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スカイピア全体に降っていた雷の雨が、神の島に集まった。
「ヤハハハハ!!!貴様らが私の元へ辿り着こうなど不届きな事だ!!!」
「蔓を根本から沈める気だわ!!!」
「ふんっ!!!わっ!!!」
ルフィはウェイバーを襲う雷を蹴りや拳で弾き飛ばすのに必死になっていた。
「この蔓が地盤を失ったらもう二度と、この高さには登れない!!!エネルには近づけないっ!!!」
雷の雨が、蔓の根本付近に降り注ぐ…
「”神の島”が砕けるぞ―!!!」
空の海ではシャンディアたちが神の島の惨状を見て、声を張り上げている。
「ルフィ~!!ナミ~~!!!」
ウソップが、事態の打開を願って二人の名前を叫んでる。
「ヤハハハ!!!雷が効かずともここへ来れねば意味はないっ!!!下へ落ちて”雷迎”の完成を待て!!!ゴムの男!!!」
「エネルはもうあんたとは二度と接触したくないみたいね」
「そうはいくか!!!」
「遺跡が、むき出しに…!!!」
「地盤を砕くつもりである!!!」
ロビンが、ガン・フォールが…
「ワイパーが倒れてるんだよ!!」
「ゾロもだ畜生!!!」
アイサが、ウソップが呟いている。
「大丈夫よ! 二人とも拾ってきたから!!」
「「!!?」」
「「イオリ!!」」
「…よかった。無事だったのね!」
「イオリちゃ~ん」
ロビンが安堵し、サンジが目をハートにしてる…
「でもおめェ…その格好……」
ウソップが少し顔を赤らめながら言う。
ナミと同じ感じだけど、水着じゃなくて下着だもんね。実は私もハズいのよ?
「…上着が燃えちゃったからね。しかたないわ。」
着替え持ってりゃ良かったわ。今度から、ちょっと持ち物考えよう。
「「……!!」」
ガン・フォールも驚いてるわね。アイサは言葉も出ないみたい?
なに顔を赤くしてるんだか…
「遺跡が……」
雷は降り注ぎ、遺跡を破壊していた。ワイパーが立ち上がりその光景を見つめている。
「ムダだエネル…。お前には落とせやしない。シャンドラの地に生きた誇り高い…戦士達の歴史を…!!!」
「ワイパー!?」
「どこにあろうと力強く!生み出し…そして育む!!この雄大な”力”を!お前には落とせやしない!!」
そうよね…
雷で大地が砕けるのなら、雷はもっと恐れられてる事でしょう。
「お前がどれだけの森を燃やそうと!!どれだけの遺跡を破壊しようと!!」
神の島を空から落とすと言うのなら、端から少しずつ崩さなければ無理なのだ。
「大地は…敗けない!!!」
「沈まない!!”神の島”はビクともしない!!!」
「だから言ったでしょ?ここが一番安全だって!!」
「いけ…麦わら!!」
ナミのウェイバーが蔓の端から飛び出した。その先にはエネルの舟がある。
「…イオリはあそこに行かないの?」
ロビンが私に問いかける。
「今回は…ここに居たほうがよさそうだからね!」
「え!?」
「さっきは”あれ”に触れて失敗しちゃったけど…ここからなら!!」
ルフィが
「……!!」
「来たぞォ!!!エネル!!!」
「どいつもこいつも……」
「黄金の鐘を渡せェエエ!!!」
「もうよい貴様ら…ウンザリだ!!…この大きさで充分だろう!!国ごと消えろ!!!”雷迎”!!!!」
「「!!!」」
「ナミ、ありがとう!!」
「えっ!?」
「絶対ムダにしねェから!!!」
ルフィが”雷迎”に向かってウェイバーから飛び出した。
「え!!?ちょ…待ってルフィ舟はあっち!きゃっ!!」
ナミはウェイバーと一緒に近くの小さな島雲に落ちた。
「ルフィ!!その中は…!!気流と雷の渦よ!!あんただってどうなるか!!!」
「この巨大な力の前に何ができる!!!ゴムの男!!!」
「うおあああああああ」
ルフィが”雷迎”の中に消えた。そして、中で黄金の玉を振り回している。
「何、この異常な幕放電……」
《そうだ……ヤツの右手には伝道する黄金が…》
「なに…、中で放電しきる前に落とせばよい事!!!全て消えされ!!」
「え!!」
