「その移動しちゃった村へ、私達が連れてってあげられればいいんだけど」
「それがよ……10の島はそもそもつながった一つの島だから
「いいんだ、そこまでやって貰う事はねェ……おれ達は気が長ェから大丈夫だ。それより…そうか。これがお前らの仲間達か。せっかく来たんだウチへ入れ。もてなそう」
「もてなすもんねェだろ。もうチーズはいいぞ!!」
「あはは」
一緒に歩いてトンジットさんの家へと向かう。大きな気配のある方へと私たちは進んだ。
「ぶ!!」
トンジットさんが何かにぶつかった。背の高い人が立ったまま寝ている?
涎たらしてますけども?
「うお!!何だこれは……」
「人!?」
「ここにずっといたの!?」
「んん!!? 何だお前ら」
「「おめェが何だ!!!」」
「木かと思った」
― どさっ……!! ―
ロビンが腰を抜かして尻もちをつく。突然呼吸が荒くなる……
「ん?」
「ハァ…ハァ……!!」
「…え!!?」
「ロビン!?」
「どうしたロビンちゃん」
私は静かにロビンの隣についた。
「…あらららコリャいい女になったな…ニコ・ロビン」
「ロビン!!どうしたんだ!!!知ってんのか!?こいつの事!!!」
「………!!!」
「……昔…ちょっとなァ……」
「………!!」
「ロビンがこんなに取り乱すなんて…誰!!?」
ゾロは刀に手をかけて、サンジはすぐにでも飛び出せるように構え、ウソップはパチンコを引いて構える。全員が、戦闘態勢に入っている。
「ルフィ!あんたには写真を見せて説明したはずだけど?忘れてるのかな?」
「「えっ!!?」」
「……あららら、まーまー、そう殺気立つなよ兄ちゃん達……別に指令を受けて来たんじゃねぇんだ。天気がいいんでちょっと散歩がてら…………」
「指令だと!!?何の組織だ!!!」
「??」
「海軍よ!」
「「!!?」」
「そう、彼は海兵よ…海軍本部”大将”青キジ」
私が言うと、次いでロビンがその男の正体を明かした。
「「”大将”!!??」」
「た………大将っておめェ…!!!ど…どんだけ偉い奴だよ」
「海軍の中でも”大将”の肩書きを持つ将校はわずか3人………!!!」
「現在は”赤犬”、”青雉”、”黄猿”の異名を持つ3名…って説明したわよね?」
「ごめんなさい」
ニッコリ笑ってルフィに言ったら即座に謝ってくれた。あとでまた復習しないとね!!
「…その上には海軍トップ、センゴク元帥が君臨するだけ。世界政府の”最高戦力”と呼ばれる3人の内の…一人がその男よ!!!」
「何でそんな奴がここにるんだよ!!!…もっと何億とかいう大海賊を相手にすりゃいいだろ!!! ど……どっかいけーっ!!」
ウソップ?あんたの言い分だと、ここに彼が居るのは問題なくなっちゃうわよ?
