愉悦部 in キヴォトス   作:山崎五郎

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キリエ・エレイソン(お気に入り登録&UA&評価&誤字報告&感想ありがとうございます)

あとがきに他ブルアカ二次創作者様からお借りしたキャラの名前が載っております。
予めご了承下さい。


18話

清川シエルは人を探す。

 

桃色の猫耳カチューシャを着けた姉、緑色の猫耳カチューシャを着けた妹、古風なゲーム口調で話す少女、いつもはロッカーに収まっているはずなのに今日に限っては姿が見えない赤髪の少女。

 

そう、ゲーム開発部を探している。

 

が、前作のファンディスク…『夢幻七夜』の開発した経緯からシエルを『ゲーム仲間』からすっかり『恐るべきアイデアで酷使する悪徳軍師』にランクアップされていた事もあり、(シエル)はすっかりゲーム開発部から避けられるようになってしまった。

 

 

――――――せっかく、素晴らしいゲームのアイデアとある程度のプロットを持ってきたというのになぁ。

 

しかしこうまで見つからないとなると最早私一人の索敵能力ではどうしょうもないか。

…やむを得まい。ゲーム開発部諸君には悪いが…こちらも切り札を切らせてもらうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ、はあ…ハレ先輩、目標は?」

 

『現在、モモイ達の位置からは大分離れてるね。

一応、近づいている様子もないかな…』

 

「よ、良かった…ふぅぇえ…ちょっと休憩しよう…」

 

「お、お姉ちゃん…私達、いつまで逃げればいいの…?」

 

「………シエルが諦めて帰ってくれるまで、かな…」

 

「無理があるよ!シエルの性格はお姉ちゃんだって知ってるでしょ!?

私達が頑張って逃げれば逃げるほどやる気になるよ!!」

 

「うっ、それはそうかも…で、でも!このまま捕まったらまたあのブラック企業同然のゲーム開発が待ってるんだよ!?

ミドリだってもう勘弁でしょ!?」

 

「そ、それは…うう…」

 

「ふ、二人とも落ち着いて…」

 

「あ、ご、ごめんユズ…アリスも大丈夫?」

 

「はい!アリスのステータスは異常なしです!

…でも、モモイ達はなんでシエルから逃げ続けているんですか?」

 

「うう…アリスが人一倍頑丈なのが憎い…

 

…あ、ハレ先輩。シエルは今どこに居るの?

 

…あれ?先輩?」

 

『…ごめん、皆…』

 

「えっ?急にどうしたの…」

 

『いやはや、まさかヴェリタスが味方についていたとはな。道理で見つけることなど出来ないはずだ』

 

「…あれ?この声は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ!モモイちゃん達みーっけ!」

 

「…え?」

 

「あ、アスナ先輩!?どうしてここに…

 

………ちょっと待ってください。『見っけ』?……まさか」

 

「もしもしリーダー?ゲーム開発部見つけたよ〜今座標送るね!」

 

ゲーム開発部は瞬時に理解した。

今、目の前のメイド服の女性…一之瀬アスナ、引いては彼女の属しているC&Cは自分達ではない誰かに雇われ自分達を探していたのだと。

 

…そして、自分達を今探している人物など、思い当たるのは一人だけ。先程聞こえた声の主が、ハッキリと理解った。

脳裏には悪趣味な笑みを浮かべる愉悦少女(シエル)の顔が浮かんだ。

 

 

 

「全員『にげろ』!とにかく逃げろーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわああああああああん!!!」

 

「うむ、ゲーム開発部全メンバー四名、確かに確認した。

これが報酬の請求書だ。万魔殿に送りつけてくれ」

 

「…なんで万魔殿なんだ?お前仮にも風紀委員だろ」

 

「いやあ、何せ学園の予算の管理諸々は万魔殿がやっているものだからなぁ。

当然金を出すのも万魔殿からだ。我々風紀委員が直接払いたいところだが権限が万魔殿にある以上仕方がないんだなこれが。

ハッハッハッハッハ」

 

