愉悦部 in キヴォトス   作:山崎五郎

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今回からイベント(妄想)編。


40話

未だ暑い、終わりに近づいているはずのキヴォトスの夏。

 

シーズンも過ぎ、もう観光客も暴れる不良グループもそれらに便乗する商売人も居ない海岸に。

 

 

 

 

 

「「海キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」」

 

 

 

 

私達はやって来た。

 

少し前、突然シエルが『新しい組織を作った』と言ってきたときには驚いたけど、まさかそのままの流れで任務に同行することになるなんてな…

 

 

「ホラホラせんせ!早く泳ぎましょ!!」

 

「私達だけのプライベートビーチですよ!

思う存分遊び尽くしちゃいましょう!!」

 

「の、ノエル、エミリ、落ち着いて…」

 

 

ピンクのフレアビキニ姿のノエルと、桜色を基調としたビキニタイプの水着のエミリからグイグイと迫られる。

二人の戦いっぷりを一度でも見ていると、思わず『誰?』と思ってしまう豹変ぶりだ。

 

まあ、年頃の女の子らしさがあってそれなりに安心はするけど…

 

 

 

 

 

 

「二人ともそこまでにしておけ。

そもそもこの海に厄介なものが居るから来たのだろう?

 

泳いで襲われでもしたら笑い話にもならんぞ」

 

「げっ…シエル」

 

「お!」

 

この声はシエル。

普段からは女子力さを欠片ほども感じない彼女だが…一体どんな水着を!?

 

と、そんな期待半分に振り向いた先の、彼女の姿は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………」

 

「…何だ先生。私の格好がなにかおかしいか?」

 

「いや…ううん、なにも…おかしくないんでは、無いんでしょうか。うん」

 

「フッ。先生のことだ。

大方、私がどんな水着を来ているのか怖いもの見たさで楽しみだったのだろう?」

 

「……………」

 

と。

青いアロハシャツに、ハーフパンツサイズのスイムスーツを着たシエルは不敵な笑みを浮かべながら、あっけなく私の心の内を看破してみせたのであった。

 

「先生、コイツに女子力なんて求めるだけで無駄よ無駄。

そういうのから最も縁遠いところに居るヤツだって、先生ならよく知ってるでしょ?」

 

「うん、まあ…うん。ソウダネ」

 

 

でも、そこまでハッキリ言い切るのもどうかなぁ、と先生は思うんですよ、ノエルさん。

と、そうやってウダウダ話しているうちに。

 

 

 

 

「フフフ、そんなに私達の水着姿を楽しみにしていたのかい、先生?

なら、存分に見るが良いさ☆」

 

「何言ってんのよアンタは…ハァ

先生、あんまりジロジロ見たら目ぇ潰すわよ」

 

 

また、新しい水着ギャルが…

 

花飾りの付いた、白いビキニタイプの水着を着たシルベ。

装飾など無駄と言わんばかりの、まっさらな動きやすさを重視した競泳水着のクスミがやって来た。

 

「フフフ。どうだい先生?

私の水着姿は魅力的かな?」

 

「うん。とってもよく似合ってるよ」

 

「おやおや、そんな真剣な目つきでハッキリと…照れるじゃないか」

 

「アンタらねぇ…どいつもこいつも、何しに来たのか分かってんの?

そんなフリフリゴテゴテの水着でどうすんのよ」

 

「ハァ?バカンスよバカンス。

任務っつってもすぐ解決できるもんでもないでしょ。

 

楽しめるもんは楽しんでかなきゃね?」

 

「そんな装飾ばっかのもんですぐ戦闘に移れるの?

動きが遅れて後ろからドカンじゃ笑えないわよ」

 

「アンタどんだけ戦うことしか考えてないの?

戦闘狂(バトルジャンキー)にも程があるでしょ」

 

「気に食わないやつを片っ端からぶっ飛ばして退学まで追い込まれたアンタが言えた口?」

 

「山海経の両勢力を『気に入らない』ってぶっ飛ばしてたアンタの言えたことでも無いでしょうが!!」

 

「あ゛あ゛!?」「あ゛あ゛!?」

 

「ハイハイ二人とも、喧嘩しないの。

…で、シエル。任務って?」

 

「よくぞ聞いてくれた先生。

 

今回の我々の任務、それは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「海洋生物…サメの討伐だ」

 

「…サメ?サメって、あの?」

 

「そうだ。わかりやすい例をあげるのなら、ジョーz…」

 

「あーなるほどね!分かったよ、完全に理解した!!」

 

おや、先生は何を焦っているのかな?(すっとぼけ)

まあ、大人としてまずいことは理解しているのだろうな、感心感心。

 

「一応情報を共有しておこうか。タマキ、よろしく頼むぞ」

 

「おうよ局長。

事件は2週間前、この海洋で発生した」

 

それから、先生や私以外の埋葬機関のメンバーに事件の話を解説していく。

 

 

2週間前。

この海辺で一息入れていた不良グループの数名が巨大なサメに襲われたという話だ。

 

