それではどうぞ
「……俺の『強さ』か」
(俺が承諾した以上やるしかないか“本気„でな)
訓練開始早々光輝がハジメに挑もうとしたようだ。ちなみにハジメは、師匠の岸辺に格闘術を習っている。
訓練所の壁際には創魔、デンジ、幼馴染、生徒達、騎士団員や騒ぎを駆けつけた愛子やリリィ、クゼリーがいる。メルドは審判役だ。
「南雲!俺が勝ったらお前達三人のステータスを見せてもらう!」
「あっそ じゃあ俺が勝ったらこれ以上俺達に関わってくるな」
どうやら光輝が勝利した場合ハジメ、創魔、デンジのステータスを見るらしく、逆にハジメが勝利した場合関わってほしくないらしい。
一方、壁際にいる者達はどっちが勝つのか競い合っている
「創魔、お前はハジメか?」
創魔に浩介が問いかけた
「当然私は主様を選びます」
「……理由は聞いても?」
「私は、いつでも主様を信じております。ただそれだけです」
「そんなんだ」「へえ〜」「…信じる…か」
どうやら創魔の返答に周囲の者達が共感したらしい。
「オレもハジメを選ぶ」
デンジもハジメを選ぶらしい。
「オレが大切な仲間って思っているからだ。そういうお前達は?」
「……俺はハジメだな」
「俺も」「私も」「私も」
浩介の返答に賛同するかのように幸利、恵里、優花がハジメを選んだ。
「私は、南雲さんだよ」
「以外わね、光輝だと思ったわ」
「うん! 雫ちゃんと龍太郎くんは?」
「そうね……私は光輝だわ」
「オレは光輝だな」
「龍太郎も光輝を選ぶんだ」
「おう、オレは光輝がもし負けたら慰めるのは、オレかもしれないからな」
「ううん、大丈夫だよ私も手伝うから」
「ええ、私もよ」
雫、龍太郎は光輝を選んだ。
そのことを聞いた光輝はハジメに言いがかる
「南雲! お前香織に何をした!」
「はあ?知らねえし、昨日が初めて会っただけだが?」
「嘘をつくなっ!」
「はあ〜(何言ってんだ。こいつ鬱陶しい)」
「光輝騒がしいぞ。そういうのは、模擬戦でぶつけばいいだろう」
「うっ…」
メルドがルール説明をする
「ルールは簡単だ! 魔法を使うかは好きにしろ! 四肢も同様だ!どちらかが先に倒れたほうが負けとする!以上だ!」
「……分かりました」
「了解です」
「それでは始め!」
いよいよ模擬戦が開始された
「万翔羽ばたき、天へと至れ、“天翔閃„」
「……今だ“錬成„」
ドンッ!
土煙を晴れていき現れたのは、“精密錬成„と“圧縮錬成„を使った分厚い“壁„とハジメの声だった。
「ふう〜あっぶねえな、おい」
「なっ!?」
先手は光輝だったがハジメは、“天翔閃„が当たるタイミングを見計らって手を地面に置き“錬成„と言った瞬間突如、地面から“壁„が出てきて光輝の“天翔閃„を防いだ。しかも“壁„はひび割れなんてしなかった。
(防がれただとっ!? 今度は“縮地„で一気に距離を取ろう!?)
