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「ほいじゃあコレな!!簡単な島の地図と”紹介状”。しっかり船を直して貰いな!ウォーターセブンは広いからね。迷わねェこった」
「……」
「あたし達も、ちかいうちウォータセブンへ帰るのよ」
「あァそうさ!もしまた会ったら行きつけの店で一杯おごるさ、んががが」
「そうか!んじゃまた会えるといいな!!」
「ウォーターセブンで
「じゃ行くわ!色々教えてくれてありがとうココロさんチムニー!!」
「野郎共!!出航準備!!」
「おォ!!!」
「気をつけてね!!」
「ニャー」
「政府の人間に注意すんらぞ!!」
シフト駅を後にして、私たちは新たな仲間を探すべく、”水の都”ウォーターセブンを目指す。
「やっほーう!!!行くぞ肉の都~~!!」
「水だ! お前、何聞いてたんだよ」
「ルフィ!!船大工探しはおれに任せろ!!ものすごい美女を!!!」
「バカか!!大工だぞ!?山みてェな大男に決まってんだろ、5mだ」
「おいルフィ、あんまりデケェとこの船で生活できるかどうか」
サンジが美女を探すと言っている。でもねェ…船大工に女性って少ないのよね。
大男の場合、船に乗るときに小さくすりゃいいんだけど、私がいないとダメだしね?
「腕がありゃ誰でもいいだろ。その前に海賊船に乗ろうって物好きがいるかどうかが問題だ」
「同感ね。」
私は、ゾロの意見に同意した。フランキーが居なかったら、誰を勧誘したんでしょう?
「楽しみだな。また仲間が増えるのか」
「先に駅についてラッキーだったわね。地図書いて貰えたから。地図の場所に行って、アイスバーグと言う人をたずねれば…」
といってナミがココロさんから渡された地図を見た。
「成程…って、こんなのでわかるかァ!!」
地図を床にむかって投げつけた。
拾って見てみると、子供の落書きのような地図(?)だった。酔ってたからかな?ちがうかしら?
しかし、これはひどいわね…。島の形がスライムみたいだし、『ここ』って矢印も目印も何もないからわからないわね。
確かに実物を見ながら見れば、何が言いたいのかはわかるけど、目的地に行きつく事は無理だわね。
「はい、これ!」
「何よこれ…」
「ココロさんが頭に描いてた地図よ。念のため覗いて書いておいたの。」
「凄いじゃない!!」
ナミが私の書いた地図とココロさんの地図を見比べる。
「…イオリの書いた地図をものすっごく簡略化したのがココロさんの地図ってわけね。」
そーですね。
「そうだわイオリ。滞在が1週間でしょ?換金したお金は船の修理にとっておかなきゃならないから、お小遣い、ほしいんだけど?」
「そうね。とりあえずベラミーたちから奪った現金から出しておきましょうか。もちろんみんなにも!!」
「だから、こういう奴をみんなで探すんだ!!」
「もしいたらおれは逃げる」
「ああおれもだ。船があれば海へ逃げる…だがタコの血を引いてそうだから海でも追ってきそうだ」
「何の話してんだお前ら」
「じゃあみんな来て!滞在期間一週間分のお小遣い渡すから!」
「うおおお景気がいいなァ!!!」
「……」
「どうした?ウソップ」
マストに抱きついているウソップを見てルフィが聞いた。
「 ー このブリキの継ぎ接ぎもよ…戦いと冒険の思い出じゃねェか…これからきれいに直っちまうのかと思うと感慨深くもあるわけだおれァ…」
「……」
ウソップの言葉に私は微妙な顔をした。ウソップは私と一緒にメリーの化身を見ているはずなのに…
そんな私を、怪訝な顔でナミが見ていた。視線に気づいた私はあいまいな笑みを浮かべて肩を竦めた。
「それもわかるが…特に”偉大なる航路”に入ってからのメリー号への負担は相当なもんだ。甲板のきしみもひどい。このまま放っときゃ船もおれ達も危険だぜ」
「ああ!!でも今はいっぱい金もあるしよ!!」
「完璧に元気にしてやれるよ!!パワーアップもできるぞ!!」
「よし、大砲増やそうぜ!!」
「じゃ銅像ものせよう」
「……おい、アレじゃねェのか」
「!!」
「島だ~~っ!!!」
「島が見えたぞ~~~っ!!!」
「よしみんな!!!漕げ!!!」
「ムダな力を遣わすな」
「………」「うお!!」「へぇ~」「素敵」
「………」「んがっ!!」「すごい」「オォ」
「うおお~っ!!! なんだコリャ~~~~~~~!!!」
「はーっ!!でっっっけ~~~~噴水だ!!!」
「うは~~!!こりゃすげーまさに産業都市!!」
「”海列車”も走るわけだ」
「正面にあるのが駅ね。ブルー駅って書いてある。港はどこかしら……」
「町の方だろ」
「ココロさんの地図の感じだと、左手のほうだろうね。」
「おーい!!君達!!」
釣りをしているおっさんが声をかけてきた。
「ん?」
「海賊が堂々と正面にいちゃマズイぞ。向こうの裏町に回りなさい!!」
言いながら左手のほうを指差す。
「……はーい!!ありがとう!!」
「一応地図は合ってたのね…」
ナミが私の書いた地図を見ながら呟いた。ココロさんの書いた地図?は捨てちゃったみたい。
私たちはおっさんの指示もあって、地図通りに進行方向左手へと進む。
