すこし時間をさかのぼる。
ボンちゃんと遭遇した次の日(2月27日)、私とナミは話し合って、ビビに国王軍から30万人が反乱軍に寝返ったという新聞を見せた。到着する前に知っていた方がいいだろうという判断だけど、ビビは酷くショックを受けていた。
その新聞は1週間ほど前のもの…
それまでは、国王軍60万、反乱軍40万の鎮圧戦だったのが、国王軍30万、反乱軍70万となり、形勢が一気に逆転した状態だ。
反乱軍は分散しており、今すぐにひっくり返るという事でもない。けれど、暴動が本格化する事は間違い無く、ビビに残された時間は少なかった。
3月1日の昼食後の事。女部屋ではビビが手紙を書いていた。
さすがに、手紙を覗き込むなんて事はしない。私はビビの視界に入るように座り、ビビが気づいたところで、首を傾げて見せる。
「アラバスタに着いたら、ちょっとカルーに仕事を頼もうかと思って……」
そう言ってビビは、はにかんだ。
「それ、私も便乗させてもらっていい? コブラ王に手紙を書くんでしょ?」
「え?」
私の発言に、ビビはとても驚ていた。
「どうして解ったの?」
原作知識です…とは言わない。それに、そんなものが無くても予測は出来る。
「国盗りなんて
しかも相手が相手だし…
「いろいろ考えてたんだけど、コブラ王に頼みたい事があるのよね。」
「頼みたいこと?」
私の頼みを、ビビはどうやら受け入れてくれるみたい。でも、その内容は知りたいらしい。
それは当然だと思うけど、それはちょっと…と言う感じ。でも正直に言うのも気が引けるので、今はまだ言えないという事にしておこうかな?。
私は少し苦笑した。
「別に、大したことじゃないの。ちょっと貸して欲しいモノもあってね。それが何なのかは、まだ言いたくないんだけど…。貸してもらえたとしても上手くいくかどうかもわからないし。ただ、うまくいかなくてもマイナスにはならないから安心して。」
まぁ、貸してもらえたら確実にうまく行くように使わせてもらいますけどね? 貸してもらえなかったなら、F-RONPの設備で代用する方法を考えている。規模は小さくなるけど、主要な場所には施設を設置してあるから、それでなんとかなるだろう。
「ビビの手紙と一緒に、私が書いた分も同封して欲しいのよ。可能であれば、ビビの手紙の方でもそれに協力してくれるように一言添えてくれたらうれしいな?」
私は顔の前で両手を合わせて拝む。俗に言う『お願い』ポーズを取って見た。
「何を貸してもらうのか言いたくないって言ったけど、いったい何をするつもりなの?」
「そうねぇ…。うまくやれる事が
貸してもらっても、うまくやれるかはやってみないと確認できない。なので、事が終わってから教えてあげると言ってます。でも、この言い方だと、事前に教えてもらえると思うだろうね。あえてそういう言い方をしたんだから。
「じゃあ、質問を変えるわ。どうしてそれをしようと思ったの?それくらいは教えてくれない?」
どうして…か。 ふむ… なんて言おうかしら?
