初めましてかこんにちは。
私の名前は清川シエル、ゲヘナ学園中等部1年にして空崎ヒナの幼馴染み(重要)だ。
本日私は、
先程からどうもヒソヒソ声がこそばゆいわ、視線がチクチクするわたまったものではない。
全く、今回ばかりは心当たりがあるからあまり気は進まなかったんだが…まあ、別の目的のためにも頑張らざるを得ないな。
…そして私は目的地の扉の前に到着。途中まで案内してくれた生徒さんにもしっかり丁寧に礼を返し扉を開く。
「………ようこそおいでくださいました。清川シエルさん。
……………トリニティ総合学園ティーパーティーの桐藤ナギサです。
本日はよろしくお願いいたします。」
「………ゲヘナ学園風紀委員会委員長代行、清川シエル。
こちらこそよろしく…ナギサ様」
「……………?」
そう、今回の私の目的地は…
我らゲヘナの者からすれば敵地同然である、トリニティ総合学園その場所である。
名目上は、かつて両学校間を騒がせたあれやこれやについて、改めて話し合う…というものだ。
本来ならば
…尤も、私の真の目的はそんなものではないのだが。
ここで画面の前の先生方や、そうではない者たちにも問いたい。
諸君は果たして桐藤ナギサという人物に対してどのような考えを抱いているだろうか。
単なる生徒会の一員?
ロールケーキ女?
それとも何か怖い女だろうか?
兎にも角にも色々な答えが返ってくることだろう。
………それを承知の上で発言させてもらう。
私はかつて先生だった者として、桐藤ナギサという女が許せない。
いくら学園を守るためという大義名分があれど、いくら一部の生徒の成績が悪くとも。
あのような特定の生徒を篩い落とし、貶めるような行為を私は到底肯定することはできない。
それにより彼女は寵愛するヒフミすら貶めかねなかったのだ。
にも関わらず彼女は何食わぬ顔でこの学園のトップの椅子に座り続けている。
セイアがあのような苦痛を受けたにも関わらず、ミカが本人の自業自得はあれど、あのような悲痛な目にあっていたにも関わらずだ。
こんな馬鹿げた話があるか?
ゆえにこそ私はこのトリニティにやって来た。
脳の破壊されたナギサ様だと?
ふざけるな。そんなものでは生温い。
破壊どころでは済まさない。
脳をゴリゴリにすりつぶして粉になるまで壊し尽くしてくれる。
「…ふむ。紅茶の銘柄に詳しくはないが、これはいい。
香りが鼻を抜けていくとはこういうことを言うのか…心地よい味わいだ」
「気に入っていただけたのならば何よりです。
こちらの茶葉はトリニティの生徒の方々にも広く好まれているものでして」
「なるほど。
確かに妙に凝ったものよりも普遍的に好まれているものの方が出す側としても出される側としても問題にはなりにくいわけだ」
「ふふっ…褒め言葉と受け取らせてもらいます」
おや、少しだけ嫌味ったらしく言ってやったつもりなのだが、華麗にスルーされた。
本編だとミカにすごい勢いでキレていたイメージが強く残っていたが、こういうところは流石にトリニティの生徒会長の一人と言ったところか。
仕方がない。
「…ところで一つ個人的に聞かせてもらいたいのだが、構わないだろうか?」
「…?はい、どうぞ。
答えられる範囲でならば…」
「ふむ。では単刀直入に聞かせてもらおう
…補習授業部とは上手く行っているのか?」
「っ!?」ガチャリ
…やはりこの話題には弱いようだな。すぐに平静を装いはしているが、手元が僅かながらプルプルと震えているのが紅茶の水面の揺れで丸わかりだぞ?
「な、なななぜそのようなことを?」
「いや何、この間先生と出会った時に本日の業務について話していたらその手の話にまで発展してな。
その節は、それはそれは苦労することとなったとか何とか」
「……………」
「うちのゲヘナにまでやって来たこともあったらしいじゃないか。
わざわざトリニティからゲヘナの自治区まで出張るなど、その苦労は私にも十二分に理解できるつもりだ。
…そんな事をしておいて、関係の一つや二つ拗れないものかと個人的に思っただけだ」
「…………………………」
黙り込んで表情も平静を装い続けているが…冷や汗の量が増えていることはバレてしまっているぞ?
やはりその辺りは『大人びた子供』な訳だな。
…私も今は似たようなものなんだが。
「……………確かに、私が彼女たちに許し難い行いをしてしまったことは事実です。
変えようがありません。
…にも関わらず、『彼女たち』は私に変わらず接してくれています…本当にありがたいことです」
…ほう。やはり彼女たちは優しいな。
まあ、それとこれとは話が別というものだがな。
「…そう言うことならば、少し話でもしてやったらどうだ?ホラ」
「え…?
!?ひ、ヒフミさんっ…!?」
「私の携帯からならば履歴などが残る心配もない。他のトリニティの者たちに怪しまれることもないだろう?」
「…………はっ!も、もしもし、ヒフミさんでしょうか?」
『あっ、は、ん…な、ナギサしゃま、ですか?』
「……………………え」
『あっ、はぁ、先生、いまはまって…あっ!?だ、だめっ…!』
「………………………」ガタガタガタガタ
「…やあ先生。
…ああ悪かったよ。これからはあまり邪魔しないようにするさ。じゃあな」ピッ
「ハッ、カ、コヒュ」
「ああ済まないなナギサ殿。どうやら…君がご執心の彼女は先生と
「」バターン
「愉☆悦」
「…さて、そろそろ出てきてはいかがかな?自称正義執行者諸君」
「…」
その言葉とともに次々現れる黒い制服を身に纏ったトリニティ生徒達。
正義実現委員会…トリニティの最大戦力達だ。
にしても、この行動の早さ…
「始めから待機していた、と考えるのが妥当か。
やはり私は信用されていないのだな」
「…そう思われるということは、自身の行動に心当たりがあるのでは?
