Doll's FrontLine -Armored Outsiders-   作:天羽々矢

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OP:BAD CANDY/yukaDD(;´∀`)


#11 BLACK BASE RAID 04 ブラック基地襲撃 04

スミス、レスト、9A-91(ノア)の紹介で新たにバレット、ウェイターと合流したヒロ達。

 

どうやらバレット達はまだ補給(食事)が済んでいなかったようで、ヒロ達が持参してきていたカップ麺で腹ごしらえをしながらヒロがこれまでの地形や地理情報を書き記した紙媒体の地図を眺めている。

 

「基地に入れるとすれば町の地下に張り巡らされてる旧世紀の水道だろうな。水道が生きてるとすれば当然基地にも水を補給してるだろうし、緊急時には非常用の脱出路にもなるから」

 

「よく調べたモンだな?」

 

カップかき揚げそばを(すす)りながらスミスが発言。

 

彼ら“Doll's(ドールズ) Guardian(ガーディアン)”、DG小隊に事情を理解してもらえある程度までは協力できるという事になり、戦力的にも少し余裕が生まれた。

DG小隊としてもヒロ達が先に偵察し収集した情報を共有出来た事で偵察に割く時間を節約(セーブ)出来る。その分基地で酷い仕打ちを受ける人形達を早く救出出来るかもしれない。

 

スミスは器の中を掻き込み汁も飲み干してすぐに準備にかかる、そして他のDG小隊メンバーも早急に食事を終えて行動を開始。

 

バレットは引き続き基地の監視を行い場合によっては敵対勢力と思われる基地職員への狙撃も行う。ウェイターはそのバレットの護衛。

 

残りはヒロの67年型マスタング(エレノア)で基地外周の河川敷へ移動。

その際にスミスは荷室(トランク)に収まりたくないとの事で後部座席は超満員状態(ギュウギュウ詰め)、そのせいで降車する際にも苦労したそうな。

 

それでも何とか全員無事に降りる事が出来、堤防を降りて川の砂利の岸へ降り歩いて水路へ向かう。

川の水深は浅いため問題無く歩ける。

 

目当ての水路前にたどり着きゴミ除けの錆びた鉄格子を外し侵入。

水路内の水位も低い事から取水としては使われていないようだが脱出路としては十分機能するだろう。

 

「見張りは無し、行こう」

 

ヒロが前衛(ポイントマン)として先行しゆっくりと水路内を進もうとした瞬間、

 

「グェッ!?」

 

突然スミスにジャケットの襟を掴まれて引っ張られ、思わず変な声が出てしまう。

何するんだと言いたげにスミスを睨むものの、スミスは冷静にヒロの足元を指差す。

 

その差した指の先には瓦礫から1cm(センチ)程顔を覗かせたプランジャー、つまりは地雷である。

 

思わずゾッとした。

DG小隊の中で索敵能力に優れた彼だからこそ気づけたのだ、もし彼がいなければ今頃どんなに軽傷でもヒロの足が吹き飛んでいたところだろう。

 

「サンキュー、助かったよ・・・」

 

「貸しにしとくぜ」

 

前衛(ポイントマン)がヒロからスミスに代わり、彼らはスミスを先頭に水路内を進んでいく。

 

旧世紀時代の水路は迷路のように入り組んでいるだけでなく老朽化の影響で天井や壁の所々に亀裂(ヒビ)が入っている。

尚の事、先程の地雷を踏まなくて良かったとヒロはしみじみ思う。

地雷が爆発すれば足を失うだけでなく水路が崩落しその瓦礫の中に生き埋めになっていたかもしれないのだから。

 

やがて基地の真下らしき石造りの貯水槽に出る。

スミスとヒロが周辺確認(クリアリング)に、待ち伏せや(トラップ)が無い事を確認。

 

壁に設置された梯子(はしご)を上ってスミスが直上のマンホールを開けようとするが、

 

「ストップ」

 

今度はヒロが待ったを掛ける。

ゆっくりとマンホールの蓋を持ち上げ目を凝らして見るとマンホールにワイヤーが繋げられており、それは外に設置されているM18 指向性対人地雷(クレイモア)に繋がっている。

何も知らずにマンホールを開けようとすれば即炸裂(ドカン)であった。

 

「何で分かったんだよ・・・?」

 

「過去に何度か引っ掛かりそうになったからね」

 

