Doll's FrontLine -Armored Outsiders-   作:天羽々矢

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OP:BAD CANDY/yukaDD(;´∀`)


#02 THE DAY'S 日常

邸宅からミスター・ブラックをシェルビーGT500のトランクに押し込み、現金1000万ドルとブラック・タールも車に詰め込んだヒロとチカゲは直ぐにその場から逃走。

 

逃走の道中にブラックのボディガードが駆る黒の2003年型メルセデスベンツ・S55 AMG(W220型)3台を相手にカーチェイスを繰り広げ、シェルビーはガラスや車体後部に弾痕、車体側面や後部に激しく擦った痕等とかなり痛々しい姿となったものの追手を撒く事に成功。

 

今は民間軍事会社(PMC)グリフィン&クルーガー社が保有する部隊にミスター・ブラックの身柄と確保した現金と麻薬(ブツ)の引き渡しを行っている。

 

《ご苦労だった。ヒロ・スメラギ、執行人(エンフォーサー)》

 

「・・・」

 

ブラックとジュラルミンケース(現金&麻薬)をヘリに載せる武装した少女達を後目にタブレット端末の画面越しにヒロとチカゲに労いの言葉をかける片眼鏡(モノクル)と赤い制服を身に付けた灰色の髪の女性。

名はヘリアントス、グリフィン&クルーガー社の上級代行官という幹部クラスの人間だがそんな彼女の言葉にチカゲは“執行人”と呼ばれた事に気に入らなさそうに表情を歪める。

 

もっとも、この手のやり取りは既に何回もあった故に諦めるしかない事は彼女も理解している為、物申したくとも何も言わない。

 

やがて引き渡しが完了しヘリアントス指揮下の少女達がへりに乗り込む。

 

《契約通り、報酬はそちらの口座に振り込もう》

 

「了解、今後とも御贔屓に」

 

それだけでヒロとヘリアントスとのやり取りは終了。タブレット端末の画面が消えるとヒロは近くにいた少女に軽く手を振り、少女はそれに一礼で返す。

 

 

少女が装備するのはH&K MP5短機関銃(サブマシンガン)だがこれは彼女の好みではなく、そういう風に()()()()からである。

 

一見すれば人間の少女に見える彼女らは実は人間ではない。

人間の少女の姿を模した機械、自律人形を戦闘に特化させた物だ。“戦術人形”とも呼ばれる。

彼女らは自身の義体と扱う銃を特殊な技術で接続し高い戦闘能力を発揮出来るよう調整され、そして最適化される銃の名称がそのまま名前になる。

そんな彼女らには人間なんて真正面からぶつかっても敵うはずがないと言われる程でこの世界においては人間の兵士に代わり戦場で戦う存在となっている。

 

閑話休題(それはさておき)

 

ヒロに一礼した少女、戦術人形のGr MP5もヘリに乗り込むとヘリが上昇を始める。

それを見届けたヒロとチカゲもシェルビーに乗り込み帰路に就く。

 

 

 

 

 

かつては南東アナトリアと呼ばれたトルコ南東部シュルナク県、今は防護柵に囲われているが柵の内側から外を見張る4人の子供達。全員身長から10代前半かまだ10行っていない位だろうか。ただし全員がAK-102*1で武装している。

 

策の外から車のエンジン音が聞こえ子供達が意識とAKの銃口を策の外に向けるが、近づいてくるシルエットに子供達は銃口を降ろすと共に表情に喜びが浮かぶ。

 

「帰ってきた!」

 

4人グループの内の少年1人が喜びの声を上げ、策の1部に設けられたゲートに駆け寄り他の3人も続く。

開かれたゲートをシルバーのシェルビーGT500が潜り、再度ゲートが閉められる。

 

子供達が近寄ってくる事を確認したヒロはシェルビーを停め、運転席の窓を開ける。

 

『お帰り、ヒロ兄ちゃん!』

 

「ただいま、皆」

 

笑顔で駆け寄る少年少女達にヒロも笑顔で返す。

 

これがヒロ・・・ヒロ・スメラギ、そして彼が率いる“私設武装組織フェンリル”の日常である。

*1
ロシア・イズマッシュ社が開発したAK自動小銃シリーズの輸出型の最新型「AK-100」シリーズに分類される。102は5.56mm×45弾仕様のカービンモデル




ED:Prototype/石川智晶
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