「わーっ!!すごいっ!!水上都市!?」
「すげー!!いいなここ。きれいな町だ」
「町が…!!水浸し!!!家が海に沈んでるぞ!?」
「違うわ。元々沈んだ地盤に造られた町なのよ」
「?」
「家の下の礎を見て」
「本当だ柱だ!!」
「成程…それで”水の都”」
「うほー!!おい、早く船着けろ!!」
「コラコラおめェら!!ここはダメだ海賊船は。何しに来た?略奪か?」
「いいや、船を修理したいんだ」
「略奪かって聞くかフツー……」
「それならこの先に岬がある。とりあえずそこに停めるといい」
「……ああ、ありがとう」
「みんな親切な感じね。私たち一応海賊なのに…なんか凄く慣れてる感じがする。」
独り言を呟いたらゾロが聞いてた。
「おれ達だけじゃねェんだろ。船を修理しに来る海賊はよ!」
「…でしょうねぇ…」
しばらく進むと岬が見えた。
「ここがいい…」
「よし!帆をたため~」
ゾロが帆をたたもうとした時、マストが『ボキ!!』っと音をたてて折れた。
「わー!!!何やってんたてめー~~~!!!」
「違……!!おれはただロープを引いただけで! おどろいた……ここまでガタが着てたのかG・M号…」
いやいや、違うでしょう?このマストは空島で焼けて、メリーが自身で直した物だ。ガタがきてるってわけじゃない。
それよりも、問題なのは竜骨だと思う。私なりに負担を軽減してきたつもりだけど、空島でメリー自身が修理した際、竜骨にも補強が施されていた。
はてさて…プロはこれを見て、どう判断するんだろう?
航海を続ける事はいろんな意味で無理だと言われるとは思う。
修理が可能ならいいんだけど…
「 ー ところで島の人達、何で海賊を恐れないの?」
「さっきイオリとも話したんだ。海賊も”客”として来るんだろ?造船所によ!」
ナミの問いかけにゾロが応える。
「海賊に暴れられても構わないくらいの強い用心棒がいるとか…」
「いるだろうなそれくらい…これだけの都市だ」
「ほんとかよ!!えーっ!?おいどうする!!?やべェじゃねェか」
「やばくねェだろ。おれ達は客なんだ」
「そ…そうか?」
「「よし!!ほんじゃ行ってきます!!」」
「待ってルフィ!!ウソップ!!あんた達私についてきてよっ!!!」
「どこに」
「 ー まずはココロさんの紹介状を持って ”アイスバーグ”という人を探すの。その人を頼って船の修理の手配と…あとどこか黄金を換金してくれる所を探さなきゃ」
「なんでナミが行くんだ!?いつも通り、イオリが行くんじゃねぇのか?」
遊びに行くのを止められたからだろうか?ルフィが口を尖らせながら言う。
「私も空島から黄金持ってきたのよ。ほら、ルフィの手につけられた球があったでしょう?かなりの黄金の量だから、ナミと話して別々の所で換金しようって事になったのよ。私は一人で大丈夫だから、ナミと一緒に行ってやってよ。」
「イオリと一緒じゃないから荷物を小さく出来ないし、私一人じゃあんなに持てないからお願いね。」
「……そうか」
「よし!!じゃあまァとにかく!!行こう”水の都”!!!」
「それじゃ、私も行ってくるわね!」
「そういえば、もらった柱…」
「ストップ!!あれは誰にも言ってないの。だから内緒にしておいて!数万トンの量だから、換金するにしてももっと大きな都市に行かないと…。今回だって、全部換金するのは無理だと思うし、それでもきっと何箇所か回らないと換金できない量なのよ。だから帰りはたぶん夜になっちゃうんじゃないかしら?」
「そう。わかったわ!あなたは心配ないと思うけど、気をつけてね?」
「ロビンの方こそ気を付けてね?ここの造船所は政府御用達。政府関係者も居るかもしれないから。」
「ええ、気を付けるわ。」
「じゃあ、チョッパー!ロビンをよろしくね?」
「おう!まかせろ!!!」
~ ~ ~ ~ ~
「これは…なんとも…、凄い量ですなァ……」
この島には換金所が大小あわせて10数件あり、そのうちの大きなところの1つにナミ達が行ったらしい。
大量の金の取引がしたいと言って、ナミ達が行った店以外の換金所の店主達に声をかけ、一番大きな店に集まってもらった。
一本12.5Kgの延べ棒が8000本…100トン分を持ってきた。
調べた限りでは価格が下がったとしてもこれだけで3000億くらいにはなりそうだ。けど、まだまだ大量にあるのよねェ…
「抜き取りで構わないから、品質を調べてみてくれない?かなり良質の金だと思うから!」
待つこと数時間…。かなり高品質の金である事を納得してもらい、価格交渉が始まった。交渉で一番時間がかかったのは、どこの店がどれだけ買い取るか?という事だった。
結果として今日、全部の店で買い取れる金の量は20トンが限界。
数日待ってくれれば現金を用意できるから売ってくれという店主もいて、最終的には100トン全部が売れることになった。
金額は1トンあたり30億。今日は金20トンを売って、600億を受け取った。
確か、ナミのほうが3億のはずだから、200倍…最終的には3000億だから1000倍ってとこか…。それでもまだ球の5%でしかない。
すごいわね…っていか、柱を売ったとしたら、いったいいくらになるかしら?