「私は、ルフィとは長い付き合いなのよ」
「え? えぇ、そうでしょうね」
急に話が飛んだからか、ビビは困惑気味だ。姉弟なんだし、と小さく呟いてる。
「だから、あの子の考えそうなことは大体解る。ビビは、反乱軍を説得したいのよね?」
改めて確認すると、ビビはコクリと頷いた。
「それが成功するにしろ、しないにしろ、どっちに転んでもルフィのその次の行動は予測できる。だから、そうなった時に『ソレ』があれば役に立つ。 ビビ、私はね…、クロコダイルに一泡吹かせてやりたいの!!」
「!!?」
ビビは困惑というか怪訝そうな顔をした。私が何を言っているのかわからないからだろう。
「だって頭くるじゃない? 仲間としてはもちろん、友達としても、ものすっごく!ぶん殴ってやりたいくらいにね! でも、それはルフィがやりたいみたいだから我慢するの。」
「それで…『ソレ』があれば、クロコダイルに一泡吹かせられるの?」
「うまくいけばね!」
「もしも、貸してもらえなかったら?」
「別の手立ても考えてるわ。規模は小さくなるけど、それなりの効果が出せるようにはね。」
「……」
「どうかしら?お願いできると嬉しいんだけど…」
『ソレ』が何なのか? 何をしようとしてるのかも具体的には教えない。そんなお願いに首を縦に振るなんて事は普通はしない。仲間や友達でなければ、即座に断られているだろう。
私とビビは、しばしの間見つあった。やがてビビは、1つ溜息を吐くと微苦笑を浮かべた。
「……解ったわ。イオリさんは仲間だし、ユナは友達だものね。うまくいくかは分からなくても、私もクロコダイルに一泡吹かせてやりたいもの!!」
了承の言葉に、私も少しホッとした。
でも、これで終わりじゃないのよね。頼んだところで貸してもらえない可能性もあるんだし。
その場合の準備は進めておいてもらうとして、その他の、手順もちゃんと考えておかないと…
既に私は手紙を用意してあったので、封筒に入れたそれを、ビビに渡した。
コブラ王には前にも手紙を書いたことがある。文言とか筆跡とかでバレるのもイヤだったので左手で書いて、書き方も工夫した。ちょっと字が汚いのは仕方ないかな…
手紙には、貸してもらう『ソレ』の事以外にも、お願い事を書いて置いた。最悪でもビビには教えてほしいな。
~ ~ ~ ~ ~
エースと別れた後、カルーを送り出し、船はナノハナを後にしてエルマルへと向かっていた。エルマルを経て、ユバへと向かうのだ。
「そして、”ユバ”には反乱軍のリーダーがいるってわけか」
「そいつをブッ飛ばしたらいいんだな!?」
「バカ言ってんじゃないよ!!」
ルフィがとんでもない事を言うので止めました。ビビもビックリしてるわよ?
「反乱軍は、別にクロコダイルの味方じゃないわ!むしろ被害者なんだからね!!」
「そうよ。彼らは私が説得するの!もう二度と、血を流してほしくないから!」
「反乱軍は”70万人”いるんだろ?止まるか?」
原作通りにゾロが言う。
「止まるか…ですって? ユバに行くまでに全てわかるわ!クロコダイルがこの国に一体何をしたのか…!!アラバスタの国民が一体どんな目にあっているのか!!」
乾いた笑いを浮かべてビビが言う。どうやら組織に居ながらも、アラバスタの状況についてもある程度情報収集はしていたらしい。それだけでも目を着けられる危険があっただろうに…
ルフィ達は知らない事だからゾロの発言はしかたのない事なんだけど、それが分かっていてもなお、ビビは少しイラっとしたらしい。
「止めるわよ!!こんな無意味な暴動…!!!もう、この国をあいつらの好きにはさせない!!!」
私はビビの隣に立って、その肩を強く抱いた。
「私たちも出来る限り協力するから!」
「……」
「…わるかった…。」
不用意な発言だったと察したのか、ゾロが謝った。
「よし!わかったビビ!行こう!!」
ルフィが気合を入れた声を張り上げる。ユバをウパとか言ってたけど…
(ビビが訂正してました。)
サンドラ河を上り、エルマル近くの岸に船をつけると、とある動物と遭遇した。
「上陸したけりゃおれ達を倒して行け、だって」
チョッパーが通訳してくれたその動物は、ご存知、クンフージュゴンだ。
調子に乗ったウソップが向かって行って返り討ちにされていた。
まぁ、見た目がかわいいから甘く見たんだろう。
「よっしゃー!!」
あ、ルフィが勝ってやんの。
「勝ってもダメ!」
ルフィの勝利を目にして、ビビが悲鳴を上げていた。
「勝負に負けたら弟子入りするのがクンフージュゴンの掟なの!!」
いやいや、そんなん知らんがな…
負けたクンフージュゴンはキラッキラした眼差しをルフィに向けていた。ルフィが動物に懐かれるなんて、初めての事じゃない?
「なにげにかわいいかもね?」
「「確かに…」」
ちょっとだけ、女3人で話していると、
「「「クオッ!!」」」
「違う! 構えはこうだ!!」
ルフィは弟子を増やしていた。
その後結局、クンフージュゴンは連れて行けないとのことで置いて行くことになった。
涙ながらにハンカチを振る彼らを背に、先を行く。
「あんたのせいで余計な時間使っちゃったわ」
ナミがぶつくさ言ってるけど、それは仕方のない事だ。
ルフィが弟子にしたクンフージュゴンたちはチョッパーが説得した。尚、原作のように食料を渡して買収なんて事はしていない。チョッパーは、ルフィの師匠が私だと話をしたと言っていた。クンフージュゴンたちの私を見る目がなんとなく、引き攣っていたのは何だろうね?
