外は陽がまだ出てない夜明け前、王宮の一室の天蓋付きベッドのカーテンは支柱に巻かれていて窓側のカーテンは閉められていて、ベッドの上にぐっすりと眠っているハジメは、夢を見ていた。
景色は日本の大都会・東京 空から槍が身体中を貫通するように雨に打たれ、道の真ん中には悪魔の死体があり、周囲は電柱や地面、建物等は悪魔に破壊され、ハジメは身体中の所々から怪我や出血して両腕の中には
——女性のバディの血塗られた「遺体」を抱き抱え雨に打たれていた。
(……またあの夢……眠気覚ましにシャワー浴びるか)
ハジメは起き上がり、シャワーを浴びに行った。
翌朝から早速訓練と座学が始まった。
集まったハジメ達と生徒達に十二センチ×七センチの銀色のプレートが、配られた。不思議そうに配られたプレートを見る者達に、騎士団長メルド・ロギンスが直々に説明し始めた。
「よし、全員に配り終わったな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書である。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」
非常に気楽な喋り方をするメルド団長。彼は豪放磊落な性格で「これから戦友になろうっての何時までも他人行儀に話せるか!」と、他の騎士団員達にも普通に接するように忠告するくらいだ。
ハジメは「なんだか師匠と高級居酒屋の個室で盃を交わしていそうな人だな」と思いながらメルド団長の話を聞いていた。
「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれそれで所持者が登録される。“ステータスオープン„と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。ああ、原理とか聞くなよ? そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」
「アーティファクトですか?」
聞き慣れない単語に創魔が質問する。
「アーティファクトっていうのはな、現代じゃ再現できない強力な能力を持った魔法の道具のことだ。まだ神やその眷属達が地上にいた神代に創られたと言われている。そのステータスプレートもその一つでな、昔からこの世界に普及しているものとしては唯一のアーティファクトだ。普通は、アーティファクトと言えば国宝になるもんなんだが、これは一般市民にも、流通している。身分証明に便利だからな」
「御説明感謝致します」
創魔は頭を下げながら返事をした。
ハジメ達は早速魔法陣に血を擦りつけた。すると、魔法陣とステータスプレートが一瞬淡く輝き、直後、スッと真綿にインクが染み込むように変色していった。ハジメは紅黒色、創魔は灰色、デンジはオレンジ色だった。そこにはそれぞれのステータスが表示されていた。
南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1
天職:錬成師・デビルハンター
筋力:160
体力:140
耐性:140
敏捷:170
魔力:200
魔耐:200
技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成][+圧縮錬成] 先読 威圧 限界突破 言語理解
南雲創魔 ?歳 性別不明 レベル:1
通称:創造の悪魔 契約者:南雲ハジメ
天職:デビルハンター
筋力:∞
体力:∞
耐性:∞
敏捷:∞
魔力:∞
魔耐:∞
技能:全属性適性 全属性耐性 物理耐性 複合魔法 状態異常無効 結界[+分厚調整][+防音] 魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作][+効率上昇][+魔素吸収] 想像構成[+イメージ補強力上昇][+複合魔法同時構成][+遅延発動] 魔力感知[+特定感知] 気配感知[+特定感知] 気配遮断[+幻踏] 金剛 豪腕 夜目 遠見 先読 威圧 念話 高速魔力回復 胃酸強化 魔力変換[+体力][+治癒力] 家事[+料理][+裁縫][洗浄] 分身[+数量操作][+性別操作][+容姿操作][+年齢操作][+敵対コピー] 錬金[+数量操作][時間操作] トレーニング空間 時空操作 神代魔法 生成魔法 重力魔法 空間魔法 再生魔法 魂魄魔法 昇華魔法 変成魔法 概念魔法 限界突破 言語理解
早川デンジ 16歳 レベル:1
通称:チェンソーマン
天職:デビルハンター
筋力:ERROR
体力:ERROR
耐性:ERROR
敏捷:ERROR
魔力:ERROR
魔耐:ERROR
技能:纏魔法 全属性適性 全属性耐性 物理耐性 金剛 豪腕 豪蹴 威圧 悪食 不死身 自動再生[+痛覚操作] 鎖鋸化[四肢選択][+魔力効率上昇][+身体能力上昇] 胃酸強化 血力変換[+身体強化][+魔力変換][+体力変換] 高速魔力回復 限界突破 言語理解
メルド団長からステータスの説明がなされた。