「あららら、こっちにも悩殺ねーちゃん。スーパーボイン!!今夜ヒマ?」
「何やってんだノッポコラァ!!!」
「話を聞けオラァ!!!」
「ちょっと待ちなさい!お前らまったく……そっちこそ話を聞いてたのか?おれァ散歩に来ただけだっつてんじゃないの。カッカするなよ。だいたいお前らアレだよ、ホラ…!! …なんだ…忘れた。もういいや」
「「話の内容グダグダかお前っ!!!」
ウソップとサンジが揃ってツッコミを入れている。
「何なんだコイツ…!!!おいロビン!イオリ!!人違いじゃねェのか!!!こんな奴が海軍の”大将”なわけがねェ!!」
「オイオイ、そうやって人を見かけで判断するな。おれの海兵としてのモットーは『ダラけきった正義』だ」
「「見かけ通りだよ!!!」
「…」
「とにかく、まァ、あァ…ちょっと失礼。立ってんの疲れた…。よっこらしょ」
「じゃ、さっき何で立って寝てたんだ?」
「そんでまあ早ェ話、お前らをとっ捕まえる気はねェから安心しろ。アラバスタ事後消えたニコ・ロビンの消息を確認しに来ただけだ。予想通り、お前達と一緒にいた。」
「ほんっとにやる気ねェんだなコイツ」
「ふてぶてしさはある意味”大将”だ」
「本部には、報告くらいはしようと思う。賞金首が一人加わったら総合賞金額が…ちょっと変わってくるもんな。1億4千と1億3千と…7千万と………7千900万をたして……わからねェが ― まぁ、ボチボチだ」
「しろよ計算」
「”ゴムゴムの”ォ~~~!!!」
「ん?」
「ちょと待て待てルフィストップ!!スト~~~~ップ!!!」
ルフィが青キジに攻撃を仕掛けようとするのをウソップとサンジが止める。
「放せお前ら!!!なんだよ!!!」
「こっちからフッかけてどうすんだ!!!」
「相手は最強の海兵だぞ!!!」
「それが何だ!!だったらロビンを黙って渡すのか!!!」
「いや、だから…」
ごめんなさいねェ…。祖父に似て、その子は話を聞かないの…。
「何もしねェって言ってるじゃねェか……」
「ブッ飛ばしてやる!!!」
「回避はしたけど、『デービーバックファイト』をやってたらどうなってたかしら…。ルフィは軽口叩いてたけど、やらなくてよかったはずよ?あの子にとって仲間は命より大事なんだから…」
私はロビンの隣で呟いた。勝負は時の運だもの…。私がゲームを阻止したのはそれが理由だ。くだらないゲームで仲間を失うくらいなら、問答無用で相手を潰す!!
「……」
「なんだ散歩か!!じゃこんなとこ通るなお前!!出ていけ!!」
「めちゃくちゃじゃないっすか」
「何となくルフィが押してる…」
「 ― じゃあわかった。…帰るがその前に…。さっき寝ながら聞いてたんだ。………あんた!」
「ん?」
そう言って、青キジが声をかけたのはトンジットさんだった。
「おれは睡眠が浅くてね……話は大方頭に入ってる。すぐに移住の準備をしなさい」
「おいおっさん!!こんな奴の言う事聞く事ねェぞ!!!こいつは海兵なんだ!!!」
何を言ってるんだろうね?この子はさぁ………
「……」
「……」
ほ~ら、みんな固まっちゃったじゃないさ!
「いーんじゃねェのか?」
トンジットさんがルフィに言った。
「いーんだ、そうだよいーんだよ! 普通海兵が味方でおれ達の方が悪者だよ!あっはっはっ」
「笑ってる場合かよ!!」
笑うルフィに、ウソップがツッコんでいた。
「あいつ、おっさんを助けてくれるってよ」
「んなコト言ってもムリだろそれは」
「要するに…留守中に移住しちまった村を追いかけて3つ先の島へ行きたい。年に1回の引き潮を待ち馬で移動したいってんだろ。違うか?」
「……そうだよ。引き潮を待たなきゃ移住なんてできねェのわかるだろ」
「大丈夫だ」
「説得力ねェよ!!どうしても」
横になり、だらけ切った感じの青キジの言葉は、ウソップには響かないらしい。見た目や雰囲気に騙されるといういい例だろう。
まぁ、今言っている事は見聞色が使えたところで分からない。気配の強さとは関係ないからね。
「…確かに…その男なら……それができるわ」
「?」
ルフィ…おめェは何で、頭にクエスチョンマークを浮かべてんだよ!?
「よし、海岸に着いた。ここが年に一度引き潮で道のできる場所だな」
移住の準備をみんなで手伝って海岸までやってきた。
「たまには労働もいいもんだ」
「ほんとだ、いい気持ちだ!!お前なかなか話せるなー!!」
「いやすまんな手伝って貰って。さァチーズでもどうだ。お口に合うか」
「やめろそれ!!」
「結局打ち解けちゃった……」
「 ― で?どうすんだ?このままおめェが荷物とか、全部引っ張って泳ぐのか?」
「んなわけあるか………」
クザンさんが一人で海に歩いていく……
「少し、離れてろ……」
海に近づくと海獣?が現れた。クザンさんはかまわず、海に手を触れる…
「!!!」
「いかんっ!!!この辺りの海の主だ!!!」
「ギュアアァア!!!」
「何だおい!!!お前逃げろォ!!!」
「危ねェぞ!!!」
「…問題ないわよ」
「”
ガキ―……ン!!!