ちなみにエルはミニ化して、私の肩の上に乗っている。今回は留守番ではなく連れて来た。
エルマルにはすぐ着いた。下船して徒歩で数分の距離である。
ビビは、この町を見ればバロックワークスがこの国にどんなことをしてきたのかが解ると言う。
「何も無ェな、ここは!」
砂に埋もれた町に足を踏み入れ、ルフィの第一声がそれだった。見た感じからして、そうとしか言いようがないしね。
人の気配はしないので、ここには誰も住んいないようだ。建物は崩れかけており、まさに廃墟という感じ…
「つい最近までここは、緑の町と呼ばれる活気ある町だったのよ」
「…」
数年前のここを見た事が無い人は、ビビの言葉が信じられないだろう。私も言葉を失った。4年前は確かにここは緑の町だった。
雨が降らないからって、数年でここまで変わるか?まさか…砂嵐だけでなく、乾燥させた?
「ここが……ねェ」
ゾロがかろうじて立っていた木を蹴るが、水分が全く無いせいだろう。そう力を入れたようには見えないのに、簡単にボロッと崩れた。
ビビの話では、元々雨の少ない土地だけれど、まれに降る雨を確実に蓄えることで何とか人々の生活は回っていたらしい。
「けれどこの3年、この国のあらゆる場所で1滴の雨も降らなくなってしまった」
3年前というと、私やルフィからしてみれば、丁度エースが出航した頃だ。
行われなかったビビの立志式の時にアルバーナに行った時は、雨や反乱の事よりもビビが居なくなった事で大騒ぎしてたから気にしてなかった。
「だがよ、雨が降らねェとは言っても、すぐそこにさっき渡ってきた河があるじゃねェか」
「そうだぜ、あの河から水は引けなかったのか?」
ゾロとウソップが一見最もな意見を述べるけれど、今ここに広がっている光景がその答えだろう。
「それは無理ね。」
ポツリと呟くと、どういうことだ的な視線に晒される。ただ1人、ビビの視線は違う意味を持っていたけれど。
「解るの?」
何だろう、凄く悲しそうだ。
「普通、河にジュゴンはいない。あれは真水じゃなくて、海水なんでしょう?」
潮の匂いも少ししたしね。
「えぇ、そうよ。太古の昔からこの国をずっと潤してきたサンドラ河も、近年ではかつての勢いを失って下流に海の浸食を受けているの」
ビビが言うけど、それもおかしな話なんだよね?
だってアルバーナに国中の雨が降っているのなら、サンドラ河の水量が減るなんて事は本来ならばあり得ない。つまり、そこにもヤツが絡んでいるとみるべきだ。
「まぁ水には違いないから、蒸留でもすれば使えないことはないんだろうけど」
クルリと視線を巡らせる。今は廃墟とはいえ、エルマルのかつての街並みの名残は多少ある。
「これだけの規模の町の産業・生活用水を確保しようと思ったら、難しいわね。近年ではかつての勢いを失って…ってことは、昔はあの河も利用してたんだろうから、当時は運河でも作ってたんだろうと思う。本当にいざとなればそれが利用できたのかもしれないけど、”敵”にしてみればそんな逃げ道を残す理由なんて無い。」
「怖ェこと言うな、お前は」
ウソップが若干引いてるけど、当然でしょう?
「だって、私がクロコダイルの立場なら真っ先に潰すわよ。運河を潰す労力に比べて効果は絶大なんだもの。砂漠で水が確保できない事は致命的だからね。戦略的、戦術的に考えれば何もおかしい事じゃないでしょう?」
「……なるほど、外道は外道を知るんだな」
「…あのねェ…」
何でそんな言われ方せにゃならん? 私は、戦略・戦術の話をしてるんですけど?
お前、前から私の事を外道外道って言ってるけど、なんなのさ? しかも、何でみんな納得顔なわけ!?
ルフィまで! 私、そんなに外道っすか!?