「全員見れたか? 説明するぞ? まず、最初に“レベル„があるだろう? それは各ステータスの上昇と共に上がる。 上限は100でそれがその人間の限界を示す。つまりレベルとは、その人間が到達できる領域の現在値を示しているというわけだ。レベル100ということは、自分の潜在能力を全て発揮した極致ということだからな。 そんな奴はそうそういない」
「ステータスは日々の鍛錬で上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることもできる。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しいことはわかっていないが、魔力が身体のスペック無意識に補助しているのではないかと考えられている。それと、後で、お前等用に装備を選んでもらうから楽しみにしておけ。何せ救国の勇者御一行だからな。国の宝物庫大開放だぞ!」
「次に"天職„ってのがあるだろう? それは言うなれば”才能„だ。末尾にある。”技能„と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦闘天職に分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、ものによっちゃあ万人に一人の割合だ。非戦闘系も少ないと言えば少ないが……百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくないものも結構ある。生産職は持っている奴が多いな」「後は……各ステータスは見たままだ大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうな! 全く羨ましい限りだ! あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」
ハジメ達三人は、お互いに見せ合いっこをした結果は「なんでやねん」これしか言葉が見つからないハジメだった。創魔とデンジは「「……申し訳ありません/なんかすまねぇ」」と謝った。
ハジメは「いや、気にしてないから大丈夫だ(元々、創魔とデンジは「人間じゃない」からな気にしないほうがいいな)」と思っていると、
メルド団長のほうから称賛の声が聞こえてきた。
どうやら一人の男子生徒のステータスを見たかららしい。
天之河光輝 17歳 男 レベル:1
天職:勇者
筋力:100
体力:100
耐性:100
敏捷:100
魔力:100
魔耐:100
技能:全属性適性 全属性耐性 物理耐性 複合魔法 剣術 剛力 縮地 先読 高速魔力回復 気配感知 魔力感知 限界突破 言語理解
「ほお〜、流石勇者様だな。レベル1で三桁か……技能も二つ三つなんだがな……規格外な奴め! 頼もしい限りだ!」
「いや〜、あはは……」
メルド団長の称賛に照れたように頭を掻く男子生徒どうやら、あいつが「天之河光輝」というらしい。ちなみにメルド団長のレベルは62。ステータス平均は300前後、この世界でもトップレベルの強さだ。しかし、光輝はレベル1で既に三分の一に迫っている。成長率次第では、あっさり追い抜きそうだ。
ちなみに、技能=才能である以上、先天的なものなので増えたりはしないらしい。唯一の例外が、“派生技能„だ。
報告の順番が回ってきたので三人はメルド団長にプレートを見せようとするときにハジメがメルド団長に話した。
「申し訳ありませんが、ここでは見せられないのでメルドさんの部屋でいいでしょうか必ずお見せ致します」
「そ、そうか?わかったじゃあ後で俺の部屋に来るといい」
「ありがとう御座います」
メルド団長から許可が出てお辞儀をした三人だったが、そこに空気を読まない者が来た。
「おい!ステータスを見せないってどういうつもりだ!ステータスを見せるのが決まりだろう!俺達にさっさと見せるんだ!」
いきなりの光輝の大声に周囲の視線が集まった。光輝はステータスプレートを強引に奪おうとするが、ハジメ達が拒否した。
「おい、勝手に奪おうとしてんじゃねえ。俺達は公安だ。一般市民のお前等に見せるわけにはいかねえ。こっちにとってステータスは「極秘」なんだよ。奪おうっていうなら、窃盗罪でこの世界の警察の代わりに騎士団に引き渡すことが可能かもしれないんだぞ。今お前の行動がどういう意味なのかわかってやってんのか?人の大事な物を奪おうとするなんざお前勇者か?あと、ここには畑山教師もいるんだぞ、もし目の前で生徒が逮捕される瞬間を見せられたらどう思うんだ?」
「ええ、その通りです。先ほど貴方の天職が「勇者」と聞こえましたが、本当は「勇者」ではなく「愚者」か「偽善者」の見間違いでしょうか?それと教師の目の前で生徒が逮捕されたらどういう気持ちだとお分かりですか?」
「親に教わらなかったのか?他人のものを勝手に取るんじゃないってな!」
(っていうかこいつ正義感が強すぎるなまさか、「正義の悪魔」と契約してそうだな。まぁその時は駆除するけどな)
ハジメはなんとなく光輝が「正義の悪魔」と契約してそうと思っている。
「なっ、なに!?うるさい!」
光輝は逆上してハジメの顔面を殴ろうとしたが、騎士団員に取り押さえられた。
「皆さん離してください。南雲達が悪いんですステータスを見せないやつが悪いんです!」
