アビドス高校一年 雨之こよみです!   作:よわよわよわ

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おうおう!こんにちは!先生!


楽しい楽しい入学式

───清々しい快晴

 

世間では桜並木が満開を過ぎた時期に当たる今日このごろ、私はこれから始まる青春に想いを馳せた。

 

 

 

…………筈だった。

 

校内との区切りである校門を慌ただしく一輪車が通っていたからである。……勿論、普通に考えれば何かを運び出しているのかと考えるだろう。もしかすれば、新たに生徒となる私達を歓迎する為に……なんて

 

確かに間違えていない。が、しかし問題は運んでいるものだった。

 

("これ"さえなければ……私の青春も、もっと楽しめたんだろうなぁ……)

 

こんもりと積もり積もった肌色の山───凡そ十年あまり続く砂嵐によって私の住んでいるアビドス全体に降り掛かる天災の象徴───砂だ。

 

 

 

 

 

 

 

私がこうして立っているもっともっともっと前のアビドスはそれはそれは巨大な街だったという。今や2大巨頭のように言われているゲヘナやトリニティといった高校をゆうに越える敷地や人口だったとか。

 

それが今では生徒数2桁が精々の高校にまで成り下がってしまい、まあなんとも寂しい話だ。

 

「……はぁ。なんだかなぁ……」

 

(青春したいなぁ。勉強して、部活も頑張って、放課後に友達とスイーツ食べてみたりなんてしてみたいなぁ。)

 

 

 

「…………」スタスタスタ

 

後ろから辛気臭そうな横顔の子が私の後ろから通り掛かる。

 

「…………」

 

(…………これって、もしかして同級生的なサムシング!?)

 

なにか新しい青春の予感が……!来ました〜!と言わんばかりに思考がこの無駄に綺麗な青空のように晴れ渡る。私は早速このショートヘアーの同級生カッコカリに話しかけることを試みるのだった。

 

「るんるん♫───おっと、キミも新入生?」

 

「……何か用?」

 

「いやいや、大事な用は無いけどね。折角高校一年生の一日目なのになんでそんなに辛気臭そうな顔しちゃってるのかな〜?って───」

 

「悪い?」

 

(やば〜!ちょっとバッドコミュニケーション?)

 

困惑したような応答からより冷たさを色濃く残した彼女であったが、私は頭の中にある会話デッキを探る。

 

「……ごほん。ごめんね、ちょっと同級生を見て興奮しちゃった───ああっと!そういう意味じゃないよ!はは、こうして普通の学校生活が送れることに対しての嬉しさっていうか……」

 

(ヤバい。めっちゃ機嫌悪そう。……許して〜!)

 

目つきが道端の空き缶を見るような感じになってきた辺りで彼女は小さくため息をついた。こ、こんな筈では……

 

「……ならもういい?」

 

「ああ、うん。ごめんね。」

 

立ち去る寸前に誰だったのか分からなかったことを思い出した。恐らくは一年生じゃないか……と思うけど。

 

「あ!ちょっと待って!」

 

「……まだ何か?」

 

「───名前!名前はなんていうの?」

 

「はぁ……ナンパか何かですか?」

 

「えぇ〜!?そんなこと言う!?酷いなぁ……」

 

「───小鳥遊(たかなし)ホシノ」

 

「タカナシホシノ……ん、オッケー!ホシノちゃんね!」

 

いきなり下の名前で呼んだからかホシノちゃんはため息を吐いてその場から立ち去ってしまった。

 

(……ははぁ……)

 

───さては彼女、ツンデレだな?

 

私は"経験則"を元に彼女がどんな人なのかを考えていた。真面目そうな雰囲気やあまり人と群れることを好まない性格らしい彼女は所謂"ツンデレ"という奴なのだろう。

 

(ツンツンした態度で、好きな相手だけデレデレ……クックック……)

 

いつの日か蕩けそうな声でこよみちゃ〜んって呼ばれるように……なんちゃってね。

 

「仲良くなりたいし……やるぞー!」

 

 

 

 

 

〜教室〜

 

 

 

「あっ!ホシノちゃん!一緒のクラスだったんだ!」

 

教室に到着して、まずはちょっとしたジャブ程度の挨拶だ。今気付いたように挨拶をしつつホシノちゃんの前の席へ陣取った。

 

……それにしてもホシノちゃん。すっごい顔してるけど大丈夫?なんか目つきが更に悪いし口も半開きにしていかにも「メンドクセー!!!」って感じになってるけど。

 

「……クラスは一つしか無いから当然でしょ。」

 

席は五十音順に並べられてあるが、"あ"の私と"た"のホシノちゃんは前後であった。あ〜たまで二人しかいないのが過疎度合いを表しているだろう。

 

というか、クラス合計で2桁いかない。この学校の7割は上級生だ。

 

「まあまあそんなこと言わずにさ。これから1年……じゃなかった。3年間よろしくね!」

 

また例の顔をしているホシノちゃんの相手をそこそこに私は準備を始める。まだまだやることはあるんですよ!

 

そんなわけで、交友を深めるべくスマホを片手に再びホシノちゃんに向き直った。

 

「ホシノちゃん、モモトーク交換しようよ!」

 

「◉⊆◉」

 

「なんとなく予想してたけどそんなに嫌なの……?」

 

「……そうじゃなくて、早過ぎるの展開が。普通会って数分の人と交換する?」

 

「うーん───クラスメイトだから?」

 

「───…………」

 

いやいや、そんなコイツ話通じねー!みたいな顔しないで?!

 

クラスメイトと交換するのは普通でしょ?!

 

「……分かったから。ほら。」

 

「〜〜〜ぇへっ!やった!」

 

ホシノちゃんと交換できたこの流れに乗って何人かとモモトークを交換した所で、ちょうど体育館へと移動する時間となった。




3行プロフ〜雨野こよみ〜
アビドス高校新入生
得意武器はハンドガン(砂が多くメンテの手間を軽減させるため)
夢見がちなSOMETHINGだが、やるときはやる。
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