イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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04-137話:”空島”前夜

「おォ!!おやっさん!!体の具合はどうだ?」

「絶好調だ。黙って聞けお前ら。あいつらが好きか?」

 

「?」

「何でそんな事」

 

「どうしてもあいつら”空島”へ行きてェらしい…」

 腕組みをして、海を見ながらクリケットさんが、私たちの望みを2人に告げる。

 

「”空島”って…… 行くとしたら方法は一つ」

「あいつらだけじゃ即死だぜおやっさん………!!」

 

「だからだよ…おれ達が一丁……手ェ貸してやらねェか」

 

「よろしくお願いしま~す!!」

「「!!?」」

 私が声をかけると3人に酷く驚かれた。それは気にせず、ガイモンの島で手に入れた地図を3人に見せる。

 

「ここに書いてあるんだけど、やっぱり”突き上げる海流”っていうのに乗るの?」

「なんだこりゃ?きったねェ地図だなオイ。」

 

「…そうだ。それが唯一、”空島”に行く方法だ!!」

 私は、海賊王のクルーに知り合いが居る事を伝え、その人からロジャーと一緒に空島に行ったという話を聞いたと伝えた。

 

「「海賊王のクルーと知り合いだと!!?」」

 

「そうか…ロジャーは、”空島”に行ったのか。 …!!?

 クリケットさんの視線が地図の一点に集中したのがわかった。

 

 …これは!!…まさか!?

 

「おやっさん?」

 

「いや…なんでもねェ」

「「?」」

 

「サルベージを見学させてもらった時にいきなり夜になったじゃない? あの時、記録指針を見たら真上を指してたのよ。その時、およそ10Kmくらい上空に大勢の人の気配を感じたの!!」

「「!!?」」

 

「それが”空島”かどうかはわからないけどね?」

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 全員が庭に集められた。そしてクリケットさんが話をする。

 

「いいかおめェら。まず… ”空島”についておれの知ってた事を全て教えてやる。(まぁそっちの譲ちゃんのほうが詳しいかもしれねェが…)何もかもが不確かな事だが、信じるかどうかはおめェら次第だ。」

 

「うん、信じる」

「早ェよ」

 即答するルフィにウソップがツッコむ。相変わらずゾロは寝ている。

 

「この辺の海では時として真昼だってのに一部の海を突然”夜”が襲う奇妙な現象が起きる」

 

「あった!!おう!!あったぞそれ!!!なァ!!」

「おう!!夜が来て、ほんでその時、怪物が現れたんだ!」

 だから、それは影って言ったじゃないさ!おめェら話を聞かねェな!!

 

「巨人の事か。あいつらがどこからやって来るかって謂れもあるが、今はおいとけ。突然来る”夜”の正体。それは極度に積み上げられた雲の影だ。」

 

「積乱雲の事?雲がかかる程度でできる闇じゃなかったわよ」

 ナミが至極当然の事を言う。けどね?”偉大なる航路”に常識は通じない事はこれまでで嫌と言う程思い知らされたはず!!

 

「おっさんバカだなー。雲の多い日は『くもり』になるんだぞ」

「ああ『くもり』だぜ」

「『くもり』だ」

 ルフィ、ウソップ、チョッパーがナミの発言に乗っかる。

 

「黙って聞けィ!!! ”積帝雲”そう呼ばれる雲がある。空高く積み上げられるもその中には気流を生まず、雨に変わる事もない。そいつが上空に現れた時、日の光さえも遮断され、地上の『昼』は『夜』にもかわる。 一説には”積帝雲”は何千年何万年もの間、変わる事なく空を浮遊し続ける”雲の化石”だという。」

「………」

 

「積み上げても気流を生まない雲!?そんなバカな事…」

「あるわけがないと思うのも自由。おれば別に信じろと言ってるわけじゃねェ。」

 

「”不思議雲”って事か」

「そうなるな。未だ解明されねェ雲だ」

 解明されてはいるんだけどね?まぁ一般には公開されてないから、誰も知らないだろうけど…。

 

「ルフィすげェ!!!」

 

「いいか、”空島”がもし存在するというのならば、そこにしか可能性はねェ!」

 

「そうか!!よしわかった!!その雲の上に行こう。ゾロ起きろ!」

「お、朝か」

「……」

 ルフィ…おめェバカだろ?

