イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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 幼少期の11話が1年半にわたる話だったので、
 12話からの数話はその間の出来事になっています。



01-13話:起業しました

 起業しました。はい。

 もともと起業する事は計画していたの。ベガパンクとコネクションを持って(準備中)、いろいろな便利グッズで人々の生活をより良いものへ…という感じで頑張ろうと思ってたんだけどね?

 

 剣術修行にいったイオリ②から連絡があって、試作品を作る事になった。でもこれは、起業と繋がるはずではなかった事なのよ。まさに不測の事態ってやつ?

 

 

 ある日の事。くいながなにか憂鬱そうにしてたので聞いてみたんだけど、大人になったんだ。とか言われた。

 ん?、あぁ!!そういうこと?

 それの何が憂鬱なんだろうと思い、詳しく聞いたらいろいろと面倒くさいとの事。

 

「なんで!女の子ばかりこんな思いしなきゃならないの!」

 とか文句のような事を言われてしまった。いや、私に言われても困るんだけど?

 

 でも分からなくも無い。この時点で言われてたかどうかは知らないけれど、父親に『女は剣で世界一にはなれない』とか言われちゃうんだもんね?まぁ、それはそれとして、私自身にも関わる事だから一応タブレットで調べてみたんだけど、ビックリしたわ。

 この世界の女性用品のなんとショボい事!!なんて言ったらいいのかよくわかんないけれど。要するに世の中が男社会なんだろうと思うわけですよ。考えてみれば、この世界の組織というか集団のお偉いさんはほとんどが男性だ。女性は極端に少ないと言っていい。なんとな~く?ですけど、この世界も?一般的には女性の立場が弱いような気がする。

 マジですか。こっちも(・・・・)かぁ~。

 

 もちろん、女性用の日用品もひと通り揃ってはいる。けれど貴族や天竜人が使うような高級品を見ても、素材が良いというだけで機能的には大差ない感じだった。考える人が居ないというわけではもちろんないと思うけど、機能性を上げた優れた女性用品を作らせてもらえない。というのが実情なんじゃないかと思う。

 聞こえてくるわけですよ。『そんなものつくってなんになる?』的な言葉が。想像するだけでムカついちゃうよね?

 

 それならば、自分が使うようになる前に自分で作ってしまえばいいんじゃね?と思ったわけですはい。別に売るという事ではなく、自分達?が使うものを作るという、とても軽~い気持ちで始めた事だった。

 

 素材はコットン。天然の物を探した。直接肌に触れるものだから素材には拘らないといけない。ここで活躍したのもタブレット。構造は、元の世界の物を調べて作ってみた。

 試作品はすぐに完成。試しにくいなに使ってもらった。すごくいい感じって言われたんだけど、改善点はいっぱいありそうだ。そして、半年近くかけて改良した。もちろん全部自然素材で。捨てたら自然に還る的な?

 この世界に生まれたからにはちゃんと環境にも配慮しないとね?

 

 くいな一人だと意見も偏るだろうし、毎日使うものじゃないから改善を進めるために、他にも何人かの女性達にお願いして使ってもらった。要するにモニターさんです。逆に喜ばれたけどね。

 そうそう、この世界にも特許制度があった。女性用品という事もあってか、競う相手も無く簡単に特許は取れた。流出して金儲けに使われたら嫌だから取っておくに越したことはないよね?

 でも、やっぱり誰もつくってなかった。もしかして考える事すらさせてもらってないのかもしれない。

 

 実はこれ、すごく深刻な問題なのかもしれない…。真剣に取り組まなくてはならないかも…と、ちょっと本気で考えている。私一人でどうにか出来る問題でもなさそうな気もするけれど。

 

 最初は自分で使うつもりで作ったんだけど、材料の収集も大変になってきたこともあって、改良している段階でコットン栽培もはじめた。そしたら、もらってばかりじゃ悪いからって言って、モニターさん達が手伝ってくれるようになったんだけど、なんだか逆に申し訳ない気がしてね?それならばいっそのこと、コットン栽培を仕事にしちゃえばいいんじゃね?って思って起業に至ったと云うわけです。

 

 紆余曲折あって、企業するのに半年かかったけど、『女性用品の製造・販売』の会社を作りました。ちなみに企業登録する際には変装しました。変装と言っても、髪の色を変えただけですけどね?

