アビドス高校一年 雨之こよみです!   作:よわよわよわ

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どうも、ユメパイの教えに脳を焼かれた人です。

いやあ、あの発言は使いたいね。使わせて頂きます。

原作崩壊のタグを追加しました。


物語の始まりは───

「……や、ホシノちゃん!」

 

───結局、ホシノちゃんを夏休み中に遊びには誘えなかった。

 

こうして会うのも実に久しぶりだ。私はあのキャンプのせいで少し焼けてしまったので、少々変わったように思われるかもしれない。

 

「…………」

 

(あ、あれ?)

 

ホシノちゃんは少し怪訝な目をしてこちらを見て、じっと黙っている。

 

「夏休みどうだった?」

 

「…………」

 

(ええと……反応が無いんだけど……)

 

「私は冷房が壊れてさ。いっそのこと外でキャンプでもしようと思って───」

 

「……楽しそうだね。」

 

「ああ、うん。楽しく……いや、楽しくなかったかも。砂漠でキャンプをしたんだけど、やっぱり無理だったよ。」

 

「………」

 

「……あ、はは……えっと、ちょっとお手洗いに行ってくるね。」

 

 

 

───何か、ホシノちゃんの様子がヘンだ。なんというべきか『余裕』がない。あと、苛立ちのようなものを感じる。

 

……何か気に障るようなことをしただろうか。行動を振り返るが、特に目立ったようなことを下覚えがない。

 

(───そういえば、ホシノちゃんって先輩の手伝いをしていたんだっけ。)

 

砂の問題を解決する為にユメ先輩は日々奔走しているのだとか。それの手伝いをしているホシノちゃんは夏休みは忙しかったのだろう。……うーむ、何かジュースでも買ってあげたほうが良いのかもしれない。

 

いやしかし、ここは私も手伝うべきではなかろうか?

だって、仮にも自分が所属する学園のことだ。賑やかになって、後輩もいっぱいできたら嬉しいし。何よりみんなとの共同作業だからね。

 

さっきの様子からして、ホシノちゃんに話をするのは良くないような気がする。ユメ先輩なら相談できるかもしれないし、先輩を探そう。

 

─────────────────────────────────

校舎を歩いていると運良く生徒会室前で立っている先輩を見掛けた。

 

「あっ、ユメ先輩!お久しぶりです!」

 

「こよみちゃん、元気にしてた?」

 

「はい、夏休みはそれなりに満喫しましたよ!それで、ちょっと話したいことがあって……」

 

私が暗に時間に問題ないかと聞いてみる。先輩は少しだけ表情を変えて、今はちょっと駄目だと言った。

 

後で時間を取るからと言っていたがそこまで時間を取るようなことでもないので、また今度話します。と言って先輩が生徒会室へと入って行くのを見届けた。

 

 

 

 

 

───結局この日は何も無く、ただ一日が過ぎていった。

 

帰り際に見た夕日がキレイだったことが、唯一覚えていたことだった。

 

次の日、先輩は休みだった。

 

ホシノちゃんは変わりなく。

 

他の人も休みだった。

 

次の日も、その次の日も、赤い日が落ちる。揺れる光に当てられて私はあの日言わなかったことを永遠に後悔するだろう。

 

襟を掴まれ、尻餅を付かされる。目に映る顔は怒りに満ちたソレで、私が最も知らない彼女の顔だった。

 

───巫山戯るな、とぶつけられる。

 

全てを吐き出し切った後の、最大限の侮蔑を含んだ最後の言葉だった。

 

彼女の言葉を理解できない。何故、が私の頭を支配する。

 

───ユメ先輩は私を庇った。

 

何故か。

 

───普通の学園生活を送ってほしいから。

 

何故か。

 

───アビドス学園では出来ないから。

 

何故か。

 

───アビドス学園には億を超える借金を抱えていたから。

 

 

 

日が暮れて、ホシノちゃんが言ったこと、握らされた紙は転学届だったことを理解した。彼女があそこまで怒りを露わにしたのは先輩を見殺しにしたからだ。彼女にとって、苦楽を共にした先輩だから…………

 

帳が落ちる。今日ばかりは藍ではなく、黒く塗り潰された空が嘶いた。空が割れ、風が吹き、砂が舞う。それは私の心模様のようであった。

 

グルグルと想いと思いが廻り交ざる。

 

絵の具を混ぜたことはあるだろうか?色の三原色といって、赤・青・黄を混ぜると全ての色を作ることが出来るのだ。しかし、当然、様々な色を混ぜれば暗く重い色となる。

 

───鈍色───が、私の心を染め上げた。

 

明るくなる、夜が明けた。しかし眼下は白黒で、果てしなく広い砂の平原。あの子はきっとこの向こうへ行ったのだ。

 

嵐は去り、世は再び平穏を取り戻した。

 

思い出すのは彼女の言葉。

 

───億を超える借金が残っている。

 

ならば、ならば、私が今できることは……

 

 

 

これを返すしかない。無論完済はできないが、少しばかりは返すことができるだろう。それが償いになるのなら……




すみません、ユメ先輩。

あなたには死んで頂きます。
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