進みが遅くなります。ごめんなさい。m(_ _)m
記録が溜る時間を最初40時間と書きましたが、30時間に修正しました。
リトルガーデンを出航して、ナミが病気を発症したのは昨日の事だ。船は停めずにドラム王国に向けて進んでいる。もちろんナミは寝てるけど、航海士代理が居ますので……
誰かに何かあっても、代わりが居る。というのは安心感があるよね?
それが自分でなければ、もっと良かったのにとは思うけど…
ナミの症状は一晩ゆっくり寝たからか、かなり快方に向かっている。発症してすぐの治療だったこともあり、たぶんあと1日寝てれば病気は治ると思う。ぶり返す事のないように、その後も数日は気を付ける必要はあるけどね。
今日は2月20日。
原作では、医者を探して海を彷徨う。
→ 偶然ワポルと出会う。
→ 船を食われてルフィが怒る。
→ ルフィがワポルをぶっ飛ばす。
そんなイベントがあった日です。
ドラム王国に着くのはその翌日。つまりは明日…。
でも、今この船は、原作とは違うルートを辿ってる。
「島が見えたぞーっ!!」
見張り台の上からだろう。サンジの声が聞こえてきた。
リトルガーデンから直接ドラム王国に向かっていた為、ウザキャラワポルに出会う事無く、1日早くドラム王国に到着した。
ドラム王国にて、
アラバスタに向けて出港出来るのは、明日の夕刻以降になる。
ご都合主義のようだけど、時間軸で言えば原作通りの出航となるわけだ。
「イオリ!島が見えたってよ!!」
ナミのベットの近くの椅子に座ったままでルフィが言う。
「うん、聞こえた。サンジが叫んでたわね。」
「………」
ちなみに今、女部屋には寝ているナミと診てる私。そしてルフィとビビとゾロがいる。島が見えた、というサンジの声が聞こえてから、あからさまにルフィはそわそわしていた。
「おい、ゾロ!!島が見えたってよ!!船医を見つけて仲間にするぞ!!」
もうね。ルフィは椅子に座ってるんだけど、貧乏ゆすりがひどすぎて、さっきから椅子がカタカタカタカタうるっさい。
「…ルフィ、あんたは見てきていいわよ?ナミは大丈夫だから。」
言った途端にルフィは部屋を飛び出してった。ゾロとビビが苦笑しているのが見える。
そして、ルフィの後を追うようにしてゾロが出ていった。
ふむ…
ワポルの気配を感じないところからして、おそらく島の状況は原作とそれほど変わりはないと思う。
だとすれば、あの島の人たちの海賊に対しての感情はすこぶる悪いと考えていい。
私が言っていたので、みんなはあの島が医療大国『ドラム王国』だと思っているけど、それが違うという事を、この船で私だけが知っている。
ビビを甲板に出すのはやめた方がいいわね。
知った気配は結構たくさん居たりする。原作通り、彼が前に出て話をしてくれればいいけど、果たして…
ビビにナミを診ているように言って、私も甲板に出た。
目の前には滝があり、船が止められそうな場所だったので錨をおろす。
ルフィが震えていたので、コートを渡すと、崖の上から声がした。
「そこまでだ!海賊ども!!」
「錨をあげてすぐに出ていけ!!」
銃などの武器をもった大勢の人たちが、威圧的な態度で言ってきた。
「人がいたぞ」
「…でも、やばそうな雰囲気だ」