 

「おい、みんな支度しろ!!雲舵いっぱいだ。おっさん教えてくれてありがとう!!」

「行き方がわかんないって何度言わすの!!?」

 案の定、ルフィとウソップがナミの逆鱗に触れボコボコにされた。

 そもそも、あの場所に空島があるって事は、この島に来る前に言ってたじゃんよ!

 行き方がわからないからココに聞きにきたのに何やってんだって話だよ!

 

「ここからが本題だ。言っておくが命を賭けろ」

「「もうヒン死」」

 うん。いい感じにナミが覇気を使えてるね。

 

「”突き上げる海流”この海流に乗れば空へ行ける。理屈の問題だ。わかるか?」

 

「……!!それって………船が吹き飛ばされちゃう海流なんでしょ?」

「そうか吹き飛べばいいんだ雲の上まで、ははは」

「海流で?」

 

「だけど、それじゃそのまま海にたたきつけられるって話を…モックタウンで……」

 

「普通はそうだな。大事なのはタイミング。まずは海流に突き上げられるって状況も口で言やあ簡単だが、おめェらがイメージする程さわやかな空の旅にはならねェ。”突き上げる海流”はいわば災害だ。本来、断固回避すべき対象なのさ。」

「…!!!」

 

「一体…どういう原理で海流が上へ上がるの?私達、今までそんなの聞いた事もなかったし…」

 

「そのバケモノ海流の原理ってのも、当然予測の域を出ない。そこに突っ込んでまで調べようってバカはいねェからな。定説はこうだ。海底のより深くに大空洞があり、そこに低温の海水が流れ込む。下からの地熱で生じた膨大な蒸気の圧力は海底での爆発を引き起こす。それは海を吹き飛ばし、空への”海流”をも生み出すほどの”大爆発”だ。」

「………!!」

 

「時間にして約1分間、海は空へ上昇し続ける。」

 

「1分間…海の水が立ち上るって、どういう規模の爆発!?」

 

「爆発の場所は毎回違い、頻度は月に5回」

 

「……コッパ微塵になれってのか?」

 そうよねェ…ロジャーが行ったのは『オーロ・ジャクソン号』…つまり宝樹アダムの船に乗っての事である。まぁ、ウソップはそんな事は知らんだろうけど、普通の船では不安があるのもうなづける。

 

「だがまァ…雄大な自然現象を言葉や理屈で言い表すなど愚かな事だ」

「じゃ…じゃあつまり!!月に5回しか生まれねェその海流の上空に、うまく…”空島”がやってこなきゃ」

 

「ああ、飛び損だな。そのまま何にひっかかる事もなく、海面に叩きつけられて全員海の藻屑だ。もっとも、”積帝雲”にうまく突っ込めた所で、そこに”空島”が存在しなきゃ結果は同じかも知れねェが…」

 

「………!!よ…よ~し!!”空島”を諦めよう!! ははは!!あ~残念だなルフィ! こりゃ無理だぜ! なにせおめェ、ラッキーの中のラッキーの中のラッキーの中のラッキーくらいのラッキー野郎じゃなきゃ行けねェって話だ。」

「大丈夫さ、行こう」

 ウソップが軽い感じで言ったからか、ルフィも真に受けずに軽く返している感じ…

 

「大丈夫ってお前また、そんな根拠のねェ事を軽々と…だいたいよ、今のG・M号を見ろよ!!」

 原作のようにボロボロではないけど、よく見ればところどころにつぎはぎが目に付く。でもまぁ、船本体には損傷は少ないけどね。一番深刻なのは既に竜骨に小さなヒビが入っている事だろうか?

 

「このままじゃ、その巨大な災害になんて立ち向かえねェよ!」

 

「確かにな!あの船じゃ…例え新品の状態でもムリだ…」

 だろうね…

 

「何ィ!!?」

「スピード…重量…強度…。あの船じゃ爆発と同時に粉砕して終わりだ。」

「……!!」

 

 強度的には爆発の瞬間に舟艇に武装硬化を施せばなんとかなると思うけど、ある程度重量が無いと初速が出ない。上昇気流に乗るにしても速度が無いと、最悪の場合メインマストが折れてしまう可能性がある。そうなれば失速して落ちるしかない。

 

「……でも…な!?だろ!?ムリだやっぱ」

 

「だが、その点は心配するな。マシラとショウジョウに進行の補助をさせる。もちろん事前に船の強化をした上でな」

 

「オーウ!!任せろおめェら!!!」

「よろしくなー!!」

 

 《《 余計なマネを……!! 》

 おや?ナミも行きたくなくなっていたのかな?

