた9mm拳銃(ハンドガン)と違い45口径弾を連射出来る短機関銃(サブマシンガン)だ。青年の9mm拳銃(SFP9)では分が悪い。

 

青年は応戦すべく段差の影から顔を覗かせようとするがそこへ容赦なく.45 ACP弾の弾幕が降り思わず顔を引っ込める。

やむなくSFP9を握る右手だけ影から出し何処に飛ぶか分からない威嚇射撃を行う、それでもほんの少し敵の足を止めるだけの気休めにしかならない。

 

 

 

だが突然UMPを持つボディガードの1人が背後から頭部を撃たれその場に倒れ、それに気付いた他のボディガード達が全員背後に向く。

 

そこに居たのはその場には似つかない赤紫のカーディガンコート、黒いブレザーとスカート、白シャツと首に赤リボンを身に着ける背中まで届く長い黒髪の可憐な少女、・・・ただし右手にストック折畳状態のSIG 556を持っている事と、ボディガード達に向ける琥珀色の瞳に憎悪が宿っていなければ。

 

「誰に銃口を向けているのかしら・・・?」

 

憎悪を宿した少女がそう零した時、少女のスカートがはためき中から2本のアームが姿を見せる。

 

が・・・ボディガード達はアームの先を見て思わず目を見開いた。

スカートから伸びたアームの先端には大鎌状のマニピュレーターが付いておりそれがたった今展開を終えたのだから。

 

ボディガード達は標的を青年から少女へ変更。UMP45を発砲するが、少女は右側のマニピュレーターで銃弾を防ぎ残った左のマニピュレーターで発砲したボディガード2人の首を切り落とした。

 

その間に少女の背後に別のボディガードが回ったが少女が右手に持つSIG 556を撃つ方が早く、頭部を撃たれそのまま倒れる。

 

その間、一瞬無防備になったタイミングを狙い残った1人が少女にUMP45を発砲しようとするが、それは自分達が注意を外した黒髪の青年のSFP9が足を撃った事で阻止され、少女からのSIG 556を頭に1発受けて絶命した。

 

ボディガード達が片付いた青年は安堵の溜息を1つ付き段差の影から出てくる。

 

「援護ありがと、助かったよチカゲ」

 

「全く・・・。ヒロは肝心なところで詰めは甘いんだから・・・」

 

2本の大鎌状マニピュレーターをスカートの中に戻しながらも呆れるような顔を浮かべるチカゲと呼ばれた黒髪の少女に、ヒロと呼ばれた黒短髪の青年は苦笑いを浮かべる。

 

≪失礼しますコマンダー、該当エリアに航空機の接近を探知≫

 

そこに先程ヒロの狙撃時に聞こえた女性の声が再び響くと同時に、ヘリコプターのローター音が聞こえる。

ヒロとチカゲが頭上を見るとベル 407*3が飛来し邸宅の裏手へ回っていく。

それを確認したチカゲはすぐに行動しようとするがそれはヒロに止められ、代わりにヒロはSFP9をホルスターに戻し背中に背負うMk.11に持ち変える。

 

「チカゲは中を見てきてくれ。()()があるかもしれない。セラフ、チカゲのサポートを」

 

≪了解≫

 

「・・・分かったわ」

 

ヒロの指示にセラフと呼ばれた女性の声は了承、チカゲも渋々ながら了解の意を示す。

チカゲは邸宅の中へ、ヒロは邸宅の裏手へ向かう。

 

ヒロが向かった先にはヘリパッドがあり、ブラックがボディガードによってヘリに乗せられ逃走寸前の所だ。

追いついたヒロに気づいたボディガードがヒロに向き92DSを構えようとするがヒロがMk.11を発砲する方が早かった。

 

倒れたボディガードを後目にブラックを乗せたヘリが離陸しようとするが、ヒロがヘリ機体上部のエンジンにMk.11を発砲。

7.62×51mm弾を喰らったエンジンは黒煙を吹き出しヘリは制御不能、ローターを地面に打ちつけブレードを吹っ飛ばしながら横転した。

 

やがて横転したヘリのキャビンからブラックが這い出てきた。

 

「派手にやったわね?」

 

そこに邸宅の調査から戻ったと思われるチカゲが合流する。両手とスカートから伸びるマニピュレーターに合計8つのジュラルミンケースを携えて。

 

「貴方の睨んだ通り家の中にあったわ。現金1000万ドルとブラック・タール*4

 

「ご苦労さん」

 

ヒロがチカゲに労いの言葉を贈る中、ヒロのすぐ背後で装填音が聞こえた。

見れば先程ヒロが撃ったボディガードが落ちていた92DSを手に取りヒロに銃口を向けようとしている。

 

しかし、動きを察知したヒロがホルスターからSFP9を抜き発砲する方が早かった。

 

 

 

 

 

崩れて朽ちた建物が連なる荒れ果てた大地に響き渡る銃声・・・

血と硝煙の臭いが支配するこの世界・・・。

 

これはそんな世界でその日を生き抜く者達を追う物語である・・・

*1
アメリカ海軍特殊部隊の要求事項を満たすようSR-25を基に開発されたライフルシステム。銃本体の他に装弾数20発のマガジン、素早く着脱可能な(クイックデタッチ)スコープリング、ミルドット光学スコープ、バイポッド、クイックデタッチサプレッサー、バックアップ用のアイアンサイトが標準装備されている。

*2
ドイツ・H&K社製ピストル VP9のヨーロッパ市場名称のタクティカルモデル。サプレッサー装着用のネジが切ってある。

*3
ベル 206L-3を基にベル・ヘリコプター社が開発した小型汎用単発ヘリコプター。

*4
メキシコ北部地方で栽培されるケシから作られるヘロイン。製造工程が単純なため、色がタールのように黒く濃度が高い。ブラック・タール・ヘロインとも称される




OP:BAD CANDY/yukaDD(;´∀`)
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