愉悦部 in キヴォトス   作:山崎五郎

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キリエ・エレイソン(お気に入り登録&UA&評価&誤字報告&感想ありがとうございます)

時系列的にはメインスト最終編後です。
今回から新キャラ登場します。


現在編
38話


キヴォトスを騒がしていた騒動も粗方片付き。

 

久方振りに教会での職務…と思っていたのだが。

 

 

 

 

 

「…さて、まるで人の来る気配がないな。

それどころではないか、あるいはシスターフッドの元に行っているか…」

 

 

まあ、聖職者だった一人、やることも教典通りの形式的なものだけのこんな片田舎の教会よりも、

 

お優しいシスターの皆様と共に、手厚い助けも与えてくださるトリニティの方が安心するというものだろう。

 

 

しかし、それはそれとして暇だ。

 

折角だし、今日は久し振りに昼間から辛味グルメ巡りでも…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわ…中も結構寂れてる?

本当にゲヘナの風紀委員が仕切ってるとこなの?この教会…」

 

 

 

「…誰かね、突然現れて人の住まいを口汚く罵り、剰え神の御家を騒がすものは」

 

「あら、噂通りなのね、その皮肉屋口調。

いや、それとも違うのかな…まあいいわ。

 

お久しぶりですわね、シスターシエル。

いつぞやのお礼、しに参りましたわ♡」

 

「…?」

 

ややピンクがかった、というか毛先は既にその色に染まっているウェーブのかかった茶髪のロングヘア。

背格好は低めだ。

 

145〜148ぐらいと言ったところか。

自前のものであろうトリニティの制服は酷く傷んでいるな。

銃弾で擦り切れた以外にもつけられた傷がありそうだが…

 

「参ったな。

私にお前のようなトリニティの知り合いは居た覚えがないのだが?

 

加えて、高貴なるものの証明たるその制服をそのようにする愚か者になどまるで覚えがない」

 

「ハァ?

私がこうなったのはアンタの発言のせいだっつーの。

 

なーにがもっとバカになってみろ(・・・・・・・・・・・)よ。

お陰でこっちはトリニティを退学処分よ退学処分ん!!」

 

「…ん?」

 

待て、今コイツは何と言った?

『もっとバカになってみろ』だと?

 

私の発言…トリニティ…あ。

 

 

 

 

 

「…お前は、あの時のトリニティ生徒…?」

 

「そのとーり。

トリニティ総合学園1年、清霜(きよしも)ノエル

 

あの時貴女に助けられ、そのお言葉に従った結果。

ものの見事にトリニティを退学処分にされたおバカで哀れな1生徒だよ責任取りやがれコラァ!!!」

 

「……………」

 

最後はほぼ自業自得な気もしなくはないのだが…

しかし。

 

 

「随分と様変わりしたものだな。

あの時壁際に追い込まれ散々にいびられていた少女の姿はどこへやら、だ」

 

「それも半ばアンタの影響だっての。

あの日以来自分に素直に生きることも決めて、髪だって伸ばして染めたしガッツリ戦うようにもなったし制服だって好きに着て、うるさい連中もぶっ飛ばす快適な生活だったってのに…!!」

 

「…それだけ聞けば哀れでもないし残当だと思うのだが…流石にそれで退学になっては世話ないだろう。

何か他に理由でも」

 

「さあね。

大方私がぶっ飛ばしてやった腹黒お嬢連中がなにか根回しでもしたんじゃないの?

 

まあ、それでなくても正実の連中何人かぶっ飛ばしたりしたし…」

 

「…ぶっ飛ばした?」

 

「廊下に飾ってあった鎧の斧ぶん取って、そいつで何人かなぎ倒してやったことあったの!

あいつら一方的に私だけ攻撃してきやがってムカついたのよ!」

 

「………随分と膂力があるのだな」

 

トリニティの廊下の鎧…エデン条約のときに少し見たことがあったが、アレについている斧ってハルバードじゃなかったか?

 

あんな非効率的な武器をぶん回して戦えるとは、私はとんでもないものを目覚めさせたのかも知れない…

 

「それで暫く暴れてたらツルギ委員長が出てきて、一発頭ぶん殴ってやったら体勢崩れたから…

 

もう一発逆側から一撃叩き込んだら、斧の部分だけぶっ壊れて飛んでいって…」

 

それなんて円卓の太陽ゴリラ?

…まあ、とにかく。

 

「要するにお前の退学は残念でもないし妥当だろう。

憐れんではやるからさっさと帰って転入先でも探すんだな。

 

今なら少し離れているがアビドスという高校が絶賛転校生募集中で」

 

「違うでしょうが!!

