イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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クラスター・ジャドウさん、 誤字報告ありがとうございます。


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01-09話:ルフィとの出会い

 数ヶ月前にシャンクスがフーシャ村を訪れていた。東の海探索(?)の拠点にする為に…

 シャンクスに会う前のルフィはガープに「海兵になれ」と言われてたけど、

 自由に冒険してみたいという気持ちがあり、漠然と抵抗していたみたい。

 

 私がルフィの所に来た時期は、ルフィがシャンクスと出会い、(ウタとも出会って友達になっている。)

 いいなぁ海賊…と思うようになっていた頃の事…

 

 

 なぜ、ルフィと友達になりに来たのか? コルボ山に連れてこられてからでもいいじゃん!と言われるかもしれないけどね?

 でも考えてみてほしい。そこまで待った場合に起こるであろう出来事を…

 

  ①ルフィが谷底に落とされる(エースに…)。

   → 狼に襲われ、命からがらダダンの家に戻る。

   ※運が良かっただけ。死んでたかも知れない。

  ②エースの機嫌が悪くなる。

   まあ、そうなったら一緒に居ないで一人で小屋で過ごすからどうでもいいんだけど…

  ③ルフィがブルージャムの手下ポルシェーミにズタボロにされる。

   あれ痛そうだし。ってか私が奴らをボコボコにしちゃいそうな気がする。

 

 ね、ダメでしょ?①③なんて特にダメだと思うでしょ?

 

 それにね。その場合…私はルフィに自分の能力の事を話せないと思う。エースが止めるだろうからね。余計な事言うな的な感じで…。

 するとどうなるか?

 ②のエースはさらに機嫌が悪くなると思うのよね。だってそうでしょ?ルフィが一緒の時はメシが腹いっぱい食えなくなるんだから!

 だってあれよ?自分の秘密よりメシを取るエースだよ?

 もうね、仲良くなるまでの3ヶ月間(だった気がする)、エースと一緒に居るのが辛いと思うわけよ。それってとっても”めんどくさい”じゃない?

 なので、私が先にルフィと友達になっておいて、『約束を守る奴!!』って事を保証できるようにしておくわけ。

 それをルフィが連れてこられたときにエースに伝えるって寸法よ!

 

 エースとルフィが出会うのはまだ1年先の話。

 さてさて…うまくいきますやら…

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

「…」

「…」

 こ、これは…双子岬の再来だわ。うん、大丈夫わかってます。ルフィは私の顔を見て固まってるんだ。そもそもこの顔はルフィ懐柔の為だったんだもの!

 ってあれ?何で怪訝そうな顔してんの?

 

「なぁお前、ウタのきょうだいか?」

 そこは姉妹(しまい)って言うんだよ?とは言わない。だって違うから。たぶん…

 

「ウタって、誰?」

 まだ会ってないので知らないからね?知ってるのはおかしいので返答はこうなります。

 

「違うのか?お前、シャンクスの娘だろ?」

「シャンクスって誰よ?わけわかんない子ね。」

 ウタの事知らないって言ってるのになんで違う名前を出してくるかな? あ~、そうだったわこの子。人の話聞かないんだった。

 なんか最初っからめんどくさい感じ…

 

「シャンクスは海賊だ。知らねぇのか?」

「なんで私がそのシャンクスって人を知ってなきゃいけないのよ?」

「だって、そっくりじゃんか!お前『ちびシャンクス』だ!!」

 だってじゃねぇよ!バカだろこいつ!!しかも”ちび”とか言いやがって…

 

「”ちび”言うな!!あんたのほうがちびじゃない!」

「ちげーよ!ちっちゃいシャンクスって意味だ!」

 言ってる事、変わってねェよ!!”ちび”を”ちっちゃい”に言い直しただけだろそれ!

 

「ところで、誰だおまえ?」

 ここでその質問かいっ!!前置きなげェよ!!

 

「人に尋ねるなら自分から名乗りなさいよ!」

 やっと自己紹介が始まるってわけね。あ~疲れた。

 

「おれはモンキー・D・ルフィ!将来海賊になるんだ!!」

「!!」

 あらま新鮮。レアなセリフ聞いちゃったわ。きっとまだ、海賊王の話は聞いてないのね?

 私が少し驚いた顔をしたら途端にルフィの機嫌が悪くなった。

 

「なんだよお前、海賊の事バカにすんのか?」

 いや別に…そんな事はないんだけどね?

 

「ごめんごめん。別にバカにしてないよ?ただちょっとビックリしただけ。」

「おう!あやまったから許す!!」

 私別に…悪い事してないと思うんだけどな?まあいいけど…

 

「とりあえず私も名乗るわね?私はイオリ。コルボ山ってところに住んでるの。ところでルフィ?あんた海賊になるって事、あんまり他人(ひと)に言わない方がいいわよ?」

「なんでだ?」

 

「ガープって人、あんたのおじいちゃんでしょ?」

 私も断定しちゃった。この子”モンキー・D”って言ってたし、確定情報だからいいよね?

 

「げっ!!お前、じいちゃんの事知ってんのか?」

「確か海兵だったよね?聞かれたら怒られるんじゃないの?」

「そうなのか?」

 いや、そうでしょうよ!

