Doll's FrontLine -Armored Outsiders- 作:天羽々矢
森谷 闘真という男と交渉を終え施設を後にしたヒロ達であったが、正直生きた心地がしなかった。
ヒロは元より、チカゲも彼の異常性には気づいており、その危険性を肌で感じていた。
だが、あのカズマと呼ばれていた男は違う。闘真という男がどれほど危険かを理解していながらも平然としていた。むしろ、会話の節々に挑発的な発言すら混ぜていたほどだ。
「あの人・・・本当に人間なの?」
「少なくとも人間だよ」
思わず口に出してしまった疑問にヒロからの返答があったことに驚くチカゲだが、彼はそれを無視し目標のレーダーサイトへ歩を進める。
いくら綿密に計画を立てても敵の長距離攻撃で主力部隊を乗せる輸送機編隊が壊滅してしまえば全てが無駄になってしまう。
しかしその前に1つ確認事項が。
「セラフ、聞こえるか?」
≪通信を回復、感度良好≫
どうやら先程までの通信障害は無事に回復したようだ。今度はセラフの声がはっきりと聞こえる。
≪先程の通信障害は敵性人物による傍受と判明。逆探知を試みましたが探知直前に端末の電源をカットされた為追跡不能≫
セラフが先程の通信障害の原因とその時の行動を説明して釈明。
端末の電源を切られ追跡し切れなかったようだがヒロには確信めいた物があった。
傍受の指示と方法を出したのは間違いなく闘真とカズマである。
ヒロが謝罪として受け取ったガンダムケストレルを開発できる技術もそうだが、闘真はカズマがクアンタフルセイバーを開発し運用していたと言った。そこから考えればあの時クアンタフルセイバーと共にいた黒いナインボール・セラフの正体は闘真という事になるのは本人もそれを自供していた。
あれ程の技術を持つのはヒロが今まで知る限りでは今は亡き
つまり、ヒロが知る限りの技術を持つ人物は3人いる事になってしまう。
そこまで考えて思考を打ち切る。今は任務中であり余計な事は考えるべきでないと判断したからだ。
敵のレーダーサイドが移動中のユウゴ達を捉え、長距離地対空兵器の餌食になる前に対応しなければ。
―――――主力部隊到着及び
山間部をひたすら行き遂に目標のレーダーサイト基地に辿り着いた。
ヒロの予想通り、大型の長距離レーダーを何基も設置しレーダー範囲の死角を無くしたタイプだ。
そしてこのレーダーが敵性か不明勢力の航空機或いはミサイルを捕捉すると、それに連動する長距離対空兵器が放たれるという仕組みだろう。
レーダーには電源を外部
ならば当初のプラン通り、外部
ところがいざレーダー基地へ潜入しようとした所でチカゲが足を止めてしまう。
「チカゲ、どうした?」
「いや、あの場でこの子を預けておけば良かったなって・・・」
ヒロの問いかけに苦笑いしなから答えるチカゲの視線の先には、闘真との接触前に保護し未だにチカゲの背中で眠る黒髪の少女エステルが。
それを持て思わずヒロもあちゃーと額に手を当てて天を仰ぎ、シズカも溜息。
あの時はセラフとの通信が繋がらず闘真にペースを握られてしまっていた、あの場で思い至らなかった為に言い訳は出来ないしするつもりも無いが今の状況でエステルの身は非常に邪魔である。
仕方なくエステルの身はシズカに任せて共に身を隠すよう指示。レーダー基地の破壊工作はヒロとチカゲの2人のみで行う。
レーダー基地の正面ゲートは手薄で突破出来ない事はないが、出来るだけ隠密行動を心掛け騒ぎになるような事は避けたい。
発電設備と外部電源ラインを破壊すれば否が応でも敵が騒ぎ出す。その前に基地をお祭り騒ぎにして支障が出ないようヒロとチカゲは細心の注意を払いつつ騒ぎが始まる前にレーダー基地の破壊工作をしなければならない。
手短に通信でやり取りをし、行動を開始する。
潜入方法はどうしようかとヒロが周囲を見渡すと、基地の東側から3 1/2tトラック*1が止まっている。どうやら積荷の確認を行っているようだ。
