イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

148 / 385
04-138話:突き上げる海流(ノックアップストリーム)

「うわっ!!すっげェ~な~~!!!」

「”ゴーイング・メリー号、フライングモデル”だ!!!」

 起きて来たルフィにウソップが自慢げにその名を叫ぶ。

 

「飛べそ~~~~!!!」

「だろう!!?」

 二人の会話とは裏腹に、ナミは不安げな表情を見せていた。

 

「私、あれ見ると不安になるわけよ…」

「まァそうだな。鶏よりハトの方が良かったか?まだ飛べそうな…」

「それ以前の問題でしょ!!バカねっ!!」

 ゾロはボケをかまして、ナミにツッコまれている。

 翼はともかく、とさかと尾は不要だと思うけど?

 

「大丈夫よ!どうしようもなくなったら私がなんとかするから。ね?」

 宥めるようにナミに声をかける。航海士には安心してもらわないといけないもんね?

 

「そ、そうね…イオリの能力があれば、もしもの時はなんとかなるものね!!」

 念動力もあるし、みんなを小さくして月歩という手もある。大丈夫だとは思うけど、もしもの時は私がなんとかしようと思っている。

 

「さぁ船を出すぞ!!準備はいいか野郎共!!」

「アイアイサ~~!! ウォ~ホ~~!!」

 

「……」

 ルフィがクリケットさんの前で止まった。

 昨日のベラミーの言葉はルフィにも刺さっていたのかな?

 

「さっさと船に乗れ。空に行くチャンスを棒に振る事になるぞ!!!」

「うん、ありがとう船!」

 

 モックタウンの酒場で、私は空島に行く事を”事実を確かめる手段の話”と言った。けれど、ルフィにとって空島は、”夢の冒険”なのだと思う。

 

 

「礼ならあいつらに言え」

「ああ!ありがとうおめェら!!」

 

「あぁ、いいって事よ!」

「ちいせェ事気にすんじゃねェよ。ハラハラするぜ!」

 

「とにかく船に乗れ」

「おれ達が先導するからついて来い!!!」

 

「ルフィ!!行くぞ」

「ああ!!」

 

 クリケットさんの脳裏に、昨日の出来事が思い出される。

 

 

 ”ハハッハハ!!黄金郷はノーランドが思い描いた空想の産物だ!”

 

 いや…空想なんかじゃねェ!!

 

 ロジャーは空島に行ったのだと言う。

 それに…

 落書きのようなきたねぇ地図に書かれたその文字を見つけて驚いた!!

 

 ― !!?…こ、こりゃァ!! ―

 

 あれがそうだとは言い切れねェがしかし…まさか…島は海底に沈んだのではなく…!!?

 

 

”この家はなんでこんな崖に建てたの?”

 イオリという名の娘がおれに聞いて来た。

 

「おれが建てたワケじゃねェよ!雨風を凌げるように板をはったが、おれがこの島に着いた時には既にここにあった。それだけだ。」

「ふ~ん…」

「…あの家に、何か気になる事でもあるのか?」

 

「本当に島は沈んだのかしら?」

「ん?」

 

「だって一瞬で沈むなんて事は考えられないでしょう?家の半分が下に動いたのなら普通は引っ張られるとおもうのよね。たぶん、こんな風には残らないんじゃないかしら?」

「!!?」

 つまり…半分は下じゃなく上に!!?

 しかも一瞬…つまり…!!”突き上げる海流”で!!?

 

 *--*--*--*--*

 

 

「猿山連合軍!!!」

「ウォ~ホ~!!! アイアイサ~~!!!」

 

「ヘマやらかすんじゃねェぞ!!!例え何が起きようと!!!こいつらの為に全力を尽くせ!!!」

 ウォオオオオ

 

 クリケットさんを見て、ルフィが微笑む。

 

「よし!!行こう!!」

「みんな出すわよ!!」

「よっしゃあ!!」

「ア~~イ!!ナミさん!」

 

 

「小僧共!!おれァここでお別れだ!! 一つだけ、これだけは間違いねェ事だ…!!」

「「!?」」

 

「”黄金郷”も”空島”も!!!過去誰一人、”無い”と証明できた奴ァいねェ!!!」

「うん!!」

 

「バカげた理屈だと人は笑うだろうが結構じゃねェか!!」

「………」

 

