フジマル・アフター・ライフ   作:のーん

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酔いとも戦いながら最奥に辿り着いた立香たちカルデア一行。
果たして茨木童子との決戦の行方はいかに!?

そんなわけで大変ながらくお待たせしましたー!
pixivの方で書いてる別件もろもろで更新遅れました。
宜しければ今回もお付き合いください。




第34話 藤丸、宴席にのぞむ その2

茨木童子が主を務める第5のエリア【 宴断享会(えんだんきょうかい)】、鬼の宴会場に飛び込んだカルデア一行はいくつかの部屋を抜けて最奥に着いたのだが……。

 

「えへへ〜、せんぱーい」

「りつかちゃ〜ん」

ムニュムニュと左右からマシュとユゥユゥのマシュマロを押し付けられて、もう我慢なんて出来ない、揉む。

「もー、そんなにくっついたら、こうしちゃうぞー!」

「「きゃー!」」

マシュの大っきくて手から溢れる〜、柔らかいのにモチモチで温かくて、気持ち良い。

ユゥユゥのは手に収まるけど弾力がスッゴイ、ムチムチでコッチも気持ち良い。

「2人の気持ち良いから、もっと揉んじゃ、だめ?」

「「どうぞ〜!」」

進む毎に強く深くなる酩酊に理性を殆ど飛ばされた立香、マシュ、楊貴妃の3人は酒の酔が回っていないだけまだマシな方、せいぜい人目を憚らずにイチャつく程度だ。

逆に面倒なことになっているのはカドックとアナスタシア。

「僕はだーめなマスターだったのにアナスタシアはなー」

「むしろ私のほーこそ、せっかくの可愛くて格好いいカドックのがんばりをれすね」

「うむ、うむ、分かったからその話は26回目だ」

「「何度目でもかんけーないの」」

2人はロシア異聞帯やその後のことについて相手が凄くて自分は全然と何度も繰り返し語る、酷い絡み酒状態となって渡辺綱へ何度も同じことを語っていた。

相手の綱は対魔力と鬼種特効の影響で軽く酔っている程度なのでほぼ素面、それで酔っぱらいの相手を顔色一つ変えずに続けているのは人の好さか真面目さ故か。

「ぐっさま~」

「しかたないわね~、項羽様もよろしいですか~?」

ちなみに虞美人・項羽+徐福は精霊種と真人、穀物の神霊含むハイ・サーヴァントなので、軽く呪いの影響を受けている程度。

「うむ、好きにするが良い」

「愛しております~」

上機嫌で項羽ににイチャつく虞美人とそれに構われる徐福が居るだけで何とも平和な風景である。

そんな一行だが、別に酔ってたむろしている訳ではない。

一応、酔いが抜けるまでここで待っているのだが、そう簡単に鬼の酒と呪いによる酔いが抜けるわけもなく既に30分ほどが経過していた。

当然、ただでさえ待たされていた茨木童子が部屋の前でたむろしている彼らを許すわけもなく、酒で無聊を慰めるのも限界となった時、ついに動いた。

「遅いわマスター! 何時まで吾を待たせるつも、うぷっ……」

「ばらきー、だいじょーぶ?」

のだが、呑み過ぎた。

「すまぬ、少し、うっ……」

「ごめん、ちょっとばらきーの面倒見てくる」

少し頬を染めた顔のまま、立香は茨木童子に肩を貸して手洗いへと向かう。

そこに自然な動きで渡辺綱も付いて行き、2人で茨木童子を介抱するのであった。

そして待つこと更に10分ほど、無事酔いの抜けた全員は最奥の宴会場で車座になっていた。

「大丈夫か、茨木」

「うむ、見苦しい様を見せたがもう大丈夫だ。綱にまで迷惑を掛けてしまうとは鬼の頭目として情けない限りであったがな」

というわけで、改めて茨木は自己紹介を。

「第六領域・【 宴断享会(えんだんきょうかい)】の主、茨木童子である。この最奥まで辿り着いた貴様らへの課題は1つ、吾を、吾らを愉しませよ! 当然、鬼の愉しみといえば血沸き肉躍る闘いであるがな!」

ダンッ、と第3再臨の姿になると同時に槍を叩きつけると花火が上がり、茨木童子は手に出した盃をゴクリと飲み干す。

「茨木童子さんの魔力反応急上昇、先程の盃に含まれていた魔力リソースによるものかと!」

「クハハハハ! 行くぞマスター、吾を楽しませよ!」

 

