Doll's FrontLine -Armored Outsiders- 作:天羽々矢
アナトリア領内の飛行場には既に作戦に参加するメンバーが集まっていた。その中には今回が初の作戦参加となるアヤメ、マナ、レイシア、ウェンディの姿もある。
「いよいよですね・・・」
ウェンディは緊張した面持ちでそう呟く、すると・・・。
「大丈夫だ。俺だけじゃない、皆がいる」
ヒロはそう言って彼女の肩に手を置く。その後ろにはシズカ達とアイヴィス達の姿もあった。
勿論彼女達だけでなく、今作戦に参加するメンバー達もいる。
「はい・・・!」
ウェンディは小さく頷く。
それを見てヒロは小さく微笑むと落ち着かせるようにウェンディの頭を優しく撫でる。
「あ・・・」
ウェンディは恥ずかしそうに頬を赤らめるが、その表情はどこか嬉しそうだ。
「・・・そろそろ時間だな」
スマホの時計を確認したヒロは小さく呟くと集合したメンバー達の方に向き直る。
「皆、準備は良いか?」
ヒロの言葉に一同が頷く。それを見てヒロも頷き返すと・・・。
「よし、これより作戦を開始する!総員搭乗!」
『了解!』
全員がそれぞれに割り振られた兵器に駆け寄り乗り込む。
シズカ達試作戦術人形のヴァルキリー分隊、アイヴィス達ノワール分隊はそれぞれ別のUH-60Mブラックホークに搭乗、ウェンディも車椅子ごとV-22 オスプレイに乗り込む。
だがヒロだけはそのどれにも乗らずに踵を返す。
「悪い皆、俺はこっちだから」
そう言ってヒロは離陸していくヘリ部隊とオスプレイ部隊を始め、作戦に参加する航空機部隊見送るとセラフがいる自宅兼中央司令室代わりの研究所廃墟へ向かう。
「セラフ、準備は良いか?」
『はい、いつでも行けます』
研究所廃墟に到着したヒロはセラフに通信を入れる。するとすぐに返事が返ってきた。どうやら彼女も既に準備万端のようだ。
「分かった、じゃあ今からそっちに向かう」
そう言うとヒロは研究所廃墟の司令室へ向け歩き出す。そして数分後・・・。
「セラフ、待たせたな」
ヒロは自宅兼研究所廃墟の中に入る。そこには既にセラフがスタンバイしていた。
≪お待ちしておりました、コマンダー≫
「あぁ、作戦開始まであまり時間が無いから早速だけど準備に取り掛かろう」
≪了解≫
セラフはそう言うと
視界に様々な情報が浮かんでは消え、ヒロの身体がセラフと同化するような感覚になり、セラフの目がヒロの目となりセラフの手足がヒロの手足となる・・・。
≪各部システムチェックを実行開始≫
セラフのチェックと並行してヒロも操縦席内のコンソールを操作してチェックを実行。
≪外部接続ケーブル、パージ≫
ヒロがコンソールを操作するとセラフの胸部、両手両足に接続されていたケーブルが外れる。これで手足は自由になった。
≪ジェネレーター、出力上昇≫
セラフのジェネレーターが唸りを上げ出力を上げる。同時に機体各部にエネルギーが供給され各部に装着された武装やセンサー類が起動、稼働し始める。
そして各部に搭載されたスラスターから熱気が排出される。
≪システムチェック・・・オールグリーン≫
一通りの確認が終わるとヒロは操縦桿を握る。そして・・・。
≪メインシステム、通常モードを起動≫
セラフのシステムが起動しカメラアイが力強く点灯、機体にエネルギーが供給される。
「セラフ、準備は良いか?」
≪問題ありません≫
ヒロの言葉にセラフは淡々と返す。どうやら問題ないようだ。
≪上部ハッチを開放、開放確認と同時に操縦権をパイロットへ移行≫
セラフがそう言うと2人のいる区画の天井が開く。そして・・・。
≪上部ハッチ完全開放を確認、発進タイミングをパイロットへ譲渡≫
「了解」
ヒロは操縦桿を握りフットペダルを踏み込む。するとセラフの機体がゆっくりと動き出す。
「っ・・・!」
≪システムグリーン、出力安定≫
ヒロは操縦桿とペダルを巧みに操作しセラフを歩かせる。そして・・・。
「行くぞ!発進!!」
≪了解≫
ヒロが叫び両足のペダルを思い切り踏み込むとセラフはスラスターから勢いよく炎を吐きながら飛び立つ。
アナトリアを立ち上げて以来共に戦場に立つ事は無くなり、ここ最近はまともに動作をさせた事はなかったが何処も問題は無いようでヒロはその感覚に懐かしさすら感じていた。
そして地上では空に飛び出した赤い鋼の巨人を見るや否や、アナトリアに住む人々が手を振り歓声を上げる。
「・・・」
その様子を見たヒロは小さく息を吐くと操縦桿を握る手に力を込める。
「・・・行くぞ!セラフ!!」
≪了解≫
ヒロの言葉にセラフは短く答えると背部の大型ブースターを吹かし空を駆ける。
途中で先発したフェンリル航空機部隊とも合流。ヘリに乗るシズカを始め試作戦術人形達を始めアイヴィス達もセラフが動く所、共に作戦に参加するのを実際に目にするのは初めてだ。
「凄い・・・」
「あれが、セラフ・・・」
シズカとアイヴィスはそう呟き、他の者達も驚きを隠せない。すると・・・。
≪皆さん、作戦開始まで残り時間がありません。急ぎましょう≫
そんな彼女達を急かすように通信が入る。それはセラフからであった。
「・・・そうですね」
シズカはそう言うと装備の点検に戻り、メンバー達も各々装備のチェックに戻る。
ヒロが駆るセラフが航空機部隊の先頭に立ち、皆を従えながら飛び続ける。
目指すは鉄血の要塞型補給拠点サイレントライン・・・。
ED3:DREAMCATCHER/ナノ
今回から本編でありコラボ編の愉快な遠足の始まりだ!
コラボ先はこちらになります![https://syosetu.org/novel/331813/]
※今回のOP選出はコラボ先の方の作品のネタの開発元の別ゲームに使われた曲ですw