崖の上に集まる人たちを見て、ウソップは不安そうだ。
「大丈夫、私に任せて!」
私はルフィの前に進み出た。
「速やかにここから立ち去りたまえ」
一番前で私たちに声をかけて来たのはドルトンさんだった。よかった原作通りで。
「ずいぶんなご挨拶ね?以前は海賊だからって、いきなりこんな対応はしてなかったと思うけど?」
私はフードを取って言葉を返した。私の顔を見てドルトンさんが驚いている。
「君は……!!まさかDr.イオリ!!?」
「「えっ!?イオリちゃん!!?」」
ドルトンさんと共に居る人の幾人からも、私の名前を云う声が聞こえた。
7年も前の事だというのに、覚えていてくれる人が居るとは嬉しい限りね。ドルトンさんは忘れるはずがないから、それは心配していなかったけど…。
ぶっちゃけ私は自分がDrと呼ばれるのには抵抗がある。
それはなんというか、医師としての覚悟みたいなモノを自分が持っていないと思っているから。
この世界に医師免許というものは存在しない。それは医療大国と呼ばれた頃のドラム王国にしてもそうだった。
ある程度、技術を持った者に、称号のようなものが与えられる事はあっても、これが出来たら医師を名乗って良い。なんて基準はどこにもない。
だからヒルルクも自分の事を医者だと名乗ってた。みんなからはヤブだと言われていたけど、少なくとも、彼には医師としての覚悟があったと思う。
ここでの修行の最後の半年くらいは、ドクトリーヌと別行動で、一人で診療をしてました。腕を磨く…なんてカッコいい事ではないけれど、何事においても経験を積む事は大事だからだ。
その頃のこの国の状況は、医師狩りが始まっていて、イッシー20以外の医者は静かに診療を続けるか、この島を逃げ出すかしていた頃だ。
患者の元まで診療に出向く医師は、ドクトリーヌとヒルルクと、私の3人だけだったので、私はとても感謝されていたのです。なぜなら普通の医者だったから…。
腕は世界一でもぼったくり(?)のDr.くれは。治療は無料でも治る病気でも重症化させるヤブ医者ヒルルク。その二人と比べたら……ねぇ?
いや別に、ドクトリーヌを悪く言うつもりはないけどね?
それに彼女が行く場所は、医師の助けが必要な場所ばかりだった。聞いても教えてくれなかったけれど、あれも一種の見聞色だと思う。
病気の気配というか、人の気の乱れと言うか…。そういうものを感じ取り、治療に出かけている節があった。
私が出向いた所は、内科系の患者さんのいる場所が主だった。治療よりも予防が多かったかな?話を聞いて、軽く診察をして、場合によっては薬を処方するという感じ。
それを半年続けたからか、結構有名になりました。
「なぜ、君が…海賊船に?」
「理由はいろいろとね。それよりワポルが居ないみたいだけど?一体なにがあったの?」
「「……」」
島の人たちが言葉を失う。
「…彼女が乗っている海賊船ならば……。みんな、銃を下ろしてくれ。」
「イオリ。おまえそのおっさん知ってるのか?」
お前はなぁ…初対面の人に聞こえるように『おっさん』とか言ってんじゃないわよ!!ほら、ドルトンさんがショック受けたような顔してるじゃん!!
ついさっきまで、海賊だから追い返されそうになってたトコなのになにやってんの? 空気読めないのも大概にしろや!!
