フジマル・アフター・ライフ   作:のーん

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どこからか漏れた情報
迫る驚異
果たして藤丸君の運命は!?

というわけで新宿コミカライズ女装回です

ぐだトネ大正パロとか書いてて遅くなりました


第41話 藤丸、女装させられる

「りりりりりり、立香君!? これ、何なんですか!?」

今年新たに水着霊基を得た皆様の育成も完了し、私こと楊玉環はマシュさんの端末をお借りして愛しい立香君の写真を見ていましたが、そこには衝撃的な1枚があったのです。

「どうしたのユゥユゥ? ……待って!? なんでソレが残ってるの!?」

そして私はその真贋を確かめるべく、立香君のマイルームを直接訪ねたのですがこの反応は間違いなく真。

同じ劫々系女子である清姫さんでなくても分かります。

「マシュさんの端末にありました」

「マシュ〜!!」

あぁ、ですけどこの写真が真なのである以上、こんなにズルいことはありません。

私とマシュさんは対等に立香君の奥方、苦悩は分かち合い幸福は祝い合うはずなのに、私が召喚される前とはいえ許されません。

「是非、私にもこの御姿を直接見せてください」

「無理だよ、立香でその髪型・髪色・瞳の色ならともかく、俺がその格好は無理……」

「良いじゃないですかー。この部屋の中だけで良いですから、衣装もクレーン様から頂いてきましたし」

背後から取り出したのは淡青でノースリーブのワンピースドレス。

スカート部は2重でタイトな内側が程よく脚を隠して、フィッシュスタイルの外側がシルエットを演出します。

そして揃いのロンググローブとタイツ共々レースで薔薇があしらわれていて、可愛らしくなり過ぎないように全体を引き締めています。

「ミス・クレーンにもバレてるし」

ガックリと項垂れる立香君ですが、私の見せた写真の中で手に持つドレスを着ているのも彼、アルトリア・オルタさんとジャンヌ・オルタさんに恥ずかしがりながらエスコートされる姿は初心な乙女のようで堪りません。

「さぁ!さぁ!」

是非、生でこの姿を!

 

 


 

 

とりあえずあとで新宿女装事件の漏洩範囲は調べるとして、マシュとミス・クレーンはキッチリ叱る。

マシュに渡したのは個人観賞用には1枚だけ許した物でそれ以外あらゆる記録から消した物だし、ドレスはミス・クレーンに立香の時に着るから誰にも話さないでと極秘で発注した物。

