イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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05-160話:パッフィング・トム

 G・M号はルフィとロビンの体の安静の為、ロングリングロングランドに数日停泊する事にした。

 

「イオリ!!どうだ出来てるか!!?」

 例によって訓練場での訓練中。ゾロが正拳突きを繰り出すと一瞬、拳に武装色が現れた。

 

「(一瞬だけど)出来てるわよ!意識してインパクトの瞬間に出してたんでしょ?自然系にも有効だと思うわよ?」

「そうか!!」

 喜んだ顔を見せるゾロ。

 

「でもゾロは剣士なんだから、剣を武装硬化出来るようにならないとね!あとはイメージをしっかり持ってやる事ね!」

「よくわかんねェな…」

 

「そうねェ…そうだ!どんな感じになるかっていうと…」

 私はゾロの手を取って、手首から先とゾロの持つ剣に武装硬化を施した。その間ゾロはそっぽを向いている。なんで?? つか、ちゃんと見ていてほしいんだけど?

 

「おっ…!」

「この感じを覚えて、イメージしてみなさい!武装硬化が解けたら、自分でやってみたらいいわ!」

「わかった!やってやらぁ!!」

 

「イオリちゃん、見て見てっ!!」

 サンジが訓練場の天井まで月歩で進む。まだぎこちない感じはあるけどマスターしたみたいね!

 

「凄いじゃない!!」

 

「まだ少しだけだけど飛べたよ~!!おれはこれを『スカイウォーク』って命名するんだ!!」

「いいんじゃない?まぁ、サンジならすぐに出来るって思ってたけどね。」

 これならジャブラに楽勝じゃん?

 

「で、どうする?”剃”や”嵐脚”、”鉄塊”もやってみる?」

「”剃”ってのはやってみたいな。そうすりゃ合わせ技の”剃刀”だっけ?おれも出来るようになれば、イオリちゃんの負担も減るだろ?」

 

「私の負担なんて気にしなくていいわよ。でも高速移動出来るメンバーが増えるのは喜ばしい事だから、取り組んで貰えるなら嬉しいな。」

「イエスマム!!」

 

 ああ、ちなみにエルは月歩も剃も完璧になった。通訳チョッパーいわく、現在は武装色の強化に取り組んでいるのだとか。

 あの子…どんどん強くなるわね。体も親と同じくらいに育ってるし、そんなに経ってないのにね?ぶっちゃけ一番成長してるのって、エルだったりするんですけど?

 

「やっぱり、サンジはこの格好のほうがいいみたい?」

「そりゃあもう!!気合入りまくりだよ~!!」

 

 サンジのリクエストもあって、修練場では空島で見せたビキニ姿(あれは下着でしたけど…)で稽古をつける事にした。普段の服とは違うので、サンジの気合が違うらしい。

 まぁ、ナミやロビンに比べるとボリュームが足りない気がするんだけど?

 

「イオリはEカップだっけ?」

 一緒に訓練をしているナミが言う。

 

「Fよ。はっきり言って、もうこれ以上大きくならないでほしい…」

 カノンなんて、訓練の時なんかは小さくしてるって言ってたし…

 まぁ、私も戦闘の際は小さくすればいいんだけど、そうすると余計な事を言う奴が居るじゃんよ?ムカッとするからそれもなぁ…って思う訳。

 

「まだ大丈夫よ、私より3サイズも下なんだから!」

「ナミもロビンもよく平気だと思うわよ。私は今でも重いと感じてるのにさぁ……。まぁ、大きくなったらなったで、邪魔な時は能力で小さくすればいいけどね。」

 

「おいおいおめェら、ここには男どもがいるんだがなァ…」

「なによゾロ。もしかして気になったりするわけ?」

 そもそも、顔を赤くしてるの、あんただけなんですけど?

