「…」
ウララくんは信じられないと言った顔をしながら固まってしまった。
「俺達ヒトミミとウマ娘とでは力の差は歴然だ、それは普段の生活でも変わらない。
そんな彼女達による暴走は普段押さえている力のリミッターが外れる、だから正直に言って被害は想像できない。
過去に起こったハザードのによる破壊衝動の被害はまちまち、完全に建物が壊された件もあれば一部壊された件もある。
だが、それより厄介なのはトレーナーの略奪行為の方だ」
俺はウララくんにはっきりと聞こえるように言う。
「彼女らはトレーナーを手に入れるには文字通り何でもする。トレーナーを暴力で従わせる、トレーナーの弱みを強引に作り脅す、トレーナーの大切な物を奪い交渉など色々だ。
中でも厄介なのが…担当するウマ娘に危害を加えるパターンだ」
「!?」
ウララくんはそれを聞くと表情が驚きの顔に変わる。
「彼女らが担当ウマ娘に危害を与えた場合はその場の全員にとっていい事なんで一つも起こらない。
危害を受けた担当ウマ娘はその時のケガが原因で引退なんてよく聞く。最悪そのケガで歩行困難になる奴もいるくらいだ。
トレーナーは担当していたウマ娘を守れない事がトラウマになる奴が大半、そのままトレーナーを辞めるなんてザラだ。或いはそのままトレーナーを続けていても担当をケガをさせてしまった事実が必ず足を引っ張る、だからそのトレーナーも確実に辞めるんだ。
もちろん危害を加えたウマ娘もタダじゃ済まない、ハザードが治った後必ず退学になるし法律がその子を間違いなく裁く。それに過去に起こった全てのハザードで狂ったウマ娘達は全員ハザード時の記憶は覚えているんだ、故に正気に戻った時に後悔の念が押し寄せて病む子だっているんだよ。
だからハザード発生時にその施設を完全封鎖して被害を最小限にするんだよ。狂ったウマ娘達が外で被害を出さない用に、ウマ娘達もトラウマになる子を減らすために。
…以上が今起っている現状についてのザックリとした説明だよ。何か質問ある?」
「…私…」
ウララくんはキチンと聞いてくれた。だけど上手く声が出ないのか詰まってしまっている。俺はそうしているウララくんの頭に手を当てて撫で始める。
「ウララくん、少しづつでいい。自分のペースで理解すればいいからね」
「…はい」
俺はウララくんの頭を撫でながら言うとウララくんは絞り出すように返事をする。
その後、俺がウララくんの頭を撫で続けていると…
「…おいアルトレ、お前何してるの?」
ウララトレが奥から戻って来た。
「ウララトレか、説明終わったからウララくんを落ち着かせる為に頭撫でたんだよ」
「…ま、今は時間がない。追求はまた今度だ」
ウララトレはそう言うとすぐに振り返り背中を見せ
「2人とも、コッチに来てくれ」
そう言いながらまた奥に向けて歩き出す。
「トレーナー…」
「ウララくん、行こう」
「…うん」
俺とウララくんはそう話すと2人でウララトレの後を追う。そして追いつくとそこには…
「アルトレ、手を貸せ。意外にコレ重いわ」
屋内設定型の消火ホース格納箱からホースを出すウララトレがいた。
To Be Continued…