そこでヒロが何か思いつき、チカゲを引っ張ってトラックに近づいていく。
トラックがゲートをくぐり基地敷地内へ。そのままトラックは荷下ろしの為に倉庫前に停まるが、
「も、漏れる・・・」
トラックの運転手は股間を抑えながらトイレへダッシュ。
するとトラックの荷台に積まれているダンボール箱の内の2つがモゾモゾと独りでに動き出す。そしてダンボールが2つともトラックから倉庫へ降ろされると、人がいなくなったタイミングを計りダンボールが開き中からヒロとチカゲが出てきた。
どうやらこのダンボールは2人が中に入ってそのまま荷下ろしの為にゲートをくぐったようだ。
「上手く行ったな」
「むしろこんな手で侵入を許すとか、セキュリティガバガバ過ぎない?」
トラックから降りダンボールから這い出たヒロとチカゲが倉庫の陰で作戦会議を行う。
ダンボールは2人が中に入ったまま基地へ搬入され、荷下ろしの為にゲートをくぐっただけという何とも間抜けな方法で潜入に成功した。
潜入した2人は二手に分かれ早速行動を開始する。ヒロが発電施設、チカゲが外部電源ラインの破壊にそれぞれ向かう。
施設の見取り図はダンボール箱に入って潜入する直前にセラフがダウンロードを済ませてくれており、発電施設の位置も把握している。
向かうは倉庫の北側だ。
倉庫エリアと発電施設との間にはヘリポートがあるが、そこでヒロは妙な物を発見する。
それは日本では運用されていないはずの物。
「・・・
Mi-24 ハインド、ロシアが運用する攻撃ヘリだ。
何故こんな所にハインドがあるのか?ヒロは疑問に思ったが後で調べようと頭の隅にメモをし、まずは発電施設の破壊を優先する。
倉庫の陰に隠れつつ移動し目的の発電施設へ到着するヒロ。
幸いにも、ここに至るまで敵部隊との遭遇は無く作戦は順調に進んでいる。
否、これはむしろ罠なのかもしれないと思いつつも足を止めずに施設の侵入口を探し接近する。
侵入口に選択したのは、換気用のダクトだ。
ヒロはダクトの蓋を外し、中へ入り込む。
ダクトの中は狭く、匍匐前進で進むしかないが幸いにも埃やゴミは少なくすんなりと通れるようだ。
そのまま暫く進み続け、ようやく目的の場所に到着したのかダクトが途切れる。
そこは制御室のようだ。部屋の中央には大きな機械があり、その機械から数本のコードが伸びている。
ヒロはダクトから這い出て制御室を探索する。
部屋の中央には大きな機械、その機械の周囲には複数のモニターと操作パネルがある。
そしてその機械から伸びるコードの一部は壁際に設置されている台上にある3つのラップトップ型端末に接続されている。
ヒロはラップトップ型端末の1つを起動しキーボードを叩く。
するとあっさりとデスクトップ画面が表示される。どうやらこの端末はアクセスポイントとして使われているようだ。
アクセスポイントと接続されているという事は、この施設内全ての情報にアクセス出来るという事だ。
まずは発電施設の情報をダウンロードする為、施設の見取り図を表示させる。そして発電機の位置を確認すると、やはりと言うべきか発電機もここと同じ場所であった。
見取り図を表示させたまま端末を操作し発電機の情報と発電施設の見取り図をダウンロードする。
次は外部電源ラインの位置を確認する為監視カメラの映像へアクセスする。
監視カメラの映像には基地内部の様子や格納庫内の様子など、様々な映像が映し出されているが肝心の外部電源ラインは確認出来ない。どうやらカメラの死角に設置されているようだ。
ならばやはり外部電源ラインはチカゲに任せ、ヒロは発電機の破壊に向かう。発電機から施設各所への電力供給を断てばこの基地は電力不足に陥る。そうすれば敵性勢力のレーダーやミサイルも機能しなくなるだろう。
