「黄金の鐘…!?貴様今、そういったのか…?」
「ええ」
巨大蔓付近にも、雷雲からの雷は落ち続けている…
「おめェら何を…!!」
「鐘…」
「それをエネルは狙ってるのか…!?なぜわかる…どこにあるんだ…」
「おい待てよ。そんな事より早く下に降りるんだろ!!」
「この大きな蔓の…頂上付近…」
「!」
「雲は雷で消されちまうんだろ!!急いで地面に…」
「この下層にあるシャンドラの遺跡…都市の中心部を大地ごとこの蔓が貫いている。だけど大鐘楼もその中心部に位置したと遺跡の地図に記されていたわ。つまり鐘は蔓に突き上げられた衝撃で更に上空に飛ばされたと考えられる。」
「……」
「…」
ナミが神の社に到着する。
「ルフィ!!」
「ナミ!!おまえ何しに来たんだ?」
マクシムの上からルフィが叫ぶ。
「イオリは!?そこにはいないの?」
「…アイツは…あの丸い雲を止めに行ったんだ…まだ戻ってねェ…」
「やっぱり……ルフィ!!こっちに来て!!一緒に降りるわよ!!」
「何言ってんだおまえ」
「イオリがやられちゃったんなら……逃げなきゃ!みんな殺されちゃう!!」
「だめだ!」
「だめって…!!何がよ!!何言ってんの!!?」
「イオリがやられたって…おれにはまだここに用事がある!!」
「用事!?こんなところに何の用があるのよ!!エネルに仕返しでもするつもり!!?」
「この空に”黄金の鐘”があるんだ!!」
「あんた達が登るときに聞いたけど…それが何?命のほうが先決でしょ!!?あんたにいくら、雷が効かなくてもあいつにはそれ以外の全てを壊す力があるのよ!!!黄金の鐘は諦めなさい。殺されるわ!!」
「死ぬもんか!」
「いい加減にしてよ!!イオリだって…今の…」
「お前も見ただろ!!!」
「何をよ!」
「”黄金郷”はあったじゃねェか!!!」
「え…?」
「ウソじゃなかった」
ー あるならそれもよし…ねェのならそれもよし…おれの人生を狂わせた男とのこれは決闘なのさ ー
「ひし形のおっさんの先祖は、ウソなんかついてなかった!!!だから下にいるおっさん達に教えてやるんだ!! ”黄金郷”は空にあったぞって…!!!」
「!」
「鐘を鳴らせば聞こえるはずだ!!!じゃなきゃおっさん達は!!死ぬまで海底を探し続けるんだぞ!!!」
「ルフィ…」
「エネルなんかに取られてたまるか!!でっけェ鐘の音はきっとどこまでも聞こえるから!!だからおれは!!黄金の鐘を鳴らすんだ!!!」
「降りろっ!!」
「うわっ!!」
エネルが戻ってきてルフィを背後から蹴飛ばして舟から落とす。ルフィは神の社に落ちた。
「ぐへっ!!何すんだっおまえ!!そうだ…!イオリはどうした!!?」
「ヤハハハ…余計なマネをしたあの小娘ならエンジェル島で黒コゲにしてやったぞ!」
「!!?」
「…イオリが!!?」
「ヤハハハ…どうだった? あの小娘に邪魔されたが島の一部がキレイに消えたぞ?」
「……あんにゃろ!!!」
「私が欲するものさえ手にいれたら…あの『雷迎』により今度はこのスカイピアを丸ごと消してやる。もう逃げることなど誰にも許されない。お前達の真下に佇むいくつかの声も然り…。この空に不相応な人の国を消し去り、全てをあるべき姿に還すのだ!!それが神である私の務め!!!」
「お前の思い通りにさせるかァ!!!」
「ルフィ!!」
ルフィがマクシムに向かって走るがエネルの雷が行く手を阻む。
「ヤハハハ…さらばだゴムの男!もう二度と会うことも無い!!そこで指をくわえて死期を待て!!もはや誰にも私を止められん!!!」
「そうだっ!!ナミ、これ借りるぞッ…!!」
「あっ」
「わぁ!!! グハッ!!」
ー いいか、お前らは必ず…!!おれ達が空へ送ってやる!!! ー
「畜生!!おれは!!おっさん達に教えてやるんだ!!!おれは、鐘を鳴らすんだァ~!!ウゥウ!!!」
「ルフィ…」
ゾロは探索組で行動中、ルフィが森で言っていたことを思い出しながらみんなに話していた。
”な―おい、黄金郷にはでっっけェ鐘があるんだよな!!”