 

 ルフィの言う海賊が自由な冒険者だというのはわかる。だけど一般的には海賊は犯罪者だ。

 もちろんどんな職業(海賊が職業かどうかは別として)にもいい人、悪い人は居る。

 それはわかってる。

 けどね…ガープは認めてくれないと思うよ?

 

 ルフィが海賊に憧れたのは、出会った海賊が赤髪海賊団だったからだ。山賊が嫌いなのはヒグマ山賊団が原因。ファーストコンタクトって大事よね?

 でも、もし逆だったとしたら?

 

 ルフィが山賊になっていたかと言えばそれは無い。なぜならこの子は自由に冒険したいと思っていたから。

 山賊でも冒険は出来ると思う。けれどこの世界は地続きじゃないんだよね。

 赤い土の大陸以外は島国が点在しているという感じ。船がなければ冒険なんて出来ないんだよ。

 もしも悪い海賊団と先に遭遇していたならば、もしかしたらルフィは賞金稼ぎになっていたかも知れない。

 

 海兵?なれないでしょコイツは。よっぽど優秀な人がついてないとダメだと思うよ?

 

 

《あれ?…ちょっと待って?…ガープは何て言ってたっけ?》

”はい。録画した中から検索しました。その一部を再生します。”

 

― 『お前、海兵にならんか?ルフィと一緒に!!』 ―

 

 …ルフィと…一緒…に?……ちょっと待て!!

 

 どおりであの時、エースが不思議そうな顔してたわけだよ。あれはきっと『誰だ?ルフィって』って感じだったんだ!!

 

 あぶなっ!マジあぶなっ!!

 

 私、まだルフィと知り合ってなかったじゃん!

 海兵になれって言葉に『なに言ってんだコイツ』って思ってたからよかったけど、へたな事言ってたら原作知ってんのバレてたかもしんないじゃん!!

 あのジジイ…油断ならねえ!!

 

 しかもだよ!

 

 もしかしてあいつ、私の事、嵌めようとしやがった?

 私をボガードさんポジにしようとしやがった?

 

 

「どうしたんだ?」

 軽く混乱?葛藤?していると、ルフィが心配そうに顔を覗き込んでいた。

 

「ルフィあんた、将来海賊になるのよね?応援するわ!頑張ってね!!

「?」

 

 もう、必死だよ私…

 

 

 これがルフィとの出会い。

 

 うん、海賊になってもらいましょう。絶対に!!

 

 

 

 ~ おまけ ~

 

 本文には書いてないけど、ちゃんとルフィと友達になりましたよ?

 でね、マキノさんの店にも連れて行ってもらった。村長にも会った。あんまり店に居た記憶ないんだけど?まぁ食事もできるんだし別におかしくはないか。んで、ジュースを飲みました。私のおごりでルフィも。だってあいつお金持ってないんだもん。

 

 ガープはルフィの誕生日にもこの島にやって来てた。

 あたりまえよね?ロジャーの子供の誕生日にプレゼント持ってくるのに自分の孫に何もしないなんてありえないもの。(さん付けやめました。なんでかって?尊敬できないからよ!)

 その時、ルフィの父親の事を聞いてみた。聞いたら普通に教えてくれた。ドラゴンの事…

 

「ルフィはあなたの孫だって聞いたけど、親は?」

 どこに居るの?というニュアンスで聞いてみた。

 

「ルフィの父親はわしの息子じゃ!」

「そうなんだ。息子さんがいるのね?」

 

「そうじゃ!息子は革命家をやっておってな。お前は新聞をよく読んどるようだから知っとるかもしれんが、ドラゴンっちゅう革命家がそうじゃ!」

 いや、まぁそういう感じで教えてくれるんじゃないかな~って思ってたけどね?

 確かにまだ名前はそれほど知れ渡っていない。『革命軍』の規模がまだまだ小さい事が要因ではあるけれど…

 

 ドラゴンがレヴェリーで議題に上がるのは今から5年後の事。ただしガープも言っているように、既に”ドラゴン”という革命家の名は何度か新聞に載っている。

 

 ダダンは知ってるのかしら?白ひげも知らなかった事なのよねェ。

 

 

「えっと…ガープさん?あのねェ…それ、普通に言っちゃっていいの?」

「ん?だめか?」

 まぁ一応、この会話が聞こえる範囲に他の人は居ないけどね。

 だからってそんなに軽い感じで言っていい事では無いと思う。知ってたからよかったものの、知らなかったら無茶苦茶驚いて叫んでたわよ?

 

「教えてもらって何なんだけど…それは言わない方がいいと思うわよ?」

「ぶわっはっはっは!そうか!じゃ、今のなし!聞かなかったことにしといてくれ!」

 

「…」

 こいつ…ルフィと一緒、いや…ルフィより質が悪いぞ?ルフィは約束したら守ろうとするもの!バラさないかは別として、バラさないようにする努力は見える。

 でもこの人は……。

 

 わかってる。きっと悪気はないんだろうってわかってる。でもねェ…悪気が無いからってこれは…

 

はぁ………」

 私は長い溜息を吐いた。

 おそらくこの人の周りの人達(センゴクさんやおつるさん。五老星もそうなんじゃないかな?あぁ、一番の被害者はボガードさんか…)は同じような思いをずっとしているのだろうと痛感した。

 

「ん、どうした?」

「なんでもないです!!」

「?」

 

 気持ちを強く持っていこう。強く、強くそう思うのだった。

 

 

 

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