アビドス高校一年 雨之こよみです!   作:よわよわよわ

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小さな小さな狼さん

「うげ、また砂嵐が来たんだ。」

 

以前に増して砂に埋もれた自宅を見て愚痴る。畑は最早原型が残らないほど砂に埋め尽くされた。台所も砂だらけなので、掃除をしないと使えない。

 

まあ、今は学校に登校することが先だ。今日は休日だけどもお金を渡すのは早くしておきたいし、ホシノちゃんなら恐らく居るだろう。私は最低限の荷物を整理して家から出るのだった。

 

凡そ1ヶ月ぶりの登校だ。本当ならもう少し長くバイトをしたかったのだが上司に止められてしまった。……と、いうより、ずっとバイト先にアビドスのことを黙っていたのがバレてしまったのだ。せめて年明けゆっくり出来なかった分休めという上司の言により私は1週間の休みを貰った。これに反対をしたものの、抵抗虚しく百鬼夜行からアビドスまで直球で送り返され、今に至る。という訳である。

 

「……はは、こんなに静かだっけ。」

 

一ヶ月ぶりのアビドス───その静けさは百鬼夜行で暫く過ごしていた私にはこれほどのモノだったのかと衝撃を受けるには容易いものだった。あっちはちょうど年越しの時期であり、仕事の間に訪れた初詣の喧騒には比較にならないほどの人気の無さを感じた。

 

「所謂ビジュアル系のMVとかの撮影にはピッタリだと思うんだけどな。」

 

荒廃した世界……と言ってもキヴォトスじゃ復興されない自治区の端などではボロボロの状態の建物は多いんだけどね。

 

……なんというか、少しだけだけど他の学園の姿を見たことで知見が広がった感じがする。視野が広がったというか───

 

「───あれ?ホシノちゃん?」

 

「いや〜おじ───ッ!?」

 

学校へ向かう途中の市街地で偶然ホシノちゃんとノノミちゃんに出会ったのだ。

 

彼女は前よりも更に髪の毛が長くなったようで、後ろで纏めている。……いや、そんな違いなんかよりも───二人の隣にいた少女に私は目を向けた。

 

「…………」

 

じっとこっちを見る犬耳でショートヘアで鈍い銀髪の女の子。首元にはホシノちゃんのマフラーを巻いていた。それよりも奇妙なことに、アビドスの学生服を着ていたのだ。

 

少女はチラとホシノちゃんを見やる。それは彼女の言葉を待っているようで───ガブリ

 

「───ッいっだああい!?」

 

「ちょ!?シロコちゃんストップ!」

 

「?」

 

胸元にある学生証を確認しようとするとなんと手に噛みつかれてしまった。あまりの痛さに少し涙が出てしまうが、なんとか堪える。

 

「うぅ……いたあ……」

 

ホシノちゃんの静止で口から手を取り出すと、少しだけ血が出ていた。ハンカチでそれを拭い、どういうことなのか聞きたかったけども何を言っていいのか分からない。

 

「誰?」

 

「えぇ……か、噛んだのにその反応なの……?」

 

犬耳少女はチラとホシノちゃんを見る。ホシノちゃんはまたしても止めにかかり、言い聞かせるように噛んではいけないことを伝えている。

 

「こよみ先輩、大丈夫ですか?」

 

「え、ああ。大丈夫ほら、ちょっと痕が付いただけ。」

 

ノノミちゃんがポシェットから絆創膏を取り出すもそれを断る。出血した訳ではなく、ただただ痕が出来ただけだった。

 

「で、どういうことなの?」

 

ついでにこの女の子の正体を聞いたものの、なんだか複雑そうな顔を浮かべている。取り敢えずこの子は『砂狼シロコ』という名前らしい。

 

ホシノちゃん曰く、ボロボロの状態でアビドスの校舎に入り込んだらしく、暴れ回ったので少しだけ手を焼いたのだとか。ううむ、なんだか厄介そうな……なんて思っていたが、それはそれとして友好的にはなりたいと手を差し伸べた。

 

「シロコちゃんだっけ?私は雨野こよみ。よろしくね。」

 

「ん。」

 

しかし、嫌そうな顔のシロコちゃんはぺしっと手を払い除けた。

 

(あらまあ。これはやんちゃな……)

 

「こら。シロコちゃん。」

 

「…………よろしく。」

 

先程から、何故だかホシノちゃんの言うことはちゃんと聞いているみたいだ。きっと、一緒に過ごす内に上下関係が築かれたのだろう。……なんだかんだ彼女も荒っぽい一面はあるからね。

 

「あ、ホシノちゃん。」

 

「……な、何?」

 

「はい、これ。」

 

給料の入った封筒を手渡す。……どうせ、この後は文句でも言うつもりだろうから、ここいらで退散しておこう。

 

あ、そうそう、ノノミちゃんとシロコちゃんのモモトークも交換しとかないとね。

 

「ノノミちゃん、ノノミちゃん。モモトーク交換しようよ。」

 

「えっ?」

 

「いや、さ。まあこんなとこまで来たんだし。私、ここ1週間は休みなんだ。」

 

「え〜……っと。」

 

「シロコちゃん……はあんまりアレだからすぐにとは言わないけど、ノノミちゃんとモモトーク交換しとこうと思ってね。大丈夫。困ったことがあれば何時でも言ってね。」

 

言われるがまま、ノノミちゃんとモモトークの交換を終えると何か言いたげなホシノちゃんが口を開く前に一目散に駆け出した。

 

「…………それじゃ、ホシノちゃん!ちょっと家の掃除しないとだから!」

 

「あ!ちょっと!」

 

「ごめん!それ、預かっといて!」

 

───十六夜 ノノミのトークルーム───

 

『ホシノ先輩、怒ってましたよ。』

 

『謝った方が良いと思います。』

 

『ありがとう。ノノミちゃんも、今日はごめんね。』




ホシノつ、つよしぎ〜!!!

ヒナVSホシノが気になるよね。てかそもそもアビドスの戦闘力の平均値やっぱ高いなぁと常々。
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