 


 

 

本気となった茨木童子のご指名とあれば、コッチとしても他のマスターの手を借りるなんて無粋な真似はしない。

「カドック、虞美人先輩、手出ししないで」

「構わないが、負けるなよ」

「まっ、好きにすればいいんじゃない?」

承諾も得られたから問題なし、行くとしますか。

「マシュ、楊貴妃、綱さん、行くよ!」

それに応じて一番槍となったのは綱さん。

刀を構えて一息に間合いを詰めると上段からの一撃を見舞うけど難なく槍で受け止められ、返す刀で振るわれた槍を逸らして一歩退く。

「楊貴妃、牽制して!」

「星の並びは移ろえど」

すかさず追撃しようとした茨木童子だが、そこに楊貴妃の放った氷炎が殺到。

その間に綱さんは態勢を整え、茨木の爆炎が氷炎を払うとその隙間に再度飛び込んで行く。

「そのまま楊貴妃は綱さんの援護をしながら【三千寵愛在一身】と【極冠の冰輪】、マシュはサポート、綱さんはそのまま攻め立てて」

楊貴妃のスキルが茨木の攻撃を引き付けるけど、それに加えて盛り上がった観客が乱入したり幾つも皿を投げてくるのはちょっと予想外。

「マシュは外野の相手をお願い、私も飛んでくるのは墜とす。綱さんは気にしないで茨木に集中を!」

「了解です!」

「すまん、任せるぞ」

普段よりも破壊力重視で凝縮した炎弾をガントの要領で発射、少しでもマシュたちの助けになるように皿を叩き落としていく。

当然その間も楊貴妃と綱さんに指示を出して戦闘を続行、魔力をブーストされた茨木とは地力が違うのかクラス相性と技能差があっても圧しきれないが、【無窮の武錬】と【水天の徒】でブーストを掛ければ辛うじて互角、そこに楊貴妃のデバフでスキルを封じれば。

「くっ、そこの姫、面妖な術を」

「茨木童子様がスキルで好き放題されたら、結構危ないですので」

不自由な茨木をジリジリと綱さんが押していく展開に持っていける。

それも特攻と対鬼に特化した綱さんあってのことだけど、2人の戦う様子、荒々しくも力強い茨木の爆炎と精緻で流麗な綱さんの朱い太刀筋は見ていて心奪われる。

それは本来苦手なはずの鬼たちも同じようで、飛んでくる物は減って2人の戦いを観戦することに集中していた。

「負けんな大将!」

「渡辺の旦那も精々頑張りな!」

「貴様らぁっ、鬼が、綱の応援をしてどうする!」

代わって飛ぶのは彼らへの声援。彼らのボスの茨木はもちろん、対戦相手の綱さんにまでその声は飛ぶ。

「やっちゃえ綱さん、宝具開放!」

「鬼に応援されるとはいささか妙な気分だが、斬りに行く。援護を」

そんな熱気に浮かされて、もう一息の茨木に宝具を使うよう指示を出す。

刻寿の魔眼で視た限りではコレで丁度行動不能にできるくらいか、少し再起に時間がかかるくらいまで追い込めるはず。

もしダメな場合に備えてマシュにはスキルを。

「マシュは【旅路迎えし白花の壁】を!」

「シールドエフェクト、発揮します」

【旅路迎えし白亜の壁】は文字通りマシュがギャラハッドの霊基を宿していた時のスキル、【誉れ堅き雪花の壁】と【時に煙る白亜の壁】を統合したスキル。

味方全体の防御力を向上させるとともに一定のダメージを削減する城壁の加護を与え、マシュ自身の魔力を活性化させる。

長期の効果は見込めないけど、ここぞという時に味方を守り切るには宝具に次いで頼りになるマシュの盾だ。

「何とも、吾の右手が疼いておるわ…!」

もちろん、茨木童子だって無抵抗で宝具を受けるはずもなし。

同様に宝具の発動を構えるけど、そうはさせないよ。

「綱さん、【一条戻橋の腕斬】!」

「魔性を屠る。金剛針・大金剛輪・外獅子・内獅子・外縛・内縛・智拳・日輪・隠形──『大江山・菩提鬼殺』、終わりだ」

「無念、この体たらくでは、まだ鬼のヒーローにはなれぬか……」

【一条戻橋の腕斬】は攻撃の起こりを不可知とする綱さんの象徴ともいえるスキル。

絶対とは言えないけど、こういうどっちが先手を取るかみたいな場面では絶対的な優位を得る。

「だが、まだまだぁ!」

それでも茨木童子は執念深く闘いを続行しようと、今度は甕ごと同じ酒を煽るけど何か顔色が悪い。

「うぷっ」

「あっ」

これはいけないやつでは?