 

「あんたね、わかってんの!?」

「何だよ」

「そもそも…そうよ!!私達がこの島に滞在してられる時間はせいぜいあと一日よ。それを過ぎたらもう記録指針はこの次の島の方角を指し始めるわ」

「だよなー!!だよなー!!間にあわねェよ」

 

 はい、残念!!忘れてるんだろうけど”記録指針”はもう一つあるんですよ!

 同じように空島を指していたものがもう1つね!!

 そしてそれは今、収納貝の中にある。ぶっちゃけ原作と日数のズレが発生する可能性だって想定してたのよね。もっとも…ズレはなさそうだけどね?

 

「なァおっさん!!預言者じゃあるまいしわかりゃしねェと思うが、次に”突き上げる海流”の上空に偶然”積帝雲”が重なるであろうって日は、約何日後?いやいや何ヵ月後?いや、何年後になるかなァ!?」

 

「明日の昼だな。行くならしっかり準備しろ」

 

 よし、それじゃ準備しますかね。

 

 私はロビンに用事があるからと伝えてその場から離れた。

 

 

「間に合うじゃねェかァ~~~!!!!」

 ウソップがガボーンと変顔で怒鳴る。

 

「?何だ。そんなにイヤならやめちまえ」

 

「…………………………!!! ウ…ウソだろ!!!」

「ア!?」

「だいたいおかしいぜ!!!……!!今日初めて会ってよ!!親切すぎやしねェか!!?」

 

「………」

「それによ!!」

 

「おいウソップ」

「おめェは黙ってろ!!! ”空島”なんてよ…!!伝説級に不確かな場所に行く絶好の機会が、明日だと!!?その為に船のや進行の補助をしてくれる!!?話がウマすぎるぜ!!!一体何を企んでやがるんだ!!!お前は『ウソつきノーランド』の子孫だもんなァ!!!信用できねェ!!!」

「…………」

 

「…………」

 

「おやっさーん!!メシの支度が出来たぜー!!!今日のは格別だぜ!!!」

「だから一流コックだっつってんだろ」

「コイツ、スゲー料理うめーんだ!!ハラハラするぜ」

「ナミさーん、ごはんでき…」

 

「「ん?」」

「…………」

 

「何だよ…やんのか!!?」

 

「マシラの―…あいつのナワバリで日中”夜”を確認した次の日には、南の空に”積帝雲”が現れる。 月に5回の周期から見て”突き上げる海流”の活動もおそらく明日だ。そいつもここから南の地点で起こる。 100%とは言い切れんが、それらが明日重なる確立は高い。おれはお前らみたいなバカに会えて嬉しいんだ。 さァ、一緒にメシを食おう。今日は家でゆっくりしてけよ。」

「…………」

 

「同士よ」

「!!!」

「………ししし!!」

 

「メシだ―!!ウソップ急げ」

「……」

「オウ、早く来い―!!」

「おい、チョッパー、ロビンちゃん呼んで来い」

「うん!」

 

「あれ?イオリちゃんは???」

 

「………」

 ウソップが膝から崩れ落ちる。

 

「最善を尽くすしかなさそうね…空に行く為に。でも…最終的には運任せ」

 

「ナミ…おれはミジメで腰ぬけか?」

「おまけに、マヌケね…気持ちはわかるわよ。ちゃんと謝んなさい」

 

「おやっさんごめんよォオオオ!!!」

「うわ!!てめェ鼻水つけんな!!」

 

 ・

 ・

 ・

 

 ドンチャン!!ドンチャン!! ぶわっはっはっはっは…!!