 

 たぶんイオリは海賊として認識されてしまうだろうから、その後に会社が潰されないようにするためです。ルフィ懐柔の為に顔を変えていた事がここにきて生きてきたって感じ。

 カツラは黒髪のロング。代表者の名前はユナにした。

 目的は、コットン栽培を手伝ってくれる人に給料を払う事。1日数時間だからパートみたいな感じ?

 働いてくれてる人に賃金を払える程度に利益が上がればいいんだから、経営は楽なもんだと思ってたんだけど…。

 いやぁ、甘かったわ。ダメです。こんなにも不便や不満を持ってた人が多かったなんて思いませんでした。いつの間にか口コミで広がって、注文が殺到しました。でも無理です。そんなにいっぱい、急には作れません。ゴメンナサイ。嬉しい悲鳴ではなく、ほんとの悲鳴を上げる結果になってしまいましたとさ。

 

 そんな折、いくつかの企業から声がかかった。やっぱり特許取っておいてよかったわ。勝手に作れないから、私の所に協業を申し入れに来たって事。要するに、儲け話に群がって来たわけさ。もちろん大量生産したいから、ご協力頂きました。10社くらい来たけど最終的に1社にお願いする事にした。その際、考えてることはきちんと見させてもらいましたよ?

 見聞色だけだと不安なので、透視も使いました。だって嫌じゃない?金儲け”だけ”考えてる人って。女性の為にって思ってはじめた事が逆の結果になったらそれこそ嫌だ!!

 

 製品の説明する際に環境に配慮してる旨を説明したら、あからさまにそんなことしたら利益減るだろ!とか思ってる連中が居た。そいつらはその時点で排除。半数脱落。

 

 続いて、幹部の方々にお越しいただいて、男性優位の考え方を持ってる会社を除外。これは簡単だった。だって、私の事を見た途端に態度が変わるんだもん。気分的にもムカついたし、中身を見てれば『男性優位』『女性軽視』『女性蔑視』の考えが満載。中にはロリコンなヤツも居てさ……うわっ! って感じで…マジで引いた。3社脱落・・・

 

 そして残った2社から資材が豊富に確保出来る方を選ばせてもらった。なんか社長が優しそうなお爺ちゃんでした。(ガープより年上な感じ。)孫か曾孫を見るような感じで対応いただきました。中身は同じくらいなんだけどね?

 ずいぶんと若いのに、しっかりとした考えを持ってるとか言われて、ちょっと照れちゃった。

 

 もちろん相手もボランティアじゃないから、利益は求めてる。こっちは日用品だからそんなに高価にはしたくない。妥協点を見出して、きちんと契約した。

 相手の会社は元々は農業から大きくなったらしく、農家さんを大切にしてるみたい。農業の傍らコットン栽培もしているらしく、(主に化粧用品として)そこから材料を確保するとのことだった。

 

 その後、起業前から計画していた下着、化粧水、化粧品、石鹸、洗剤(食器、衣類)、洋服、と事業の幅を広げた。1年も経つと、会社も大きくなってね。なんだか私みたいな小娘がここにいちゃいけないんじゃないかな?って思うようになって社長は優秀な人にお願いして、社長職から退きました。今は会長です。会社運営については年に何度か確認するつもり。確認は透視で。だから簡単確実。

 

 下着業界への参入はオーダーメイドから始めて、機械で量産するようにした。でもやっぱりオーダーメイドのほうが着心地が良いみたい。作るの面倒くさいから高額にしたんだけど貴族連中から注文が相次ぐようになっていた。

 

 ※オーダーメイドはユナだけで作ります。

  デザインから生地選定から全て。

  なので面倒くさいと言っています。

 

 会社の宣伝にもなるからって社長に言われたから、月2名分くらいのペースで作っていた。そしたら、なんと天竜人から注文が舞い込んで上層部がパニックに…!!