「落とす速度を増したわね!!それじゃぁ…今度こそ止めてやるわよ!!!それと……」
私は両手を”雷迎”に向けて、意識を集中した。
「えっ!!?」
「なに!?…雷迎が…止まっただと!?バカな!!何故落ちない!!?」
恐らくは…エネルも気づいているはずだ。
この国に住む者達全員が…奇跡を願い、
そして…その祈りが……
「晴れろ~~~!!!」
― ドッパァアン!!! ―
大きな破裂音と共に”雷迎”が霧散した…
同時に私が飛ばした無数の雲貝により、そのほかの雷雲も姿を消した。
「うおおおおおおおおおお!!!」
「うおおおおーっ!!ルフィうおおお~~~っ!!!」
「他の雷雲まで無くなってる!?…!!きっとイオリだわ!よかった!無事だったんだ!!」
「鳴らせェ麦わらァ!!!”シャンドラの灯”を!!!」
「聞かせてくれ小僧…!!!”島の歌声”を!!!」
「じゃあな!!!お前ごと鳴らしてやる!!!」
「おのれ…”雷迎”を…!!!雷雲も全て…青海のサルどもが…!!!この不届き者めがァ~!!!」
「!!」
「2億V ”
エネルが体を雷に変えて巨大化した。
「なんじゃありゃ……!!?」
「鳴らすだと!!?”黄金の鐘”をか!!? もう一度鳴る時に戦いの終焉を知らせると、そんな言い伝えに縋ろうというのか!!? 我は神なり!!たかだか”超人系”の能力者一匹!!この最強種”自然系”の能力をもってひねり潰せんわけがない!!!」
エネルが拳を繰り出しルフィを貫く。電撃が走り、普通ならばそれで終りのところだが…
「効かねェって言ってんだろ!!神だ神だとうるせェな!!!」
「!」
「何一つ…!!!救わねェ神がどこにいるんだァ!!!」
ルフィの蹴りがエネルの顔面にヒットする。エネルは巨大化したまま、口から血を吐いて吹っ飛んだ。
「!!?ぐあ!!!」
しかし、悲鳴を上げたのはルフィの方だった。
「ホウ…器用に支えたな、串刺しにならんとは…」
エネルが左腕を下から回してルフィの背中から槍を突き立てていた。
「いっ……!!!」
「ルフィ!!!」
ナミが悲鳴のような声を上げる。
「ヤハハハハハハ!! さァどうするゴムの男!!逃げ場はないぞ!!!」
「熱ィ!!!痛ェ!!!」
「自分の腕に引っ張られて槍は刺さっていくばかり」
「うわああ゛あ゛あ゛!!!」
「逃げればそのまま転落だ…!!!ここまでよくぞ登ってきたな…だがここまでだ。お前も!!!この国も!!!”雷迎”はまた出来る!!!」
「ウゥ!!!」
― これが”国民の義務”なんですよね……!!ごめんなさい!!! ―
試練の際のコニスの言葉が頭をよぎる…
「………!!!」
― 空島…失くなるの…!!? ―
聞いていないはずのアイサの声が、ルフィの耳に響く…
「ぐァッ!!!」
ルフィが槍をよけて腕に引かれて後ろへ飛んだ。
「転落を選んだか。ヤハハハハハハハ!!!」
「ルフィ!!!」
「ナミ!!!そこどいてろ!!!」
ルフィはナミの居る島雲に手を伸ばしていた。
「んがががぎぎが!!!」
「…!?何を…」
「ナメんじゃねェぞ!!!"耳たぶ”!!!ゴムゴムのロケット!!!」
「!!」
「………」
再びルフィがエネルと対峙する。
「ゴムゴムのォ~~~!!!」
「貴様!!いつまで繰り返す気だ!!?」
「鐘が!!!鳴るまで!!!」
「ヤハハ、何度でも相手になるぞ!!!今度は串刺しにしてくれる!!」
だがしかし、先ほどとは異なり、ルフィの右手は伸びきって、次の動作に入っていた。
「黄金回転弾!!!」
― 速い!!? ―
回転した黄金の球がエネルに当たる。雷は放電されてエネルは実体へと姿を戻し、そのまま黄金の球に吹き飛ばされた。
「………!!!」
さらに球は鐘へと向かう。
「ウウウ~~~!!!アアアア~~~~!!!」
「麦わら―!!」
「ルフィ……」
「いけ―!!!ルフィ~~~!!!」
「…く…!!!」
気絶していたゾロが目を覚ます。ずいぶんと、いいタイミングね。
「届け~~~!!!」
― おっさん!!聞こえるか? ”黄金郷”はあったぞ!!!400年間ずっと ”黄金郷”は!!! 空にあったんだ!!! ―
カラァ―…ン!!!
