フジマル・アフター・ライフ   作:のーん

51 / 62
夏休み、その大半を南極のフィニス・カルデアで過ごしたとはいえ藤丸たちの住まいは日本。
残りの1週間を帰国して過ごすことにした3人は、友人の誘いに応じて遊びに行くことにした。

そんなわけで日常編、カルデアの夏休みが終わっても学校の夏休みはまだあるよ。


日常編、夏休みを終えて
第50話 番外其の2 藤丸、友人と遊ぶ


 

朝、支度を整えた藤丸はマシュと楊貴妃、そしてカルデアからの帰国時に加わったシャルロットの住む一軒家を訪れていた。

《ピンポーン》

勝手知ったるもので合鍵もあるとはいえ、朝イチからいきなり押し掛けるほど無作法ではない。

インターホンを鳴らして応答を待てば、第2霊基の霊衣を模したエプロンドレスに身を包んだシャルロットが玄関を開けた。

「おはよう、シャルロット」

「おはようございます、 立香さん。勝手に入って良かったんですよ?」

彼女からもそう言われるが今日は家に上がることが目的では無いので、このまま玄関で待たせてもらうと伝える。

シャルロットもこのあとの予定は知っているので頷くと、マシュとユゥユゥに俺が迎えに来たことを告げに戻っていく。

そして待つこと数分、聞き慣れた足音2つが近付いてくるのを耳にした俺は視線を再び玄関に向けてその主たちを出迎える。

「おはようございます、先輩」

「おはようございます、立香君」

「おはよう、マシュ、ユゥユゥ」

玄関から出て来た2人の装いはマシュが白いノースリーブにミントグリーンのスカート、ユゥユゥが白いワンピースにシースルーの黒いカーディガン、ちなみに俺は黒のハーフパンツにオレンジのシャツ、白のパーカーというサマー・ストリートもどき。

どちらも良く似合っていて、自分の顔が自然と緩むのが分かる。

「2人ともよく似合ってるね、マシュは爽やかで可愛らしいしユゥユゥは普段より大人っぽくて綺麗だ」

だから2人に対して思ったままの感想を述べることに躊躇は無かった。

「ありがとうございます。立香君のためにオシャレをした甲斐がありました」

「嬉しいですけれど、ちょっと恥ずかしいですね」

そうやって自信たっぷりに言葉を受け取ったユゥユゥが羞恥で頬を微かに染めたマシュの手を引いて玄関から出て来て、俺は左右を2人に挟まれる。

「では立香君、勇ましく外遊と参りましょうか」

「だから仰々しいって」

シャルロットに見送られて歩きだした俺は右にいるユゥユゥから定番となった言葉をかけられて、いつもと同じように返す。

だけど彼女は悪戯っぽく笑うとこう返してきた。

「いえいえ、世界を救われた勇士が寵姫を侍らせ近衛と、もしくは侍女を連れて恋人とお出掛けになるのですから、コレはまさに外遊ですよ」

ここでの寵姫と侍女はユゥユゥ、近衛と恋人はマシュのことだろう。

言われてみればそう言えないこともないが、それでも言い過ぎだろう。

「先輩、私は何でしょうか?」

「ん、何のこと?」

3人なら外遊というよりお忍びのお出掛けくらいでしょ、とユゥユゥに言おうとした時、袖を引っ張りながらマシュが俺に尋ねてきた。

不意の質問を理解しきれず問い返せば、おずおずといったふうにマシュは言葉を紡ぐ。

「先程ユゥユゥさんがおっしゃった中で、先輩はわたしとユゥユゥさんを何に当てはめたのか、気になって」

「それなら……」

先程思ったことをマシュに告げ、マシュもしっかりと愛する人の方だと伝えるとユゥユゥも頷き保証する。

「そうですね、ファースト・サーヴァントで恋人ですからね。近衛であり恋人として、マシュ・キリエライトは全力で先輩にお供します!」

鼻息荒くというほど荒くはないが、拳を握ったマシュをなんとも微笑ましいと思いながら俺たち3人は待ち合わせの場所へ他の皆より少し早く着いたのだった。

 

 


 

 

待ち合わせ場所へ来てから5分と経たずにやって来たクラスメイト3人と合流してまず向かう先はすぐそばの複合アミューズメント施設、屋上のフットサル場から地下のゲームセンターまで遊びなら何でもそろう場所で6人が最初に選んだのは。