その時だった
「天之河光輝!!ふざけるのも大概にしろ!!」
聞こえてきたのは、先ほど聞いた怒鳴り声とは違う声だった。その場にいたハジメ達、生徒達、メルド率いる騎士団は聞こえてきたほうを見るとそこには「はあ、はあ」と息切れしている
「畑山愛子」がいた。
深呼吸をして光輝に問いかけた。
「天之河くん、先ほど南雲さんと創魔さんとデンジさんの発言は確かです。あの方々は「公安」なんです。私は、目の前で生徒が逮捕されたら悲しみます。逮捕されたら地球には帰れなくなりご家族には会えなくなる可能性があるかもしれません。あと、他人のものを取ったらダメだとご両親に教わったはずです」
生徒達は、目を見開いていた。いつも学校中から“愛ちゃん„と愛称で呼ばれ親しまれているのだが、先ほどは全く違った。まさに『威厳』がある立派な教師だと思ったのだろう。
「皆さん先ほどは、怒鳴ってしまい申し訳ありません。ハジメさんの方々やメルドさんの方々も申し訳ありません」
愛子は生徒に怒鳴ってしまいお辞儀をした。すると愛子は空気を変えるため両手をパンッ!と叩きメルド団長に自分のステータスを見せた。
畑山愛子:25歳 女 レベル:1
天職:農作師
筋力:5
体力:10
耐性:10
敏捷:5
魔力:100
魔耐:10
技能:土壌管理 土壌回復 範囲耕作 成長促進 品種改良 植物系鑑定 肥料生成 混在育成 自動収穫 発酵操作 範囲温度調整 農場結界 豊穣 天雨 言語理解
するとメルド団長は目を見開いた
「なんと!作農師が実在していたとは! おい!至急国王に知らせよ!この世界の食糧値が一変するぞ!」
「はっ、はい!」
メルド団長は部下に伝言をした。
「皆は各自、自由時間だ!よいな!」
『はい!』
「で、悪いがお前達三人は俺と来てくれ。俺の部屋で、ステータスを見せる約束をしたからな」
「はい」
ハジメ達三人はメルド団長の後をついて行こうとした。その時、
「すみません」と声をかけられた。
「先ほどは光輝を止めてありがとうございます」
「「ありがとうございました」」
ハジメ達は振り返って話した。
「……俺達はただ言っただけだ。礼を言うのは畑山教師のほうだ」
「ええその通りです」
「ああ、そうだな」
「それでも! 感謝を言いたいんです。あっあのこっち側の名前まだ言っていませんでしたね。私は、八重樫雫です」
「白崎香織です」
「オレは坂上龍太郎だ」
「私達三人は光輝の幼馴染なんです」
「そうなのか」
「はい、そうです」
「幼馴染か…………大事にしろよ」
「はっ、はい」
そこに、他の生徒達も自己紹介をしてきた。途中、ハジメが「俺にも幼馴染がいる」と言いだし驚いた生徒達に紹介している時「ハジメ、創魔、デンジを除く」者達が声を合わせて叫んだ。
「「「「「遠藤/くん/君/浩介いたの!?」」」」」
「最初からっ、居たわ!!!!」
「畑山教師」
ハジメな愛子のほうを向いて声をかけた
話しかけられた愛子もハジメのほうを向いた。そのとき目が合った
「体格差なんざ関係なく堂々と叱る教師は、俺は誇りに思う」
「メルドさんが待っているからな、じゃあな」
そしてハジメ達三人はメルド団長について行った。
愛子は顔を赤くして両手で塞いでいた。
メルドの部屋に机を挟んで大きなソファの上に座った。部下全員を廊下に配置したが、創魔は念の為 結界[+防音]を展開した。
メルドがステータスプレートを見せるように促す。
「早速だが、ステータスを見せてくれ」
ハジメ達は、ステータスプレートを渡した。メルドの反応は予想通りだった
「なるほど、こういうことか」
「はい、申し訳ありません」
ハジメ達は頭を下げた
「いや、もう気にしてないからな頭を上げてくれないか」
ハジメ達は頭を上げた
「だが、これからどうする? こっち側としてはしばらくの間、座学や訓練を行うようになっている。安心しろお前達にも自由行動を与えるつもりだからな」
「そうですね……三つぐらい今、考えていることがあります」
「三つか? 聞かせてくれ」
「はい、では一つ目は、図書館のようなところでこの世界事情を調べます」
「図書館なら『王立図書館』があるそこに行くといい」
「はい、わかりました。では二つ目は、稼ぎに行きますので冒険者ギルドのようなところで登録をしに行きます」
「冒険者登録をするときはステータスプレートを渡す必要があるのだが、そのときにステータスの隠蔽方法を教えよう」
「ありがとうございます」
「では、これが最後です 帰還する方法を探すため王都を出ます」
「……本気か?」
メルドは目を細め言った
「はい、俺達は本気です」
「ええ」
「おう!」
「……理由は? 安心しろ誰にも言わん」
「そうですかでは言いますねそれは、『向こうで待っている人達がいるのです』」
「……そうか」
「はい」
「なら頑張れよ!」
「「「はい!ええ!やってやるぜ!」」」
ハジメ達は結界[+防音]を解き部屋を出て行った。
いかがでしたか?ハジメ達三人はもうチートしか言いようがありませんね。畑山先生!メルド団長!お疲れ様でした!
次回、王都
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