わざわざ愚痴言いに来るためにこんな辺鄙なとこまで来るわけ無いだろっつーのー!」

 

「…ならば何だというのだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アンタはこれから、新たにゲヘナ生徒(・・・・・・・・)になる私達(・・)の管理をしてもらうわ。

 

 

――――――私をこうした責任、取ってもらうんだから」

 

 

「―――――――――は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけで、当教会で新たに発足した部活動及びそのメンバーのリストだ。

承認を頼むぞ」

 

「……………」

 

「どうしたお前達。

特にアコ、いつものお前ならば今頃けたたましく文句の一つ二つ言ってくるところだろうに…」

 

「…いや、そんな顔をしながら言われれば、困惑しますよ、流石に」

 

私はそんなひどい顔になっているのか?

まあ突然あんなことになればそれはそうなるか。

 

まあ、予めメンバーも揃えられたうえ、彼女らとの交渉を済ませたのがあの女(ノエル)だというのだから驚きだ。

 

しかもトリニティ以外の他校からメンバーを集めるとは。

同じ名前の誰かさんとは大違いの有能ぶりだな、ハハハ。

 

「シエル…本当に大丈夫なのか?

その…いろいろと…」

 

「それはどういう意味で言っているんだイオリ?

まあ、連中の手綱は私が握るのでそこら辺は安心してもらって構わない」

 

「―――――――どういう状況なの、これ」

 

「おおヒナか。

この度私を部長として新しく部活を発足することになったのでな。

許可を貰いに来た」

 

「新しい…部活?」

 

「これだ。目を通してさっさと許可をくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………清川シエルの教会の下、ゲヘナを中心としたキヴォトスの治安維持のための武力組織?

 

「風紀委員以外にもあって困るものでもないだろう?

特にゲヘナは荒れ放題だからな。

 

それもあんな事があった後でも規則違反者共は元気なものだ」

 

「まあ、そりゃ協力者が増えるのはありがたいけど…

………メンバーがさ」

 

「…元トリニティ生徒(退学からの編入)、レッドウィンターの不登校児、百鬼夜行の不登校児?」

 

「それを一手にトリニティの生徒が集めてきたのだから驚きだろう。

しかも、全員相応に実力はあるぞ、私が保証してやる」

 

「……………はぁ。

コレで断ったら、どうせ万魔殿にでも乗り込んで許可を出させるんでしょ?」

 

「よく分かっているじゃないか。流石はヒナだな」

 

「…分かった。

私が許可を出す」

 

「ヨシ。なら次は「ただし」…まだなにかあるのか?」

 

「もし問題を起こしたら容赦するつもりはない。それだけは理解しておきなさい」

 

と、例の如く凄みのある表情を向けてくる。

まあ当然だろうな。

 

とはいえ、許可が降りた以上はこの場にも用はない。

早いところ戻って連中を大人しくさせなくてはな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…本当に良かったのですか?」

 

「断って万魔殿との抗争になるよりはマシ。

ゲヘナの治安維持に戦力が足りていないのも事実だし…足しになるなら使えるだけ使えば良い。

 

…それに、シエルが率いるなら問題はないでしょう」

 

(一応シエルを信頼してのことなんだろうけど…)

 

(流石に心配がないわけでは…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…お帰り、局長(・・)

その分だと、上手く行ったってことでいいのよね?」

 

「ああ。

これにて我らの組織の設立だ」

 

 

 

 

名前は…そうだな。

 

この肉体、この名前、この武装。

それに合わせた、誂向きの名前が、一つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――“埋葬機関”の設立だ」

 

 

 

 

 

 




テッテレー!

きよかわ しえる に あらたな なかまが ふえた !

登場は次回以降なんでヨロシク











おまけ










「…はあ?喫茶店を立てる?」

「メンバーが増えて財政難になっても困るのでな。
幸い料理はこれでも得手のつもりだし、顔の良い面子は揃っている」

「マジで言ってんの?
というか、何勝手に手伝うことに…」

「勝手に人の教会に乗り込んできた挙げ句、寝床に改造しておいて何もせず居候が許されるとでも?」

「…チッ。分かったわよ…」

「よろしい。さぞや、この喫茶店は賑わうことだろうな…





(まあ、コレ(・・)を使う以上普通でない客も訪れるのだろうが。)フフフ…」

「うわ…何か企んでる顔だわ、アレ」





こうして、キヴォトスに新たな喫茶店が一つ増えたのでした。
その名も…『アーネンエルベ』。

それは『本来隣り合わない世界を繋ぐ場所』だとか何とか。
よろしければ、是非足を運んでみては?
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