 

 どうやら貴族の誰かが自慢したらしく、それに食いついたみたいです。社長から直々に、『優先して作ってください。』って言われたんだけど…。

 

 オーダーメイドだから採寸が必要なんですよね~。貴族の場合は日程を決めて、販売店の本店に来てもらって私が採寸してたんだけど、天竜人は…ねぇ…。来るわけ無いじゃない?行くしか無いんですよよこれが…。

 

 社長とスタッフ数名とでシャボンディ諸島に出向いて、採寸して。翌月納品という流れ。という感じで作りました。けどそれがまた、すっごく評判になっちゃって、半年で6着作る羽目になりました。その都度おんなじ事繰り返して。でもねぇ…

 この際、自分の事は棚上げさせていただきますけども、そもそも私は天竜人が嫌いなんです!!世界政府も実は嫌い。だから改善しようとカノンが画策しているわけだけど、そんなにすぐには無理だしね。なので、ちょっと休業って事でオーダーストップさせていただきました。

 天竜人が貴族の注文を全てキャンセルさせてくれていたのは幸いだった。休む理由は、高品質のものだから作るのに神経が擦り減る。この1年半、立て続けに作った為に疲れてしまい、このままでは品質が落ちてしまうと思い至り、1年ほど休んで疲れを取って出直したい。としました。

 

 そうしたら、同じような物を作るという輩が現れた。私としては、我が社の量産下着が好調に売れているので、オーダーメイドを他社が請け負ってくれるなら願ったりかなったりだとか思ったのだけれども、天竜人が激怒しちゃったのですよこれが。何がって、全然違うんですと…。

 

 欲張ったのかなんなのかわからないけど、1ヶ月で20組とか作ってたみたいだから、恐らく複数人での分業で作っちゃったのではないかと思う。分業って普通なら効率いいけどね。

 確かに同じものを作り続けるなら品質は上がると思う。けどオーダーメイドは1個1個が違うモノ。同じ手順で作業として流したら品質は悪くなる可能性すらあるんですよ。

 

 けっこう大きな下着メーカーだったんだけど、潰されちゃいました。

 いや、マジで怖いんですけど?天竜人がらみの件は細心の注意を払わないといけない。そう役員会で決定がくだされました。

 

 結果として、我が社のオーダーメイドの評価がさらに高まってしまいましたとさ。まったく嬉しくないけどね!

 まぁ、時間がかかっても已む無しという事にもなったわけで、前向きに考えてよかったと思う事にする。それに、評判が上がったことによる効果もあった。

 

 裏事情なんだけど…。

 

 なんと、天竜人の間で牽制しあう状況が生まれているらしい。その下着を持ってることがある種のステータスになってるみたいで、みんながみんなほしがるもんだから『独り占めは許さない!』的な状況になってるんだとか。

 要するに、だ。私を拉致する計画があったらしいんだけど、それは潰れたみたい。

 

 よかった…。私を拉致するのは無理だと思うけど、拉致られそうになったらやらかしそうだもんね?原作シャボンディのルフィみたいに…。

 

 ぶん殴ってから、『(カノン)でした!!』はダメだと思う。

 最悪それで乗り切るしかないかもしれないけど、そんな事にならなくて本当によかったなと思うのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 ~ おまけ ~

 

閑話:名前をつけてみた

 

 タブレットが最近AIっぽくなってきたので、私はそれをAIタブレットと勝手に呼んでいた。

 そこで、AIタブレットに名をつけてみる事にした。

 

 だからと言って、進化したりとかはしないけどね?

 どちらかと言えば呆れられてしまった感じさえする…。

 

《AIタブレットを略して『エイタ』ってどう?あなたの呼称!》

”…”

 

《…嫌?》

”いえ別に…。構いませんよ?”

 

《じゃ、そういうことで。これからもよろしくね?エイタ!》

”はい。承知しました、カノン(・・・)様!!”

 

《…私は、イオリなんだけど?》

”はい。承知しました。イオリ様!”

 

《う、うん。よろしく》

 

 ちょっと懐かしい感じがしたのは、ヒミツ(・・・)

 

 

 

 

 

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