これは、アラバスタ編が始まってすぐの頃の話…
いつものようにリリスから、いいモノが出来たとユナに連絡が入った。
「こんな薄い膜で、これだけの衝撃を吸収するなんて…」
すごい発明じゃないさ!
その膜は、透けて見える程に薄いのに、生卵を10mほどの高さから落としても衝撃を吸収して割れないという代物だった。伸縮性もあり、普通の人がバットで殴っても破れないほどに強度もある。
(私が殴ったら破れてしまってすごく怒られましたけど…)
「すごいじゃない!さすがはリリスね。見直しちゃった。」
「もっと褒めてくれていいぞ? まぁそれはワシではなくエジソンのアイデアじゃがな。」
今日は呼び出されたけど、タクシー代わりに使われることもなく、発明したモノを見せてもらい、意見がほしいと言われていた。
「以前、空島に連れて行ってもらった時に、島雲を回収したじゃろ?あれからヒントを得たらしい。」
「って事は、もしかして…衝撃だけじゃなくて…」
「今見せたそれは衝撃吸収素材じゃが、それとは別に銃弾すら防げる素材もある。角質の粒子は知っておるじゃろ?あれを使っているそうじゃ。政府関係者の仕事着はそれで作っておるわけじゃな。わしらが着ている服も表面素材はそれを使っておるからちょっとやそっとじゃ破れんぞ!って、こらこら、殴ろうとするんじゃない!お前がやったら服は無事でもワシが死んでしまうじゃろが!!」
「なるほどねェ…」
カノンからも話を聞いている。なんでも、訓練に来る子達の服が丈夫な素材になったようで、服がボロボロになる事はなくなったらしい。ただ、衝撃を吸収するわけではないらしく、服が破れなくなっただけ…という残念な結果みたいだけど?
こいつら、一つ一つの発明はすごいんだけど、応用っていうか組み合わせとかって考えないんか?
「その2つの素材は是非とも
「例えばどんな風に使うんじゃ?」
「衝撃吸収素材は、床材とかにしたら、食器とかを落としても割れない床が造れるかも知れないわ。子供が転んでもケガをしない様にも出来るかもしれないし、それこそ、転んじゃいけない人、たとえば妊婦さんとかお年寄りとかがいるところにカーペット素材として使うとか…床関係だけでもかなりの用途があると思うし、性能が良い事が解ってもらえれば、かなりの需要が見込めると思うわ!」
「ほうほう……」
リリスが メモを取りながら私の話を聞いている。
「強度の高い素材は、建物の強化とかにも使えないかしら?たとえば橋の橋脚とかを巻くようにして固定すれば、それだけで強度が増すんじゃない?古い建物とかに使えば、立て直しをするよりいいかもしれないし…」
「なるほどのう…ユナ嬢のアイデアは、いつもながらすばらしいな。この前の、クローンについての事なんぞ、他の猫も驚いておったからの?」
あ~、あれね。私は逆の意味で驚いたけど?
何でいろんな人のクローンを何体も作っているのかと思って聞いてみれば、返って来た答えはとんでもないものだった。
なんと臓器移植のためですと…!!?
ぶっちゃけ、ジェルマがまともに思えたわよ。あっちは替えがいくらでも補充できる兵士とはいえ、人として生活できているんだから…。
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「なるほどのう…人間ではなく臓器だけを培養すればいいんじゃな?気づかんかった!」
バカなのかな?
よくよく聞くと、人間のクローンを作ろうとすると、1体3億かかるらしい。ジェルマのように大量生産しているわけでもなければ効率が悪いだろうし、そりゃお金もかかるでしょうよ。臓器だけなら部位にもよるが、心臓でも数千万で出来るとの事。
「そもそも、患者本人の遺伝子を採取して使えば、適合率とか気にしなくても済むんじゃないの?」
髪の毛からでも出来ると言うなら、何も問題ないんじゃんね?
「お前、天才か!!?」
いやいや、アンタらの視野が狭すぎんだよ!
その後、予算も手間も時間さえもが格段に下がったと大喜びされたけど…
こいつらほんとにバカじゃんね?
頭がいいのか悪いのかよくわからん。
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で、話を戻すと、その2つの素材を貰って、試作の服を作ってもらいました。
強度の高い素材で
とりあえず、薄手のトレーナーのような服にしてみました。どちらの素材も伸縮性があるので、着心地もなかなかよさげである。
試作は5着つくり、3着をイオリに送らせてもらった。2着は私とカノンで使ってみる事にした。
一応、リリスに言った事も、ちゃんと事業計画に入れましたよ?
けっこう売れるんじゃないかな?