「それでこそ!!ロマンだ!!!」

 

ロマンか!!!」

「そうだ!!!」

 サンジが、ナミが、ウソップが二人の掛け合いにニコリと笑う。

 

「治療…ありがとうよ……おめェら空から落ちてくんじゃねェぞ!!」

「ししし!! じゃあなおっさん!!!」

 

「いろいろありがとクリケットさん!!」

「おやっさん、黄金郷はきっとあるぜ!!!」

「おっさん、無茶すんなァ!!!」

「余計なお世話だァ!!!」

 

 クリケットさんに見送られ、私たちは南へと向かった。

 

 

「いいか、現在午前7時だ!!」

「現場付近に到達するのがおそらく午前11時頃」

 

「おやっさんが話した様に、”突き上げる海流”の立ち上がる位置は毎回違うから、それ以前に到着して、その位置を正しく”探索”しておく必要がある。オイ!!聞いてんのか!?おれの説明を…」

 ショウジョウが熱心に説明してくれてるのだが…

 

「見てろ見てろ」

 ルフィがサウスバードの頭を無理やり西に向けている。そしてその手をパッと離す。

 

「ほら!!正面向いた!!」

 

 あっはっはっは…

 

「……」

 なんか…この光景って見ててムカつくわね。典型的ないじめっ子って感じで…

 本人にイジメてるって認識も意識も無いのがなんともね……

 

 えっ?おめェが言うなって?

 あたしゃ、ちゃんと認識した上でイジメてんだよ!!←余計ダメです!

 

「いや~変わった鳥もいるもんだな」

「ホントに南しか向かねェんだコイツ!!コンパスみてェだな。面白ェ~~」

「…」

 サウスバードの周りにいるのはルフィ、ウソップ、チョッパーだ。

 ルフィの行為はイジメに類する。まァ私もよくウソップの事をイジメてるから人の事をとやかく言えた義理じゃないんだけどね?

 

「ジョ~~ジョジョジョジョジョジョ~~!!!」

「何てったんだ?」

「南じゃない方を向いて、お前達を困らせてやるって」

「うっはっはっやってみろ!!」

 

「お! 北向きやがった!!」

「ジ…ジョ…」

「あっはっはっはっはっはっは!!」

「南を向かないと落ち着かつかねェんだ」

 

「ジョ~~~~~~!!!」

 

「おいお前らァ~~~~!!!大園長を怒らせるんじゃねェぞォ!!」

「まーいーからいーから。ハラハラするぜ。あいつらのシカトップリには……!!」

 

「ま―そんなにあせってもしょうがねェからさ!楽に行こうぜ!!」

 

「そりゃそうだ。何時間も緊迫し続けたってしかたねェ」

「成程な……よーし野郎共、気を抜きながら全速全進~」

 

「ウッキッキ~~~」

「は~~いい天気だ……」

「ウォ~…ホ~~~~…」

 

「大丈夫かオイ…」

 

 

 3時間後―

 

「園長!!!マズイっす!!!」

「どうしたァ!!!」

「南西より!!!”夜”が来てます!!! ”積帝雲”です!!!」

「本当か!!?今何時だ!!?」

「10時です!!予想よりもずっと早い!!!」

「マズイな………!!ショウジョウ!!行けるか!!?」

「ウータンダイバーズ!!すぐに海へ入れ!!!海流を探る!!!」

 

「あれが……”積帝雲”……!!!」

 

 確かに大きな雲だと思う。この前は突然夜になった感じだったけど、遠くから見ると雲よりもその下の暗闇のほうに目を見張る。

 

「ウォ~~ホ~!!!」

 

「何だ何だァ!!?」

「予想より早く”積帝雲”が現れたって!!まだ海流の位置もわかってないのに!!」

 

 

 ウォー…ホォー…

 ショウジョウがマイクに向かって声を張り上げる。

 あの声?音?が海の中に届くというもの驚きだ。もしかして船首の海の中にスピーカーとかがあるのかも?

 

「反射音確認!!12時の方角、大型の海流を発見!!」

 

「9時の方角、巨大生物を探知!!海王類と思われます!!」

「10時の方角に海流に逆らう波を確認!!巨大な渦潮ではないかと!!!」

 

「それだ!!!船を10時の方角に向けろ!!!爆発の兆候だ!!!渦潮をとらえろ!!退くなよ!!!」

 

 ゴゴオォォオ…ン!!

