ウィッチャーのゲームはしたことはありませんが、実況プレイやネットフリックスの視聴や原作の小説を読みつつ勉強しております。知っている方は知っているTRPGダンジョンズ&ドラゴンズに登場するモンスターやそのゲームの要素も小出しにしつつ登場させるつもりです。
原作のゴブリンスレイヤーはアニメの方は全て見ていますし漫画の方もちょくちょく読んでいますが、小説の方は積みゲーならぬ積みラノベとなっており、いまだ読んでいません
主人公は当然ウィッチャーですがリヴィアのゲラルトではない、他流派に所属する無名のウィッチャーです。
むか~しむかし、今よりも星の灯がずっと少なかった頃、光と秩序と宿命の神々と闇と混沌と偶然の神々はどちらが世界を支配するかをサイコロで勝負する事に決めました。でも気が遠くなる程の回数を振り続ける長丁場は勝ったり負けたりで、一向に決着がつく様子がありません。流石に飽きて来た神々は新たに駒と駒を置く盤として、様々な『種族』と彼らの『世界』を作りました。駒は冒険し、時に勝ち、時に負け、時に宝を見つけ、幸せになり、形はどうあれ、どこかしらでさくりと死んでいきます。いつしか神々は駒を愛し、繰り広げるその活躍に夢中になりました。たまにサイコロの出目で失敗などもしますが、それはそれ。こと盤上では神様でもイカサマはしないのです。
今日も駒達の新たなる冒険の一日が始まろうとしていた所を、神々の中でも偏屈で本ばかり読んで、滅多に出歩かない事で有名な神様が二柱の無名神に腕を取られました。どうせ遊ぶなら人数が多い方が面白いのだから一緒に遊ぼう、とせっつく彼らへのせめてもの抵抗に足を引きずるも、とうとう盤の前まで引っ張られてしまいました。
駒達の冒険を見守り、始まり、過程、結末、その全てに一喜一憂するのは勿論楽しいです。しかし新しい駒の誕生だって同じぐらい面白い。
早く振ってくれ、早く。そう急かされ、折角本の良い所まで読んでいたのを邪魔されて不機嫌になったその神は初めて触れるサイコロを仏頂面で渋々手に取り、何度も振りました。振るその都度、皆は出目を見ては顔色を変え、おおっ、とどよめき、う~ん、と首を傾いで唸り、嗚呼、と残念がる。
しかし、どうしたことか、振り終わった所で待てど暮らせどいつもの様に駒が出てきません。おかしいなと幻想の女神と真実の神は困り果ててしまいます。何しろ駒が無ければ参加できないのですから。
参加できないなら仕方ないと言いつつもしめた、と医薬神はほくそ笑んで本を開いて再び読み始めようとしました。しかしいつの間に挟まっていたのか、次の頁を開いた瞬間、駒がまろび出たではありませんか。それを掴もうと手を伸ばすも、時すでに遅し。駒は盤の端に降り立ってしまいました。どんな事情があれ、盤に立ててしまえば死ぬまで取り除かれることはないのが決まりです。
面白そうだからそれで別にいいだろうと真実の神が判断し、他の神々も異議なしと異口同音に唱和した。幻想の女神と真実の神が振ったサイコロの出目に応じた盤のマスに改めて駒が置かれ、再びサイコロを手渡された医薬神は泣く泣く本を脇に置かされた。
——カラン、カラカラ、コロコロ、カタン、コトン。さあ、今こそ冒険の新しい一日のはじまり、はじまり。