ー ヒュンヒュン ガタガタ ヒュンヒュンヒュン ー
スカイピアの遥か上空に、エネルの船、『マクシム』が飛んでいた。
「帰るんだ…”神”の……在るべき場所へ……」
ケホ…
「私の視界を妨げるものなど…この空にあってはならん。」
ハァ…
「邪魔だったんだ…お前ら…ヤハハハ…誰にも渡さん。私にこそ…ふさわしい」
ハァ…
「夢の様な果てしない大地…!!!」
「さあ、行こう”マクシム”!夜に目映く浮かぶ、あの神の世界へ… ”限りない大地”へ!!!!」
「月へ行くの?」
「!!?」
エネルは驚き振り返る。
自分以外、誰も乗っていはいハズの船で、後ろから声をかけられたから…
そこに居たのは、ユナだった。
《バカな!?ここは空島のさらに上空だぞ?普通の人間が…普通に居られる場所では無いというのに…!? しかも、あのイオリとかいう小娘同様、気配が読めぬ…以前は強さが測れたというのに!!?》
「貴様…いや、あなたは…まさか…『ウナジョ』…様?」
「…なによ『ウナジョ』って?………あ~なる。そうい事…」
「?」
「いい事を教えてあげるわ!違うわね…。あなたにとっては悪いお知らせかも知れないわね?」
「!?」
エネルは少し後ずさる。あの『ウナジョ』が怒っているように感じたからだ。
「イオリはね…私の大事な友達なのよ!!私はね…友達や仲間に、酷い事されるとキレちゃうの!!当然、言ってる意味は……わかるよなァ!!」
「!!?」
ユナの顔から怒りが消えて、それが微笑みへと変化した。
だがしかし…怒りが鎮まったようには見えない。その目が笑っていないから…
エネルの体は小刻みに震えていた。
「
「
「
「
「
すべての技がことごとく…発動前に潰されて、エネルは殴り飛ばされた。
雷となって移動しても、移動先には待ち受けていたように、彼女の姿があった。
まるで…未来が見えているかのように……
《圧倒的ではないか…まるで…まるで我と空の者の如く……》
なんだろう?
そもそも私を恐れていたからか知らんけど、あっさりボコボコにされたわね?
それだけボロボロだったって事かしら?
これってさぁ…
まるで、カノンがみんなにやってる訓練じゃん?
限界まで体を酷使した後での本番って…
もしかして、エネルがレベルアップしちゃうんじゃ?
………まぁ、いっか!! 私、スッキリしたし!!
「なるほどな…ゴムの男が言っていたのは本当だったわけだ…」
デッキ上、仰向けで大の字になりながら、エネルが言った。
「青海にはあなたより強いヤツがゴロゴロ居るって話?」
思考を読んで、私がエネルの言っている事に補足を入れる。
一瞬驚いた顔を見せたエネルだけれど、イオリが出来た事を私が出来てもそれほど驚く事では無いと思い直したようだ。
「……そうだ!我はこの世で自分が最強だと思っていたが…、どうやらそれは、とんでもない思い上がりだったようだ。」
「…月に行くの?」
「そうだな…。我はそこで一からやり直すとしよう。もっと自分を鍛えて戻って来るさ!」
「あら?あそこが神の居る場所なんじゃないの?」
「我は『
神になる事を諦めてはいない…という事かしら?
「…我が鍛えて…戻って来たなら、またいずれ…」
「この短時間で、ずいぶんと、いい顔になったじゃない!」
「この短期間で、何度もズタボロにされればな…。嫌でも自分の力不足がわかるというものだ。」
「なるほどね…。ちなみに、イオリは私よりも強いのよ?」
「そうなのか?…我は…あの小娘に勝ったのだがな?」
「残念ね。雷で痺れさせた程度で勝ったとは言えないわ。あの
「つまり…手加減されていたと?」
「たぶん、あなたをルフィがぶっ飛ばすとか言ってたんでしょうね? だからあの娘は、あなたを倒す役目を彼に任せた。それだけの事よ。」
「つまり…我より強い者が…すくなくとも3人も青海には居る…という事か…」
「ゴロゴロいるわよ!!」
「我が雷だけに?」
「……」
うっせーよ!ダジャレじゃねぇわ!!
エネルにちょっとイラっとしたユナでした。
そして…
ユナが姿を消すと、今度こそ、エネルは旅立った。
限りない大地へと……
ちょこっとだけれど、エネル…
改心したかも?