「随分と遅くなっちゃったわねェ…」
交渉の途中、少し席を外してユナとして、ガレーラカンパニーに電伝虫をかけて、明日、アイスバーグさんと商談の約束をした。
電伝虫に出たのはカリファだったと思うけど、なんだかすっごく感激してた気がする…。
さて、帰るとしますか。原作通りなら大変な事になってるはずだけど…
私が船に付いた頃には8時をまわっていた。
「ただいま!…あれ?……なんか雰囲気暗くない?」
予想通り、大変な事になっているようだ。この船に、ウソップとロビンの気配がない。
「イオリ!!大変なの!!」
「どうかしたの?」
ナミが駆け寄ってきて事情を説明してくれた。ルフィとウソップがケンカしたとの事。原因を聞いて、私はため息を吐いた。
「まったく…なんだってそんな展開になるかなぁ…」
「……」
「まあ、メリーでこの先”偉大なる航路”を航海するのは無理だと思ってたけどね?なにせ『竜骨』にヒビが入ってたんだもの。メリーは直せるとしても、新しい船は探す必要があると思ってたのよ!!」
「やっぱり…イオリは知ってたのね?」
「一応ね…一流の船大工なら何か手があるかも知れないって、期待してたんだけどなァ…」
「……」
「ってことは、荷物を運び出しておいたほうがいいわね!ルフィの事だから勝っても負けてもこの船をウソップに渡す事になるんだろうし…」
「「!!?」」
「だってそうでしょう?私たちはこの先この船で航海はしないんだから!!小さくする物があったら言って!!まあ決闘の後でもいいけどね…。とりあえず宿を2部屋押さえてくるわ。」
「イオリちゃん、それだけじゃないんだ!!」
サンジがうなだれるチョッパーと一緒にナミの隣に並ぶ。
「ロビンが居なくなった!?」
「イオリ!ゴメン…おれ…」
チョッパーが泣きそうになりながら謝る。私が頼むとか言ったからよね。言えないけど、こっちこそゴメン…。
「ちょっと集中させてもらっていいかしら?」
私は気配を探るべく、意識を集中した。みんなが固唾を呑んで見守っている…
「いたわ!!ロビンの気配……」
「よかった!まだこの島には居るのね!!」
「!!?」
「どうした、イオリちゃん!!」
「ロビンの気配が…消えた!!…いいえ、移動したみたい!でも、これは…どういう事!?」
「「??」」
私は換金所で貰った地図を広げた。そしてそこに印をつける。
「私たちが今居る場所がここ。さっきこの辺り(と言って裏町のほうを指差す)にロビンの気配を感じたんだけど、気配が突然消えて、こっち(中心街を指差す)に気配が現れた…。この距離を一瞬で…っていうのは、普通の移動方法じゃ考えられないわね。」
「…つまり、どういう事?」
「何かしらの能力者と一緒にいるって事…だと思う…。」
「もう少し正確な位置はわからない?」
「今いるのはこの辺りだと思うわよ」
「…ガレーラ・カンパニー!?」
「それって例の造船所?」
「そうよ。メリーはもう直せないって言われたところ…」
「なんだか、大きな気配が4つほどあるんだけど?」
「ええ、ここの船大工達は強いみたいよ?海賊達だってやられちゃうんだから…」
「……」
そんなレベルじゃないのよねェ…。確か今この島にいるCPで能力者はルッチとブルーノのはず…
獣化して無い状態でこれだけの気配って事は…。獣化したらたぶん、
でも、おかしいわね?ルッチは修練場に顔を出していないはずなのに…
あ~そうか!!ゾフィーと訓練してれば、多少は力が上向くわけだ。って事は、ルッチをライバル視してるジャブラも強くなってるかも?
どーしましょ?ゾフィーは私が相手せんとあかん?
…まぁ、それはあとで考えよう。
「でも、どうしてロビンがそんなところに!?」
「さぁ?」
原作知識で知ってはいるけど、さすがにそれは言えないわよね…
「とりあえず、宿を取ってくるわ!」
私は一旦宿屋へと向かった。