イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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閉話:ユナとドフラミンゴ

 これは2年ほど前の事…

 

 ユナは、ビビの立志式出席の為、3月1日にアラバスタに赴いた。下着の採寸と作成、調整の為である。

 ところが、ビビは行方不明になっていた。

 

 内緒で歴史の本文を見た後に、ユナはアニメでルフィ達が見つけた歴史の本文のある場所へも行ってみた。

 遺跡は実際そこにあり、歴史の本文もひっそりと置かれていた。

 イオリもここに来るかもしれないが、もしかしたら来ないかも知れない…。

 とりあえず写真を撮ってその場所を後にした。

 

 アラバスタから戻って、まず最初にした事は、アラバスタ国内情勢の調査である。

 反乱軍の規模、国王軍の状態。そして工作員の有無とその割合である。

 

 工作員についての調査はとても簡単だった。仲間を特定する為のモノかは知らんけど、バロックワークスの社員はめっちゃ簡単に特定できるやん?

 ってか、このエンブレム…ドクロにバツってこれ…海賊旗やんか!!

 いやこれ、下手すりゃ流行りかと思って社員じゃなくても真似してんじゃね?ってくらい大勢いますけど…?

 国王軍に居るこの人たちは、給料2重取りなんだろうなァ…

 まぁピニオンズだろうから、バロックワークスの給料は少ないだろうけど、でも、国王軍の給料のほうが多かったら、会社の命令に素直に従うのか疑問が残る。

 まぁ、考えても意味はないからどれだけ居るのかわかったので、調査は完了とした。

 

 続いて、ビビ失踪についての調査を開始。

 F-RONPは基本クリーンな会社ではあるが、裏の世界とのパイプも存在する。それらの主な役割は、社員の安全確保の為に裏の世界との線引きというか取り決めを行う事にある。しかしながらそのパイプは時に双方からの依頼の時にも使われる。

 ユナは、カザマを使って情報を収集すると共に、そのパイプを迷うことなく使用して情報を入手した。そして得られた情報に原作とはかけ離れた者の存在を察知したのである。

 

 明らかに、混乱させようとしているヤツが居る。アラバスタに起こった事件の裏に関連付けるようにしていくつもの小さな事件が起こっていた。バロックワークスの起こした事件に思えるが、大きな事件にもそれと関連づけるようにして、目立たないように複数の別の小さな事件が起きている。自分たちの存在が表に出ないように巧妙に、場合によっては事件を起こす者たちと協力するかのように…

 CPが動いている様にも見えるが、たぶんそうではない。

 だとすると…

 

「これはドフラね!」

 まさか、アイツがアラバスタの件に介入してるとは思わなかったわ

 しかも楽しんでいるような感じを受ける。失敗しようと、別に痛くも痒くもないのだろう。

 一応、ウラはとってみるか…

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

「なんで、おめェがココに居る?」

 ユナはドフラミンゴ自身が引渡しを行う、裏取引の現場に居合わせた。それは、ワノ国で作られた武器をバロックワークスへ流す業者との取引だった。

 

「忠告しに来たのよ。」

「忠告だと!!?」

 

「ええ…、あなたが絡んでると知ったら、クロコダイルは怒るんじゃない?それこそ取引が潰れちゃうかもよ?」

「…あいつもそこまでバカじゃねェだろう?」

 

 クロコダイルとドフラミンゴが顔を合わせる事は少ない。2人は犬猿の仲という者もいるが、ユナはそうは思っていなかった。どちらかといえば、クロコダイルが一方的にドフラミンゴを嫌っている…というか煙たがっているように感じている。

 一方、ドフラミンゴはクロコダイルを気に入っているというか、兄弟分のように思っている感じを受ける。

 

「どうかしら?誰かさんが自分より先に国王になった事にムカついてるって感じを受けたけど?」

「フッフッフ…良く見てんじゃねェか。さすがは大企業の会長さんだな。じゃあ、おれはどうすりゃいい?」

 

 ユナは七武海の何人かと面識がある。たまたま政府主催のイベントに出席した際、クロコダイルとドフラミンゴが一緒に居る場面に出くわした。その時、ドフラミンゴに比べクロコダイルがイライラしている感じを受けた。

 仕事の関係で、それぞれとも何度か会った事もあり、ある程度の人物像はわかっているつもりである。

 

「あなたが出て来なければいいだけじゃないの?武器商人なんてそれこそ星の数ほどいるんだし。ドカンと大きく動こうとするから目立つのよ。多くの者が小さく動けば目立たないかもね?」

 私は武器の流し方について、ドフラミンゴに話して聞かせた。裏取引だからと大きく動いているようだけど、それだと目を着けられたらあっさり止められちゃうのよね?