巨大な鐘の音が、スカイピア中に響き渡る…
「届け!!!」
カラァ―…ン!!!
「届けェ~~~!!!!」
カラァ―…ン!!!
「聞こえてるか!!?ひし形のおっさァん!!サル達ィ!!!」
カラァ―…ン!!!
「……!!」
カラァ―…ン!!!
「”黄金郷”は!!!」
カラァ―…ン!!!
「あったぞ~~~!!!」
カラァ―…ン!!! カラァ―…ン!!!
「………!!」
「………う!!」
「やりやがったあんにゃろう~~~~!!!」
「なんて美しい……」
「キレーな音だなー 何だこれ??なんだ!?」
カラァ―…ン!!!
「いつか…こんな時が来ると、信じた…」
「……ノーランドの聞いた鐘の音ってのは…」
カラァ―…ン!!!
「聞いているか? モンブラン・ノーランド」
カラァ―…ン!!!
「ずいぶん待たせた。あんたの子孫に届くといいが…」
カラァ―…ン!!!
「…くっ!メッチャ重いわね…」
「?」
~ ~ ~ ~ ~
「それじゃ、私は二人を迎えに行って来るわね!!…っとその前に、アイサ!!ちょっといいかしら?」
「?」
*--*--*--*--*
「!」
「あ…」
「アイサ……心配した? ……宝物!」
「……!!そんなのいいよ…!! ラキ!!」
「ところでアイサ、青海人のイオリって奴は…何処?」
「イオリなら鐘を鳴らしたルフィとナミを向かえに行ったよ。そうだこれ!!イオリが戦士の誰かに渡してくれって…」
「何これ…鍵?」
「森の入り口付近に檻があるからって言ってた。」
「?」
「それから…」
「おれは後でいい」
手当てをしようとしたチョッパーにゾロが言った。
「だめだすぐに手当てしないと」
「おれより……アレ…何とかしてやれ。死んじまうぞ……!!」
アレと言って指さしたのはワイパーだ。鐘が鳴った後、倒れて動かないようだ。
「ほんとだ。骨までボロボロだ!!えらいこっちゃ!!」
「ナミさんは大丈夫かな…」
「ま、ルフィが一緒なら無事だろ。イオリも何も言ってなかったしな」
「コニスちゃんも心配だ…どこにいるのか…」
「結局アレか?黄金の鐘は ― 」
「あァ落ちたんじゃねェか? あのエネルの金ぴかの舟惜しかったな… ”黄金郷”とはいうが今や名ばかりか。おれ達の貧乏航海は続くわけだ」
「……」
「おれは金よりあの貝がほしい。青海に戻ったら手に入らねェもんな!!」
「大丈夫か?青海人にワイパーを預けて…」
「平気だよ。アイサが仲良くなっちゃったみたい…それにあたしらを助けてくれたのも青海人だよ?」
「…イオリとか言ったか…そいつには会えたのか?」
「鐘を鳴らした仲間を迎えに行ったんだってさ…」
「とにかく急ごう。敵まで目を覚ましちゃ意味がない。…どうしたラキ!?」
「アイサから、そのイオリがあたしらに渡してくれって、これを…」
「鍵?」
森に入ると、そこに牢屋が2つあった。1つにはエネル軍の神兵達。そしてもう一つには…
「あたしらを助けて回る最中に回収したらしいよ?…それからゲダツは空島から落ちたってさ。アイサが言ってたんだけど、”彼女”もマントラが使えるらしいよ?」
「貝は取り外され、神官たちは拘束しているとは…。なにからなにまで…痛み入るな…」