愉悦部 in キヴォトス   作:山崎五郎

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キリエ・エレイソン(お気に入り登録&UA&評価&誤字報告&感想ありがとうございます)

今回は最新のブルアカイベントを見てから読んだほうが良いかもしれない。


17話

「フゥ、フゥ…ムン…」

 

山海経のとある一店。

赤を通り越して黒くすら見える激辛の麻婆豆腐を息を荒くしながら口に運んでいる少女が一人。

 

 

…ま、私なんですけどね。

清川シエルです。

 

いやあ、やはり山海経の中華料理は最高だな。

辛いものに限らず餃子、油淋鶏、ノーマルな唐揚げ、ラーメン、揚げそば、春巻、中華野菜炒め。

 

しかもこれだけ食べてせいぜい3,000円。うーん安い。

フウカ先輩のカレーも素晴らしいが、山海経…とくにルミ先輩の作る中華料理はどれも絶品だ」

 

「フフ、そんなに喜んで食べてもらえてそう言ってもらえたら、悪い気はしないね」

 

おや。途中から声に出てしまっていたか。

ま、料理が最高なのは事実だし是非もないよネ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見つけましたよ師匠!!」

 

「……………」

 

安息を打ち砕く剛声。

…少し前から私の安息の地の1つであったここ山海経を騒がせるようになったのがこの女…鹿山レイジョである。

 

事の発端は数日前。

玄武商会と玄龍門を巻き込んだ萬年参事件のこと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………まるで極道組織のアジトみたいだぁ(直喩)」

 

「まあ、当たらずとも遠からずって感じかな?」

 

…うむ。確かにこれは極道や中華マフィアのアジトだな。

壁に大きく飾られた玄龍門のシンボル、何だか知らんがやけに高級感漂う硬そうな椅子。

 

…だが正直そんな事はどうでもいい。

問題は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぜ、私はここに居るのだ?」

 

たまたま玄武商会の一点でお気に入りの麻婆豆腐を食べていて、先生の姿が見えたから「食うか?(提案)」「食うか!(拒否)」の例の下りをやっただけだというのに…

 

「いや、まあ人手は多いほうが良いかなぁ、って…」

 

「私はただ料理を味わっていただけなんだが?山海経の抗争とか何の関係もないんだが?」

 

「………と申し上げてるんだけどさ。

玄龍門の皆さんはどう思う?」

 

「信用できるか!自分たちが後ろめたい事をしでかしたくせにゲヘナの風紀委員を味方につけるなんて…」

 

「……………帰っていいですか?」

 

「多分だめだと思うよ…それに、よく考えてみなよシエル。

もしこれで玄武商会が無くなったら…」

 

「………ルミ会長。報酬は?」

 

「うーん…よし、なら…ゴニョゴニョゴニョ」

 

「ゲヘナ風紀委員長代行として全面的に協力させてもらおう(即決)」

 

「なっ!本当に味方につくのか!?」

 

「玄武商会め、卑怯な手を」

 

ガギギギィンッ

 

玄龍門の下っ端共の真横の壁に向けて黒鍵を投擲。

壁に突き刺さった黒鍵と私を二度見しつつ冷や汗を流すそいつらに「玄武商会を愚弄するような発言は謹んでもらおうか」と睨みを効かせ黙らせた。

これも『一年間二品まで無料』のためだ。

ヒナ達には悪いが今回は私的に権力を行使させてもらうとしよう…

 

「いや、割といつも私的に権力行使してるよね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、その後錬丹術研究会や崑崙山、梅花園を周り…

 

罠に嵌まった犯人を追い詰めることとなった。

 

「オイ!なんでゲヘナの風紀委員長まで居るんだ!?あんな良からぬ噂がキヴォトス中に蔓延っている女が!」

 

「私が知るか!クソ…!」

 

「………私達よりも、シエルの方を怖がってるみたいだね…」

 

「…?あのシエルというゲヘナ生徒はそんなにおっかないのか?」

 

「まあ、うん………」

 

先生がミナの発言に顔を顰めながら頷く。

失礼な。

 