視線を移すと、ビビが頷いていた。
「ええ。確かにあったわ、運河は。…イオリさんの言う通り、何者かに破壊されてしまったけれど」
いやだから、何者かもなにも、クロコダイルの手の者に決まってるって…
ビビの話は続く。
雨が全く降らないというのは、砂漠の国アラバスタでも過去数千年無かった大事件だったらしい。
しかし、そんな中でただ一カ所だけいつもよりも多くの雨が降っていたのが首都・アルバーナ。
「人々はそれを王の奇跡だと呼んだわ。あの日、事件が起きるまでは」
事件とは勿論、ダンスパウダーの発覚である。
「ダンスパウダー!?」
当然の事のように。航海士のナミはダンスパウダーのことを知っていた。
「何だ? 知ってんのか?」
ルフィがこういった疑問を投げかけるのはいつものことだけど、今回は別にルフィが無知というわけではないと思う。雨…というか水に困ったことがない者なら、興味も無いだろうし、既に製造すら禁止されているから、出回っても居ない。
「えぇ。別名は、『雨を呼ぶ粉』」
「雨を呼ぶ?」
ダンスパウダーの仕組みについてはナミが説明してくれたけど、長くなるので割愛する。
原理にそこまでこだわる必要も無いし。
「なるほど、不思議粉のことか!」
取りあえず、雨を降らせる粉だってことだけわかればいいと思う。
「そんな粉があるならこの国には打ってつけじゃねェか」
ウソップのこの疑問も、知らなければまた当然だろう。
「それは無理。ダンスパウダーは製造も所持も、勿論使用だって、世界政府によって禁止されているから」
言うと、何故かナミに睨まれた。
「あんたね、知ってるなら言いなさいよ。私にばっかり説明させてないで」
「ナミは説明が上手だから、私が言うよりみんなに伝わるもの」
「えっ…そんな…事もあるかな?」
何を照れてる?
私は真顔に戻って話を続ける。
「アラバスタは加盟国だし私が言うのも何だけど、私は世界政府なんて大っ嫌いよ。世界政府というか世界政府がこれまで行って来た事がね。それでも中には、良い判断だと認めざるを得ない事柄もいくつかある。ダンスパウダーの禁止はその中の一つね」
私の口調は言い捨てる……というよりむしろ、吐き捨てるってのに近いと思う。
ゾロですら苦笑する(だよね、アレ。多分)ぐらいに。
「随分と辛辣だな」
だって嫌いなんだもん、世界政府。ゴア王国がその縮図と考えていいらしいし…
あの火事の時の高町の様子を思い出せば、嫌うなって方が無理。それにそもそも、天竜人を頂点に置いてるって時点で、もうね…
※自分の事は棚上げしてます。
「ま、まァとにかく……何で禁止されてんだ、そのダンスパウダーってのは」
ウソップが、逸れていた話の筋を戻す。
「簡単な話よ。無から有は生まれないって事!」
「はァ?」
あら…。端的すぎた? ナミが説明を補足してくれた。
「ダンスパウダーには、思わぬ落とし穴があったのよ」
それは隣国の”
あくまでも呼ぶだけ。でも、呼んだ後に『ありがとうございました、さようなら』と返すことは出来ない。降った雨はもとには戻す事は出来ないのだ。
「そうか、放っときゃ隣の国に自然に降るはずだった雨も奪っちまったってわけか」
それで戦争が起こり、その原因たるダンスパウダーは事態を重く受け止めた世界政府によって禁止された、というわけだ。話の流れにウソップ含め、みんなが納得してる……ただ1人を除いて。
「ルフィ……付いて来てる?」
一人だけ、きょとんとしてるルフィに問いかけると、答えはすぐさま返ってきた。
「不思議粉はダメってことだろ?」
「……思ったより解ってくれてて良かったわ」
まぁ別に、クロコダイルをぶっ飛ばすのに、その辺の細かい事情を理解する必要は無い。
話をアラバスタの件に戻すと、ダンスパウダーが見付かったことで国民は『王が雨を奪った』と怒った。そりゃそうだ。王を疑ってくださいと言わんばかりの状況だものね。
「何だビビ、そりゃお前の父ちゃんが悪ィぞ!」
「あんたは何のためにこの国に来たのよ!」
