「ウマ…ハザ…ド?」
ウララくんは俺の顔を見ながら俺の言ったセリフを復唱した。
「うん、『UMA HAZARD(ウマ ハザード)』であってるよ…まずこの人災の説明の前にコレを見て欲しい」
俺はウララくんに自分のスマホを向け、業務連絡の通知を見せた
「え…えっと…」
「ウララくん、この連絡の言葉に何か違和感がない?」
ウララくんは俺がそう言うとスマホをじっと見始めた
「…『人参たくさんカレー辛口』?」
「うん、そうだね。その単語が気になったよね」
俺も先ほどまでこの通知の意味が分からなかったが、ウララトレとの会話でこの通知の意味を思い出した。正直何故忘れていたのか…忘れていなかったら少なくとも心構えくらいはできたと思う
「ウララくん、隠語って知ってる?」
「隠語?」
隠語、つまり普通の人にはただの言葉にしか聞こえないが特定の職業の人達がその言葉を聞いたら普通の人とは全く別の意味で伝わるように仕立てた言葉の事である。
過去、不審者が保育園に不法侵入をしようとしているのに気がついた保育士が隠語を用いて子供たちに勘付かれずに保育士同士で協力しあい不審者から子供たちを守った事件もある位日常的に使われている言葉である。
「この隠語はね、複数の意味のある単語と意味のない単語を組み合わせて一つの文にしているんだよ」
「えっと…」
ウララくんはいきなり色んな事を言われて処理しかけているのか言葉が詰まっている。
「簡単に説明するね。
『人参』=ウマ娘
『たくさん』=複数人
『辛口』=暴行
て意味、因みに中辛だと冤罪。甘口だと…」
あ、やべ
「…甘口だと何?」
「…それはまだ言えない、甘口はウララ君には刺激が強いからね」
「え〜」
流石に言えないよ、だって 甘口=うまぴょい って意味だもん。
「……ともかく、この隠語を上の文に当てはめて見て。そうすれば本当の通知がわかるから」
「…え?え…っ!?」
ウララくんは顔を青ざめて後ずさる、無理もない。この通知の真の意味、それは…
「そう、この通知の本当に伝えたい文章は
『複数のウマ娘による暴行でトレーナーが長期休暇になりました。みなさんも気をつけください』
って事だよ」
「う…うそ…」
ウララくんはもう泣きそうになっているのか目に涙が溜まっていた。
「アルトレさん…どうして…こんな…」
正直言うとウララトレにバトンタッチしたい。ものすごくしたい。でも俺から説明すると言ったんだ。俺がキチンと伝たえなきゃダメだ
「ウララちゃん、覚悟して聞いてね。この通知にあるトレーナーの事件…原因は間違いなく
ウララちゃん達G1レースで活躍するウマ娘達だよ」
「え」
ウララちゃんは何を言われたのかが理解できない顔を浮かべた。
「そう、ウララちゃんやアルダンのようなG1レースで活躍するウマ娘、それは間違いなく全てウマ娘達の憧れだ。
だが中にはG1に出ているウマ娘達に対して恨みや嫉妬や妬みなどの負の感情をためてしまうウマ娘もいる。
その感情は普段は間違いなく表には出てこない。何故なら理性がそれに蓋をしているから。だけどね…」
俺はしっかりとウララくんの目を見て話す。
「ウマ娘だって年頃の女の子、我慢にも限界がある。
もしそんな時に失恋?スランプ?何でもいい、確実に心を揺さぶられる事が起きたらどうなる?…そう、間違いなく抑えていた蓋が壊れて負の感情が爆発する。
その結果暴走して暴力的発言や破壊衝動、専属トレーナーに対する暴力で支配する形で担当ウマ娘からトレーナーを奪う略奪行為に発生する。
一度発生するとそのウマ娘教育施設を完全封鎖してウマ娘達の感情が治るのを待つしかないウマ娘による狂気の暴走行動」
俺はそう言いながら手に持っていたスマホをポケットにしまう。
「初めは1人の暴走から始まる。だけどまるでウイルスに感染したみたいに素早く、そして確実にその暴走は他のウマ娘の心の闇を刺激し、そして確実に暴走させる。それはねずみ算色に増え、やがて人災となる。
初めてその現象が観測されたアメリカで
「まるでパンデミックが起こったみたいだ」
と言う証言を元に名付けられた人災、それが
UMA HAZARD なんだ」
To Be Continued…