「「「………」」」

 

「…まあ、報酬も戴けたので問題はないでしょう。

それでは私達はこれで…」

 

「…ちょっと待て」

 

「む?何だ?私は私の用をサッサと片付けたいのだが…」

 

才羽モモイ、ミドリ、花岡ユズはその言葉に希望を抱いた。

もしかしたら、いや、ほぼ…というか絶対にあり得ないことだが、美甘ネルがシエルを止めてくれるのではないかと。

 

そもそも任務を終えたらさっさと帰るような人がわざわざ引き止めたのだ。そのぐらい思っても仕方はないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…次に作んのはどんなゲームなんだ?」

 

「「「」」」

 

希望は潰えた。

 

「フフフ…まさかコールサインダブルオーともあろうものがそんな物に興味を示すとは。

イヤ、寧ろそんな人物に目を掛けてもらったと喜ぶ所か?」

 

「おう、その減らず口諸共計画頓挫にしてやろうか?

『負傷によりゲーム開発は見送り』って見出しができるぜ?」

 

「まさか。ここまで来てそんなものはゴメンだ。

…それで、次のゲームだが」

 

「ん…ほぉ。成る程…

 

ま、せいぜい楽しみにさせてもらうか。じゃあな」

 

「あっ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、改めて…今回もお集まり頂きありがとう、ゲーム開発部諸君。

新作制作の時間だ」

 

「…アリス以外のメンバーを椅子に縛り付けながら言うセリフじゃないのは確かだよね…」

 

だってそうしなきゃ逃げ出すんだから仕方ないジャン?

今回は(私の)ゲーム開発ノルマの最終作なんだから何としても協力してもらわなくては。

 

「ええと…それで、今回はどんなゲームを?」

 

流石はユズ部長。半ば無理矢理ながら、率先してゲームのアイデアを聞こうとする辺りは社長の器だな。

 

「よくぞ聞いてくれたな。今回開発するのは我らが『青春運命協奏曲』シリーズ…」

 

「ま、また恐ろしい量のシナリオを!?」

 

「地獄のように出てくる衣装差分を!?」

 

「違う違う。

まあ、確かにシナリオはそれなりに長めだが…今回はノベル型ゲームではないのだからな」

 

「「「「?」」」」

 

ここで我々が共同開発したゲーム(の元ネタ)を思い返してみよう。

 

月姫・stay night(原典)歌月十夜・hollow ataraxia(ファンディスク)

このシリーズで残っている元ネタは唯一つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今回我々が制作するのは…格闘ゲームだ。」

 

「「格闘…」」

 

「ゲーム…?」

 

MELTY BLOOD・Unlimited codes(格闘ゲーム)しかないだろう。

…正確に言えばまだ残っているものもあるのだが、月姫Fate両者に共通するものはそれぐらいだ。

 

あれもこれも月姫の仕事しない奈須が悪い。

 

 

「ち、ちょっと待ってシエル…格闘ゲーム?よりによって?」

 

「そうだが?」

 

「元にするのは?」

 

「さっき言っただろう?『青春運命協奏曲』シリーズだ」

 

「も、元になるアクション基盤とかは…」

 

「全て自主制作だが?」

 

「ネル先輩が嬉しそうにしてたのは格闘ゲームだったからなんですね!」

 

「そういうことだ」

 

 

 

「…却下!!絶対却下!!!!無理に決まってるでしょ!!!!!!」

 

「は?我等ゲーム開発部に『不可能』とか『無理』とか『できない』は禁句なんだが?」

 

「何しれっと『我等』って言ってるんですか!?」

 

「ど、同人ゲームで格闘ゲームは無茶が…」

 

「それがあるんだナ同人ゲームで格闘ゲーム作っちゃったサークルが」

 

「う、嘘だぁ!!」

 

残念ながら本当だモモイ。

まあ、そっちは他の同人サークルとの共同開発だったし、そもそもこっちの世界(今世)の話ではないんだがなワハハ。

 