 

「バッ…バカ言ってんじゃねェ!!!」

 なるほど、さっき手をとった時にそっぽを向いていたのはそういう事ね…。

 

「……」

 

「ウソップはどう?」

「…ん…なかなかうまくいかねェ…」

 

「ちょっといい?」

「…ああ…」

 

 私はウソップと訓練場の隅に移動した。青キジの件からなんとなくいつもと違う感じで、無理して明るく振舞っているように見えていたからだ。

 

「ねぇ、最近おかしくない?いったい何を気にしてるのよ?」

「いや、別に……なあイオリ…この一味に…おれは……あ、いや、なんでもねェ…」

 

「必要なのかな…って?」

「!!?」

 

「何を気にしてるのかと思えば…そんな事か…」

 私はため息を吐いた。

 

「そんな事!って?おめェ!!おれはなぁ…!!」

「ウソップ!!はっきり言っといてあげるわ!!この一味にとってあなたは…」

「……」

 ゴクリ… と生唾を呑み込む音が聞こえた。

 

「必要な存在よ。それも、絶対に不可欠な存在だと、私は思ってる!!」

「え!!?」

 私の答えに耳を疑うように驚くウソップ

 やっぱりコイツ、自分の事を過小評価してたみたいね。

 

「どんな集団にだってムードメーカーっていうのは必要なのよ!この一味では、それがあなただと思ってるんだけど?」

「!!」

 

「だからね…あなたに浮かない顔をしていられると困るのよ!!それと、気づいて無いようだから教えてあげるけど、1つ目に、あなたはいつでも誰より状況を正確に把握しようと務めてる。それは危機回避や戦闘において最大の武器になる。」

 ルフィとふざけ合ってて、それが疎かになっちゃう事もあるけどね?

 

「でもよぉ…状況の把握はおめェのほうが出来てんじゃねェか!!」

 おめェがちゃんとやらねぇからだよ!!…とは、今は言わないでおこう。

 

「じゃあ、ムードメーカーっていうのは納得してくれるわけね?…続けるわよ? 2つ目に、あなたはいつも自分の弱さを曝け出してる。情けないって思う人も居るかもしれないし、あなた自身も情けないと思う事があるんだろうけど、自分の弱さを認識するって事は強くなれる要素の一つなの。事実、この一味で一番成長してるのはあなたなのよ?今のあなたなら『キャプテン・クロ』だって仕留められるわ!それだけの力をこの短期間で身につけたわけよ!それって凄いと思わない?それだけ成長してるんだから、自信持ちなさいよ!!」

 

「おれがか?…イオリおめェ…慰めでデタラメ言ってんじゃねェだろうな?」

 

「いくらウソップが褒めて伸びるタイプだからってそんなデタラメは言わないわ。そうねェ…。今のあなたに懸賞金をつけるとしたら4000万ベリーってところかな?」

 私の初頭手配と同額を言ってみた。それでも少なく見積もっての金額だよ?まだ3割程度だけど武装色だって使えるようになっている。ぶっちゃけ原作アーロンにですら、闘い方によっては倒せる程に強くなってるもん!!

 

「そ…そうか…そうだよな…そうだと思ってたんだよ!そーだよ、おれはすげェんだ!!よ~し、やるぞ!!ゾロ達より先に完璧に覇気を身につけて、もっともっと強くなってやるぜ!!」

 

「そうね。あなたが武装色を完璧に身につけたら、一味の戦闘力は格段に飛躍する事になる。期待してるわよ!」

「まっかせなさーい!!おーし!!やるぞー!!!」

 

 訓練場の中心へと喜び勇んで走っていくウソップ。すると柱の影からナミの声が聞こえた。

 

「張り切っちゃって…。イオリ、今の話、本当に?」

 

「本当よ。まぁ、みんな成長してるけどね。『青キジ』が言ってたでしょ?私たちの成長の速度は恐ろしく早いみたいだからね。」

 

「…だとしたら、その一番の要因はあんたじゃないの?ゾロやサンジ君が急速に強くなってるのだってあんたが教えてるからでしょう?それにつられてルフィも二人に先を越されまいと必死になってるんだから…。」

 

「じゃあ、ロビンの次に危険視されるのは、私かもね?」

「そんなサラッと言って…。何度でも言わせてもらうけど、無理や無茶はしないでよね?忘れないでよ。あんたの友達が心配してるって事…」

「心配してくれてありがと。でも大丈夫よ。たぶんね…」

 

 

 ロングリングロングランドを出航後、3日目の朝を迎えた。

 空は快晴。天候は春、時々 ー 夏

 

「う~~~…ん、い~~~~い天気!」

 私とナミはデッキチェアにもたれながらトロピカルジュースを飲んでいた。

 

