Doll's FrontLine -Armored Outsiders-   作:天羽々矢

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OP2:HIBANA/感覚ピエロ


#21 WINDS GOSPEL 06 風の福音 06

グリフィン指揮下の戦術人形StG44が榴弾を発射してしまい、その結果休息状態だったと言える少女を刺激しヒロ達は外敵として認識されてしまった。

 

だが、それでもヒロは彼女を攻撃する事に抵抗があった。

彼女はクレーターの中心にいて目の前で竜巻を前触れも無しに起こしてみせた、彼女が世界中で発生した暴風の原因であろうが見過ごせる状況ではない。

しかし今はそんな事を言っていられる状況でも無いし、あの少女も怒りに身を任せているようにも見えるがどこか苦しんでいるように見えていたから。

だからヒロは少女を倒すのではなく救おうと思ったのだ。

 

「いくぞ!」

 

その掛け声と同時に少女は翼を羽ばたかせ空へ飛び上がった。

 

「来るぞ、気をつけろ!!」

 

「了解!」

 

飛び上がると同時に少女はその翼を大きく広げ羽ばたく。

すると周囲に突風が発生しヒロ達を吹き飛ばした。

少女から放たれた突風に吹き飛ばされはしたが幸いにも怪我は無く、少女に向き合うように立ち上がるヒロ達。

そして少女はと言うと、先程の突風を起こした羽根を戻しながら今度は空を高速で飛行し接近してくる。

 

「Go!!」

 

その掛け声と共に全員で少女に向かって走り出し、最初にヒロが発砲。

放たれた弾丸は少女の腕に直撃するも彼女は攻撃された事により更に怒りを露わにし突風を放つ。

突風に吹き飛ばされた一同だったが、即座に立て直しまた少女に向かっていく。

そして今度は左方向からチカゲが大鎌を振りかざすも彼女の腕で防がれてしまう。

 

「ちっ!」

 

すぐさま大鎌を仕舞い手を引っ込めながらチカゲは少女から距離を取る。

その間にとヒロは少女の足元に発砲するが、少女は翼を羽ばたかせて空高く飛び上がり回避。着地と同時に翼を広げ羽ばたき突風を巻き起こす。

他のグリフィンの戦術人形達がヒロ達に襲い掛かってくるが、それに構う事なく少女から視線を外す事無く全員散開する。

 

そしてチカゲが少女に飛び掛かり大鎌を振り下ろすも、風を纏った少女の右腕で防がれてしまう。

しかしチカゲの攻撃はそれだけに留まらず、左手にナイフを構え少女の頭部目掛けて突き出す。

突き出されたナイフは少女の左目付近まで迫るが、少女は左手で受け止めそのまま力任せにチカゲを振り払う。

 

「くっ!」

 

投げ飛ばされる寸前、チカゲは空中で回転し着地する。

しかしチカゲが少女の相手をしている隙に、シズカが少女の背後に回り込み腰溜めの構えで発砲する。

放たれた弾丸は真っ直ぐ少女の頭部へ向かっていくが、少女が振り向きざまに右手から放った風で弾いた事で直撃せず。直後に少女はそのまま右手を横に振り抜き左手を突き出す。

 

「!」

 

突き出された左手の手の平から風の刃が放たれヒロ達を襲うも、咄嗟に散開して回避に成功する。

だが回避に成功した直後、少女は翼を羽ばたかせヒロに急接近し爪で襲い掛かる。

 

「うおっ!?」

 

振り下ろされた爪を回避し、直後に振るわれた尻尾の追撃を左腕で防ぎ少女の腹部に蹴りを入れるも少女にはダメージが通らず逆に蹴られた事でバランスを崩してしまい転倒してしまう。

少女は転倒したヒロへ追撃を仕掛けようと接近するが、そこにチカゲが立ち塞がり大鎌を振るう。

 

