夕食が終わり、キッチンでは後片付けが行われていた。
「サンジ、洗い終わった食器はここでいいかしら?」
道具はすでに洗い終え、拭いて所定の場所に収納済。
水切り籠は2段の大きなものがあり、そこに大量の食器が積み重なっている。
人数的には6人でも、量的に言えば10人分を超えるのだから当然だ。
しかし、本当にすごい量だわね。あんまりキッチンの場面がないからわからないけど、原作でもこんな感じだったのかしら?
私一人分しか違わないはずなんだけど…
一応言っとくと、私の食べる量は、普通の大盛りくらいです。ルフィみたいに5人分とか食べてません。
まぁ、食べようと思えば、ルフィと同じくらい食べれますけども…
「…ああ、そこで大丈夫だ。ありがとなイオリちゃん」
「別にいいわよ。サンジが加わってから随分楽になったんだから、これくらいなんてことないわ」
「…」
「どうしたの?ジロジロ見て…」
私のエプロン姿、なんか変?
「あ、いや…。おれはガキの頃から厨房に立ってたけど、女の子と一緒ってのはなかったから、なんだか不思議な感じでさ…」
「そういうことか…もし、いやなら言って?サンジの邪魔をするつもりはないんだから。」
「そういうわけじゃないよ。むしろ憧れっていうか…」
サンジの顔がにやけて、鼻の下が伸びた。何を考えているのか思考を読むまでも無い。
「…今、私がナミだったらとか想像したでしょ?」
「!!? いやいやいや!!そんな事ないって!!」
「フフフ…大丈夫よ? 別に焼いたりしないから!!」
なんだか微笑ましくって、ニコニコしながら軽口をたたく。
「…う~ん…それはそれでちょっと…」
小さな声で、ごにょごにょとサンジが口ごもる。
「それじゃ、明日使う食材教えてよ。元の大きさに戻して、棚の収納貝に入れとくから」
「ああ…うん、わかった」
《 なんだろうな…この感覚……イオリちゃんって確か19だよな? それなのに… 》
「うん?」
サンジは首を振った。
この感覚はまるで…母の手で包まれているような…
さっきのイオリの表情にドキっとした。見た目は本気で怒った時と同じだが、雰囲気がまるで違った。
ふと頭に浮かぶのは…
ー 『ん~~!おいしいっ!!』 ー
「!!?」
「サンジ…どうかした!?」
「…あ…いや、うん……。ああ、明日使うのは、鶏肉とじゃがいも、玉ねぎ、人参…それと牛乳」
「おっ、明日はクリームシチューね!!」
「ああ、それと昼はサンドイッチにしようかと思うんだけど、具財はなにがいいと思う?」
「そうねぇ…、タマゴとツナとレタスにチーズ。あと、うるさいのがいるからカツとローストビーフ。カツには千切りキャベツの方がいいかしらね。それからアボカドとかがあってもいいかも?」
「いいね。じゃあそれで!!」
「わかった。量はいつもどおりでいいわね?」
「うん。よろしく!!」
~ ~ ~ ~ ~
「…ナミさんもいいけど…イオリちゃんも捨てがたいよなぁ…」
「なに言ってんだ?エロコック!!」
「!!? お…てめ…ま…マリモいつからそこにっ!!」
「別にのぞきに来たわけじゃねェよ。氷を取りに来たんだ…焼酎をロックで飲もうと思ってな…」
「…」
「…」
「…な、なんだよ!!」
「いや…なんでもねェ…ほんじゃあな。」
ちなみに…
ゾロが飲もうとしていた焼酎は、以前、踵落としのお詫びにと、イオリがゾロに渡したモノでした。