「ノーランドの日誌によるとそうね。確かにあると書いてあったわ」
「それがどうした」
「どうしたんだ?」
「しししし!!いい~事考えたんだおれは!そのでっけー鐘を空から鳴らしたらよ…・下にいるひし形のおっさんやサル達に聞こえねェかなー」
「!」
”なァ!!きこえるよなー!!!”
「……じゃあ…あいつは…」
「…確かに言ってた…でもこの状況で…」
「……」
「鐘を…鳴らすだと…!?」
「やると言ったらやる奴だ。ナミが連れ戻そうとしてもあいつは戻りゃしねェ…。あいつの狙うものはエネルと同じだからだ」
「!? あ!!危ねェ何か落ちてくる!!!」
「何だ…」
「ぎゃあああ~~っ!!全員ふせろ~!!」
「葉っぱ…」
「え!?」
「…!?何か書いてあるよ!!!メッセージ!!ルフィとナミからだ」
「え!?」
「何て書いてある!!?」
「……この巨大な蔓を…西に切り倒せ…」
「何ィ!!そうすればどうなるん……うわぁ!!見ろあれ!!」
ウソップが、エネルが新たに作り出した雷迎に気づいた。
「……!!」
「エネル!!」
「あやつめ…」
「さっきのより……数倍…いや、もっとでけェ…… もう、逃げられねェんだ…!!この国からは…!!!」
「さっきよりでけェぞ!!あんにゃろう!!!」
「 ― あれでこの国を終わりにする気だわ。黄金の鐘はあそこにあったみたいね……!! 下のみんなにメッセージはうまく届いたかな…」
「ナミ、お前逃げるんじゃねェのか!?」
「 ― 鳴らしたいんでしょ!!?黄金の鐘!!」
「ああ!!鳴らすんだ!!!」
「ウェイバーも操縦できないくせに!放っといたってどうせ飛ぼうとするんだから私が乗せて飛んであげる!!! ― ただし、私の命はあんたが保障してよ!!!」
「よし!!!わかった!!!よろしく!!!」
「チャンスは一瞬で…一度きり…!!」
*--*--*--*--*
「倒れかけた蔓を渡って舟まで飛ぶ~!!?」
「それ以外考えられねェだろ!!!」
「そんなムチャクチャな……!!!」
「じゃあお前、上行って止めて来い!」
「止まる奴かよ!!!」
「……」
「どうした?ロビンちゃん」
「…このメッセージの内容はつまり……上にはイオリが居ないって事……」
「「えっ!?」」
「そうか!!イオリが居るなら、ナミが飛ぶ必要はねェもんな…」
「どういう事だよ!!イオリちゃんがやられちまったってェのか!!」
「がうぅ…」
「チョッパー、エルはどうしちまったんだ?今、何ってった?」
「『イオリは死んじゃったのかな?』って…なんかすごく悲しそうだ…」
「…」
「心配ねェ…」
「マリモ!!?何を根拠に…」
「こいつがトラ猫のまんまって事は少なくともイオリは死んでねェって事だろ?」
「あっ、そうか!!」
「がう!!」
エルの顔が明るくなった。
「とにかく、この蔓を切り倒しゃいいんだ!!なにはどうあれ、無茶でも何でもやって貰うしかねェだろうがよ」
― ドドドドォン!!! ―
狙ったように雷が降り注ぐ
「わあっ!!何だ何だ~~~っ!!」
「ギャーギャー」
「下に降りるぞ!地面のある場所へ!!!ここじゃ遺跡につき落とされる!!!」
「とにかくやるぞ!!舟の方に蔓を倒しゃいいんだな…アレを落とされる前にエネルの居場所へ辿り着けるのは…今、この空島であいつ等しかいねェんだ!!!」
「ゾロ!!!」
”巨大豆蔓を、西に切り倒せ”
ゾロの行く手を阻むように雷が落ちる。
「うおっ!!!」
「だ…だ…!!大丈夫かあいつ!! 頼むぞ!!そんなもんブッた切れんのはお前しかいねェんだ!!!」
「くっ…ハデに穴ァ空けやがって!!」
ー ズババン!!! ―
ゾロの斬撃が巨大豆蔓の二本のうち一本の蔓を寸断した。
「いよし!!!やったぞ!!斬った!!!」
だがしかし、次の瞬間、ゾロを巨大な雷が襲う。
「!! なっ!!?」
「!!?うおおお!!ゾロ!!!畜生ォ~~っ!!!で…でも斬った!!斬ってくれたぞ!!!」
「……そんな、見て!!!」
「え!!? …た…倒れねェ!!!