しかし少女は翼を羽ばたかせ突風を巻き起こしチカゲを吹き飛ばす。

吹き飛ばされたチカゲは地面に何度も叩き付けられながら転がり、その隙に少女がヒロに向かって飛び掛かろうとするが2人に遅れを取るまいとその場にいたシズカ達は一斉に少女へ弾丸を放ち、更に何発かに命中した事でようやく少女の動きを止めた。

 

「今だ、やるぞ!」

 

ヒロの掛け声と共に少女に一斉攻撃を仕掛ける。

まずはチカゲが少女の背後から大鎌を振り下ろすも少女は振り向きながら爪で弾き返し、その隙をついてヒロとシズカが同時に発砲するも翼を大きく羽ばたかせ突風を巻き起こし弾丸を吹き飛ばす。

 

しかしそれで怯む事なく2人は更に連射し少女が放つ風の刃を撃ち落としていく。そして撃ち漏らした風の刃は後ろで待機していたミアとイリスが撃ち落とす。

その隙に今度はフィリーネとシオンが少女の頭部目掛けて発砲するも、少女は翼を羽ばたかせ突風を巻き起こし弾丸を防ぐ。そして突風が止んだ瞬間を狙っていたかのようにチカゲが再び大鎌を振り下ろすも腕で防がれてしまう。

しかし攻撃はそれで終わりではないと言わんばかりにヒロの放った銃弾が少女の腹部に命中し少し怯む。

 

「チカゲ!」

 

「えぇ!!」

 

2人にはそのやり取りだけで十分。

 

吹っ飛ばされ少女より上空にいたチカゲが大鎌を構え直し、空中で体勢を整えそのまま落下。

 

落下の速度が上乗せされる大鎌の一撃は少女が放った竜巻をも切り裂き少女の右肩から左脇腹にかけて大きく切り付けた。

だが少女はその一撃を受けても怯む事なくヒロ達へ反撃を仕掛けるが、フィリーネとシオンの射撃で翼と両腕を撃たれてしまう。

そして両腕に弾丸を受けた事で少女が怯んだ隙にヒロは少女に向かって走り出す。

そして少女が体勢を立て直す前に接近したヒロは少女の顔目掛けて発砲し、銃弾は少女の腹部に直撃する。それによって遂に少女が地に足を着けた。

 

そしてヒロは少女に向かって走りながら銃を仕舞い、腰のホルスターからナイフを引き抜き接近していく。

少女は風を纏った爪でヒロに反撃するも、その攻撃を回避し少女の腹部目掛けて右拳を叩き込む。

そして少女が怯んだ隙に右足を大きく振り上げ、そのまま少女の頭部目掛けて振り下ろす。

しかし次の瞬間、鈍い音と共にヒロの体が宙を舞った。

何が起きたのか理解出来ず困惑する一同だがすぐに理解する事になる。

ヒロが少女の腹部目掛けて右拳を叩き込んだ瞬間、少女は翼を羽ばたかせ突風を巻き起こしヒロの体を吹き飛ばしたのだ。

 

『指揮官(様)!!』

 

そして少女から距離を取るように宙を舞うヒロに追撃を仕掛けようと少女が飛び掛かろうとするも、それを阻むようにフィリーネとシオンの射撃が少女を襲う。

 

『ヒロ(指揮官)ッ!!』

 

更にミアとイリスも追い打ちで発砲し少女の足を止める。

その間に体勢を立て直したヒロは着地と同時に地を蹴って少女に接近する。

そして少女の腹部目掛けて右拳を叩き込むも、少女は翼を羽ばたかせヒロを吹き飛ばす。

しかしヒロは吹き飛ばされながらも体勢を整え着地し少女に向かって走り出す。

今度は少女が風を纏った爪で反撃するが、ヒロはナイフで防ぎながら接近していき先程と同じように少女の腹部目掛けて右拳を突き出すがまたしても突風に阻まれてしまう。

だがここで止まる事なくヒロは再度少女に接近して右腕を振り抜き殴り付けると、その一撃が少女の腹部に直撃し初めて彼女の表情が変わった。

 