「皆ストップ! 楊貴妃、【九成宮の甘湧水】を茨木に掛けて!」

「茨木童子様、急いでこの水を飲んで下さい」

流石に鬼としての沽券とか色々が不味いので戦闘中止、急いでユゥユゥにスキルを使ってもらい呑み過ぎた茨木を看護する。

「うむぅ、大分、楽に……」

「甕一杯で鬼も参るって、誰か言ってたもんね」

「それに加えて先程のお酒には高濃度の魔力リソースが含まれていました。それも合わさり、茨木童子さんの許容できる範囲を一気に超過してしまったのでしょう」

一先ずはユゥユゥのスキルで落ち着いた茨木の背中をさすり回復待ち、綱さんも心配そうに覗き込んでるから、しばらくはこのままか。

 

 


 

 

看護役に徐福ちゃんとユゥユゥ、綱さんが監視という名の見守り人をして回復を待つ間、私達は鬼の皆さんと飲酒を避けつつ宴席を囲んでいた。

そして気づいたのだが、この1番奥の広間には先程から人間が増えて来ている。

「そこの黒鬼さん、チョットいい?」

「おう、なんだい」

気前良く答えてくれるようなので、お礼代わりに一献注いで私もなみなみと注いだ盃を持つ。

「さっきから人間の数が増えてるけど、コッチは鬼専用じゃないの?」

「その通りこっちの宴会場は鬼専用だ、酔うと暴れて危ねぇからな」

グビと酒を煽るのに合わせて私もチビリといく。

「だがまぁ、1番奥のココは別だ。何せ皆ココに来る迄しこたま酔ってるからよい、暴れられるようなヤツぁ滅多に居ないってわけよ」

「なるほどね」

実際ココに来るまで私やぐっちゃん先輩も酔っていたし、ただ待っていた茨木童子も泥酔していた。

これが普通の鬼なら、暴れようと立ち上がったところでコケるのがオチだろう。

「それに暴れるようなことがあっても茨木童子様が止める、という訳でコッチには人間どもが肝試しだか鬼と呑みたいとかで来るんよ。うぃ~、嬢ちゃんもう一杯どうだい」

「説明してもらったからね、もう一杯だけなら」

という訳で2杯目を注ぎ合って乾杯。

今度は互いに一息で飲み干して、それを示し合うように互いに器を逆にして別れる。

「ありがとね~」

「おう、嬢ちゃんたちもイイモン見せてくれてありがとよ」

そろそろ茨木童子も回復したかと尋ねてみれば、まだ本調子でないモノの話せるレベルまでは元気を取り戻していた。

「こうも酒で醜態を晒すとは、鬼の頭目として情けない限り……」

「最初のは仕方ないにしても、2回目のはちょっとね」

アレは言い訳のしようもないただの呑み過ぎ、過去に一度酒で痛い目どころか死に目を見ているのによくやるものだ。

「しかも綱の前でだぞ!? 恥のあまり座に帰るところであったわ」

「今も俺は居るが、それほどの物か?」

「吾にも誇りはあるからな、マスターがいなければ危ういところであった」

結構誇り高い彼女が恥<マスターなのは地味に嬉しい。

そしてムクリと起き上がった茨木童子はマシュが渡したコップを一気飲み、スッキリしたところで私たちに宣言する。

「マスターたちよ、見事にここまで辿り着いて吾らを満足させたな。この茨木童子、 宴断享会(えんだんきょうかい)の主としてその突破を認めようぞ」

「ありがとう、茨木童子」

「うむ、存分に感謝するが良い!」

これにて第6のエリアも無事突破、残すは酒呑童子のエリアのみ。

果たしてそこで待つのはいったい何か。




どうにか9月中には夏イベ編終わらせたいです……


ちなみにpixivでは現在コナンとのクロスオーバー物を連載中、読みたい方は感想などで教えていただければハーメルンでも投稿します。

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