「んヌワ~~ミさァ~~~~~ん、んイウォ~~リちゅァ~~ん!!」

「「?」」

 

「ジャガイモのパイユ、作ってみたのですマドモアゼル。よろしければ」

 

「「んんおいしい」」

 

「幸せー!!!!」

「うるせェなてめェ!眠れねェだろ!!」

 

「はいはいすいませんでしたサボテン君」

「なんだと!!?”ダーツ”コラ!!」

 

「ダ…!!何つった今てめェ」

「ダーツまゆげ」

「あァ!?」

 

「ルーフィ~~っ!ルーフィ~~っ!!」

「だーっ!!」

「うおーっ!!待ってましたー!!!」

「”凍ったおれのマネ”!!!」

 

「ぷ~~~っひゃっひゃっひゃっひゃっ!!!あっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ」

 ウソップとチョッパーが床を叩きながらウケている。

 

「 ー もー…凍って死にかけといて…よくやるわよそんな事!」

 

「うはははは似てたか!?」

「そっくり!!そっくりだぜルフィー!!」

「あれ!!おいナミ、イオリ!!お前ら何食ってんだ!!!」

 

「パイユ。じゃがいもよ」

「いもか!!おれも腹へったぞ、おいサンジー!!」

 

「だいたいてめェはどんだけ寝りゃ気が済むんだ!!?」

「どんだけ寝ようとおれの勝手だ。やるならやるぞ」

 

 ゾロとサンジの口論は続いていた。その時、ロビンがラウンジから出てきた。

 

「ロビン」

「ロビン!!気分はどうだ?寒気はあるか?」

 

「お陰様で……だいぶいいわ…ありがとう船医さん」

「でも無理しないでロビン。まだゆっくり休んでていいのよ。」

 

「そんな…嬉しくねーぞコノヤロー」

「嬉しそうだな」

 

「だいたい同じ目にあったコイツがこんなにピンピンしてるから気兼ねしちゃうでしょうけど」

 

「ロビンちゃん何か…からだのあったまるもん作ろうか!!食欲はあるか?」

 

「…じゃあ、コーヒーを頂ける?」

「喜んでー!!」

 

 サンジがコーヒーを入れている。他の面々は思い思いの場所でパイユを食っていた。

 

「パイユだってよ、うめ~~っ!!」

「パイユってなんだ??」

 

「パイユってのは大怪獣パイユのしっぽの肉だ!!おれが仕留めたのさ!!全長…」

 ま~たおまえはよォ…。

 

 引きつった笑みを浮かべてウソップの顔を見てたら、視線に気づいたウソップの口が止まった。

 

「ウソップ?」

 チョッパーが不思議そうに声をかける。

 

「あ…いや、なんでもねェ。パイユってのはじゃがいもだってナミが言ってたぜ!」

「そーか、いもか!うめェな!!」

 ウソップのホラって実現するから怖いのよね。まぁ、大怪獣パイユなんて存在しないから、問題無いと思うけど…

 

「……んん?? 何だありゃ…」

「ん?」

 ゾロが、巨大ガエルを見つけたみたい。次いでルフィも気づいたらしい。

 

カエルだ!!!巨大ガエル!!!クロールで泳いでんぞ!!あんなに急いでどこ行くんだ!!?」

 

「おいルフィ、バカも休み休みに言え。カエルがクロールなんか…しとるー!!!

追うぞ野郎共!!!

 

「カエルがクロールしとるー!!!」

「オール出せ!!!漕ぐぞ!!!」

「船体2時の方角へ~~~!!!急げ~~!!!」

 

こら!!あんた達何勝手に進路変えてんのよ!!!

「それがおい聞いてくれよナミ!!!でっけェ体中ケガしたカエルを見つけたんだ。おれ達は是非それを丸焼きで食いてェんだよ!!!」

「「食うのかよっ!!!」」

 ナミは呆れて文句を言うのを諦めた。

 

「ん?あれは……灯台…!?」

 進行方向を双眼鏡で覗いたナミが、灯台を見つける。

 

「どうしてあんなところに灯台なんて…誰かいるのかしら…。イオリ、何か知ってる?」

「灯台って…こんな海の真ん中に?」

 私はナミの問いに頭を傾げて答えた。

 原作知識で知ってるけど、それは言えないからね。海列車の記事は新聞で読んだ事があるけど、ココロさんのいる駅はどこにも載っていなかった。

 

 でも、灯台か……。要するに、海上に駅があるって事なのよね?