「あの人は、この国の王様の側近の一人よ!」
「王様の!!?」
ルフィだけでなく、サンジもウソップも驚いている。
「いや……もうこの国に王は居ない。」
「「!!?」」
ドルトンさんの言葉にみんなが驚いている。一応、私もみんなと一緒に驚いたフリをしておく。知っているのはおかしいからね。
まぁでも、言い訳はいろいろ出きる。この人は敵ではないけど、味方というわけでもないから、思考を読んだ事にすればどうとでもなる。
「Dr.くれはの所に来たのだろう?彼女は今、ドラムロッキーの上に立つ、城に住んでいる。案内するから着いてきてくれ。」
ナミの事も、一応ドクトリーヌに診てもらおうという事になり、ベットごと小さくして、私が持っていく事にした。ビビも一緒に行く事に…。
船番は、ゾロとカルーとエル。ちなみにエルには猫用の防寒着を着せてある。その姿を診て、ビビとナミがホッコリしてた。
ドルトンさんの案内で、ロープウェイへと向かう。
道中では、ご存じ?ハイキングベアとも出会った。二足歩行の巨大熊。メッチャクチャでかい。久々に見たからビックリしたわ。5m越えの熊だから、ウソップが咄嗟に死んだフリをした気持ちもわかる。
熊鍋……いや、ヘタな事を云うのはやめよう。ルフィが五月蠅そうだし。
ドルトンさんは、みんなにすっごく慕われている様子。一緒に歩いているとあちこちから声を掛けられている。
「やあドルトン君、3日後の選挙が楽しみだな。みんな、君に投票すると言っとるよ」
人のよさそうなおじさんの言葉からすると、村中どころか国中で慕われてるようだ。
ロープウェイに乗り込むと、ドルトンさんが私たちに謝罪した。
「申し遅れたが、私はドルトン。この島の護衛をしている。我々の手荒な歓迎を許してくれ」
申し訳なさそうにしてるけど、そんな必要は無いと思う。あまりに過剰な反応だった為に驚きはしたけれど、海賊に対する反応はあれが普通と言っていい。
「1つ聞いていいかね? どうも私は、君をどこかで見たことがあるような気がするのだが…」
ドルトンさんにそう尋ねられたビビは、私をチラリと見た後、あからさまに話を逸らした。そう言えば、ビビがドルトンさんと会った時、ユナも傍に居たんだっけ…
「き、気のせいです、きっと!それより、この国…イオリさんに聞いたんですけど、ドラム王国の現状について教えて下さい!」
ビビの言葉に頷いて、ドルトンさんはこの国の現状について話してくれた。
ドルトンさんが語ったそれは、ビビにとっては看過できないものだった。
数か月前、この国は5人の海賊、黒ひげ一味に襲われた。ワポルは黒ひげの力を知った途端に、誰よりも早く海へと逃げ出した。
残ったのはドルトンさんとこれまで戦う事のなかった国民だけ。王が逃げた事に対する失望は大きく、抵抗する術も持たない国民は、成す術もなく海賊たちに蹂躙された。
「ひどすぎる!!王が国民を見捨てるなんて…!それが一国の王のやることなの!!?」
「……」
抵抗できなかった事が幸いしたのか、人的被害は少なく済んだものの、海賊黒ひげにより、ドラム王国は滅ぼされた。そう、この島の人たちは思っている。
黒ひげが、何のためにこの国を襲ったのかは不明…。
「海賊に対してあんなに過剰反応してたのは、そんな理由があったのね。」
「ああ、そうだ。みんな海賊に対してはまだ、どうもね…」
「結局…ワポルは改心しなかったわけだ。」
「…すまない…力及ばすだ。」
元はといえば、あの2人をワポルに付けた元国王の責任が大きいんだから、ドルトンさんが気に病む事はない。ワポルを改心させるには、まずあの2人を排除する必要があった。それも伝えてはいたけれど、ドルトンさんにそれは出来なかったのだろう。実力的にも気持ち的にも…
「だが、国王が逃げ出した事で国は滅んだが、これで良かったと言う者もいる。ともかくワポルの悪政は終わったのだ。ここはもうドラム王国ではない。この島は、残った人々のものだ。今はまだ、名もない国だ!」
この島の人たちからすれば、そう思う気持ちもわかるけど…。ワポルは逃げた事を悪びれても居ないと思う。それどころか自分の身を守るのは当然だとすら思っているだろう。
「という事は、みんなが一番恐れているのは、ワポルが戻ってくる事なんじゃないの?」
海賊なんかより、よっぽど質が悪いと思う。
そもそも海賊に襲われて国が滅ぶなんて話はそうそう無い。世界政府加盟国ならなおさらだ。
ドラム王国の人たちが国が滅んだと言っているのは王が国を放り出したからに他ならない。王政復古なんてされたらたまらないだろう。
あれ…?もしかして……黒ひげはワポルを殺す気だった?
世界政府加盟国を襲って世界政府に助けを求めさせた後、王族全員殺して国を滅ぼせば、LEVEL6行きになるとか考えてたりして?
「その通りだ。まだ傷の癒えていないこの国で、