 

 私が戻ると、宴が開かれていた。暗幕のかかった鳥カゴ(・・・)を部屋の片隅に置いて、そのそばに腰掛けた。

 

「何処に行ってたの?」

 同じく部屋の隅でノーランドの航海日誌を読んでいたロビンが私に声をかけてきた。

 

「ちょっと森に鳥を捕まえにね。」

「鳥?」

 

「うん。明日、”突き上げる海流”に乗る為に海に出るけど、方角を知るためにその鳥が必要なのよ。」

「なるほど…ここは”偉大なる航路”だものね?」

 こういう時ロビンっていいよね?細かく説明しなくてもわかってくれるし。

 

「面白いことでも書いてあった?」

 私はロビンの読んでいる航海日誌について尋ねた。

 

「髑髏の右目に黄金を見た」

 突然、クリケットさんが顔を近づけて言った。

 

「「!」」

 ロビンがビクッっと驚く。不覚にも私もノーマークだったから驚いてしまった。くそう!!

 

「黄金!?」

 ナミが反応する。

 

「涙でにじんだその文が、ノーランドが書いた最後の文章……その日ノーランドは処刑された。このジャヤに来てもその言葉の意味は全くわからねェ。」

「……」

 

「髑髏の右目だァ!!?コイツが示すのはかつてあった都市の名か、それとも己の死への暗示か… 後に続く空白のページは何も語らねェ。だからおれ達ァ潜るのさ!!!夢を見るのさ海底に!!!」

「そうだぜウキキィ!!!」

「ウォーホー!!」

「おれ達ァ飛ぶぞ―!!空へ飛ぶぞ―!!!」

「お―!!!」

 

「…」 

 あれっ?これは…ベラミーの気配よね? ここに近づいてくるんだけど…?

 

 まさかあいつら…原作通り金塊奪いに来る気か?

 私らがここに居るって知ってるだろうに、あのヤロウ…

 

 

 宴では、クリケットさんによるノーランドの航海日誌の話が続く。完全に暗記してるみたい。

 

「ジャヤ到着の日!!1122年5月21日の日記」

「ノーランド!!ノーランド!!」

 

「 ― その島に着き、我々が耳にしたのは森の中から聞こえる奇妙な鳥の鳴き声と、大きな、それは大きな鐘の音だ。巨大な黄金からなるその鐘の音は、どこまでもどこまでも鳴り響き、あたかも過去の都市の繁栄を誇示するかの様でもあった。広い海の長い時間に咲く文明の儚きによせて、たかだか数十年生きて全てを知る風な我らには、それはあまりにも重く、言葉をつまらせる!!我々はしばしその鐘の音に立ち尽くした―!!!」

 

「あー!!イカスぜノーランド!!!」

「素敵。巨大な黄金の鐘だって」

「おっさん何だよ。やっぱノーランド好きなんじゃねェかっ!!!」

 

「これを見ろ」

 クリケットさんが、棚から取り出したそれをみんなの前に置いた。

 

「うわっ!!”黄金の鐘”!!!」

 

「 ― で、どの辺が巨大なんだ!?」

「 ― 別に、これがその”鐘”というわけじゃねェ。鐘形のインゴットだ。これを3つ。海底で見つけた!!」

 ナミの目がベリーになった。金に頬ずりしながらハートを浮かべている…

 

「何だよあるんじゃん黄金都市」

「そーいう証拠にゃならねェだろ。この量の金なら何でもねー遺跡からでも出てくる。」

「”インゴット”って何だ?」

「?何だこれ」

 

「だけど、この辺りに”文明”があった証拠にはなるわね。”インゴット”は金をグラム分けするために加工されたもの。それで取引がなされてた事になるわ。」

 

「 ― そう。それに前文にあった奇妙な鳥の鳴き声…おい、マシラ」

「オウ」

「わっ!!まだあんのか」

「こっちのはデケェな!!」

 

「これで全部だ。」

「ハハハ…!!10年潜ってこれだけじゃ割に合わんが…」

「うわあっ…綺麗………!!」

「何だこれ。ペンギンか?」

 

「”黄金の鐘”に”鳥”… ― それが昔のジャヤの象徴だったのかねェ…」

 

「わからんがこれは…何かの造形物の一部だと思うんだ。こいつは”サウスバード”と言って、ちゃんとこの島に現存する鳥だ。」

「鳴き声が変なのか?」

「ああ、日誌にある通りさ」

 

「”サウスバード”と言やあ―昔から船乗りの間じゃあ…」

「 ― !!!」

 

