アビドス高校一年 雨之こよみです!   作:よわよわよわ

4 / 7
友達が天才だった展開の対処法

春爛漫がギリギリ続く頃……

 

世には爆破音が絶えなかった。"キヴォトス学園生活あるある"───訓練のお時間だ。伊達に銃火器を持ち歩いておらず、キチンと使用、手入れ等の技術を養うための時間でありキヴォトスを生きる為では疎かにしてはいけないものだ。

 

 

 

さて、"外"から輸入された本によると高校の授業では銃を取り扱わないらしい。というより、極少数ではあるが銃を禁止している国もあるらしい。

 

私も一キヴォトス人としてそれなりには銃の扱いは慣れているとは思うけども……

 

「すっごい……」

 

ショットガン───近距離で優れた制圧力を持つあの武器だ。威力もかなり高く、他の高威力な銃火器よりも比較的軽いという特徴もある。

 

それをホシノちゃんは巧みに操り的を粉砕していく。あんなちっちゃい身体でどうやって暴れ馬みたいな反動を受け止めているのか───

 

「そこまで!」

 

終了の号令が発せられると辺りはワッと歓声に溢れた。あまりにも次元の違う…それこそ上級生とさえも張り合えるのではないかと思えるくらいだった。

 

(えぇ〜……あの後に私が……?)

 

今回の訓練は的当てで高得点を狙うという簡単なものだが、まあ上手く行かないだろう。そもそも私はこういうことは苦手なのだ。

 

「……ん?」

 

そうして考えているとホシノちゃんがこっちを見ている。……なんかドヤ顔だ。こんな感じの( ・´ー・`)フンスって顔になってる

 

(く……せめて的を当てるくらいは……!)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「───よくがんばったね」

 

「……ありがとうございます。」

 

結果は……ダメダメ───とまではいかないと信じたい。

 

(銃なんて無くても生きていけるんだよ……この世界は。)

 

「お疲れ様。」

 

声をかけてくれたのはホシノちゃんだった。なんだか気を使わせてるみたいで申し訳ない。

 

「……あはは、全然駄目でしょ?」

 

「ダメダメだけど……こういうのは慣れっていうし、誰だって練習すれば───」

 

(ちがう……違うんだよホシノちゃん……!)

 

なんというか、銃の扱いに慣れてる方がおかしいんだと思うんだよね。キヴォトスの外じゃ銃弾のゴミ箱が無いって言われてるくらいだし!

 

だからそんなに励まさないで!お願い!銃の扱いは青春には関係ないんだ……!

 

 

 

……とは思うけども、私はキヴォトスに住んでいることは事実だし、銃と距離を置いた生活はしているものの携行してるし最低限のメンテナンスは行ってる。

 

学校を卒業後は外で過ごすとしても、この3年間は銃と無縁にはなれないし……

 

実はもしかして、今すぐに銃から離れるメリットってあまり無いのかも……?

 

「うん……今度教えてほしいな……」

 

衝撃の事実に気づいた私はあの結果に落ち込まざるを得なかった。

そんな落ち込む様子を見かねてか、ホシノちゃんは個人練習をしたらどうかと言った。

 

("放課後"───"練習"───)

 

それってなんか……とっても青春ってニオイを感じる───!

 

「よし!やろう!」

 

そう息巻く私をホシノちゃんはなんだか微妙そうな顔で眺めていた。

 

────────────────────────

────────────────────────

────────────────────────

【side 小鳥遊】

 

<放課後 体育館>

 

(…………)

 

3枚ほどの紙を見て、私は思わず頭を抱えた。

 

その紙にはまるでチーズのように全体に穴が空いており、場所によっては半円やイチョウのような形の穴も確認できる。……そちら方面には詳しくはないが、現代アートとしてならば"メイ"作と呼ばれるかもしれない。

 

そして、私の前にはバツが悪そうな顔の彼女がいた。

 

───雨之こよみ。同級生(クラスメイト)で友人でもある子だけども……なんというか色々厄介な子だと言えるだろう。

 

彼女が手にしているのは回転式拳銃(リボルバー)で蛇の名前が付けられているシリーズだけど、あまり彼女の手には馴染んでいないみたいだ。

 

そもそも、一般的に自動小銃(アサルトライフル)機関銃(マシンガン)といった割と大型の銃器が殆どの人にとって親しみのあるものなのだ。威力もあり、銃弾の装填もマガジンの為携行しやすくリロードも素早く行える利点がある。一方でベルトリンクのものもあるが、携帯に難がありつつも大幅に装弾数を増やすことができるだろう。

 

だが一方で拳銃(ハンドガン)と呼ばれる類のものが廃れているという訳でもなく、直接戦闘を目的としない後方支援や裏方の最低限の護身用であったり、大経口のハンドガンや自動拳銃といった部類は取り回しの良さから採用されているというケースもある。が───

 

やはりリボルバーはあまり好まれていないイメージだ。戦闘においてリロードという行為はかなり隙を晒す上に、回転式拳銃は工程が多い。そして弾数も6〜8発と少ないのでそれならば通常の拳銃を使用すると考えるのは普通のことだろう。

 

それに確か、ハンドガンを好んで使用するのは変人しかいないというジンクスも聞いたことがあるけど……

 

(───まあ、いいか。)

 

それよりも一応特訓を提案した身としては何かアドバイスをしなければならない。

 

ハンドガンというものは比較的発砲した際の反動は少ない上に、彼女は反動によってブレが生じている訳ではないと感じた。むしろ……打つ前にブレてるというべきか……

 

(これだったら最初は打つときの姿勢から教えたほうがいいかな。)

 

「こよみちゃん、まずは───」




「マシロはなんとか引けたけど、天井交換でヒフミかアズサで迷うなぁ……」

「ああ、でもT.S.って結構好きなんだよなぁ……通常のアズサは持ってるしヒフミにしようかな。」

「……!?スキルコスト10!?ちょっとwiki見るか……」

「レベル上げてコスト減らんのかぁ……まあでも愛用品もあるしコメ欄で運用の参考を───え?」

「───恒常…………?hard周回で取れるの……?」

ってな感じで絶望を味わいました;;

皆さんはリサーチをしっかりしましょうね

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。