ただそれだけの話ならば風紀委員の協力を仰ぐなり、万魔殿の連中に押し付ければ良いだけの話なのだが…

 

 

 

 

『そのサメ、明らかに普通のサメとは違ったんだよ…

銃弾が通らなかった(・・・・・・・・・)し、動きがそんじょそこらの海の生き物とは比べ物にならないぐらい賢くて…時間稼ぎのために巻いた網を食い破る(・・・・)サメなんて、普通に考えているわけねぇだろ!?』

 

 

 

とのことだ。

加えてわざわざ埋葬機関(我々)を名指しで任命してきたあたり、何かあるのだろう。

 

そう、何か他のところを巻き込んでほしくない事情がな。ハハハハ。

 

 

 

 

 

「…巨大なサメはまだ分かるよ。

でも、首が6つもあるサメって何!?おまけに地面をガリガリ削って泳いでいた!?」

 

「その程度で驚いて何とする、先生。

世の中には氷の大地や雪山、果ては温泉や井戸から現れるサメも居ると聞く。

 

吸血鬼サメ、空飛ぶロケットサメ、フランケンサメ…

サメの乗った竜巻だってある。

 

あり得ない、などということはあり得ないのだ」

 

「…シエル、もしかしてサメ系の映画見たからノリで引き受けた…とかじゃないよね?」

 

「ハハハハハ。ハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

「ちょっと!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…海底ドローンに反応は無し。やっぱ人が泳いでねぇと意味がないのかね。

ポイントB、そこから何かしらの影は見えるか?』

 

『こちらポイントB…って、面倒くさいから灯台で良いでしょ?

っていうか、そんな大きなサメの影なら簡単に見つけられるでしょ』

 

『要するに見つかってないってことね。

こっちも海上探索中だけど…サメはおろか、魚や海鳥の気配もないわよ』

 

「報告ご苦労。

引き続き調査を頼んだぞ」

 

 

 

その一言とともに、無線機の通信が切れた。

調査を開始してから実に数時間。

 

この通り進展なし。

ただ一つ、見つけたことと言えば…

 

 

 

 

 

 

「…この海域には生き物が少ない…いや、もしかしたらほぼ居ない(・・・)のか?」

 

「例のサメが食い散らかしたか、或いはいちはやくそれを察して別の海域へと渡ったか…いずれにせよ、この近辺に目立った海洋生物の姿は確認できない。

 

この辺りは元々ゲヘナでも漁業が盛んに行われていた漁場でもあったのでな。

この状況が続くのはよろしくない」

 

「なるほど…特にゲヘナで食事関連となると…フウカが憂き目に合いそうかな」

 

「美食家共も黙っていないだろうな。

先生も彼女らのSNSを知っているだろう?

 

近頃魚が少ないことを嘆いていたぞ」

 

「ハルナ…」

 

 

 

このままだとまた水族館を襲いかねないなぁ…と先生がぼやく。

その程度で済むのならむしろ上々だろう。

 

…ん?

 

 

「通信が…海上のクスミからか。

もしもし」

 

『もしもしシエル!?

 

サメが出てきた!!現在交戦中!!

 

「「!!」」

 

噂をすれば何とやら…とは少々違うか。

とは言え、嬉しい誤算であることに違いあるまい。

 

「了解だ。すぐにでも支援に向かう。

 

それで、サメの特徴は?」

 

二つ頭の(・・・・)サメよ!気味悪いったらありゃしない…!』

 

…ん?

なんだって?

 

今何と言った?

 

「…クスミ。重ね重ね聞くが、サメの特徴は?」

 

『だから、二つ頭(・・・)

一つの身体にサメの頭が2つついてんのよ!!』

 

「…は?」

 

 

 

目撃された特徴では頭は6つだったはず。

なのに、今回現れたのは2つ頭だと?

 

どういうことだ…?

 

 

 

…いや、考えるのは後だ。

 

 

「タマキ、クスミのもとへ救援に向かう。ナビを頼む」

 

『了解』

 

「先生、船に乗って向かうぞ、ついて来い」

 

「分かった!」

 

 

 

 

これでナビゲーター、優秀な指揮官は揃った。あとは船だ。

幸いうちには船の操縦には長けたものがひとりいる。

 

学園がいくつもの船で構成され、そのトップであった女がな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ…砂浜…美少女…ピチピチ水着ギャルのハーレム的なやつ…うう…期待を裏切られたでござる…さめざめ…」

 

「……………」

 

 

駄目だこりゃ。

 

 

 

つ   づ   く




埋葬機関メンバーの水着

シエル→下がハーフパンツ型のスイムスーツの上に、青地のアロハシャツ。後どっかで見たことあるサングラス。

アマロ→星条旗ビキニ(ただし本人のキャラも相まってエロさ/Zero)

シルベ→花の装飾の付いた白ビキニ

アルハ→スク水。上に毛皮コート。

ノエル→ピンクのフレアビキニ

タマキ→シエルとほぼ同じ。アロハシャツの色はランサーの兄貴と同じもの。それと見覚えのあるサングラス。

クスミ→競泳水着

エミリ→桜色のビキニ


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