「しまったァ!!!!」

「!?」

「何だ!!?どうした!!!」

 

「こりゃまずい、おいお前ら森へ行け!!南の森へ!!!」

 

「は!?何言ってんだ おっさんアホか!?」

「この鳥を捕まえてくるんだ!!今すぐ!!!」

「何で!!?何が??」

「?」

「鳥が…何だよ!?」

 

「…」

「イオリ?鳥って…これの事じゃない?」

 ロビンがカゴを指差して言う。

 

「そうだけど…でもせっかく説明してくれるみたいだから、ちょっと聞いてからにしましょうよ。」

「まぁ…イジワルね…」

 

「いいか!!!よく聞け…!!お前らが明日向かう”突き上げる海流”この岬から真っすぐ南に位置している…!!そこへどうやって行く!!?」

 

「船でまっすぐ進めばいいだろ」

「ここは”偉大なる航路”だぞ!? 一度外海へ出ちまえば方角なんてわかりゃしねェ!!」

 

「……そうか…目指す対象が”島”じゃなくて”海”だから、頼る指針がないんだわ……じゃ…どうすれば真っすぐ南へ進めるの!?」

 

「その為に鳥の習性を利用する!!ある種の動物は体内に正確な磁石を持ち、それによって己の位置を知るという。」

「うん…ハトとかサケはそんな能力があるって聞いた事あるけど」

 

「じゃあゾロ。お前は動物以下だな」

「てめェが人の事言えんのかよ!!」

 

「”サウスバード”はその最たるものだ。どんなに広大な土地や海に放り出されようともその体に正確は方角を示し続ける。とにかく!!この鳥がいなきゃ何も始まらねェ!!!”空島”どころかそこへ行くチャンスに立ち会うこともできんぞ!!!」

「え―!!?」

 

「これでしょ?」

 と言って、鳥カゴを差し出す。

 

「そう!これが”サウスバード”だ…っておめェいつの間に?」

「食事の前に採って来たのよ。必要になる事はわかってたからね。」

 

「それでしばらくいなかったのね?」

「まぁね。」

 

「そうだ、お前らの船の強化もしねェとな。考えてみりゃ宴会やってる場合じゃなかったぜ!!!」

「今ごろ言うなって」

 

「手伝おうか?」

「いや。マシラ達に任せとけ。なぁお前ら」

「「オーウ!」」

 

 ・

 ・

 ・

 

「ジョ~~」

「うわっ変な鳴き声」

「これが日誌に書いてあった鳥なのね。ホント、金の鳥とそっくり…」

 私たちは家の中で思い思いにくつろいでいた。

 私はと言うとサンジが取り分けておいてくれた食事を食べ終わるところだ。

 

 ああ…やっぱりベラミーのやつ、一味で来やがったな!!

 

 

 

「オウオウニーチャンニーチャン。おれ達を怒らせるなよ」

「夜分にいきなり来て黄金よこせはねェだろチビ共。ウッキッキ、帰んな!!!」

 

「ハハッハハ!!おめェら用心棒か……… そういやいたなァ…海賊クリケット。 あんたらモンブラン家の感動話を町で聞いてね……泣けたよクリケット」

「フン」

 

 

「!!」

「どうかしたの?」

 私が立ち上がると、ロビンが声をかけてきた。

 

「なんかねェ…昼間叱った奴がここに来たみたいなのよね」

「えっ!ベラミーが!?」

 ナミが驚く。

 

「へぇ…」

「なんだなんだ?」

 

「…ちょっと行って追い払って来ようかと思ってね。」

 

「そんじゃ、おれも行くか!!あいつがどの程度のもんか見てやるよ!」

「なんだ、酒場に居たやつか? おれも行くぞ!!」

 とりあえず私とルフィとゾロがサニー号の元へ向かった。

 

「ジジイ!!大人になれよ……ハハッハハ!!黄金郷はノーランドが思い描いた空想の産物!!この先の”新時代”をゆく海賊になりたきゃ、幻想は決して叶わねェと知るべきだ!ハハッハ!!! 他人が苦労の末手に入れた宝ってのはまた…格別の味がするもんだ。……人がおれを何て呼ぶか教えてやろうか?”ハイエナ”だハハッハハ!!!」

 

「それって、ほめ言葉じゃないよね?」

「「!!?」」

「!!!」

 