光輝は“宿地„を使って近距離で聖剣を振り下ろそうとしたが、足が動かないことに感じて下を見たそこには、“光輝の両足が地中に埋まっていた„なんとハジメは防御と同時に、光輝の両足の地面を“圧縮錬成„で封じたらしい。
「おい!卑怯だぞ!」
「あん? 初手でいきなり大技をぶっ飛ばしてくるやつが何言ってんだ」
「うるさい!容赦はしないぞ!“限界突破„!」
(“限界突破„…まあ、勇者が持つのは当然だな…さてどうしたものか)
光輝は逆ギレし“限界突破„を発動した瞬間ついに光輝の両足を縛っていた地面が崩壊、両足が自由になったおかげで“縮地„を使った。
ハジメは若干冷や汗を垂らした。
「(まあ、やるしかないか)“錬成„!」
「!?」
“縮地„で一気に至近距離に迫った光輝は訓練用の剣を大上段でハジメに振り下ろそうとしただがその瞬間をハジメは見逃さなかった。訓練用の剣の下に“錬成„をした。瞬間突如、地面から“正方形の形をした物体„が勢いよく伸びて大上段の攻撃を弾いた。これは“精密錬成„・“圧縮錬成„を使ったものだ。
光輝は、“錬成„の攻撃を受けてしまい訓練用の剣を手放してしまった。
「なっ!?」
ハジメは、チャンスと言わんばかりに光輝の懐に、姿勢を低くして両手を拳に構え右足を後ろに左足を前に置き、両腕を曲げ左腕を前に、右腕を後ろに構え思いっきり右腕を伸ばし瞬間、右足を前に置き右拳のみに“限界突破„が流れていくように全魔力を流した
(“限界突破„には“限界突破„だ)
ドンッ!
「ぐはっ」
光輝はハジメの渾身のアッパー(“限界突破„付き)をくらい地面に何度もバウンドしながら転がり止まった。
光輝は立ち上がる気配は無い
静寂とした訓練所にハジメの息遣いが響く
「はあ、はあ、はあ、」
二人の模擬戦の審判役を務めたメルドの声が響く。
「そこまで!勝者は錬成師 南雲ハジメ!」
勝者はハジメだ。
ドサッ
ハジメは、後ろに倒れたそこに
「主様!」「ハジメッ!」「ハジメ!」「ハジメ!」「ハジメ君!」「ハジメ!」
創魔とデンジ、幼馴染が駆けつけてくる
香織、雫、龍太郎は光輝のところに行ったようだ
「主様、お疲れ様です 今から再生魔法をおかけいたします」
「流石だな、ハジメ」
「お疲れ」「お疲れさん」「まさかあの天之河君に勝つなんて凄かったわよ」「もう〜ハラハラさせないでよ」
「ははっ、あー身体が安らぐ ありがとう創魔」
ハジメは立ち上がった
「まさかとは思うけど、ハジメの天職は“錬成師„なのか?」
「“錬成„って言ってたね」
そこにメルド、愛子、リリィ、クゼリーがやってきた
「ハジメには、ちょいと不都合なことがあってだな」
「……ああ、そうだ俺の天職は“錬成師„だ」
メルドが驚いてハジメに問いかける
「ハジメ!?何を言っている!?」
「……メルドさん、隠してももう遅いです。目撃者が沢山いますので」
「……そう…だなすまなかった」
「お気になさらずに、気にしてません」
「…そうか」
「はい、あっこの際だからステータスプレートを見せるか?」
『ええ!?』
幼馴染、愛子、リリィ、クゼリーは、驚きを隠せない表情だった
「ええ、そうですね味方は多いほうがいいですからね」
「おう、オレもいいぜ」
創魔、デンジはあっさりと見せる気だった
「おいおい!本気か!?」
「極秘なんだろ!?」
「うん、そうよ!」
「ハジメ達本気なの!?」
「南雲さん、創魔さん、デンジさん本気ですか!」
「ハジメ様、創魔様、デンジ様。本当に宜んですか!?」
幼馴染、愛子、リリィ、クゼリーも驚きの表情を隠せなかった
「お前達なら信用できると思ったからただが、『誰にも言わないことを条件』だ。これだけは理解してほしい」
「ああ、わかった」「ああ」「うん!」「ええ」「「はい、分かりました」」「了解致しました」
幼馴染と愛子、リリィ、クゼリーは承諾した
