Doll's FrontLine -Armored Outsiders- 作:天羽々矢
作戦が比較的順調に進む中、ヒロとセラフは鉄血人形の部隊を蹴散らしながらサイレントラインの居住区へ接近していく。
《敵部隊に増援!数およそ30・・・いえ60です!!》
だがそこでエイミーからの通信が入る。どうやら周辺の敵部隊が集結し第1部隊の進路を阻んだようだ。
上空からE-3のレーダーを通して監視するエイミーの報告する通りその数は60機以上だ・・・。
《了解シタデル。お兄様、私達が行きます》
するとここでアイヴィスから通信が入り、彼女が率いるノワール分隊が第1部隊と合流。ノワール分隊が合流し、第1部隊と共に前進する中ヒロとセラフは敵部隊の正面に回り込み攻撃を加える。
《バイパー2-1よりシタデル、燃料ビンゴだ、給油の為引き返す》
バイパー2-1から通信が入る。どうやら燃料残量が少なくなってきたようだ。
《シタデル了解、シャークが持ち場を引き継ぎます》
《バイパー2-1、了解》
シタデルとの通信を終えるとバイパー2は引き返し、代わりにF/A-18Eの5機編隊、コールサイン“シャーク”が第1部隊及びノワール分隊の近接航空支援を引き受け、両部隊はそのままサイレントラインに向け鉄血人形を蹴散らしながら前進する。
《指揮官、こちらレイシア、聞こえる?》
ここでヒロに向けた通信が入る。相手はヴァルキリー分隊にいるM27ことレイシアだ。
「ああ、聞こえてる。どうした?」
《居住区の第1防衛線に1番乗り出来たんだけど、鉄血の奴らがバリケード越しにジュピターで砲撃してきて通れないんだ。指揮官と相方のセラフで穴を開けられる?》
レイシアの言うように、サイレントラインの第1防衛線にはジュピターが配備され鉄血人形達がバリケード越しに銃撃と砲撃を仕掛けている。
だがその程度の障害で止まる程臆病ではない。
「分かった、思いっきり蹴破ってやろうか」
ヒロはそう言うとセラフのブースターを吹かしバリケードに接近する。
《こちらフェンリル・コマンダー、これより鉄血のバリケードに突撃する、巻き込まれるなよ!》
ヒロがそう通信を入れると、ヒロが操縦するセラフはバリケードに向け突進。バリケードの反対側にいる鉄血人形達とジュピターはセラフを止めるべく攻撃を集中させるがセラフの機体周辺に展開されているバリアでその攻撃のほとんどは阻まれ、セラフはそのままブースターを全開にしてバリケードへ体当たりする。
バリケードはセラフの体当たりで粉々に砕け散り、ヴァルキリー部隊の前進を妨害していた障害物が無くなった。
そしてバリケード越しにヴァルキリー分隊に銃砲撃を行っていた鉄血部隊の中心に位置するジュピターに張り付くと、ヒロは操縦席のパネルを高速でタップしセラフに指示を出す。
「セラフ、やれ!!」
≪電磁場反転、シールド圧縮・・・アサルトアーマー、発動≫
セラフの機体周囲に展開されるバリアが一瞬収縮したかと思いきや、強い輝きを放ちながら爆ぜジュピターを始めセラフの周辺にいた鉄血人形達を衝撃波で纏めて吹き飛ばす。
アサルトアーマー、これは自機周囲に展開されるバリアを攻撃に転用するシステムだ。
バリアを収縮させ一気に放つ事で一時的に無防備になるが、バリアを攻撃に転用するその破壊力は絶大だ。
セラフのアサルトアーマーによって前進を阻んでいた鉄血部隊は一掃しされァルキリー分隊は前進する。
《敵部隊の排除を確認、援護感謝します司令官!セラフさん!》
シズカから感謝の連絡を受け、ヒロは通信で応える。
「どういたしまして、シズカ」
ヒロは笑みを浮かべながら答え、分隊を率いるシズカもセラフのカメラ越しにいるヒロに微笑む。
そして第1部隊の前進に合わせてヴァルキリー分隊とヒロも要塞に向けて進撃する。
だが・・・
キィィィィィィ・・・・・・!
