フジマル・アフター・ライフ   作:のーん

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カルデアの職員とはいえ本業は学生。
当然、夏休みにはそれなりにやるべきこともあるわけで……。
そんな1日を少しだけ覗き見てみた。

そんな感じのお話。


以下テンプレ
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第14話 藤丸、ある夏休みの1日

朝のミーティングを終えた藤丸、マシュ、楊貴妃の3人は紫式部図書館で夏休みの課題を進めていた。

カルデアで職員を務めていても今の身分は学生、やるべきことはしかとやるべきである。

 

「マシュー、進捗どう?」

「英語はもうすぐ終わりそうですね、国語の読書感想文で何を読もうか考え中です。先輩は?」

 

見事な筆記体で書かれた英語の課題、世界遺産の解説文を推敲しながら応じたマシュに藤丸が返す。

 

「数学が半分過ぎたくらいで読書感想文はマシュと同じで考え中。英語はあと少しだから、後で確認してもらっても良いかな?」

「分かりました、その代わりに私の感想文もチェックをお願いします」

「良いよ」

 

順調に課題を進める2人に対して1人、楊貴妃は頭から煙を出しそうな程考えながら数学に取り組んでいた。

 

「ビブン、セキブン、難しいよー」

 

聖杯による知識付与があるとはいえ古代の人間、しかも王族とはいえ貴妃であった彼女には理数系の科目は難題に他ならない。

 

「国語であればお手伝いできたのですが……。バベッジ卿にご指南いただいては如何でしょうか?」

 

そんな楊貴妃に声をかけたのは館長の紫式部、スペースを貸してもらった上に国語の課題ではお世話になる方。

 

「数学者の方々は難しく考えてしまうので、ゆっくり自力でやります……」

「あまり無理をなさらないでくださいね」

「はひ」

 

既に若干無理をしている気がしないでも無いが、あと30分ほどで朝の学習時間は終わり。

今度はカルデア職員としての仕事がある。

 

 

 

「燃っえろ! ゴーッ、ゴーッ!」

 

その掛け声で蒼炎が渦巻き傾国の寵姫が発動、NPを吸い上げ防御が下がった所に炎弾が降り注ぎ、そのまま炎の竜巻となる。

 

「ハイやっ!」

「シャスティフォル!」

 

そこから漏れたエネミーには玉藻の前とアルトリア・キャスターの攻撃が撃ち込まれて戦闘終了、戦利品を集めて次の戦闘に備える。

 

「楊貴妃さん、すごく気合が入っているというか火力が普段よりも強火?な気がします」

「あー、さっきまでの勉強でフラストレーションが溜まってたからかな」

「ストレス発散の犠牲になったんですね……」

 

アルトリア共々、憐れな犠牲者に合掌。

そんな今日の資材収集先はシンの残滓、数はともかくコヤンスカヤが連れて来たエネミーの種類が多いので最近は通いつめている。

 

「立香君、次行くよー!」

「ユゥユゥ、ちょっと待って!」

 

少し離れたところから呼びかける楊貴妃のもとへ3人が駆けて行く。

そうして3時間ほど掛けて最低限のリソース回収を終え、保管庫に納めた後はレポートの作成。

同じ書物とはいえ慣れた分サクサクと進む。

 

「学校の課題もこれ位書ければね」

「それは言わないで下さい……」

 

楊貴妃も藤丸も1時間と経たずに書き終えて提出、藤丸はマシュと昼食の約束があるので一度別れる。

 

「では、また午後にお会いしましょう」

「うん、ユゥユゥもお昼ごはん楽しんでね」

 

そして招かれたのは楊貴妃の時と同様に藤丸たち3人の部屋。

そんな部屋の内装は。

 

「んっ、草原……?」

 

眩しさに一瞬顔をしかめ、吹き抜ける薫りと広がる2色の平原に場所を理解する。

 

マシュは何処だろうと周囲を見回すと一本だけ立つ木の所にコチラへ手を振る紫苑の人影。

 

「センパーイ!こちらでーす!」

「今行くよー」

 

普段の黒いノースリーブにグレーのパーカー姿のマシュのもとへ行くと、ピクニックに来たようなランチセットと紅茶が用意されていた。

 

「ユゥユゥさんのように豪勢にとはいきませんが気分転換にピクニック風にしてみました。ゆっくりしていってください」

 

