フジマル・アフター・ライフ   作:のーん

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夏のカルデア、鳴り響く特異点の発生警報。
今年の夏は日本の夏!?
鬼のお祭り始めます!

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星見の夏祭り! ~導く巫女と嗤う鬼~
第16話 藤丸、夏の恒例行事 その1


Beeep!Beeep!

 

夏のカルデアに鳴り響く警報、となればやることは1つ!

 

「全員夏霊基、もしくは夏霊衣に換装して出撃待機!」

「了解!」

「はい!」

 

そんな藤丸の号令でその場に居た楊貴妃とマシュを筆頭に多数の女性サーヴァントと少数の男性サーヴァントがずらずらと食堂から出ていく。

 

「何事か?」

「警報ということは特異点、レイシフトか」

 

初めてのヘンリー5世とマクラーレンはよく分かっていないようだが、取り敢えず特異点ということは理解したらしい。

 

《サーヴァント全騎が謹慎中の者を除くマスター各員、並びに即応スタッフ、司令要員は直ちに司令室まで。微小特異点の発生が確認されたよ!》

 

そうしてすぐさま流れるダヴィンチちゃんの招集アナウンス、とはいえ既に動き出していた各員は5分と経たずに司令室で全員揃う。

当直所長のゴルドルフ、ホームズが司令要員の筆頭、即応スタッフは人理の危機を乗り越えた精鋭揃い、マスターもマクラーレンを除きベテランの芥、カドック、おまけとはいえキャリアは長い藤丸。

マクラーレンから見ると、今回のメンバーは相当安定感があるように見える。

 

「オホン。技術顧問、今回の特異点の詳細並びに主犯は?」

 

主犯?まるで犯人がいるのが恒例のようなその言葉にマクラーレンが違和感を覚えるが、誰も気にしていないので口に出すのは控える。

 

「ゴルドルフ君、今回の犯人は」

《吾だ!!》

 

早々の自白、ミステリーなら落第だがコレはそうでは無い。

司令室の大画面に映し出されたのは黄色の着物をはだけた金髪の少女。

だが、その頭部の2本角と手脚の焔のような紋様は彼女が徒人ではないことを示している。

 

「やはり蟲でしたか!」

「あっ、夏霊基でも君だけ弾かれてるからね。頼光君は今回お留守番」

 

夏の風紀委員・源頼光、ダヴィンチの宣告により無念の出落ちである。

 

《当たり前やわ、牛女が居ったらウチら鬼が夏を満喫できひん》

 

その理由を告げたもう1人の鬼を見て、新人2名を除く一同のやっぱりかという気持ちを彼女たちのマスターである藤丸が代表して述べる。

 

「茨木がいるならとは思ったけど、やっぱり酒吞もいたんだね」

《こんにちは、ますたーはん。言うとくけど今回は茨木の主導よ? うちは茨木に言われた通り聖杯を作ってみただけ、魔力はたんまりあったさかいに貯めとったんもんでちょいとな》

 

まぁ、カルデアの魔力炉の余剰を半年ちょっと貯めれば聖杯になるので仕方無し。

それにしてもなぜ【しゅてん】と書かれたスク水?

 

「ついでにうちも水着霊基できゃすたーになってみたんやけど、どうやろ? 似合っとる?」

「似合ってるよー」

 

ゆるく藤丸が答えるといつものトンチキ夏特異点まっしぐらという気がして、スタッフ内にもゆるい空気が流れる。

だが、1つ重要な問題が。

先程酒呑童子は【ウチら鬼】と言った、ということは彼女たち2人以外にも鬼が居る、下手すると全ての住民が鬼という可能性もある。

 

《そうそう、ココの鬼は人喰いなんてしぃへんから安心してエエよ。祭は昔から鬼も神も、人もなしに楽しむもん、無粋な真似はさせへん》

「祭?」

《そ、此処にがいどの娘を置いとくから詳しくはその娘に聞いてな。はな、また》

 

カドックの疑問に一応答えてブチリと通信は消え、代わりに特異点の全景らしい地図と1つの地点が示される。

 

「お待たせしました、夏霊衣に換装完了です」

「北落師門の帝から北極の御子に替え、準備出来ました!」

「夏の準備は万全よ。さぁ、楽しむわよ」

 

そんな司令室に水着+パーカーのマシュ、灰銀に蒼白の縁取りがされたミニ丈チャイナ服の楊貴妃、レースのワンピース姿のアナスタシアが各々のマスターにそう呼びかけた。

そんな時、若干1名から正論が。

 

「サーヴァントへの監督不行き届き、処分の無検討、令呪での強制無し、挙げ句バカンス気分か?」

 

そう言ったマクラーレンに生暖かい視線と同情、そしてカドックの声が掛けられる。

 

「諦めろ、ココじゃサーヴァントが特異点を勝手に作るなんて年に何度もある。聖杯を悪人に使われない分だけマシだと思ってくれ。そして夏の比較的平和な微小特異点に行くのにバカンス気分になるなは無理だ」

 

実際、2度目からは開き直って楽しむ時間はそうすることに決めたカドックも黒のポロシャツに白のショートパンツ姿。

もちろんミス・クレーン、ハベトロット、アナスタシア謹製の礼装だが同時に夏の平服、バカンス礼装である。

藤丸は現地に合わせたものを後から送ってもらうのでカルデア制服だが、祭だから浴衣か法被かな? と言っている状態。

 

“大丈夫か、カルデア?”