「なんでこういうところってボウリング場が必ずあるんだろうね」

「あれじゃない? ゲーム数決まってるから人の出入りが計算しやすいとか」

「なるほど」

レンタルシューズを借りてボールを選び、男女で分かれて席に着いたのはボウリング場。

午前中とはいえそれなりに人のいるそこでお昼をかけた男女対抗戦が始まろうとしていた。

「負けた方の奢りだから本気で行くわよ、マシュ、ユゥファン」

「はい! ユゥユゥ頑張ります!」

「ボウリングは初心者ですが、一生懸命頑張ります」

女子チームが決起する一方で、男子チームは緩く盛り上がって奢りの時どうするかを話す。

「スコア順で2:2:3くらいにしておく?」

「藤丸のだと1位の旨みが少なくないか? 2:2:4でどうだ」

「2位3位が平等なら良いか。藤丸は?」

「オッケイ、楽しみつつ真面目に頑張るよ」

という訳でボウリングスタート。

「っと!」

「よっ!」

第1フレームは全員肩慣らし的に5〜9ピン、横目にマシュとユゥユゥのフォームを見るとキレイでガーターを回避しているので問題はなさそう。

というより魔力での補強無しでも素の身体能力が高いので1投で半分以上を倒して2投目が上手く曲がらずスペア逃し、この分だと結構な接戦になりそうだね。

「よっし、ストライク!」

「さすがですね!」

「おめでとうございます!」

女子チームはストライクを出した佐々木さんが安定してスコアを伸ばしつつ、ユゥユゥはスペアが多目、マシュは多少バラつくけど当たればストライクを出すので3人とも同じくらいのペースでスコアを伸ばしていく。

「あーっ、狙い過ぎた……」

「もうちょいがんばれー、杉田」

「藤丸はもっと狙えー」

「檜山はストライク多過ぎ」

一方、俺たち男子チームは結構個人個人のスコアがバラバラ。

杉田は1投目でそれなりに倒すのだが残るピンの配置が悪くてスペアが取れず、俺はストライクを取れてもスペアが取れず8ピン前後というのを交互に、檜山はストライクを連発して1位独走と微妙にバランスが取れた対決になっていた。

そして試合終了、最終的な結果は……。

「女子チームが合計592、男子チームが合計589、個人トップは檜山の281で女子チームの勝利!!」

「「やりましたー!!」」

「「「負けたー」」」

佐々木さんが発表した結果は僅差ながら女子チームの勝利、檜山がスコアを稼いでくれたのだが俺が凡庸で杉田がスペアを伸ばせずにいたことで最終スコアは伸びなかった。

これにて昼飯の奢りは杉田が半分で俺と檜山が残りを等分という形に決定、まだ時間はあるので次の目的地に向かうバスの車中で何を食べるかという話になる。

「2人の食べたいものは?」

「中華以外ならー」

「わたしは何でも」

「じゃあイタリアン、サ○ゼで好きなの食べましょう。というわけで男子、昼はサイ○で決まりだから」

そんな佐々木さんの仕切りで女子陣営が食事先を決定して男子も異論なし、敗者は勝者に従うのみである。

「やっぱり杉田が伸びなかったのがな」

「そんなに酷かったんですか?」

「うん」

隣に座るユゥユゥが反応した今回の敗因、具対的には狙ったように離れて残ったピンについて話をすればどんどん表情が気の毒そうに。

それはそうだろう、なにせ狙ったかのように7・10ピンが残る事態が多発して満足にスペアすら取れなかったのだから。

「勝負は時の運だけど、ソレはあまりにもひど過ぎますね」

「普通はどっちかだけだと思うんだよね」

そんな世間話をしているうちに次の目的地に到着、入口前に横付けしたバスから降りれば直ぐに入店だ。

「じゃあ男子も適当に見てて、12時半になったら店の前に行くから」

「あいよ、行こうぜ2人とも」

「また後でね」

着いたのは大きめのショッピングモール、秋物の服を見に行く女性陣を見送った男子陣も上着ぐらい見ようかと話をするが、俺は少し別行動。

「手洗い行ってくるから、どこの店見るか決めたら連絡入れて」

「おう、ゆっくり行って来い」

というわけで手洗いに行って男子トイレ、ではなく多目的トイレに入った俺は【個体増殖】で男の藤丸と女の立香に別れてそれぞれ同じ性別の方に合流する。

 

 


 

 