 考えてみると、そもそもココロさんの居る駅、おかしいよね?

 あの駅で降りて、そこからどこへ行けと?

 もしかして……船を止めておける場所があって、そこから海列車に乗る駅って事なのかな?アクアラグナの時期を外せば、それも一つの方法か?

 いやいや、そもそもここまで船で来れるなら、船で目的地に行けばいいじゃんよ!

 あっれェ~?ここに駅があるのはいったい何故に?

 

「どうした、島が見えたのか!?」

「ううん灯台があるの!別に記録指針が指す場所じゃないわ」

 

「カエルは!?カエルの方法指示してくれ!!」

「いやよ!!!」

 

「カエルも灯台を目指してるわよ」

「カエルはまず白ワインでぬめりを消し、小麦粉をまぶしてカラッとフリート」

「ちょとロビン!!サンジ君」

 

「よっしゃ全速前進~~っ!!!」

「おー!!!」

「その団結力は何なのよ!!!」

 

「…灯台って事はもしかして…駅があるかも知れないわね?」

「駅!?」

 

 実は今、私はすごく混乱している。なんでそこに駅があるのか分からない…

 やっべェ~…ここに来るまで考えた事すら無かったわ!

 駅の名は…確か、『シフト(ステーション)

 シフトとは、切り替え?…要するに、そこで路線の切り替えを行う場所って事?

 いやいや、それなら駅ちゃうやん!それにアクアラグナの時に人が居なくてもちゃんとエニエスロビーに行ってたやん!!

 

「…たぶん、ウォーターセブンが次の島なんじゃないかしら?」

「言ってる事がさっぱりわかんないんだけど?」

 あれあれ?ナミってユナのファンよね?ユナの会社の所在地は知らないのかな?海列車の路線上なんだけどな…

 

 カンカンカンカン

 

「あ!?」

 警報音が響き出した。列車が来ると言う事だ。

 

「え!!?待ってよ、みんなストップ!!変な音がする!!」

 

 カンカンカンカン

 

「これは警報機の音よ。列車が来る合図だわ!!」

 

「警報機?列車?何で?…ここは海よ!」

 警報音に負けないように大声で叫ぶけど、ナミにしか声が届かない。

 

 カンカンカンカン

 

「ん!?何だ何だ!?」

「よし!!カエルが止まったぞ!!!一気に追いつめろーっ!!!」

 

 カンカンカンカン

 

「え!?」

 

「うわ!!何かに乗り上げた!!」

「ゲロゲロ…!!!」

 

「は?」

 すぐ近くまで海列車が来てる。ものすごいスピードで近づいている!

 

「バックバック!!180度旋回~!!!」

 まったくも~!!原作ではどうやって逃げたんだ!?間に合わないじゃないの!!

 

 線路に乗り上げたからうまく旋回できないみたい。

 

「しょうがないわねェ…」

 私は念動力でメリーを浮かせて船を回し、船尾で『憤風貝』を使ってメリーを線路内から脱出させた。

 

 ー ポ-…っ!!! ー

 

 ー ゴォオッ!!! ー

 

 汽笛と轟音が響き渡り、離脱したメリー号のすぐ後ろをもの凄い勢いで大きな黒い塊が通り過ぎる。

 

 これが海列車か…。間近で見ると迫力あるわねェ!!みんなもめちゃくちゃ驚いてるし…

 

「どわあああ~~~!!!」

 

 ー ザブン!!! ー

 

 メリーが着水する。まったく、世話が焼けるわね。

 

「何だコリャ~~!!!」

「ゲロッ!!!」

 

「あ!!!おいカエル逃げろ!!!何してんだー!!!」

「何なんだこの鉄の怪物はァ!!!」

 

「…!!!船!!?違う…!!こんな形で海を走れる訳がない!!!あんたさっき列車って言ってたわね?」

「ウォーターセブンの海列車!ナミは聞いた事無い?」

 

「ゲロォ!!!」

 

 ー ガン!! ー

 

 巨大カエルが海列車に跳ねられた。カエルの体の傷はこうやって付いたんだろう…

 