「「「じゃあ渡すぞ/どうぞ/ほら」」」
ハジメ達三人はステータスプレートを渡した
全員の表情は予想通りだった
ちなみに創魔が愛子、メルド、リリィ、クゼリーが来た同時に結界[+防音]といつのまにか“派生技能„に[+不可視]があったため周囲には、聞こえてないのが、幸いだった。
「約束する誰にも言わない」
口を開いたのは、浩介だった
「俺も」「私もだよ」「私も」「「はい、わたくしも」」「私もです」
結界の中にいた全員、誰にも言わないことを約束した
「お前達、感謝する」「ええ」「ああ」
ハジメ達三人はお辞儀した
その後、創魔は結界を解いた。光輝のほうを見ると香織の“治癒„は終わり、自分の足で立っていた
「天之河、お前は俺に負けた 約束は守ってもらおうか」
「ふざけるなぁ! 俺は勇者だ!さっさとステータスプレートを渡すんだ!」
どうやら光輝は、負けを認めないらしい。光輝の背後に雫は呆れた表情をしていた。香織はどうすればいいのかわからないらしく、龍太郎は光輝を止めている。
「そこまでだ」
「メルドさん!?」
メルドがあいだに入ってきた
「光輝、お前はハジメに負けた。受け入れろこれは、紛れもない事実だ」
「く、くっ!……は、はい」
「よし、これにて今日の訓練は終了とする。解散!」
今日の訓練は終わったらしい。夕食までは自由時間だ。皆がそれぞれの一室に帰って行ったりとしていった、ハジメ達も戻ろうとしたがそこにリリィがハジメと創魔に小声で話しかけてくる
「すみませんハジメ様、創魔様今夜私の部屋に来てください。お話ししたいことがあります」
「? ああ、わかった」
「ええ、大事なお話しなら行きますよ」
「ありがとうございます」
訓練が終わりハジメ達三人は、夕食までの自由時間を使って『冒険者ギルド』に“登録„をしにいった(もちろんステータスプレートは隠蔽済みだ)
『冒険者ギルドに着いた』ハジメ達三人は中へと入っていった。中は清潔感がしっかりとしていたりやギルド職員が美少女・美女や眼鏡をかけたイケメンやイケおじな人だったハジメは「す、凄い」と呟いた。
もちろん創魔は録画をしていた。
中に入った瞬間、周囲の冒険者から視線が集まったが視線はスルーしてカウンターに行った。
カウンターにいる受付嬢は、美人で笑顔で対応した。
「ようこそ、王都・冒険者ギルドへ 今日はどのような御用しょうか」
「ああ、来るのが初めてでな冒険者登録をしに来た」
「かしこまりました。登録をなされるには千ルタ必要です」
「ああ、一人千ルタだから三人で三千ルタか」
「そうですね」「おう」
ルタとは、トータスの北大陸共通の通貨だ。ザガルタ鉱石という特殊な鉱石に他の鉱石を混ぜることで異なった色の鉱石ができ、それに特殊な方法で刻印したものが使われている。青、赤、黄、紫、緑、白、黒、銀、金の種類があり、上から一、五、十、五十、百、五百、千、五千、一万ルタとなっている。驚いたことに貨幣価値は日本と同じだ。
ハジメ達三人は、一人ずつ千ルタを出した。(創魔は、買い物に行くときは必ず分身体を送ってセール中が開始する1時間前くらいに着く・デンジは、アキかマキマにお金の計算や使い方を習っていれば問題ない)
「確かに三千ルタ預かりました では冒険者登録をするのでステータスプレートをお渡し下さい」
「ああ」
ハジメ達三人はステータスプレートを渡し、戻ってきたステータスプレートには、新たな情報が表記されていた。天職欄の横に職業欄が出来ており、そこに“冒険者„と表記され、更にその横に青色の点がついている。
青色の点は、冒険者ランクだ。上昇するにつれ赤、黄、紫、緑、白、黒、銀、金と変化する。
「ああ、感謝する」
「またのご利用お待ちしております」
ハジメ達三人はお辞儀して冒険者ギルドを去っていった