 正規のルートで、小さく動く分には目を付けられようもないし、見つかったところで止められはしない。時間をかければかけるだけリスクも下がるし目立ちにくい。

 

 それに、我が社には運搬貝(キャリー・ダイアル)(※廉価版の収納貝の呼び名)がある。それを使えば、大量のモノを少量に見せかけて運ぶことも可能だ。

 

「運ぶのをF-RONP(ウチ)に任せてくれれば、リスクはもっと下がるわよ?」

「…おめェ…さては裏でも動いてやがるな?」

「はて?何のことやら…。」

 2人は顔を見合わせてニヤリと笑う。どちらも悪人顔である。

 

「顧客が求めるモノは多岐にわたるからね。要望には出来るだけ答えてはいるつもりよ?求めるモノが武器であっても目的が『人を殺す』事でなければ、なるべくね?」

 さすがに殺戮兵器的なモノには手を出していませんけど、銃や剣。大砲くらいなら普通に扱ってますよ?もちろんモノについては厳選してるし、生産しているモノもある。

 今回は、モノを運ぶ事を提案してみたというだけの事。もちろんそれなりの料金を頂きますが?

 

「おめェは、アラバスタの姫君と友人だと聞いてるが?」

「あら、これはアラバスタが関係してるの?私はバロックワークスへの物流を担当するって話をしてるだけよ?」

 

「白々しい…」

「それに、バロックワークスがどうなろうと、あなたはどうでもいいんでしょ?なら、お互い損はないはずだし、私個人としても何の問題もないわ!」

 

 ー !!? ー

 

「フッフッフッフ…そういう事か。おっかねェなぁ…おめェは敵に回したくねェな!」

「それこそお互い様じゃない?」

 そこに居合わせた双方の秘書は頬を引きつらせているというのに、ドフラミンゴとユナは微笑み合っていた。(ちなみにドフラの秘書はモネである。)

 

「ところであなたは何か聞いてない?クロコダイルの動きが数年前とはだいぶ変わった気がするんだけど?」

「あいつの何が変わったって?」

「あなたの2番煎じになるのがイヤで、計画を変更した感じを受けるのよねェ…」

 ユナの言葉を聞いて、ドフラミンゴは考える。

 

「……確かに、数年前から動きが活発になった気はするが、おれは準備が整ったからだと思ってた。なるほどなァ…2番煎じはイヤだってか?だが、確かに…言われてみればそうかもな。しかしおめェ…その情報は政府も知ってるのか?」

「知るわけないでしょう?そしたらクロコダイルは称号剥奪されるでしょうよ!」

「そうだな…泳がせたところで大物が釣れるわけも無し…。まだ気づいてねェか…。そう言われてみりゃ政府にバレそうな動きをしてる。つまりバレても大丈夫な何かを見つけた……か?」

「なぁんだ、あなたなら知ってるかと思ってたのに…、あてが外れたみたいね。別ルートで情報収集しないと…」

「友人思いも大概にしておいた方がいいぞ?おれはおめェを気に入ってるが、危険視してるヤツも居る。あまり動くと襲われねぇとも限らねェぞ?」

「心配してくれるの?ありがとうね! でも大丈夫!!一応修羅場の数はそれなりにこなしてるから!!」

 場数で言えばまだ、元の世界のほうが多いけどね?

 

「今後も取引をさせてもらいてェもんだな。表も裏も…」

「こちらこそ、よろしくお願いするわ!!」

 

 ― これが数年前の事… ―

 

 

 そして最近、ビビと麦わら一味が合流した事を知ったユナは、ドフラミンゴにアラバスタの件は、もう問題無いと電伝虫で伝えたのだった。

 

『…そりゃ、楽しみだァ!!おれも高見の見物とシャレ込むとするさ!!』

 

 その後、ドフラミンゴは、麦わらの一味にちょっかいを出そうとするが、彼らのルートが安定しない為、なかなか手を出せずに過ごす事になる。

 そして、頂上戦争の時、ようやく出会えたルフィとイオリに歓喜する事になるのです。

 

 

 

 

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