 突然、海が荒れだした。

 

「うわあ!!!」

「何だ!!!」

「波が急に高くなった!!!」

「うわあ~~沈んじまうぞ!!!」

 波が船を襲い、波しぶきが雨のようにデッキに降り注ぐ。全員びしょ濡れになりながら、操船に注意を払う。

 既に私は船体を強化するために武装硬化を施している。竜骨と舟艇、そしてメインマストに対してだ…

 

「爆発の前震だ!!気をつけろ!!!」

 

「航海士さん!!」

「え!!?」

「”記録指針”はどう?」

 

「………!!!ずっと、あの雲を指してるわ!!!」

 

「風の向きもバッチリ!!”積帝雲”は渦潮の中心に向かってる!!!」

 

「おい何だ渦って!!?そんなもんどこにあるんだ!!?」

 

「どうやら今回は当たりの様だ兄弟」

「ああ、爆発の規模も申し分なさそうだ!!」

 

「行けるのか!!?」

 

「ああ行ける!!」

 

 ガキィ…ン!!! と、メリー号に牽引索が付けられた。

 

「渦の軌道に連れて行く!!!」

「そしたら!!?そしたら、どうしたらいいの!!?」

 

「流れに乗れ!!!逆らわずに中心まで行きゃなる様になる!!!」

「この大渦の!!?」

 ルフィと航海に出た時に、最初に遭遇した大渦なんかは目じゃないほどの、とても巨大な大渦がそこにあった。

 見た目が漫画に出てくる竜巻を上から見た感じ?

 中心は深くて見えないんだけど… あそこに行くの? マジで??

 

「飲み込まれるなんて聞いてないわよォ!!!」

 ナミが少し顔を青くしているとなりで、チョッパーは何故か目を輝かせてる?

 

「大丈夫だ!!!ナミさんとロビンちゃん、イオリちゃんはおれが守る!!!」

 おやおや、サンジ?いつの間に私も入ったの?ロビンが加わったからかしら?

 

「こんな大渦初めて見たわ」

 ロビンはこんな時でもポーカーフェイスだ。何気にすごいと思うわよ?

 

「やめだァ!!!やめやめ!!!引き返そう。帰らせてくれェ!!!」

「観念しろウソップ…手遅れだ。一人すでに…ノッちまってる」

 

「行くぞ~~!!!”空島”~~!!!!」

 ルフィが喜び勇んで叫んでいると、渦の中心付近に海王類が姿を見せて…

 

 ギャオオオオオァアオオオオォ

 

 そして沈んだ…

 チョッパー、ウソップ、ナミ、3人の顔はみるみる青ざめていく…

 

「……」

 

「じゃあおめェら!!あとは自力で何とか頑張れよォ!!」

「ああ、送ってくれてありがとうな~~!!!」

 

「待て~っ!!! も!!!勘弁じでぐれェ!!!恐ェえっつうんだよ!!!帰らせてくれゴノヤロー!! 即死じゃねェかこんなモン!!!」

「あぁあああああ~!!!」

「ジョ~~~!!!」

「こんな大渦の話なんて聞いてないわよ!!!サギよサギ~~!!!」

 良い具合にパニクってるわね。ここからこの3人組は再弱トリオって呼ばれる事になるんだね? まあ、この世界ではどうか知らんけど…

 

 

「うわアあああ”夜”になったァああああああ」

「渦にどんどん吸い寄せられるぞォオオオオ!!!」

 計ったように、積帝雲も渦の中心の真上に引き寄せられている。

 

 

「引き返そうルフィ!!今ならまだ間にあう。見りゃわかるだろ!!?この渦だけで充分死んじまうんだよ!! ”空島”なんて夢のまた夢だ!!!」

「夢のまた夢……!!そうだよな」

「そうよ!!ルフィ!!やっぱり私もムリだと思うわ!!」

 

「”夢のまた夢の島”!!!こんな大冒険、逃したら一生後悔ずんぞ!!!」

 満面の笑みを浮かべて、ルフィがみんなに言い放つ。

 

 ”た………!! 楽しそ~~~…!!”