私が捕らえた犯罪者にしたことなど(文字通り)大砲玉や鉄砲弾の様にしてやったり激辛カレーの試食審査員にしてやったり、新作アトラクションやドッキリの実験台になってもらったりその程度だと言うのに。

 

「「「………」」」

 

山海経メンバーの三人がジト目でこちらを見てくる。

いつの間にか声に出ていたのか?まあいいか。

 

…それはそれとして。

 

「ハァ…先生。いい加減に面倒くさくなってきたところだ。

さっさと終わらせてもらうぞ」

 

「あ…うん。皆、下がって!」

 

「え?どうしたの先生…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我が八極に『无二打(にのうちいらず)』…!」

 

「「!?」」

 

「あれは…まさか八極拳!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「七孔噴血……撒き死ねい!!」

 

「うわっ!?」

「ひっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

「……………?

 

何だ、何も起きないじゃないか!わざわざ後ろにまで回り込んでくだらない脅しお゛ッ!?」

 

「「「「!?」」」」

 

「………フン、派手に過ぎたか」

 

八極拳が開祖李書文(リーシャンフェイ)…のとある1世界での技だ。

神槍无二打(李書文に二の打ち要らず)」。彼の者の逸話が一つの奥義として昇華したそれを、私が自己流で再現したものだ。

 

「…しかし、本当に派手に過ぎたな。もう少し加減したほうが…ん?」

 

「………」

 

なんでしょう。

何やら1名、とてもキラキラとした目でこちらを見ているような気がするんだが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、現在。

 

私はこの様に山海経…その付近に来るだけでもこのレイジョに勝手に師匠呼ばわりされている上、弟子にしてくれと付き纏われているわけだ。

私が使っているのは八極拳であってカンフーの括りの一つだから全般に詳しいわけじゃないんだってのに。

 

え?『だったら山海経までわざわざ行かなければ良い』だと?

折角一年間二品まで無料になるのに来ないわけにいかないんだが?

 

しかし毎度毎度付き纏われるのもいい加減に迷惑だ。何とかして折れてもらわねば…あ、そうだ。

 

「…良いだろう、レイジョ。

そこまで言うのならば、お前に清川シエルの弟子として最初の試練を与えよう」

 

「…!ハイ師匠!どんな試練でも乗り越えてみせます!」

 

「では試練其の一だ。

 

 

 

 

 

 

 

紅州宴歳館・泰山の麻婆豆腐、辛さ清川シエル推薦仕様を十皿、一分で完食してみせろ。ソレが出来ぬのなら私はお前を弟子とは認めない」

 

「し…師匠仕様…!分かりました!早速行ってきます!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、シエル仕様ってさ、確か恐ろしい位辛くなかった?

というかそんな条件シエルも無理じゃないかな」

 

「フ、そうだな。

だが、弟子とは師を越えるものだ。その一つぐらい越えることができないようなものは弟子になる資格もないだろう。

ま、これでしばらくは静かになることだろうな」

 

なんせ作ってる店員も少し顰め面をするほどの辛さだ。そんな物を素人が、しかも十皿一分なんてまず不可能だろう。ワハハ!

シエルさん大勝利

「師匠! うえっ、げヒュ…」

 

「!?」

 

「い、言われた通りゴホッ…一分で、十さりゃ、けひゅ…食べきりまひた…し、証人に店員しゃんも…います…ゲホ…」

 

「…………………………」

 

なん…だと…

 

「フフフ…ここまでされたんだ、今更『やっぱり無理』とは言えないよね?師匠?」

 

「……………」

 

 

そういうわけで私には(はた迷惑な)弟子が出来たのであった。

にしても、イメージカラーが赤で八極拳を使う弟子とかデジャヴだろうか?

 

まあアレとレイジョは比べ物にならんのだがな。

性格とか一部分の豊かさとかな!ハッハッハッハッハ!!!




鹿山レイジョ は 清川シエル の弟子になった!
某あかいあくまよりも大分まともな性格だけど、別の意味で面倒なのでシエルは手を焼いているぞ!
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