ヒロは発電施設の見取り図を頼りに発電機を探し出し破壊する為のプランを練ろうとしたものの、発電機内の様子を見る為の小窓から覗く緑色の光に思わず戦慄する。
確証は無いが確認する為発電機に近づかなければ。
だが流石に近付き過ぎれば気付かれるリスクもある為、今いる位置からアサルトライフル用の4倍スコープで確認する事に。
そしてスコープで発電機の緑色の光の正体を確かめた結果、ヒロはセラフに意見を求める事に。
「セラフ、こちらヒロ。予定通りレーダー基地の発電設備にたどり着いたけど問題がある」
≪感度良好。コマンダー、報告を≫
「・・・奴ら、発電に“崩壊液”を使ってる」
“
北蘭島事件とオーロラ事件を引き起こし、第三次世界大戦の引き金になった物質。
その名の通り触れた物ならありとあらゆる物を崩壊させる程強力な力を持つが、この性質を逆用し物質を組み替え生成するという技術が編み出され一時注目を浴びた。
今では2つの事件を引き起こし地球を汚染したその危険性から正規機関が厳重に管理しているはず。何処から手に入れたのか・・・。
いや、それよりも重要なのは敵が崩壊液を有しているという事。
崩壊液の脅威は北蘭島事件とオーロラ事件で明らかとなっている為迂闊に崩壊液を用いる発電機を破壊する訳にはいかない。もし崩壊液を閉じ込めるケースを破損させてしまえばこの辺り一帯を崩壊し尽くすだけでは済まないリスクが高い。最悪、北蘭島事件とオーロラ事件の二の舞となり日本の生存圏である北日本と東日本まで汚染する危険がある。
≪コマンダーの情報よりプランを修正・・・完了。発電機の直接破壊ではなく発電施設の冷却設備の破壊を推奨します≫
「了解」
だが情報さえあれば
修正案に従い、ヒロは目標を発電機本体から施設の冷却設備に変更する為、その場から移動する。
―――――同時刻:日本国某所
そこには1人の男がいた。
通信相手のスキンヘッドの議員を“将軍閣下”と呼んでいた男だ。
暗闇の影響で姿の詳細は確認出来ないが、逆立つ銀色のような白髪と整った顔立ちからまだ若年である事が辛うじて伺える。
すると男のいる部屋に迷彩服を着た兵士らしき人物が入る。
「失礼します。目標の確保、完了しました!」
「ご苦労。これでしばらくは日本政府も手出し出来ないだろう」
「しかし、
「例えあの2人が偽物を用意しようが、動きと金属反応ですぐ分かる。それにいくらあの2人が非常識だろうと
そう言って白髪の男が手元のタブレット端末に視線を落とすと、画面には手足を縛られ口にガムテープを貼られているスーツ姿の男女が装甲車に乗せられている様子が映っていた。
すると兵士が再び姿勢を正し口を開く。
「隊長、例の少女の確保は何時でありますか?部下達が待ちくたびれております」
「将軍からのゴーサインが出るまではまだだ」
例の少女、ヒロ達が確保を目標にしている人物の事だろう。
しかし白髪の男はまだだと言う事を伝えると、テーブルの上にあるコーヒーカップを手に取り中に入っている熱々のコーヒーを口に含む。
そして右手のコーヒーカップを再度テーブルに置くと、今度は右手をテーブルの下に突っ込む。
右手がテーブルの下から出てくると手には紙袋が握られており、それを兵士に向け投げる。
兵士はそれを慌てて受け取ると、今度は白髪の男が口を開く。
「ショーの開演はまだ先だ。それまではメシでも食って待ってろ」
「はッ、ありがとうございます!」
紙袋の中身は普通のクッキー。
兵士は白髪の男に敬礼を返すと部屋を後にする。
部屋の扉が閉まると部屋は再び暗闇に戻り、男の暗闇でのコーヒーブレイクはカップの中のコーヒーが無くなるまで続いた。
ED2:HORIZON/TEAM SHACHI
いや~AIのべりすと様様じゃけぇ、AIが書いたのをちょっくら修正&追記するだけだから思ったよりずっと早く上がっちったw
コラボ先の作品はこちらになります!↓
[https://syosetu.org/novel/294168/]