「ッ!?」
耳鳴りかと思いきや、突然強烈な頭痛がヒロを襲う。その事もありセラフの動きが一瞬鈍った。
「いッ、いててッ・・・!!」
《どうしたの!?》
ヒロが右手で頭を押さえる中、セラフの動きの異変に気付きレイシアがそう問い掛ける。どうやら通信にノイズは走っていないようだ・・・。
頭痛に耐えながらヒロは答える。
「いや・・・なんでもない・・・!」
そう答えるヒロの額には玉のような汗が浮かんでいた。
《いや声からして明らかに大丈夫じゃないよね!?》
ヒロの異変に気付いたレイシアはそう問い掛けるが、ヒロは通信で返す。
「大丈夫だ、すぐに治ると思う・・・!」
だがセラフの頭痛が収まる様子はない。それどころかどんどん酷くなっていく。
≪パイロットの脳波状態を検査。・・・脳波に異常値を確認、意識レベル低下≫
ヒロの状態を検査したセラフがそう報告する。どうやら今の頭痛はただの体調不良ではないようだ・・・。
《ちょっと!?それってヤバいんじゃないの!?》
レイシアも通信でそう言ってくるが、やはり頭痛は治らない。それどころか酷くなっていく一方だ。
そして遂に意識が遠退き始める・・・。
そこでヒロの耳にある声が入ってくる・・・。
―――レイヴン・・・―――
「レイ・・・ヴン・・・?」
薄れゆく意識の中、ヒロはそう呟いた。
―――あなたも来ているのですか?レイヴン・・・―――
誰だ?聞き覚えのない声だ・・・、・・・ 一体誰なんだ?それに“レイヴン”って誰だ・・・。
《司令官!!/指揮官!!》
遠くで聞こえるシズカ達の声を他所に遂にヒロは意識を失い、ヒロという操縦手を失ったセラフは動きを止める。
《シタデルよりフェンリル・コマンダー!応答してください!!》
上空から目を光らせるE-3に乗るエイミーもヴァルキリー分隊から報告を受けヒロに呼びかけるが返事はない。
だがここでセラフが再起動。
≪プロトコル3:パイロットの保護≫
そう発言しながらセラフは再起動すると、ヒロの操縦がなくても機体を動かしヴァルキリー分隊に先行しサイレントラインへ侵攻する。
《ちょっと!何勝手に動いてるのさ!?》
セラフの勝手な行動にレイシアは抗議するが、セラフはお構いなしに突き進む。
≪プロトコル3を遂行中、問題はありません≫
セラフがそう答えるとレイシアは通信に割り込む。
《ちょっと!あんた何なのさ!?指揮官はどうしたの!!》
そんなやり取りをする2機だが、そんな時・・・。
《セラフさん、レイシアさん、今は味方同士で争っている場合ではありません》
LR-300ことシオンが通信でそう割って入るとレイシアも落ち着きを取り戻す。
《・・・了解》
大いに不服そうながらレイシアはそう答えると、セラフはそのままサイレントラインへ侵攻する。
《セラフさん、指揮官が意識不明の状態で大丈夫ですか?》
シオンはそう通信で問い掛ける。だが・・・。
≪問題ありません≫
そんなシオンにセラフは平然と答えるながらサイレントラインへ侵攻する。
第1部隊とヴァルキリー分隊は要塞への距離を詰める中、ヒロは意識を失ったまま目を覚ます事はなかった。
ED3:DREAMCATCHER/ナノ
頭に届いた誰かの声に脳が耐え切れずウチの主人公君は気絶しちまいました( ̄▽ ̄;)
コラボ続行中!
コラボ先はこちらになります![https://syosetu.org/novel/331813/]