サイドポニーを揺らしつつ、マシュとユゥユゥの気配を辿れば彼女たちのもとまで一直線。

ノースリーブのワンピースというアルトリア・リリィに似た服装だけど、ピュアホワイトの彼女に対して私が着ているのは紅のラインの入った淡い橙色。

まるでストーカーのようだなと思いながら、マシュとユゥユゥの魔力を色濃く感じて向かった先には佐々木さんと談笑しながら秋物のコートを選ぶ2人の姿があった。

 

”さて、偶然っぽく話しかけないと”

 

物陰で1つ深呼吸した私は平然を装って通路を歩き、半分くらいは本気で下着を見ながら3人に近付いていく。

普段のスポーティなのやアトリエ・カルデアの手の込んだのも良いけど、こういう何処にでもあるようなのも普遍的な良さがあっていいと思う。

「あれ、ユゥユゥ?」

「ふぇ?  立香(りつか)ちゃん?」

「やっほー、マシュも一緒だったんだ」

ユゥユゥに声を掛けてあくまで偶然知り合いに会った風でよろしく、と念話で伝えるとマシュが頷く。

「立香先輩、どうしてここに?」

「1人でショッピング、2人は友達と?」

「はい、こちらの佐々木さんと他に藤丸先輩たち男性3人と」

知っていることだけど偶然というていなのでマシュが細かに説明してくれる。

「はじめまして佐々木さん、2人の友人の藤丸立香です。マシュに同姓同名の恋人がいるってことは知ってるから、気軽に立香って呼んでね」

「えぇっと、はい、立香さん」

「うん!」

サムズアップして返し、どうせなら一緒に見ても良いかと尋ねれば佐々木さんが頷いたので図々しく同行させてもらう。

立香()でこうやって一般人の同年代と何かするなんて滅多にない経験だし、今のうちに楽しませてもらおう。

4人で巡って私とユゥユゥ、マシュと佐々木さんの双子コーデをしたり、試着室の中でアレコレ着せ替えされたり、ちょっとフザケた小物を互いに選び合ったり、女子って感じも結構楽しい。

そうやって店内を巡っているとあっという間にお昼の時間、男子組の藤丸にマシュが連絡をとって私が加わることの了解を得たので私も加わることにする。

「やっほー藤丸、げんきー?」

「やっほー立香、げんきー!」

「「いぇーい」」

店の前で合流した藤丸とハイタッチを交わすとクラスメイトの皆がポカンとした表情を浮かべるので促して、隣り合ったボックス席に別れて着く。

「佐々木さんにはしたけど、男子の皆さんははじめましてだから改めて。藤丸たちの友人、藤丸立香です。藤丸との区別に立香って呼んでもらえるとありがたいかな」

日本人離れした橙色の髪と琥珀の瞳、だけどバッチリ日本人な名前と言葉に驚く男子たちも食事しながら話せばすぐ慣れて、最後に記念の写真を撮ったら私は撤退。

「じゃあ、私はここらで帰るね。藤丸、あとで今日の写真送っておいて」

「分かった、気を付けて帰ってね」

「立香ちゃん、また一緒に買い物行きましょうね」

「うん、そのときは2人で大人っぽいの見にいこう」

言外にユゥユゥとのデートを約束したのでやれやれと言いたげな藤丸()を尻目に1度皆の所から離脱、頃合いを見計らって抜けて来た藤丸と地下駐車場で再開して1人に戻る。

「どうだった 立香()、3人と普通の女の子っぽいことしてみて?」

「なかなか良かったよ。佐々木さんから女の子にしか話せないマシュとユゥユゥへのアドバイスも聞けたし、割と辛辣な 藤丸()への意見とかも」

「うへぇ」

何があったかは別に伝わるけど、言語化するのも楽しいよね。

というわけでコソッと1人に戻った俺は皆と合流、道を挟んだ向かいにあるシネコンに行ってシメの映画を観に行こう。

 

 


 

 

「檜山、映画なに観るんだっけ?」

「お前がファンタジー以外が良いって言うからアクション物、最後に悪役を吹っ飛ばして終わる銃撃爆発のやつ」

信号待ちの最中、俺に映画選びを任せていた藤丸が尋ねて来たのでそう答え、上映時間を確認したままだったスマホに映った誰でも知ってる有名アクションスターが集合したポスターを藤丸に見せる。