続けてヒロは少女に連続で殴り掛かるも、少女は翼を羽ばたかせ突風を巻き起こしヒロを吹き飛ばす。

しかし吹き飛ばされる瞬間、ヒロはナイフを仕舞い両手を自由にするとそのまま少女の腕を摑み地面に叩き付けると馬乗りになり拳を振り上げる。

だがここで少女が風の刃を放ち反撃、咄嗟に顔を庇うも腕に直撃してしまい鮮血が飛び散り、少女の顔にも鮮血が付着する。

それでもヒロは攻撃を止めず拳を振り上げるが、少女は翼を羽ばたかせ突風を巻き起こし拳を振り下ろそうとしたヒロを吹き飛ばす。

そしてすぐに立ち上がり再度少女に接近すると今度は跳び上がり少女の頭部目掛けて右足を振り下ろす。

 

「うおぉぉぉ!!」

雄叫びを上げながら振り下ろされたヒロの右足は、少女の頭部に直撃し鈍い音と共に地面に叩き付けられた。

 

「はぁ・・・っ!はぁ・・・!」

 

着地と同時に息を切らしながらも構えを取るヒロだったが、頭部にヒロの一撃を受けた少女はピクリとも動かず、やがて背中にあるターコイズブルーの翼も消えていく。

 

その様子を確認したヒロは構えを解き、少女から少し離れるとナイフを仕舞い両腕を上げた。

すると他の戦術人形達も攻撃を止め、武器を下ろしていく。

そして最後にシオンが両手を上げながらゆっくりと口を開く。

 

「・・・戦闘終了です」

 

その言葉を聞いた瞬間、その場にいた全員が大きく息を吐いて力を抜いた。

これでようやく終わったのだと安堵したのだろう。だがまだ終わった訳では無い事を思い出したヒロは慌てて少女の元へ向かうと彼女の容態を確認する。

少女の体を優しく抱き上げたヒロは、彼女の怪我を治す為に待機していたシズカとフィリーネに声を掛ける。

 

「2人共!この子の治療を頼む!!」

 

突然の事に驚く2人だったがすぐに頷き少女の元へ駆け寄り治癒を始める。

そんな3人を余所にグリフィンの戦術人形達は警戒しながら少しずつヒロ達へ近付いてくる。

そしてある程度距離が縮まった時、その中の1人、MP-446が口を開いた。

 

「・・・その子をどうするつもり?」

 

その言葉を聞いたヒロ達は動きを止め、彼女の方へ視線を向ける。

今度は先程盛大にやらかしたStG44が口を開く

 

「私達はその子を捕獲して本部へ連れて行かないとなりませんの。ですから・・・その子を渡してくださいませんこと?」

 

そう言って銃を構えるグリフィンの戦術人形達を見て、ヒロはチカゲ達に目配せすると少女を守るように彼女達の前に立ち塞がった。

そして真剣な眼差しで彼女達を見つめながら口を開く。

 

「この子は渡さないし、お前達に渡すつもりもない」

 

その言葉を聞き、グリフィンの戦術人形達の1人が舌打ちをしながらヒロを睨み付けた。

 

「・・・なら仕方ないわね、力尽くで奪うまでよ」

 

グリフィン隊の隊長と思われるP7のその言葉を合図にグリフィン戦術人形達とヒロ達は戦闘を開始する・・・その時だった。

 

《はい、お疲れさ~ん!!》

 

突然ヒロや戦術人形達とは別の声が響き渡り、その場にいた全員が声のした方へ視線を向けるとそこから複数のミサイルが飛来しヒロ達に襲い掛かる。咄嗟にヒロは少女を庇いながらミサイルの直撃を避けるが、それでも爆風によって吹き飛ばされてしまい、チカゲ達も爆風に煽られ散り散りになってしまう。

 