 ナミとウソップは涙を流しながら震えてる。チョッパーは楽しそうな顔が復活していた。

 

「ホラ、おめェらが無駄な抵抗してる間に…」

「まに?何だ」

 

「大渦にのまれる」

「あ゛あ゛っ!!!」

「さァナミさん、おれの胸に早くっ!!!」

「うわあああ落ちる~~~~!!!」

 

「ぎゃあああああああ!!!あああああああああああ!!!」

「あ?」

 

「何!!?消えた!!?何でだ!!?」

「何が起きた!!?」

「あんなでっけェ大渦の穴が!!?どういう事った!!?」

 

 ― ゴゴゴゴ… ―

 

 船の下からものすごい振動とすごく重たい音がする…

 

「違う!!!……!!!始まってるのよ……!!もう…」

「………え」

「渦は海底からかき消されただけ……」

 

「まさか………!!」

 

 あれあれ? なんでティーチは来ないんだろう?まったく気配を感じない…。

 モックタウンで新しい手配書を見たと思うんだけどな?

 まぁ別に、あいつらがココに来なきゃいけないって事はないから別にいいんだけど…

 

「どうしたの?」

 私がキョロキョロと周りを見回していると、ロビンが怪訝な顔で話しかけてきた。

 黒ひげが追ってこない…って言っても意味不明よね?

 

「そういえば、昨日の夜に、手配書の束を拾ったのよね。」

「手配書?」

 

「うん。私たちのが更新されてたのよ。1名追加もされてたし…。まぁ、別に今言う事じゃないんだけどね。」

 私は手配書の束から一味の分、3枚を取り出しロビンに見せる。

 

 『麦わら』  モンキー・D・ルフィ  懸賞金1億4千万ベリー

 『紅参謀(くれないのさんぼう)』 イオリ         懸賞金1億3千万ベリー

 『海賊狩り』 ロロノア・ゾロ     懸賞金7千万ベリー

 

 その手配書をウソップとナミが覗き込む。

 

「何よこれ!?」

「新しい手配書じゃねェか!おい、ゾロお前!!賞金首になってんぞ!!」

 

「何ィ!!?おい待て!!おれは!? イオリちゃん!おれのもあるだろ?」

 

「残念ながら、ないわね!」

「うそだ…」

 

 だってねェ…

 サンジがアラバスタでした事って言ったら、ボンちゃんに勝ったことくらいじゃん?

 そのボンちゃんは私たちの友達って事で捕まった訳で…

 あんたが賞金首になる要素は無いのですよ。

 

「そうか!アラバスタの件で額がハネ上がったんだわっ…!!それにしても、2人も億越えだなんて…」

 

「これ見ろ!!おれ1億4000万だってよ!!」

「7千万か…不満だぜ」

 自分の手配書を掲げ、ニヤニヤとしながらルフィとゾロが呟く。その隣でサンジが暗黒を背負っているように見える。

 

「喜ぶな!!そこ!!!」

 

 

「二つ名が変わった人なんて……初めて見たわ…」

「…だよねぇ…望んでた事とはいえ、ビックリだわ」

 

「!!…おいおめェら!!他所見するな!!!」

 

「来るぞ、”突き上げる海流”……!!!」

 海面が盛り上がる。メリー号はその頂上に居た。

 ちなみに、船底はしっかりと武装硬化で補強中である。

 

「全員!!!船体にしがみつくか船室へ!!!」

「ギャアアアア 海が吹き飛ぶぞォ~~~!!!」

 

 海底からの圧力で、海面が渦を巻きながらさらに盛り上がる。

 

「おお……!?」

 

 ー ズドォ…ン!! ー

 

 一瞬の事だけど、ものすごい衝撃とGが襲った。

 

「うわああああああああ~~~!!!!」

 

 はじめこそ海に押し上げられる形だったけど、水柱のスピードは船のそれよりずっと早く、船を押しのけていき… 突きあげる海流の激しい流れに乗って上空へと向かうような状態となった。

 

「ど………!!!どうなってんだコリャア!!??」

「水柱の上を船が垂直に走ってるぞ!!!」

「うほ~~~!!面白ェ~~~!!!どういう原理だァ!!?」

 

「……風!?」

 ナミが上昇気流の生み出す風に気づいたみたい。

 

「よーし!!!これで空まで行けるぞ~~~っ!!! 行けェ!!!メリ~~~!!!」

 