「良いね」

「こういう何も考えないで観るのが少ないんだよな」

信号が変わってみんな渡り始めるが、そんな話をしていた俺たちは少し遅れて渡りだす。

「ゴメン檜山!」

「えっ!?」

そんな最中、不意に藤丸が謝って来たのに聞き返す間もないまま思い切り突き飛ばされた俺は、背後に轟音と風圧を感じた。

「あっ……藤丸!!」

ガシャン、という音が遠くで聞こえたのをキッカケに我に返った俺はソコに居たはずの藤丸を探して振り返るが、そこには誰も居ない。

「っ!」

まさか跳ね飛ばされたのではと思って轟音が過ぎ去った方を見れば、電柱に突っ込んだ車に視線を向ける藤丸の姿があった。

「おい、藤丸、無事か!?」

「俺は無事だから檜山は救急車を呼んで! マシュ! ユゥユゥ!」

俺にそう叫び返したアイツはそのまま突っ込んで白煙を上げる車の元へ走って行く。

「佐々木さん、そこの映画館からAEDを持って来てください。白いボックスにオレンジ色のケースが入っているはずです」

「う、うん」

「杉田くん、一緒に来てください」

「!?」

そして、マシュさんとユゥユゥさんは藤丸の呼びかけに応えるように2人に指示を出して事故車のところに走って行く。

 

 


 

 

虫の知らせ、第六感、呼び方はいろいろあるけれど、人理修復で散々命の危機に直面してきたせいで俺はそういうのに敏感になっている。

それが車のエンジン音に反応して警報を鳴らし、そちらを見ると正に車が速度を増しながら突っ込んでくる所だった。

「ゴメン檜山!」

隣の友人を思い切り突き飛ばして車から逃がし、その反動とバックステップで俺も逃げる。

「痛っ……」

躱しきれずにサイドミラーが俺の腕を叩くけれども掠った程度、軽い痣で済むだろう。

そして走り去った車は急に左に曲がると電柱へと突っ込んで停止したのに、運転手が降りてきそうも無い様子にただの信号無視では無いと直感する。

「おい、藤丸、無事か!?」

「俺は無事だから檜山は救急車を呼んで! マシュ! ユゥユゥ!」

檜山が無事だったことを確認した俺は2人に呼びかけると一目散に駆け出して、運転席側のドアに飛び付き中の様子を確認する。

「大丈夫ですか!?」

中にいたのは運転手1人、エアバッグが作動してそこまで外傷は見えないけれど俺の呼びかけに応答がなく腕が垂れている。

「いま助けますから! 声が聞こえているなら手を握ったり開いたりしてください!」

手が動かないので意識を失っていると判断して運転席から出そうとしても、鍵が掛かっているのかドアが開かない。

魔力で強化すれば拳でも窓ガラスを破れるだろうけど、そんな訳にはいかないので助手席側に回ってボディバッグの中から取り出した家の鍵を逆持ちにして……。

「セイッ!」

それを短刀か何かのごとく突き立てて窓ガラスを粉々にしたタイミングで杉田が2人に連れて来られたので、内側から開けたドアから運転手を引き摺り出すのを手伝ってもらう。

「イチ、ニ、サンでいくよ」

「「イチ、ニ、サン!」」

ひしゃげた車内から引き摺り出すのは大変だったけど今度は心肺蘇生。

路上に横たえた運転手の男性に呼びかけながら揺するが反応は無いまま、俺が口元に耳を近付けながら胸部を見ても呼吸は無し、マシュが手首から脈をとってるけど俺に向かって首を横に振る。

「檜山、救急車は?」

「すぐ来るって!」

「じゃあ向こうに心臓止まってるから心肺蘇生してるって伝えて」

「!?」

そうやって心肺蘇生のサイクルをマシュとユゥユゥと交代しながらやることしばらく、佐々木さんがAEDを持って来たので使うと電気ショックの指示があったので1回やって心肺蘇生を再開する。

2度目の指示は無かったので救急車が来るまで交代で続けたけど、引き渡す直前には脈が触れてたから大丈夫かな。

「疲れた~」

「CPR法をこうして一般の方に使うとは、何事も無駄にはなりませんね」

「不謹慎ですけど、ずっと同じリズムは辛いですね……」

とはいえ俺たちはそれで終わらず、救急車と一緒にやって来た警察官からその場で簡単な事情聴取を受けて解放されたのは午後2時頃。

映画を観れなかったことに落胆しつつ、どっと疲れた俺たちは無言で帰路のバスに揺られていた。

「なぁ、藤丸」

「うん?」

背もたれに体重を預けて事故った人は大丈夫かなとボンヤリしていたら、檜山が浮かない表情で俺に話しかけてくる。

「お前なんで俺のこと突き飛ばせた訳? あんな急に突っ込んできたのに躱して、自分よりも突っ込んできた運転手のこと心配してさ」

「無我夢中だったからよく覚えてないかな。車の音がしてそっちを向いたら近付いて来てたし、あとはもう咄嗟にお前を突き飛ばして躱して、相手を目で追ったら逃げないで電柱に突っ込んだから運転手が危ないかもって思って」