それは経験によって養われた勘。今回は役に立ったようだ。

装着しているベルトポーチからペンチを取り出し、蓋の隙間から何とか腕を出しM18地雷(クレイモア)に繋がっているワイヤーを切断(カット)。安全を確保した。

 

「サンキュー、今度は俺がフォローされたな」

 

「さっきの借りは少しは返済(ペイ)出来たかな?」

 

マンホールを開けつつヒロはそう言う、地雷による足喪失未遂(先程の事)を気にしているのだろうか。

 

開けたマンホールの先はどうやら城内の物資保管庫のようで、様々な銃器や爆薬が揃っている。

恐らくこれらは必要に応じ基地()職員(スタッフ)が使用する物だったのだろうが現状では悪用しかされていないだろう。

 

相手に対し遠慮なんて必要無い為、ヒロとチカゲは保管庫の物資から使えそうな物を持てる分だけ頂いていく。

 

保管庫の外は城内の庭のようで扉から少し外を覗いてみると、モヒカンのガラの悪そうな男が戦術人形に付きまとっている。

 

SMG(サブマシンガン)の戦術人形“Vector(ヴェクター)”だ。

 

I.O.P.の広告(カタログ)内では高位な部類、レアリティ5(LEGENDA)の人形である。

 

モヒカン男は見た感じでは基地職員(スタッフ)のようだがVector(ヴェクター)の反応を見るに正規の職員ではないのだろう、しかしIDは偽造か正規の職員から奪った物を使っているかしているようで抵抗出来ないようである。

 

すぐさまスミス達DG小隊が銃の安全装置(セーフティ)を確認し男に銃を向けようとするが、それはヒロ達が制した。

スミス達の銃には消音器(サプレッサー)が付いておらず、その上スミスのM500は構造上消音器(サプレッサー)は装着出来ない。

 

そこでスミス達に代わりヒロ達が消音器(サプレッサー)装着済みの自分達の銃を取り出し、保管庫のドア前に構える。

そしてヒロが右足を持ち上げたと思うと、思い切りドアを蹴破り開ける。

 

「何だ!?」

 

モヒカン男が反応し銃を抜くよりも先にヒロが消音器付きSFP9を撃つ方が早く、胴体に1発、そして頭に1発(ヘッドショット)であっさりと男は息絶えた。

 

「・・・ありがとう」

 

男が息絶えたのを確認し、Vectorが乱れた服装を直しながらヒロに礼を言う。

 

「ここの指揮官(ボス)()()()()に行くついでみたいなもんだから、気にしないでいいよ?」

 

「それでも。ありがとう」

 

よほど扱いが酷かったのか、助けたのがついでと言われたにも関わらず礼を言うVectorにヒロは小恥ずかしくなったか軽く頭をかくが、すぐに意識を切り替えVectorに基地の実状を聞いてみる。

 

やはり元凶は基地指揮官のバーナード・デヴィンター。各地の暴走族と結託し物資の略奪・横領及び密売、戦術人形達への暴力行為もあり暴走族に横流しされ帰ってこなかった戦術人形もいるようだ。

 

ならば、プロトコルに縛られる彼女(人形)達に代わり自分達の出来る範囲で悪党に相応しい末路を与えてやろうではない。

 

「なら、ここからは二手に分かれよう。俺達が暴れて基地の奴らを引き付ける。Vector、スミス達をここの指揮官(ボス)のとこまで案内できる?」

 

「別に構わないけど、大丈夫?」

 

「その気持ちだけ受け取っておくよ」

 

派手に動くという事で消音器の出番はここまで、SFP9をホルスターに収め代わりに先程保管庫から頂いたG36Cを構える。

チカゲもSG556に代え、シズカもUSPから自分の半身である九九式軽機関銃に持ち替える。

 

「もし援護が欲しけりゃ呼べよ?応援に行ってやるぜ?」

 

「ご心配どうも」

 

スミスにからかわれながらも軽く受け流し、レストと9A-91(ノア)とはハイタッチだけで意思を示す。

 

Vectorに案内され城内へ入るスミス、レスト、9A-91(ノア)を後目にヒロ、チカゲ、シズカは基地内の敵を引き付けるべく中庭へ。

 

「よし、派手にやるぞ」

 

「えぇ」

 

「了解!」

 

作戦開始(ミッションスタート)だ。




ED:Prototype/石川智晶
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