アビドス高校一年 雨之こよみです!   作:よわよわよわ

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暇を潰せるほどアビドスに娯楽は無い。

「おーい!ホシノちゃーん!」

 

「……なに?」

 

「いやいや、今日の訓練どうするのさ。」

 

「……忙しいから自主練でって伝えたでしょ。」

 

「えー、最近そればっかりじゃん。どうしたの?」

 

「……ちょっと、ユメ先輩と用事があるの。」

 

「ふーん」

 

夏休みに入る直前になるとホシノちゃんはあまり練習には来れなくなってしまった。彼女が来れない理由は決まってユメ先輩との"用事"らしい。

 

私はそう何度も頻繁に用事があるのかと考えたが、先輩は生徒会長だしそういった何か用事が多いのだろうと考える。キヴォトスにおいて"学園"が担うものは地域の自治まで及ぶのだ。この人数が少ないアビドスで砂への対処も含めるとなると相当なものだろう。

 

「……皮肉にも人がいないから治安は良いのは結果オーライかも」

 

私はいつも通り的当てに興じている。数ヶ月、日付にして凡そ100日に達するあたりまでこれを繰り返している。何百……何千と繰り返し、遂には万に届き得る中で私はこれをただの"的当て"だと言えるレベルに達していた。

 

……つまる所免許皆伝だ。

 

まあ、それでもホシノちゃんの方が私よりも素早く全ての的を撃ち抜いていた。しかも散弾を使って打ち払ったのではなく、スラッグ弾を使用しての記録だった。

 

正直に言えばあり得ない。一体どうしたらショットガンの暴れを抑えてブレがほとんど無いようにしつつ狙いをしっかり付けて連射するなんて芸当ができるのか。あんなにも小さいのにあまりにもゴリラすぎるでしょ?

 

ホシノちゃんと同条件で勝つにはまずブレ抑制と連射を鍛えなければならない。今の私は最初の一発のみ完璧に狙った場所へ飛ばせれるのだ。……落ち着いていればの話だけどね。

 

二発目以降は自分の利き目と利き手側にしっかりと合わせなければいけない。1発目は合わせる猶予があるが、二発目以降は銃身の向きを変えながら合わせるまでに若干のタイムラグが出てしまっている。止まっている的ならばまだしも、動く的ではかなり命中率が落ちてしまう。

 

「一発だけの早撃ちしかできないのをなんとかしないとね……」

 

ここいらが限界だ。模擬タイムは16枚の的を撃ち抜くのに28秒、ホシノちゃんは18秒で終わらせた。あっちが装弾数8発で1回のリロード、こっちが6発で2回リロードをしなければいけないとはいえ、1秒に1枚ならばたったの2秒でリロードを終えている。

 

そんなバカなことがあるかと考えて、もう一度やって貰うとリロードに5秒ほど掛かっていることがわかり、本当は1秒に約1.2発も撃っていた。

 

ひょっとして、ホシノちゃんは早撃ちならキヴォトス最速なんじゃないか?だって、こんな馬鹿げた芸当誰もできないだろうから。

 

(銃の特性っていうものを無視してるよね……もうちょっと力があれば機関銃を持ってる方が強いんじゃないかな。)

 

「……はーあ、次へのステップが踏めないな。」

 

撃ち込めるのは6発、たった6発だ。リボルバーの特性として撃ち切る前にリロードするのは非常に手間となる。

 

だから3回リロードが必要だけど、私はここが一番手間取っていると分析したのだ。

 

(命中精度を考慮しなければ腰溜めに撃つのが最も早い。だけど……)

 

腰溜めで撃つのは本当に難しい。というか、劇のように保安官がホルスターから抜いた直後に数発撃つくらいしかそういうシチュエーションで撃たないし、そもそも私の撃ち方は両手でグリップを握ってるし、今どき腰の横にホルスターなんて殆ど使わないし……

 

私はいつも親指でハンマーを降ろしてから撃っているが、勿論コッキングをせずに撃つことも可能だ。

 

ただし、そこそこの力が必要な上に指に力が入るため狙いがブレやすい。こればかりは指の筋トレをするしかないだろう。

 

もう一つの案として、弾薬が込められているシリンダーにピッタリフィットするように作られたスピードローダーを使えばリロードの高速化は実現できる。問題はこの古臭い銃に対応している物を探すにはかなり遠出をしなければいけないこと。もう一つはホシノちゃんから最初は使わないでリロードできるようになったほうが良いと言われていることだ。

 

まあアナログならアナログを突き詰めるべきという考え方はわかるのだが、何にせよ他のカートリッジ式の銃と比べて1発辺りの装弾時間が3倍くらい遅いのはどうにかしたほうが良いだろう。そもそも装弾数すら劣る場合も多いのだから。

 

(でも、今更変えてもねえ……)

 

たった100日、されど100日この銃を握ったのだ。そもそもかつてのガンマンのようなこの銃を見た目と利便性から購入したものなので、どう考えても銃を変える選択肢は出なかった。

 

この古めかしさにロマンを感じる。古のガンマン達に想いを馳せるのは趣がある。……要するにお気に入りなのだ。

 

私は訓練所の掃除をした後、中々形にならない改善点を考えながら学園から下校した。ホシノちゃんがいないのは非常に残念だけど、私は久々に駅前に遊びに行こうと決めたのだった。




お久しぶりです。

さて、3章プロローグが公開されましたが……


私としては前回のアンケートである程度は方向性が決まったのですが……恐らく皆さんも私も同じくあらまあといった感想かと思われます。

えー、正直どうしようか迷ってます。というのもホシノの性格が予想の数倍マイルドでした。なんですかあれ。可愛すぎか?

今までの過去ホシノとしては
・凄い真面目。
・ゲヘナも目をつけるくらいの戦闘力
・先輩にかなり依存していた?
・ノノミが来てからシロコが来る前くらいまでは荒んでた。

って感じでした。これを元に、真面目系がゆるふわ天然になんだかんだ絆されて……的なSomethingだと思ってたんですよ。実際、他の方の2次創作でも似たような意識だったと思っています。

正直そうきたかぁ〜ッ!!と驚嘆する烈海王になってますが、更新を止めていた分私には対応の幅は広がっているのですよ……
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