冒険者ギルドを去っていったハジメ達三人は、王宮に戻り食堂に行った夕食を食べ終え、自室でシャワーを浴び夜にリリィの部屋に行かなければいけないのでハジメ、創魔の二人はデンジと別れてリリィの部屋に訪れノックを二回した
「リリィ、俺と創魔だ」
するとドアが開いた、そこにはクゼリーがいた
「ハジメ様と創魔様お待ちしておりましたどうぞこちらへ」
二人はクゼリーに促され部屋に入った。
「リリアーナ王女、ハジメ様と創魔様をお連れしました」
「ありがとうクゼリー、ハジメ様・創魔様どうぞこちらへお掛けください」
そこにはリリィ、クゼリー、メルドの三人がいた。どうやらリリィはメルドも呼んだらしい。
リリィはハジメと創魔の二人にテーブルを挟んだソファに座るよう促しリリィも反対のソファに座った
メルドとクゼリーはリリィの後ろに立った
ちなみに創魔は指パッチンで結界[+防音][不可視]を同時に展開した。
「今夜お二人を呼んだのは、頼みたいことがあるからです」
「頼みたいことでしょうか?」
「はい、そうです」
ハジメと創魔は目を合わせた
「ハジメ様には、戦いで失った兵士の義肢、武器の修復・量産、創魔様には、回復薬の製作・量産をどうかお願い致します!」
リリィは二人に頭を下げた
「俺からも頼む!」
「私からもお願いします!」
メルド、クゼリーも頭を下げた
ハジメと創魔は、アイコンタクトをした
(どうする創魔、俺はやるつもりだ。ひょっとしたらこれも帰還に少しでも繋がるかもしれないからだ)
(私は、主様が行くならばどこでも着いていきます)
(……なあ創魔、俺思ったんだけどいいか)
(?どうか致しましたか主様)
(再生魔法で四肢欠損、眼球を復活させるのは可能か)
(!?そ、それはやってみないとわかりませんが御任せを)
(わかった)
創魔は満面の笑みで答えた。
ハジメは「今更だが、頼もしいバディができたな」と心の底で笑った
「リリィ、クゼリー、メルドさん頭を上げて下さい」
「私達がやりますよ」
「「ありがとうございます!!」」
「感謝する!」
「それでは、明日ハジメ様は王国直属のウォルペン工房と騎士団の宿舎へご案内します。創魔様は王宮の一室と道具・製造方法をお伝えしますのでそちらで回復薬の製造・量産をお願いします」
「それなんだが騎士団の義肢は創魔にやらせたほうがいい」
「えっ?どういうことでしょうか」
「ここからは私がご説明致します 私の技能欄に“再生魔法„というのがありましてもしかしたら騎士団の四肢、あと眼球を再生可能かと思います」
「「「!?」」」
リリィ、クゼリー、メルドの三人は言葉が出なかった。
「でも、それだとやることが多くなるのでは」
確かに創魔にはやることが多くなるだが、関係ない
「御心配ありません。私の技能欄に“分身体„というのがありましてそれは私と同じ姿を出せることが可能です」
「な、なるほど?」
「疑うのも無理がありますね。実際に見せたほうがよろしいですね」
「は、はい」
リリィが返事し、メルドとクゼリーが「本当なのか?」と顔を合わせる
すると創魔は立ち上がり、部屋の空いたところに手を出して“分身„と唱えた瞬間魔法陣が出現しそこからもう一体の創魔が出現した。
「す、凄い」
「これは…」
「大したもんだ……」
創魔は右手を胸に当てて「恐れ入ります」と頭を下げた。
「なるほどわかりました。では明日からお願いします」
「「ああ/ええ」」
二人は、リリィの部屋を退出し自室に帰っていった。
ちなみに“分身„は戻した。
「明日から忙しくなるな」
「そうですね」
二人の言葉と足音が静まり返った王宮の真っ暗な廊下に響いた
いかがでしたか
結局は勇者(笑)でしたね。
創魔がチートしか言いようがありませんですね
次回 ウォルペン工房 です
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