楊貴妃とはまた逆方向で藤丸をもてなしたマシュの想いに、思わず抱き締めそうになるが我慢して頭を撫でるに留める。

 

「先輩……」

「マシュ……」

 

桃色空間だがツッコミ役不在、暫しそうして過ごした後に和気藹々とサンドイッチや洋風のおかずを食べながら何でもない話をする。

学校のことや出掛け先でのこと、カルデアから戻ったあとの夏休みの過ごし方。

そんな何でもない、けど確かに取り戻したモノを噛み締めるように2人の会話と昼食は進む。

 

「ごちそうさまでした」

「お粗末さまでした。デザートにはフルーツを用意しましたので、ビタミン補給にお召し上がりください」

「さすが俺の後輩、栄養管理もバッチリだね」

「後輩としてファースト・サーヴァントとして、健康管理も立派な仕事ですから」

 

多少どころか食事の必要性も無くなったとはいえ、習慣としての食事の上で栄養バランスは大切。

そんなわけで自身の食事はともかく、藤丸のには殊更気を遣うマシュであった。

 

「んー、なんで生の食材って美味しいんだろう。というか前より美味しく感じる」

「……恐らくですが、先輩の魔術基盤が影響しているものかと。道教や仙道は外部からマナを取り込みオドにするのがベースにありますから、食材から取り込むのを美味しいと認識しているのでしょう」

 

料理よりも生の食品が美味しいと言われたようでマシュが少し俯く。

 

「いや、生の食品も美味しく感じるだけで、マシュの料理も美味しいよ!」

 

それをフォローしようとする、というか本音なのだが、比較対象が難しいため両方が同じくらいの美味しさと聞こえるように言ってしまう。

 

「そうですよね、私の料理は食材の味を引き出すなんて出来ていない、ただの味付けです」

「そんなことないよ!マシュの料理は食材そのものよりずっと美味しいし、何より愛情が籠もってるから」

 

思わず言ってしまった、と後悔で顔が赤くなるが後の祭り。

言われたマシュも愛情などと言われては落ち込んでいる場合ではない。

 

「先輩、その、今なんと?」

 

雪華石膏(アラバスター)のような白い頬を鮮やかな紅色に染めて聞き返すマシュに思わず言い過ぎたかと思う藤丸だが、もうあとには退けない。

 

「だから、マシュの愛情が籠もってるって……」

「はい、ありがとうございましゅ……」

 

言う方も言われた方も、互いに恥ずかしい言葉であり顔を赤くして湯気まで吹き出そうな様子だが、幸いにマイルームには2人きり。

十分冷却した後にデザートへと戻った。

 

 

 

仮想空間とはいえ吹き寄せる薫風の心地よさは本物で、藤丸とマシュは木に背中を預けて互いに肩を寄せ合うように食後の時間を過ごしていた。

 

「ふわぁ、こうしてると眠くなってくるね」

「起こしますから、少しだけ眠りますか?」

 

魅力的な提案だが、藤丸は首を振って断る。

 

「午後も少しだけ宝物庫に行く必要があるから、眠ってボンヤリした頭で行くのはチョットね。書類仕事だけなら眠ったけど」

「それなら、私が眠ってもいいですか? 今日は1日書類仕事で目が疲れてしまって」

「うん」

 

そう言って藤丸は自分の膝を軽く叩いて勧め、マシュはメガネを外してそれに頭を預ける。

乱れた髪を整えるように頭を撫でているとすぐに寝息が聞こえ始め、藤丸はその穏やかな寝顔を何よりの宝物であるかのように見つめながら時間を忘れて過ごして行く。

そうして昼休みの終わる少し前、マシュを起こそうと肩に手をかけようとした瞬間、仰向けに寝返りをうつのとタイミングが一致してしまい……。

 

ムニュン。

 

「えっと、マシュ、ごめんなさい」

「はっ、いえ、私の方こそ先輩に胸を触らせたような形ではしたない事を!」

 

先輩になら眠っている間に少しならと思わないでもないマシュ、その柔らかさの名残がある手を思わず握りしめてしまう藤丸。

午後のシフトは、そんななんとも言えない雰囲気で幕を開けた。




のほほ~ん、とした感じの14話いかがだったでしょう?

久々にアンケ見たら感想に何書けばいいか悩んでいる方が多いようですね。
何も思い浮かばなければ一番下になりますが、評価の☆つけていただければと思います。

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