どっちも漏らさないって信じていたのに、2人揃ってなんて……。

というかマシュはともかくミス・クレーンはなんでドレスを渡しちゃうんだ。

「いやぁ、着たくない、でも着るまで諦めてくれそうにないぃ」

「立香ちゃんになるのと同じじゃないですか」

「ちーがーうー、アレは身も心も女になるから女装じゃないの」

元は男の藤丸立香であるという自覚のまま女になってるので、アレは女装とか異性装じゃなくて自分の性別に合わせた服である。

女性の時ならあのドレスだって着たい、だから発注したのに女装のために見るハメになるなんて。

「ダメ、ですか?」

「うぐっ」

切なそうに潤んだ上目遣い、隣に座ってしなだれ腕を掴む仕草、全てが計算された男を落とす寵妃としての仕草だ。

そうだと分かっていても、愛しい女性のそれに勝てるはずも無いのが惚れた上に、唯一人を選べなかった弱みというものだろう。

「絶対に写真撮らない?」

「はい」

「絶対に部屋の外には出ない?」

「はい」

「マシュがそうだったから1回だけだよ」

「はい!」

あぁ、花の咲くような笑顔でこんなに喜ばれるなら仕方がない。

「じゃあ、着替えてくるからちょっと待ってて」

嬉しそうに目を輝かせるユゥユゥからドレス1式を受け取り着替えの為バスルームに入るが、念の為幾つかの注意をしておく。

「……立香にはならないから覗かないでね、あと声と髪だけは弄るからよろしく」

魔術で変えるよりも楽なので、そこだけはちょっとズルさせてもらう。

偽乳はドレスの中になんでか入ってたよ。

「そこはりょーかいです。ちなみにお胸の方は、クレーン様に立香君を女装させる旨をお話したらお譲り頂けました」

あの人?鶴?何してんだい。

サイズぴったりの偽乳をお湯で温めてから素肌に身につけ、ブラを着けると見た目豊かな乳の出来上がり。

下も仕方ないのでそれらしいショーツを着けると、筋肉それなり肩幅広めの女性っぽくなる。

「【自己改造】で髪を伸ばしたら声も弄って、あとはドレスを着ましょうか」

ドレスを着たら伸ばした髪をハーフツインにして、顔にもメイヴちゃん仕込のメイクを施せば良しと。

「うーん、我ながらこんなに化けると楽しいわね」

女装自体はそんなに、というかこうやってやるのを余儀なくされるのでなければ拒否感は殆ど無い。

立香になれるので女性の格好をするのは慣れてるし、アストルフォみたいに異性装をしているサーヴァントもいる。

だとしても、そんなに乗り気でも無かった女装をもう1度というのは流石に勘弁願いたかった。

「ユゥユゥ、どうでしょう?」

頭を半分だけ出して様子を窺うと目前に彼女が端末を構えていた。

うん、ギルティ。

「ガンド」

「ふや!?」

戦闘よりだいぶ弱めとはいえ端末を持った手に1発、ビリーに教えてもらった早撃ちがこう役立つとはね。

「写真は撮らないって約束したよね?」

「立香君、口調が男になってますよ」

「まぁ女装だから意識的に切り替えないとこっちが普通だし」

ということで端末を没収してユゥユゥの前に立つ。

それなりに羞恥心はあるが、モジモジすると余計に興奮しそうなので我慢だ。

「どうでしょうか? 変なところが無いといいのだけれど……」

しなを作って黒髪ロングな儚げな美女風に、ってモロにユゥユゥとキャラ被りしてる気がするな。

「いいえ、変なところはありませんよ立香。もっとよく貴女の顔を見せてください」

「はい、ユゥユゥ」

背の高さは変えようがないので上から覗き込むようになるけど、貴妃モードの彼女に顔を近付けるとその手が前髪を払って頬に手を添える。

「んっ」

「ふふっ、くすぐったかったですか?」

「ユゥユゥの手がしっとりしてて、イヤらしい触り方をするからです」

嫋やかに妖しく笑った彼女はその返答にどう思ったのか、指先で擽るようにして俺の頬を触る。

「んぅっ」

「イヤらしい触り方とは、こういうことですよ。ちゃあんと判るよう、タップリ教えてあげます」

いいように弄ばれていると思いつつ、声を圧し殺して堪える俺をも愉しんだユゥユゥは俺の手を引いて立ち上がる。

「私が1曲爪弾きますので踊りを見せてくれませんか」

「踊りはちょっと……。1人で踊るのは上手では無いですし、見せるだけの約束でしょう?」

単に女装姿を見せるだけだったはずが弄ばれるに留まらず、踊りまで望まれるとは想定外。

幸いやんわりと断るとそれ以上せがまれることはなく、残念そうな彼女には代わりにウォーキングを見せるということで落ち着いた。

「どうでした? 満足してもらえたなら嬉しいわ」

そうやって1時間ほど女装姿で過ごせば室内ということで大抵のことはやり尽くし、ユゥユゥは俺を背後から抱き締めてじっとしている。

「はい、マイルームの中では十分満足出来ました。だから立香君、無理にとは言わないけどいつかは外で」

「それは絶対にイヤ!」

「はーい」

まったく、こうやってすぐにねじ込んでくる。

でも、そういう所がユゥユゥらしくて好きなんだよなぁ。

「女装なんてしなくても、ちゃんと日本でもデートしてあげるから」

声を戻して俺の声でそう言うと、すぐ傍にあるユゥユゥの顔がバツの悪い表情を浮かべる。

やっぱり予想通りかと、今更ながら気が付いたことに申し訳なくなりながら彼女の手を握った。

日本に居た3か月ちょっとの間、マシュとは男の方で何度か外出デートをしたがユゥユゥとは女の方だけでしかしない。

対外的にマシュが俺の恋人ということになっているから仕方がない、というのはそう言った彼女に対する甘えだった。

「寂しい思いをさせちゃってゴメンね」

「本当ですよ。立香ちゃんとデートするのは好きですけど、マシュさんばっかり立香君とデートするのは狡いなってちょっぴり嫉妬モードでした」

抱きしめる力を強めて身体を密着させるユゥユゥから俺への文句を黙って受け入れる。

寂しい思いをさせていたのは無自覚とはいえ事実だし、それをこうやって間接的に誤魔化してくれるならむしろありがたい。

それでも、2人のどちらかを選べずに両方を選んだのに満足させることが出来なかったのは事実で、ユゥユゥには女装デート以外には謝罪しかできない。

「ユゥユゥ」

「立香君」

だからこれは謝罪と誓いの口付け、今更周りの目を気にして彼女を満足させられなかったことと、これからは満足させるという。

 

 


 

 

その夜のアトリエ・カルデア、全身をマントで覆った人影が音も無く扉を開くと中に居たミス・クレーンに迫る。

「クレーンさん」

「んんひぃっ!? ママママ、マスPさん!?!?」

「ワカッテルヨネ?」

人影の正体、藤丸立香はフードをとってカタリと音がなりそうな動きで首を90度傾け、怯える彼女に問い掛ける。

その手にあるのは白いドレス、誰にも内密でと発注したソレが何故自分の知らない所で他人の手に渡ったのか、主犯と動機は判っても共犯が居なければ成立しなかった今回の件でこうなるのは当然の帰結だった。

「申し訳ない気持ちは山々ですがアレはマスPさんが着たいと楊貴妃様が言っていたからで決してやましい気持ちは」

「ふーん、ユゥユゥから聞いた話とだいぶ違うんダケド」

カタリと今度は逆側に90度、既にネタは全部揚がっている。

「んひいっ、嘘ですごめんなさい、楊貴妃様が作り溜めた衣装での2時間独占撮影会をして下さると言うので渡しました!!」

「有罪! 令呪を以て命じる、1ヶ月間ライブ参戦禁止!」

「殺生なーーーーー!!」

こんなことで令呪使いたくなるほど、今回の件は疲れた藤丸立香であった。

そして、刑の宣告と執行を終えた2人はアトリエ内で他の関係者の処分についても語る。

「やはり楊貴妃様は武則天様のもとに……」

「やらかした責任はとらせないと不公平だからね、女装強要と恐喝で密告したよ」

酷吏に引き渡した姿を思い出しながら、やれやれといったふうな姿は何処かに哀しげ。

そしてもう一人、今回の大元とも言えるマシュはというと。

「俺とダブル・ランスロットで滾々とお説教しました。あくまでも無許可で見せただけで大事になったのはユゥユゥのせいだから、今後は相談するようにってだけだよ」

これにて女装騒動は一件落着。




コミカライズの女装ぐだ男は性癖ブレイカーだよ……
オルタ、ぐだ男を抱いて……

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