ー ズズズウウ…ン!!! ー
「え!!? 何だ下からスゲー衝撃が!!!蔓が…」
「だめだわ!!少し傾いたけど…倒れない!!今程の衝撃でも…」
「無理だよワイパーやめて!!!」
「黙ってろ、あの鐘は…カルガラの意志を継ぐおれ達が鳴らしてこそ意味がある!!あの麦わらに何の関係があるんだ!!!」
「!」
ワイパーが蔓に向かおうとするのを、心配したアイサが止めようとする。しかしワイパーは聞き入れようとしない。ロビンがワイパーに視線を向ける。
「放っとけロビン。あんな重症マンに阻止されるもんか。あの蔓を倒すのが先だ!! 上でルフィ達が待ってる!!ゾロが半分斬ってくれてるし、全体は傾きかけてんだ!!! おれ様の”火薬星の舞い”を炸裂させる事でヤツは大きな悲鳴と共になぎ倒されるのだ!!! やはりこの海賊団…おれ様こそが砦なのだ!!!出動だ!うおおおお!!」
「待っ…」
「400年前…青海で、ある探検家が『黄金郷を見た』と、
「!?」
「世間は笑ったけれど、彼の子孫達は彼の言葉を信じ、今でもずっと青海で、”黄金郷”を探し続けてる。」
「……」
ウソップを止めようとしたワイパーは、ロビンの言葉に動きを止めた。幼いころ…酋長から聞いた話と似ていたから…
「黄金の鐘を鳴らせば、”黄金郷”が空にあったと彼らに伝えられる。”麦わら”のあのコはそう考えてる。」
「…麦わらが…」
「素敵な理由じゃない?ロマンがあって。……こんな状況なのにね?脱出の好機を棒に振ってまで……どうかしてるわ。」
「…そいつの……その、子孫の…名は?」
「モンブラン・クリケット…」
「ならば400年前の…!!先祖の名は…ノーランドか!?」
ワイパーが全身を震わせながら涙を流す…
「え…」
涙を流すその姿を見て、ロビンは驚いていた。ワイパーが、ノーランドの事を知っているとは思わなかったから…
「ワイパー?」
《……これは…奇跡かな…大戦士カルガラ…》
「わっ」
アイサの頭をなでた後、ワイパーは決意を拳に込めて、蔓に向かう。
「どわーち、やちゃちゃわーち!必殺”火薬星”!”火薬星星”! ウソップ輪ゴーム!ぐあーっ!!”火薬星”―っ!!!回転!!”火薬星”!!! ハァ…ハァ…!!畜生、何なんだビクともしねェ!本当に植物か!!?今度は3連…」
「どいてろ」
「え」
ワイパーが、巨大豆蔓の残りの1本の前に飛んだ。
「”排撃”!!!」
― ドウン!!! ―
巨大な音と共に、巨大豆蔓に穴が空く…
「!!?んな…!!なんじゃありゃあ!!!」
「ワイパー!!!」
「ばかな!!…り、”排撃貝”!!?」
「折れろ!!…巨大豆蔓!!!」
メリメリ… パキパキ…パキキ!! 傾きが大きくなる…
「あっ!!!」
「お…おお… 倒れるぞォ~~!!!」
「傾いてきた…! ルフィ!!行くわよ!!!」
「思いっっきり頼む!!!」
「”噴風貝”の『最速』!! ― まだ出した事ないのよね。だって強すぎて私でも制御しきれないんだもん…!!」
「んじゃそれで!!!」
「OK!!!」
「!!!」
「飛ぶわよ!!ルフィ!!!」
「おォ!!!」
「行けェェ!!!お前らに全部かかってんだァ!!!」
「やれやれせっかちな者共だな…。 ― 仕方ない。ここへ近づけぬ様に、”神の島”を少々砕いておくか……」
「”万雷”!!!」
「「!!?」」