そして何とか体勢を立て直したヒロ達がミサイルが飛来してきた方向を見ると、先程まで自分達がいた場所には2機の人型機動兵器(ロボット)らしき影が立っており、その2機はヒロの脳にも記憶のある姿だった。

 

ナインボール・セラフ(セラフ)と、ダブルオークアンタ(クアンタ)フルセイバー・・・ッ!?」

 

ヒロの前世の記憶にある模型(プラモデル)でしか存在しないはずのMS(モビルスーツ)と呼ばれる人型機動兵器。

別色の黒とはいえナインボール・セラフ(セラフ)がヒロの相方以外にもう1機存在していた事にも驚いたが、まさかこの世界で実物を拝む事になるとは思いもしなかった。

 

そんなヒロの驚きを余所に、黒いセラフは左腕に内蔵されるパルスキャノンをヒロ達に向けゆっくりと近付いていく。

するとそこで漸く我に返ったグリフィンの戦術人形達が一斉に射撃を開始した。

だがその攻撃は2機の機動兵器には通用せず、逆に放たれた弾丸やミサイルは全て防がれてしまい逆に反撃を受けてしまう。

 

ヒロ達も散り散りになりながら黒いセラフの猛攻を掻い潜るが、その中でヒロはクアンタが少女を右手に収める所を目撃した。

黒いセラフがヒロ達とグリフィン戦術人形部隊に牽制射撃を行う中、クアンタは少女を傷つけないように優しく抱きかかえる。

 

「その子をどうするつもりだ!?」

 

ヒロは少女を取り戻そうとクアンタに向かって駆け出すが、それを見た黒いセラフがヒロを迎え撃つべく立ちふさがり右腕を思い切り振りぬきヒロを殴り飛ばす。

 

「ぐぅッ!!?」

 

殴り飛ばされたヒロはそのまま地面に叩き付けられ、更に追い打ちを掛けるように黒いセラフが蹴りを繰り出そうとするも、それに気付いたチカゲが黒いセラフを2本の大鎌状マニピュレーターで受け止め食い止める。それを見て黒いセラフが左腕のパルスキャノンを発射しようとするがそれはシズカ以下ヒロ指揮下の戦術人形達に止められる。

しかしクアンタはそんな彼らを気にする事なく少女を抱えたまま跳躍し、そのまま飛び去ってしまった。

そしてそれを見た黒いセラフも、クアンタを追うように跳躍し飛び去っていく。

 

ヒロは痛む体に鞭を打ちながらも何とか立ち上がり、黒いセラフが飛び去った方向を見つめる。そして見えなくなったのを確認すると悔しさのあまり拳を握り締めた。

するとそこにフィリーネが駆け寄り声を掛ける。

 

「指揮官様!ご無事ですか!?」

 

その言葉に我に返ったヒロはすぐさま他の戦術人形達との状況確認を行うと、幸いにも被害は少なく全員無事だった事が分かったのでホッと胸を撫で下ろす。

しかし任務対象と思われる少女はヒロ達とグリフィンとは別の第3勢力に奪われ、ヒロ達の手持ちの装備では追跡は困難だ。

 

残念ながらもうこのニュージーランドの地でやるべき事も、出来る事も無い。

 

「・・・作戦は終了です指揮官、帰還しましょう」

 

「・・・そうだな」

 

ヒロはシオンの言葉に頷き、負傷した仲間を連れてその場を後にする。一先ず体制を立て直す為に仲間達を連れてアナトリアへ戻るべく行動を始めた。

しかしその表情は終始悔しさが滲み出ており、拳を強く握り締めながら戻っていった。




ED2:HORIZON/TEAM SHACHI

いや~、時間かかりましたが割かし長くかけたのはAiのべりすとのお陰やねw( ̄▽ ̄;)

本来でしたらここで終了ですが今回唯一のコラボ先であるアーヴァレスト様協議の下、もうしばらくコラボは続ける予定です!

コラボ先の作品はこちらになります!↓
[https://syosetu.org/novel/294168/]
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