「うわー!!!ひかれた~~~!!!」

 

「……!!!」

 

 ー ポ~ッ!!! ー

 

「「…………」」

「…船がけむり吐いてたぞ」

「……………!!!」

 

「あ!!大変だ!!ばーちゃんばーちゃん海賊だよ!!!」

「何!!?本当かチムニー!!!よーひちょっと待ってりゃ」

 駅舎では、小さな女の子がこちらを見ながら騒いでる。

 

「面倒だな、建物から誰か出てきた……!!応援呼ぶ気だぞ…」

 

「あ-…!!もひもひ!!?え~~と!!………!!何らっけ!?忘れまひた!!!ウィ~~ッ!!」

「「酔っぱらいかよっ!!!」」

 

 とりあえず、落ち着こうという事で、灯台のある駅に船を停めた。

 

 

「ほーパイユ?ふんふん……酒の肴にいいねー」

「うわーおーいーし~~~!!」

 

「あたしはチムニー!!猫のゴンベとココロばーちゃんよ!!」

「おめェら列車強盗じゃね~だろうな、んががが!!」

 

「おれはルフィ、海賊王になる男だ!!」

 

「ホント!?」

「ああ」

 

「んががが面白いねアンタ」

 

「ねー、チムニーあれは蒸気船じゃないの?うちの物知りが海列車って言ってるんだけど…」

「へぇ~ほんとに物知りね。世界中探してもここしかないんだよ!あれは”海列車”『パフィング・トム』っていうの。蒸気機関で外車を回して海の線路を進むのよ!!」

 

「線路?」

「そうよ、水面の少し下を通ってて、列車は毎日同じ所をぐるぐる走って島から島へお客を運ぶの。船とか郵便物も運ぶのよ。」

 

「本当だ、確かにあるぞ線路」

「そうよ!!”仕切り”もあるのに船で入っちゃ危ないじゃないあなた達」

 

「危ねェっつってもよ、カエルはそれわかんねェだろ!吹き飛ばすのはひどいぞお前。おれ達の獲物なのに」

 

「ああ…あいつは”ヨコヅナ”って言って、このシフト駅の悩みの種なのよ。力くらべが大好きで、いっつも海列車に勝とうとすんの!あれくらいじゃ死なないし、また現れるわよ!」

 

「力くらべ!!?……ああ、だからあいつ逃げなかったのか。根性あるじゃねェか!!」

 

「困ってんのよこっちは!!何度か排障器も破壊されてるくらいで、あいつが出てくる度にお客さんに大迷惑かけてるんだもん!!」

 

「そうだったのか…よーし!おれ、あいつ食わねェ!!!頑張り屋はおれ、食わねェ!!」

「初めからそうしてよカエルなんて」

 

「そんで?おめェら一体どこへ行きてェんだい。ここから”海列車”で行くとすりゃあF-RONPの本社が出来た事で一気に世界に名を広めた”春の女王の町”セント・ポプラ。”美食の町”プッチ。”カーニバルの町”サン・ファルド。どこも楽しいよ。政府関係者ならもう一本、別口の特別便があるけろね!」

 

「えェ!!?じゃあ”美食の町”で!!!」

「違うでしょ!!行くなら、”セント・ポプラ”一択じゃない!!」

 こらこら、ナミまで何言ってんの?

 

「私たちには船があるから列車には乗らないの!!」

「えへへ…!そうでした!!記録に従うだけね!」

 

「へーどこ指してんの?」

「ここから北の方」

 

「そうか、そりゃおめェ『ウォーターセブン』だね!」

「!!イオリがさっき言ってた?」

 私はナミに頷いた。

 

「さっきの”海列車”はその島の”ブルー駅”から来たんらよ。『水の都』っつーくらいでいい場所だわ。何よりアンタ、造船業でのし上がった都市だ。その技術は世界一ら!!!造る船は世界政府御用達ときたもんだ。すげェらろ」

 

「へー…って事はすげェ船大工もいるな!!」

「んがががが!!いるなんてもんじゃないよ!!世界最高の船大工達の溜まり場だそこは!!!」

 

「ウソップ!」

「ああ!!」

 

「よーし決めた!!!そこ行って、必ず”船大工”を仲間にするぞ!!!」

 

 

 

 

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