さすがにイキナリで驚いたけど、赤信号で停まっていたのが動き出したばかりで余裕はあったので直撃は避けられた。

あとはもう運転手を助けることしか頭になくて、とりあえず運転席から引っ張り出したあとはカルデアで習った応急処置をやっただけ。

「南極じゃ救急車なんて無いからね、散々訓練したお陰だよ」

「……そうか」

車内の会話はそれっきり、最初に待ち合わせた場所に戻って来た俺達はそこで解散となった。

 

 


 

 

遠ざかって行くマシュ、ユゥファン、藤丸を見送った私たち3人はそのまま帰る気になれず、コンビニで買った飲み物を片手にベンチに座っていた。

「杉田はさ、どう思った?」

「どうって、さっきのことなら怖かった」

「俺も、藤丸に突き飛ばされて後ろを車が通ったときからずっと」

いきなり車に轢かれかけて、その上あんなことをすれば普通はそうだ。

だけど、マシュたちは……。

「藤丸になんで俺を庇って運転手を気にしたのか訊いたらさ、『車が見えたから突き飛ばして躱して、逃げないから運転手が危ないかもしれないから』って言われて、何考えてるのか分かんねぇ」

「私も同じね。マシュもユゥファンも藤丸を探してるときに慌ててなかったし、私と杉田に指示出してからもアイツに心配の一言も無かったのよ。恋人なら、普通は怪我の1つ心配するでしょ」

「それに運転手助ける時も躊躇わないで動いて、目の前でやってることが何か分からないうちに救急車に引き継いでたのにちょっと疲れたくらいにしか見えなくてさ。あの3人、なんで当たり前にあんなこと出来たんだよ」

友人が当たり前のようにした行動に、私たちは何か彼女たちの内側に違う物が潜んでいるような感覚を覚えていた。

 

 


 

 

あんなことに遭ったあとでは真っ直ぐ自宅に帰る気になれず、俺はマシュとユゥユゥの家に寄って行くことに。

「大変じゃないですか! 立香さんとお友達にお怪我は!?」

「そっちは平気だけど運転手がどうなったかな、結構危ない状態だったけど」

出迎えたシャルロットとの話題は当然事故のこと。

彼女が淹れた紅茶を飲みながら掻い摘んで話をすると盛大に心配されて、無傷であると納得するまで丹念に腕を診られた。

「そのことですが主、搬送された病院で一命を取り留められたようです」

「小太郎ありがとう、わざわざ見に行ってくれたの?」

「はい。主ならばその後の無事を気になされると思い、勝手ながら調べてまいりました」

疑問に答えてくれた小太郎は護衛に就いていた段蔵ちゃんから連絡を受けて見に行ってくれたらしい。

念の為に背後も調べたけど事件性はなし、偶然に心臓を悪くして意識を失った末の暴走だったようだ。

「では、僕は失礼します」

「うん、今度はゆっくり話をしようね」

微かに笑みを浮かべながら姿を消した小太郎を見送って事故の話はお終い、もう少ししたら家に帰ろう。




藤丸立香
カルデアでの夏休みを終えて友人と遊びに行った。
途中で女の方の立香と別れてきっちりショッピングも楽しむなどフリーダム。
事故には驚いたけど特異点に比べれば余裕があってきっちり応急処置。
一命をとりとめたと聞いて一安心。

マシュ・キリエライト
立香先輩が来たのに驚いたが楽しかった。
事故の時はさりげなく女子の佐々木さんを現場から遠ざける気遣いも。
この後いっぱい先輩を労った。

楊貴妃
立香ちゃんとショッピングだー、と楽しんだ。
結構焦ったが藤丸が指示出してくれたので安心して従う。
このあと藤丸に膝枕した。

皆様近頃はいかがお過ごしでしょうか?
サムレムコラボが実質サムレムExtraかと思いきやガッツリ本編に絡む展開、伯爵は二番煎じで恥ずかしくないの? という感じの筆者です。
まさかあんなふうになるとは、そして槍ジャンヌとかは実装されるのか、不安になりますね。

ではまた次回の更新で、コメント・評価をお待ちしております。

感想・評価送るのはハードル高いですかね?

  • メッチャ高い、無理
  • 高い、勇気がいる
  • 少し、何書けばいい?
  • 興味がない
  • 高くない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。