度々現れてはトリニティ生徒へ暴行を加える姿が度々目撃されていることは、周知の事実の筈です」
「現れたな
まあそれはそうだな。
…尤も、された側も碌な連中で無いことは理解してくれたことかと思いたいがな」
「…………………………色々と言いたいことが出来ましたが、今はともかく貴方がナギサ様に危害を加えた事が何よりの問題です。
ここで捕縛させて貰います…!」
「ハァ…私はもう目的を達成したんだがな。サッサと帰って本日は山海経の地獄麻婆を味わいたいのだが…」
「…どけ、ハスミ」
「ツルギ…ええ、分かりました。私は後方支援に回るとしましょう」
む。現れたな
その気になれば勝てないことはないが…面倒だな。さすがキヴォトスでも指折りの実力者というわけだ。
…あ。そうだ。
「…」ピッ
「…?」
「携帯…?通話先は…ヒフミさん?一体何を」
『あっ、はぁ…もしもし、シエルさん、ですか?』
「ああヒフミ。今は
「「!?」」
『はい…先生、今日もすごく元気で…私、何回達っしちゃったのか、わかりません…』
「それは結構だ。
…が、それほど元気なら多分もうすぐに呼ばれるぞ?」
『え…?
あ、先生?もう、二人同時に
「な、な、な…!?」
「………………!?」ガタガタ
『すみません、呼ばれちゃったので…失礼しますね?』
「ああ。ヒナにも存分に愉しむよう伝えておいてくれ。じゃあな」ピッ
「……………………………………
ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
「つ、ツルギ!?」
顔を真っ赤にして発狂しながら飛び出して行ってしまったな。
ちなみに彼女の場合NTR的な意味合いではなく先生が絡んでいるのが原因だろうな。一応彼女も先生のアレコレは知っているはずだし。
しかしたかだか事後ボイスでここまでとか、彼女先生に対する免疫が無さ過ぎでは?
そこの巨体女を見習ったほうがいいな…
「…で?私はもう帰っても良いだろうか」
と、
後ろから何が壊れて破裂する音とCV:鬼頭○里の『きゃあ!?』という悲鳴を確認したその刹那にハスミの真正面まで踏み込む。
「マシロ!?…っ!?」
「後輩の心配も結構だが…こういう状況では自身の心配を優先すべきだな」
「っ!」
顔をしかめたハスミが銃を構える…のを確認し、その銃身を
そのまま六爪流の要領で黒鍵を出現させ、次々と正義実現委員会の者々の武器を切り捨てたり剣を突き刺して無力化していく。
ハスミの銃が破裂するのを確認してフゥ、とため息をつく。
無力化するのは簡単だが、やはり如何せん疲れるな。何より正面切って戦うのは面倒だ。
「…では私は帰らせてもらおう。
立ち上がれるなら追ってくるがいい」
そして私は、トリニティを後にした。
「…シエル。こんなところで何してるの」
「いや何だ。ヒナが元気になったかどうかを確かめにな。その分だと、ヒフミ共々元気になったようじゃないか」
「あ、あはは…まさかヒナさんが居るとは思わなくてびっくりしましたけどね…」
まあそれはそうだろうな。
尤もヒナはゲヘナの風紀委員長という立場上『取り締まるべきゲヘナ生徒』がそこにいた場合は泣き寝入りして帰るしかないからこの様な善良な生徒などは一緒でもOKらしい。
これもなにかに利用できないだろうか…
「ところでシエル。一ついいかしら」
「ん、何だ?なにか忘れ物でもしたか…?」
「ついさっきアコが『トリニティから文句や抗議の連絡が鳴り止みません』って連絡が来たんだけれど…どういうこと?」
「…なんのことだかさっぱりだな」
「あなた 私 代理 あなた さっきまで トリニティ 行ってた」
「………………………………」
バレているな。仕方ない。
「あら…逃げるの?
この私の前から立ち去って逃げようっていうの?」
「逃げなければ…そのデストロイヤーに蜂の巣にされるのは目に見えているのでね…」
そして私は一目散にシャーレの窓を蹴破り、そのまま壁伝いに駆け出す。
自分で招いておいてアレだが、長い鬼ごっこになりそうだ。
「ちょっ二人とも!?ここ何階だと思って…
……もう居ない…」
この後、ヒナとシエルは数時間かけてキヴォトス中を駆け回りながら地獄のような鬼ごっこを繰り広げる事になるのだが…それはまた別のお話。
黒鍵
型月世界の代行者達が主に使用している十字架を模した剣。
シエルも愛用しており、剣として使用する際は何本か溜め込んでいる柄から剣を顕現させる。
本来このようなものはキヴォトスにも無いはずだが…?
皆様に少し質問です。
シエルのCVはどんな声優さんがあっていると思いますか?(予定調和)
よろしければ感想にそれとなく書いてくださいお願いします。