だが、ここまでの経験上そう簡単には動いてくれそうもないな。

仕方ない。心が少しばかり痛い(大嘘)が少しだけ脅しをかけさせてもらうとしよう。

 

「あー…お前たちがゲームを作りたくないのは分かった」

 

「えっ?」

 

「だがなぁ…さっきネル先輩にああ言っちゃったからなぁ…楽しみにしてるのにできなかったらどんなに…」

 

「「「………」」」

 

「…さ、諸君?今回も一致団結して頑張るとしようじゃないか」

 

「「「ハイ………」」」

 

「?はい!協力クエスト開始です!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さー来たわねゲーセン!今日は何で遊ぶかな~」

 

「…あ、じゃあさ!最近話題の格ゲーで対戦でもしてみる?」

 

「お、新作?何々、どこが作ったの?」

 

「へへへ…何とね、ミレニアムのゲーム開発部」

 

「え、ゲーム開発部?でもあそこってクソゲーしか作らないって有名なとこじゃ…」

 

「アンタ何時からその評価で止まってんの?

『青春運命協奏曲』って知らない?」

 

「え、まあ名前ぐらいは…え?あれってゲーム開発部が作ったの?」

 

「そうだよ。まあ本人達は『もう二度とあんなゲーム作りたくない。死ぬ』って言ってるけど」

 

「ええ〜…アレ?でも何でそのゲーム開発部のゲームがゲーセンにあるわけ?あそこって同人サークルみたいなもんなんでしょ?」

 

「そうそう!私も驚いたんだけどさ…何と公式のゲーム会社から『うちがスポンサーにつくし技術も提供するから筐体で出させてほしい』って言われたんだって!!」

 

「マジ!?そんなことってあるんだ…で、そのゲームってのは?」

 

「コレ…『Phantom Struggle』だよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやーもう本当にビックリした。

まさか公式のゲーム会社さんからお声が掛かるとはな。

 

もうフタエ☆オドロキというやつだよな。

 

まあ、問題が起こることに定評のあるキヴォトスの会社だ。

念の為ヴェリタスやC&Cに協力してもらい問題がないかを定期的にチェックしてもらっている。

 

そんなこんなで『Phantom Struggle』はスポンサー様の力も借りて好評稼働中だ。

ゲームセンターで見かけたお方、ぜひ一度プレイしてみていただきたい。

 

 

 

「ッガァアアーーーーッ!!また負けた!!

即死コンボはやめろって言っただろアリス!!!」

 

「あ、アリス即死コンボなんてしてません!誰か助けてください〜!!」

 

…台パンはおやめ下さい。

 




『Phantom Struggle〜青春運命協奏曲異聞録〜』

ゲーム開発部withシエルが開発した格闘ゲーム。
『都市伝説が現実で起こる』という怪現象の謎を追う先生や生徒達を描いたメインストーリーモード、『青春運命協奏曲』本編やそのifストーリーをキャラ毎に描くアーケードモード、他にも特別なストーリー付のボスラッシュモード、様々なミッションをこなしてステージやカラーバリエーションを獲得するミッションモード、多種多様なミニゲームモード、そして充実したオプションなど盛りだくさん。

『黒幕の影響によりあり得ない現象があり得ている』世界が舞台のため、銃による遠距離攻撃よりも近接攻撃のほうが強くなっている。
ちなみにメインストーリーは本家宜しくの濃密なストーリーとなっており界隈の度肝を抜いた(ただし都合上楽しめるのは家庭版のみ)。



以下登場キャラ

・先生

・早瀬ユウカ

・砂狼シロコ

・空崎ヒナ

・久田イズナ

・阿慈谷ヒフミ

・陸八魔アル

・美甘ネル

・剣先ツルギ

・御園ミカ

・清川シエル

・黒化ヒフミ

・シロコ*テラー

・プレナパテス

・不浄の罰(ストーリーモードのボス。本作オリジナルキャラクター)

・武装開放シエル

間島スバル(隠しキャラのため反転)


















三毛猫先生ありがとうございました。
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