 

そんなマクラーレンが内心で抱く疑問には誰も答えないままレイシフト・スタート。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

そんな今回のレイシフト先は昭和末期の日本は京都、具体的には大江山麓のとある村があるはずの座標。

初期メンバーは藤丸立香&マシュ・楊貴妃、カドック&アナスタシア、芥(水着虞美人)&項羽、マクラーレン&ヘンリー5世の計9名。

そんなカルデア一行が早速出くわしたのは。

 

「お待ちしておりました、お館様御一行」

 

藤丸をお館様と呼ぶ右眼を隠す眼帯と九曜紋のフェルト棒を被ったヘソ出し巫女風コーデの観光ガイド、見慣れぬ霊衣?霊基? の望月千代女がペナントを振りながら一行を出迎えた。

 

「もしかして、千代女さんが酒呑童子の言ってたガイド?」

「その通りでござる。すれ違う時の怯えで身を硬くしたのが運の尽き、霊基を弄られた上に脅されて斯様な姿(ガイドのライダー)に……」

 

微妙に泣いているので慰める。

 

慣れた上に嫌いでは無いとはいえ天敵といえる酒呑童子と伊吹童子、その片割れに霊基を弄られたとあっては泣くのもやむ無し。

 

「それはそれとしてガイドだそうだな、酒呑童子からは何かを聞いていないのか?」

「うっ、それはその通りでござる。それでは先ずコチラを」

 

そこにカドックがツッコミを入れて脱線しかけた話を戻すと千代女が3つ折りの冊子を各自に手渡す。

 

「酒呑童子殿に命じられて作った【ぱんふれっと】にござる」

 

残っているアサシンとしての情報収集能力、酒吞より与えられた手形を使って特異点を見回って作ったという会場の全体図に拠れば、大凡螺旋状で外から内に向かって次のような区域が有るようだ。

 

・巨大な浮島や川を利用した水上公園

・岩場の目立つ山腹の採掘場

・通りの両側に多数の商店・屋台が並ぶ祭市

・ビビッドなアートが施された路地

・寺社のような建物がある山中のキャンプ場

・中心にある櫓を囲む御殿

・櫓の周囲にある提灯や太鼓などの祭り会場

 

そして巡る順路を示すように矢印がグルリと1周

となれば……。

 

「なるほど、順路に従って中心にいる酒吞童子さん・茨木童子さんから聖杯を返していただけばいいのですね」

「マシュ殿の言うとおりにござる。そして先ずは旅籠まで案内いたします」

 

そう言ってペナントを振る望月千代女に導かれた一行が着いたのは一軒の古風なお宿、流麗な筆文字で書かれたその名は【閻魔亭別館】。

 

 

 

「いらっしゃいまちぇ、ご主人たち御一行様。ようこそお越し下さいまちた」

『ちゅん!』

 

紅女将&雀の中居一同、夏の特異点に出張別館営業中である。

建物は若干2回りほど小さくなっているが雰囲気は以前に訪れたときのまま、芥は既にくつろぐ気満々で何時の間にか虞美人になって項羽にアレコレ説明している。

カドックはアナスタシア共々ライブラリで見たアレかと感心し、藤丸・マシュは自身のサーヴァントでもある紅女将と歓談中、楊貴妃も中居達に温泉の効能を尋ねて満喫する気満々。

その輪に入れなかったマクラーレンとヘンリー5世が先ず閻魔亭について説明してもらおうとした時、不意に果実のような匂いと酒気が風に混ざる。

 

「なんや、旦那はんらはもう来たんか。そっちの新顔にもっと特異点の案内してあげひんとあかんよ、千代女」

「も、ももも、申し訳ありませぬ、酒呑童子殿!!」

 

閻魔亭の奥から出て来たのは浴衣姿の酒呑童子。

 

「もう、そないに緊張せんええのに」

 

右手には神便鬼毒酒とまた異なる小振りな瑠璃瓢箪、左手には匂いの源である中身が入ったグラスがあり、待っている間に喉を潤していたのだろう。

 

「アーチャー」

「うむ」

 

その姿を見たマクラーレンはアーチャーを呼び戦闘態勢だが対する酒呑童子はやる気なさげ。

 

「あかんよ若い子、ここは雀のお宿、あんまり暴れると女将が閻魔になってまう。それより」

 