海獣も海も……一瞬にして見えるモノ全てが凍りついた。
「「!!!?」」
「悪魔の実!!!」
「海が凍った………!!!」
「自然系……”ヒエヒエの実”の……」
「……あ……そうか!!”氷結人間”!!!」
「……」
私は脱力した…
忘れてはいなかったらしいけど、これじゃ覚えて無いのと一緒じゃんよ!!
「 ― これが”海軍本部”『大将』の能力よ……!!!」
クザンさんが海から手を離して振り返る。
「一週間は持つだろ………のんびり行って村に合流するといい…。少々冷えるんで…温かくしていきなさいや………」
クザンさんは、トンジットさんの脇を抜けて、草原の方へと向かう。
「…………」
「トンジットさん!念のため。寝る時は必ず陸地にしておいた方がいいわよ?」
「ああ…」
私の言う事を聞いているのか居ないのか…。トンジットさんは呆けたようにクザンさんの背中を見ていた。
「…夢かこれは…海が……氷の大地になった!! なァシェリー…海を渡れる。村のみんなに会えるぞ!!!10年振りだ……!!!」
「ヒヒーン!!」
「あんた!!ありがとうなァ!!! ありがとう!!ありがとう!!!何ちゅう奇跡だ!!!ありがとうなァ―!!!」
「ヒヒーン!!」
トンジットさんのお礼の声に、手だけ振って応えるクザンさん。一般の人にお礼を言われる事なんて、たぶん滅多にないのだろう。照れたように頭を描きながら振り向かずにそのまま歩いて行く。
「………」
「……じゃあよ、おれ達ァ行くから」
「ああ、よかったな!!おっさん!!馬!!」
「シェリー、気をつけていくんだぞ」
「ヒヒーン!!」
「おめェらにも何と礼を言っていいか……おめェらが来なきゃ、おれはいまだに竹馬の上だった!ありがとうな―!!!この恩はずっと忘れねェよ―!!!」
「ヒヒーン!!!」
「気ィつけて行けよ―っ!!!」
「元気でな―っ!!!」
「もう竹馬には乗るなよ―!!!」
みんなでトンジットさんを見送った。原作と異なり、トンジットさんが歩いて荷物を引いて行くのではなく、シェリーが荷物を引いていく。
「………ふ―…っ」
「…は-っ…よかったよかった」
「うほ!!寒ィ寒ィ!!」
「うわふ」
「すっかり冬だコリャ」
「あはは」
「………」
「ん?」
「………」
「…何だ」
私たちが、凍った海から離れるように青キジの向かった方へと歩いて行くと、青キジが胡坐を組んで待っていた。
難しい顔をしている青キジに、ルフィが首を傾げている。
「何というか…じいさんそっくりだな…モンキー・D・ルフィ……」
「!?」
「奔放というか…つかみ所がねェというか………!!」
「…!!!…じ……じいちゃん…!!?」
「…じいさん!?ルフィの!?」
「ん!?おいどうしたルフィ!!汗だくだぞっ!!」
「………!!!べ…べ、別にいや………そ…その」
「ねぇ、イオリ…。ルフィのお祖父さんって……」
ナミに聞かれて頷く私。
ほんとにルフィには、困ったもんだわ。考えが足りないというか、そもそも何も考えていないと言うか…
相手は海軍本部の大将なんだから、こういう話の流れになる事なんて容易に想像できるでしょうに…。
それに…ルフィは知らない事だけど、もうすぐ合う事になるのにねぇ…。『じいさん』って聞いただけで、こんなんなっちゃうなんて、実際に会ったらルフィはどうなっちゃうんだろう?
「お前のじいさんにゃあ…おれも昔……世話になってね。おれがここへ来たのは……ニコ・ロビンと…お前ら
お前ら二人と言うところで、私とルフィに視線を送るクザンさん。
マジっすか? 私も入ってるって事? なんで?どうして??
もしかしてガープがなんか言ってたとか?
「 ― やっぱお前ら……今、死んどくか」
「!!!?」