ツッコませていただきました。拳と共に。クロコダイルがアラバスタを乗っ取ろうとしてるって話なのに、何を言っとんじゃ!? ちなみに覇気は使ってないので、あまり堪えていないけど。
「嵌められたんだよ、ビビちゃんのお父様がそんなことをするか!」
サンジもルフィを蹴ってるし……。これは止めない。あいつは蹴られた方がいいと思う。
どうせゴムだからダメージは無いんだし。
ビビ曰く、コブラ王には全く身に覚えのない事件。だが、同時に宮殿でも大量のダンスパウダーが見付かったらしい。
「宮殿で、大量に……ねェ」
少量ならともかく、大量にとなると、誰かが買収されてるか、工作員が入り込んでるか。
原作知識から言わせてもらうと、国王軍、反乱軍の両方にかなりの工作員が入り込んでた。
何にせよ、宮殿内だからと気を抜いていい状態じゃないわけだ。
「宮殿の中にも手が回ってたのか」
それは誰もが思い至ったらしく、ゾロが呟いていた。
ダンスパウダーの1件以来、王の信頼は日に日に崩れ、やがて戦いが始まってしまったのだと言う。
エルマルの人々は水を求めて他のオアシスに移り、緑の町は枯れた。
ビビが一通りの経過を話し終え、場には沈黙が落ちた。
ビビは、無造作に置かれたような骸骨のしゃれこうべを持ち上げ、正直な心情を吐露していた。この国や国民に対する想い、そしてクロコダイルへの恨みをだ。
「私は、あの男を許さない!!」
ビビのその言葉と同時に、少し離れた所にある建物が崩れ落ちた。
犯人はこの場にいないルフィ、サンジだろう。ウソップも居ないから何かやったのかしら?
それにしても、何とも豪快なストレス発散方法だこと…。
「ガキか」
ゾロが半ば呆れている傍ら、私は一人、墓穴を掘っていた。ビビの持つあの骸骨さんの。
掘りながら、クロコダイルにしてやりたい事をいろいろ想像していた。ぶっちゃけクロコダイルは私が
こんな事をするヤツは、じっくりタップリ苦しんでもらわなきゃね。絶対殺してなるものか!
ルフィ達が戻ってきたころ、丁度こっちの埋葬も終わった。
最後に墓標代わりの枝を1本立てて、私たちはエルマルを後にする。
目的地はユバ、目的は反乱軍の説得。
私は知っている。ユバに反乱軍がいないということを。それを知っていて言わずにいるからこそ、ビビの願いが甘いと感じつつも叶えたいと思うんだ。
けどその前に、これから砂漠越えか……大変だけど、物資は豊富にあるし。何とかなるかな。
~*~ 言い訳という名のQ&A集① ~*~
Q:ビビがコブラ王へ手紙を送ったけど、連絡手段がなぜ手紙?
A:①コブラ王の電伝虫番号を知らない。
調査して、繋げる事は可能でも、そのあといろいろ大変じゃん?
②電伝虫だと、頼み事がビビに聞かれてしまう。
イオリは、ビビが腹芸無理だと思ってます。
Q:ユナはユバの現状を知らない?
A:アラバスタにもF-RONPの支社や店舗は存在します。
アルバーナ、ナノハハ、カトレア、レインベースには支社と店舗を、ユバには店舗をおいていた。 ユバについては2年前、砂嵐の発生頻度が異常値を示した為、一旦店舗を閉鎖して撤退。異常気象(とF-RONPの社員たちには伝えている)が治まったら、再開を検討する事になっている。
なので、ユナはユバの現状を知りません。
※原作知識では知ってますけどね…
Q:F-RONPには物流があると思いますが、なぜアラバスタに物流拠点を置かなかった?
A:アルバーナに物流拠点を置いていたなら、そこから各地に水を届ける事も出来たかも知れない。ただし、それは自然災害であった場合の話。
ユナは、情報収集の結果、ここ数年のアラバスタ王国の降雨量の激変は、自然災害などではなく、テロのようなものであると結論付けた。
犯罪組織のようなものが裏に居る可能性があるならば、物流拠点を置く事は出来ない。
標的にされるのが目に見えているから…。
それは、社員の安全を考えた結果の会社としての判断である。
※社員には『デリバリー・クー』も含まれる。