そんな牽制に事も無く、すたすた歩いて行くのはいつでも抜刀できる姿勢でいた紅閻魔、から十分離れた藤丸たちのもと。

そしてそのまま藤丸の手を取って1言。

 

「ちょっと旦那はん借りてくよ」

「えっ、酒呑!? って力強い、潰れないけどホールド強い!」

「先輩!?」「マスター!?」

 

マシュと楊貴妃の声も虚しく、何処か楽しげな様子の酒呑童子は藤丸を宿内へ連れて行く。

 

「折角鶴の娘にエエもん仕立させたんや、ウチが着付けたるさかい」

 

2人が宿に入って数分。

 

「ちょっと、コレって……」

「そういうことやさかい、脱ごか」

「自分で脱ぐから、あと着る前までは自力で」

「アカンよ」

 

藤丸、酒呑童子に脱がされ中の模様。

着る前に脱ぐのはそうだが、そこまで手伝われそうなのかと虞美人を除く3人娘は中でどんな着替えをするのか予想をし、興味の無い虞美人は早々に項羽と温泉へ浸かりに行った。

 

「えい」

「あっ、ダメ、あひぃんっ、自分でぇ」

「旦那はんの立派なのこうなってしもうたわ〜」

「んあーーー!!」

 

なにか艶めかしい声が聞こえてきて新人2名が飛び込もうとしたが、イヤホンで音楽を聴くカドックが無言でソレを阻止して首を横に振る。

 

「反英雄で魔性の鬼で、おまけにこの特異点の主犯格だが止めておけ。機嫌を損ねたらそれこそコトだ」

 

魔術師の間に無言の緊張が走るがソレを断ち切ったのは紅閻魔、お茶とお茶請けを出して終わるまで食べてろとキツく命じて去っていく。

 

「神霊の代行まで相手にしたくないだろ?」

「仕方が無い。アーチャー、何かあればすぐに攻撃出来る備えはしておけ」

「よかろう」

 

更に数分後。

 

「よし、コレでええよ」

 

ようやく終わったらしく、再び宿の扉が開くと酒呑童子と藤丸立香が居るはずなのだが……。

 

「酒呑ってば強引なんだから」

「旦那はんに任せたらそのうち戻ってまうやろ? せやさかい、此処に居る間は戻れんようにな」

 

彼に代わって酒呑童子が連れて来たのは向日葵の浴衣を身に纏い、橙色の髪をシュシュでまとめた夕焼け色の瞳をした少女。

 

「……誰だ?」

 

流石に驚いたマクラーレンの声が閻魔亭別館にむなしく響く。

 

 

 

閻魔亭別館の宴会場、日中は好きに使って構わないとされたそこで、藤丸に代わって橙色の少女を加えたカルデア一行は状況を整理していた。

 

「先ずはマクラーレンさんとヘンリー5世に自己紹介。私、藤丸立香です」

「じゃあ、芥が戻ってくる前に現状整理するぞ。項羽もアイツも思考が飛び過ぎてて常人には理解し難いからな」

 

まず口を開いたのは自称:藤丸立香な橙色の少女、それにマクラーレン&ヘンリー5世以外は何を今更といったふうに話を進めようとする。

 

「いや、おかしいだろう。何故リッカは女に変身しているんだ?」

「あれ、私言ってなかったっけ?」

 

首をかしげる動作が可愛いというか、妙に板についた女仕草に苛立ちながらマクラーレンは続きを促す。

 

「何を」

「私の体質、レイシフト適性100%だから自己観測して性別変えられるんだよね。身体を変えてるというよりは、コインの表裏みたいに藤丸立香(コイン)男女(表裏)どっちを見るかっていう話」

 

きっかけは存在証明のバグで男が女になった時。

本来なら意味消失対策でシヴァにより修正されるか、藤丸が男という現実によって女が上書きされるかのはず。

だがソレはそのまま通ってしまい、その特異点で藤丸は多少の違和感を覚えつつ女のまま帰還。

そこから男に戻る過程で男女を自在に変えられるようになった、というのを端折ってマクラーレンに説明する。

 

「なら、今この場で戻るのは?」

「ちょーっと無理かな。さっきは酒呑に身体弄られながらだったし、何か仕込まれて男の方とズレてる感じ。もしかして、男が減って居心地悪い?」

「そんなところだ」

 

マクラーレンの意外な人間味が見れたところで作戦会議。

あらためて千代女の情報を整理するとココは順路が決まった特異点、各エリアごとに決まった目標を達成しなければ次のエリアには進めない。

そして各エリアにはカルデアのサーヴァントが配置されており、門番兼エリアの支配人のようにしてるらしい。

 

「ということは、最初のエリアはこの水上公園?」

「左様にございます。そしてえりあの支配人は水着の巴御前さま、水とVRの遊び場にございます」




という訳で女体化?性転換?した藤丸君改め立香ちゃん!
暑くなってきたのでオリジナルな夏特異点編突入します。

上手く書けるか不安ですが、頑張ります。

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