 にっこりと微笑みながら、ベラミー一味の後ろから顔を出す。連中の顔は見る見る青ざめた。

 

「何か用?」

 

「な…なんで…」

 

「それはこっちのセリフでしょ? ここは、酒場で教えてもらった場所なんだけど?あんたらもあの場に居たんだから、私たちが”ココ”に来てること知ってたはずよね?…で、その上でココに来たって事は、さて…どういうことなんだろうね?」

 首を傾げてベラミーに問いかけると、クリケットさん達や一緒に来たルフィやゾロまで固まってる。

 やだなぁ!!私が怒ってるのはベラミー一味に対してであって、みんなには怒ってないわよ?

 それにほら、今の私ってめっちゃ笑顔じゃんよ?

 

「なんか金塊奪いに来たようなセリフも聞こえた気がするんだけど?あっ!そうそう私たち、クリケットさん達と友達になったのよ!! 言っとくけど私たちは友達に手を出した奴は絶っっっっっ対に許さないからね?」

 にっこりとベラミーに微笑みかける。ベラミーは微動だにしない・・・

 

「べ、ベラミー!!」

 サーキースが私に斬りかって来た。まぁ海賊相手に話し合いで済むとは思ってなかったけどさ! 手をだして来たからには覚悟は出来てるんだろうな?

 私は鉄塊でガードしようと構えた。

 

 けれど…

 

 ― ガキーン!! ―

 

「随分とでけェナイフだな」

 必要なかった!ゾロが片手一刀であっさりと受け止めた。ベラミー一味全員が驚きの表情を浮かべる。

 

「こいつは『ビックナイフ』サーキースだからね」

「まんまかよ!?」

 

 いまの攻撃で呪縛から開放されたベラミーが跳躍して一旦離れた所から能力を使う。

 

「スプリング”狙撃”!!!」

 

 おやおや?ベラミーも標的は私っすか?

 どうしようかなァ?

 と思ったら、これまたルフィが私の前に割り込んできた。

 

 ― ドン!! ―

 

 原作通り、ルフィの一撃でベラミーが沈む…

 あ~ぁ、頭が陥没しちゃってるじゃんよ!拳型の跡が……

 しかし、死んではいないみたい。バネの特性かしら?

 

「おめェ!何、イオリの事殴ろうとしてんだよ!!」

「「!!?」」

 いや、別に…庇ってもらわなくても大丈夫だったけどね?

 まぁ私を庇ったというより、さっきのコイツの”幻想は叶わねェ”発言にキレてたからだと思うけど?

 

 ベラミーが沈んだ事で一味は意気消沈した。サーキースも剣を落とし降参の態度を示す。

 でも容赦しないもんね!!

 

 船に乗り込んで全員を(覇王色で)気絶させた後、略奪ターイム!!

 しかし、わざわざ宝をここまで持って来てくれるなんてね!

 なんて気前がいいんでしょ!!

 

 さすがリゾートを貸し切りするだけの事はある。

 けっこうな量の宝がありました。

 

 そして操舵手を叩き起こして、モックタウンに向わせて…

 はい!ベラミー一味の討伐完了でござい!!

 

「・・・ハイエナを可哀想だと思ったのは始めてだ。ハラハラするぜ」

「・・・おめェ・・・容赦ねェな・・・」

 

「またまたぁ!ちゃんと節度は守ったでしょ?」

「「「あれでか?」」」

 

 なんで5人そろってビックリするかな?

 ってか、あんたら大怪我するとこだったんだからね?

 本来なら、身ぐるみ剥いでやったっていいはずじゃんよ!!

 クリケットさんなんて自分は黄金奪いに来たヤツ殺そうとするくせに…

 

「一応、2、3日過ごせるだけの金品は残してあげたのよ? それ以上、あいつら容赦する必要あった?」

「「・・・・・・ねェな・・・」」

「でしょ?」

 

 ジャヤの夜は更けていく・・・

 

 

 

 その後、ほかのメンバーもやって来て船の強化の手伝いをした。

 しばらくすると飽きたルフィは小屋に戻ると言い出し、ナミとロビンに見張りをお願いして、朝食と弁当の準備をするというサンジと一緒に小屋に戻ってもらった。

 

 

 

 

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