「ちょっと待った…!!! そうウマイ話でもなさそうだぞ」

 

「どうした!?」

「何だ!?忘れ物でもしたのか!?」

「船体が浮き始めてる…!!!」

 

「え!!?」

「このままじゃ、ハジキ飛ばされるのがオチだぞ!!!」

「…そそ!!そんな事言ったってお前…!!!どうしろってんだよ!!おれ達ァしがみつく事で精一杯だ!!」

 

「!!!何だ…あれ!!?」

 チョッパーが、水柱から出て来た巨大な物体に気づく。

 

「海王類!!!さっき渦にのまれた奴だ!!!」

 海王類や、船の残骸が落ちて行く。水柱は渦を巻いているようで、はじき出されたように遠くにまで飛ばされている。

 一瞬、月歩で行って、海王類を小さくして食料にしようかとも考えたけど、ちょっと本気出さなきゃならないみたいなので諦める。

 今の一味の面々に、私の本気(ちから)を見せるのはちょっとね…

 なんとも勿体ない…

 

「見ろ。おれ達だってああなるのは時間の問題だ!!!」

 サンジがなんとも不安そうにつぶやく。でも、サンジとエルは今なら火事場のなんとやらで、月歩が出来るんじゃないかしら?

 

「オイオイそんな事言ってもよ!!!こんなもん爆発の勢いで昇っちまってんだから、今更自力じゃァ…」

「やっぱ、ただの”災害”なのか!!?」

「うわあ!!!色んなもんが降ってくるぞ!!!”突き上げる海流”の犠牲者だ!!!」

 ゾロ、サンジ、チョッパーが泣きごとを言い始めてる。そんな中、ルフィは、実に落ち着いている。まぁ、私が居るから当然ね。

 

「あァ…おれ達ももうお終いだ。このまま落ちて全員…!!海に叩きつけられて死ぬんだよ!!!」

 ほんとにも~、このネガッ鼻は…!!絶対に私の能力の事忘れてるでしょ?

 みんなに船内に入ってもらって、メリーを1/100にすれば、持って移動する事だって可能なわけよ!月歩を使えば海面に叩きつけられるなんて事はない。冷静に考えれば何も怖い事なんてないんだよ!!

 それに…ナミの様子を見れば何も心配はなさそうだし。

 

「帆をはって!!今すぐ!!!」

「え!?」

 

「これは海よ!!ただの水柱なんかじゃない。立ち上る”海流”なの!!!」

「………??」

 

「そして下から吹く風は地熱と蒸気の爆発によって生まれた”上昇気流”!!!」

「?」

「??」

 

「相手が風と海なら航海してみせる!!この船の”航海士”は誰!!?」

 

「「…!!!」」

「んナミさんですっ!!! 野郎共すぐにナミさんの言う通りに!!」

「「オォ!!!」」

 

「右舷から風を受けて! 舵はとり舵。船体を海流に合わせてっ!!!」

「イエッサー!!!」

「急げ!!!」

 帆を張った事で、船のスピードが増した。

 

「わあっ!!ヤバイぞ!!水から船が離れそうだ!!!」

 いやいや… 船のスピードがあがったから、翼による浮力が発生したんだよ!

 

「落ちる―っ!!落ちるぞナミ、何とかしろォ!!!」

「ううん、いける!!」

 ナミはちゃんと理解しているみたい。

 ふむ…これはサニー号には収納式の翼を付けるのも良いかもしれないわね?

 

「え!!?」

「飛んだァ~~~!!!」

 

「すげェ船が空を飛んだ!!!」

「まじか!!?」

 

「この風と海流さえつかめば、どこまでも昇って行けるわ!!!」

 海流によって、上昇気流とは違う風が海面付近を上に向かって流れてる。

 現在、武装硬化はマストに施している。積帝雲に突っ込む際には船全体(※翼や尻は除く)に施すつもりだ。

 

 そうだ!!帆は畳まないとまずいかも?

 

 

「おいナミ!!!もう着くのか!?空島!!」

「あるとすればあの雲の向こう側よ」

 

「雲の上か!! あの上に一体何があるんだ……!!!」

「”積帝雲”に突っ込むぞォ~~~!!!」

「うおおおォオ~~~~!!!」

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。